そこでは六神将のメンバーが大きな炬燵に入りテレビを見てみかんを食べながら暖を取っていた
「はぁ~~、やっぱり正月は炬燵でミカン食いながら寝るに限るわ」
「勇刀君、何故僕らはこんなことをしているんですか?」
「確かに、本編だと割りとシリアスって言うか緊迫してる所だよね?」
「そんな話の前にこんなダラダラしてて良いのかよ?」
「まぁこういう事があってもたまには良いだろう」
「あぁ~~~~!!し〇えが強い!!つりざおのリーチ長すぎ!!」
するとそこへ可奈美達が入ってきた
「おにいちゃーん!アイス買ってきたから一緒に食べよう!」
「おっ!気がきくな可奈美」
「尊兄さん、お茶を淹れてきました。それからお茶菓子の代わりにクッキーも」
「ありがとうございます。舞衣のクッキーは美味しいから大好物だよ」
「ヘーイ!アヤトお姉ちゃんと一緒に遊びましょう!」
「いいよ、何しよっか?」
「お~さぶさぶ!勇仁外から帰った姉を炬燵に入れてくれ」
「ん?こっち来い、ほら姉貴の半纏」
「海翔…スプラトゥー〇やろう…」
「うん!!一緒にやろう!」
「ってそうじゃなーーーーい!!!!」
「どっどうしたの!?お兄ちゃん!?」
「どうしたも、こうしたも俺達がここにいるのは家族でだらだら過ごすためじゃない!」
「じゃぁ何のために僕らはここにいるんですか?」
「それは……」
「「「「「「それは????」」」」」」
「この刀使ノ兄弟を読んでくれている読者のみんなに新年の挨拶をするためだよ!つーわけで!行くぞ!3・2・1!」
「「「「「「「新年明けましておめでとうございます!本年も刀使ノ兄弟を宜しくお願い致します」」」」」」
「あぁ~~~疲れたっと」
勇刀は鎌倉の管理局本部に帰って来るなり
六刃将の待機室に置いてある豪奢なソファに寝そべっていた
「怪しまれてる様子は無かったけど、問題はこの後だよなぁ~~」
「何が問題なんだい?衛藤勇刀」
「真希か、逃げたアイツ等がいつここに襲撃を仕掛けてくるか考えてたんだ」
いつの間にかソファの背凭れの後ろに真希が現れた
「そんな事か、僕等親衛隊と君達六刃将が居ればそんな事は問題にすらならないよ」
「いやぁ~それがさっき報告に行ったら、俺達は別の場所で待機って言われてさ、それで悩んでたんだよ」
「なんだって!?それは本当かい!?」
「あぁ、何度も考え直す様に言ったんだが、頑として首を縦に振らないんだな、ご当主様は」
「僕からも紫様に話をしてくる!」
「止めとけ、俺が言って駄目だったんだ、真希が行った所で変わるわけないだろ」
「しかしっ!」
「しかしももやしも無ぇよ、この決断にも何かご当主様なりの意図や意味があるんだろ、俺達はそれに従うだけだ」
「………」
「それにここには親衛隊が居て更に鎌府の刀使達も大勢いるんだ、これでどうにも出来なかったらしょうがねぇよ」
「こんな所で二人きりでお話しとは、どうなさいましたの?」
「寿々花か御当主様の采配を少しな、寿々花はどう見る?」
「そうですわね、丁度柳瀬さんとも同じ話をしましたけれど、私は鎌府の担当区域を六刃将の皆さんでカバー・フォローしつつ、そこで浮いた人員を折神家の護りに回す御つもりでしょう、恐らく紫様は数で圧倒するおつもりですわね」
「まぁそれが妥当だよな、相手はたったの6人だ、少数には数で押すのが一番手っ取り早いが荒魂への対処も手放しには出来ない、そこで一人で刀使何十人分の戦闘力がある俺達の出番ってわけだ」
勇刀はソファから起き上がりながら自分達の役割を冷静に考える
「人使いが荒いよまったく」と愚痴を零しながら立ち上がる
その表情は少し疲れの色が見えた
「何処へ行かれますの?」
「ん~?シャワーでも浴びてスッキリしようと思ってさ……一緒に浴びるか?」
「なっ!?」
「へっ!?/////」
勇刀の提案に赤面して硬直する親衛隊一席と二席を見て勇刀は小さく笑う
「冗談だよ!しかし真希と寿々花はもうちょっと男に対して耐性つけと居た方が良いぞ、二人とも美人だから刀使を引退したらモテるぞぉ~~」
「かっからかわないでくれ!」
「そっそそそそうですわ!!こんな非常時に何を考えていらっしゃいますの!?…まぁこんな時でなければ吝かでも無いのですけど……」
「……寿々花?」
「なっななななんでもありませんわ!!!」
寿々花のお嬢様らしからぬ爆弾発言に小々面喰った勇刀と真希だがそれで冷静になる事も出来た為、今のは聞かなかった事にした
「んじゃシャワー浴びてくるわ」
「あぁ…」
「行ってらっしゃいまし…」
二人は勇刀が出て行った扉をじっと見つめていた、その顔は少し頬を赤く染めていた
「失礼します……どうかされたのですか?お二人とも」
「ほんとだー!二人とも顔赤いよ~~?」
「「なっなんでもない!/何でもありませんわ!」」
入れ替わりで入って来た夜見と結芽に見られまた少し取り乱してしまった。
「「????」」
((衛藤勇刀が/勇刀さんが、僕/私を美人だって……))
また二人、勇刀に落ちそうな人間が増えたのであった
「はっ!?今度はお兄ちゃんに美人だって言われた人が居る!!」
「またか…」
「本当にカナミンの第六感は異常デスネ」
「舞衣…可奈美がどんどん人間離れしてく…」
「それはどうにもできないかなぁ」
「そのうち勇刀に関する事だけ人間辞めちまうんじゃねぇのか?」
「皆作戦の概要を説明するから集まって……可奈美ちゃんどうしたの?」
皆を呼びに来た恩田累は可奈美を見て首をかしげていた
「大丈夫です!可奈美ちゃんは私達が連れて行きますから!」
「そう?ならお願いね」
恩田は少し困惑して出て行った
「お兄ちゃんに美人って言われたの誰だろう?親衛隊の人達かなぁ、それとも鎌府の人?」
等と考えている自分達の主戦力を見て溜息をついた
その溜息が可奈美に届く事は無かった
そしてブツブツと独り言に花を咲かせている可奈美を引きずって作戦の概要を聞く為に
朱音の下へ向かった
そしてその時は来た
「これは攻撃ではありません!我々人類が生き残るのに必要な希望なのです!ですから皆さん!どうか恐れず見届けて下さい!!」
朱音の乗っていた潜水艦から六発のミサイルが発射された
それは真っ直ぐに折神家へ向かって飛んで行く
「始まった!多分あれに可奈美達が乗ってるんだ!」
「そんな事解るんですか!?」
「何んとなくだけどきっとそうだよ!」
「それでは私達が執るべき行動を手短に説明します。」
「ミルヤさんの指示なら私じゃんじゃん働いちゃいますよーーー!!」
「荒魂ちゃんの相手してる方がよっぽどいいんだけど、此処まできといてそれは無いか、しゃぁねぇ付き合ってやるか!」
「迅速に行動しましょう!ここから先は一瞬たりとも油断出来ないわ!」
「ではより効率的かつ広範囲で作戦を遂行するために隊を2つに分けます!各自分隊長の指示に従い行動するように!」
ここに一つ予期せぬ侵入者が出現した
「鎌府の子達とは違うのが混じってるな、一人は確か……相模湾の防衛線で一緒に戦ったフードの刀使か」
勇刀は覚えのある気配を感じ、ベランダから外を眺めていると夜見が声をかけてきた
「衛藤さん、紫様から都心への出撃命令が出ていた筈では」
「あぁ、他の連中はもう指定場所に向かわせた、俺も後少ししたら出発する、夜見こそご当主様の傍に居なくても良いのか?」
「紫さまは現在本家最奥部の祭壇にいらっしゃいます、反乱分子がそこに辿り着く事はありえませんので」
「そうか、なら安心だ…んじゃ俺も行くかしっかりな夜見」
「はい…衛藤さんもご武運を、お元気で」
「おう!……お元気で?それってどういう……まぁ良いか」
夜見は不可解な挨拶を残し迎撃に向かった、勇刀は彼女の背中を見つめることしか出来なかった
彼もまた自らの行動を開始した
その頃、折神家の東部
そこでは赤羽刀調査隊の面々が合流していた
「なんだか、守衛の人達が少なくないですか?」
「恐らく、撹乱作戦の効果が出てきているのでしょう、ここまで出来れば我々の役目もココまでですね」
「なら、早くここから離れましょう!」
「そうだね!早くここから脱出しよう!」
「いや、そうは問屋が卸してくれねぇみたいだぜ」
「そうみたいですね、皆さん覚悟した方が良さそうです」
「それってどういう……まさかあの人はっ」
「どうして、六刃将の一人がこんな所に!?」
「あぁ、しかも隊長格と来た、出来れば敵としてはぜってー会いたくなかったぜ!」
6人の前に現れたのは刀剣類管理局独立部隊【六刃将】一席そして隊長のユウの姿だった
その姿を眼にして全員が即座に抜刀し、そして表情が強張った
まさかこんな中心部と離れた場所で最強クラスの相手を遭遇するなど思っても居なかったからだ
「この人が此処にいるって事はもしかして」
「えぇ、恐らく折神紫への増援である事は確実ですね」
「それじゃぁ、この人を食い止めないと……」
「確実にこの襲撃は失敗となるでしょう」
「だな、折神紫一人相手取るだけでも精一杯な所に、コイツが参戦したらソッコーで終わりだな」
ミルヤと呼吹の冷静な分析を聞き冷静では居られなくなった者が居た
「なら、ここでこの人を食い止めなきゃ!絶対に可奈美達の所へは行かせない!!やぁっ!!」
「っ!?ほのちゃん!!」
「っ!?」
切っ先の欠けた御刀を持った刀使がユウに斬りかかると即座に抜刀し斬撃を防ぐ
(ん~、なんか知らないけど、声かけるタイミング逃しちゃったな、まぁ美炎の成長を試すのにはうってつけだな)
勇刀はこう考えて暫くの間剣を打ち合った
その光景を見ていた調査隊の隊長である木寅ミルヤは疑問を抱く
「妙ですね、彼の実力が噂通りなら彼女一人倒すのは容易なはず」
「みほっちの奴完璧に遊ばれてるな、アイツの強さはこんなもんじゃないぜ」
「呼吹さんは彼の事を知っているの?」
「アタシも言うほど知ってるわけじゃねぇけど、一緒に戦った事がある分お前等よりはアイツの事は解る」
「相模湾防衛線の時ですか?」
「海から出てくる無数の荒魂に押しこまれてた防衛線をたった六人で押し戻しやがったんだ、今でも眼を閉じれば浮かんできやがる、空から降って来たアイツが大型の荒魂ちゃんを切り裂いた時の事が」
「そんな事が……」
「多分…いや、あの時あの場所で戦ってたアタシ達鎌府の刀使と六刃将を含めても、アイツが一番強い」
呼吹の普段からは想像もできないほどに真面目な語り口で語られた言葉には説得力と確信が込められていた
「動きのキレや滑らかさそんで御刀のキレはあの時ほどじゃない、確実に手を抜かれてる、何かを確かめてるみてぇな感じだ」
「なら、相手が油断してる今が好機ですね!油断してる内に全員で一気に掛かれば勝ち目はあります!」
「そうね!美炎ちゃんのタイミングに合わせて一斉に行きましょう!」
「解りました。全員集中しろ!」
(ふむ、作戦会議は終わったか…いつでも来い)
全員がユウと美炎の打ち合いに集中する
(ここで、ワザと隙を作ると)
「今だ!!」
ユウの隙(罠)にまんまと嵌り一斉に切りかかる調査隊、しかしそれに全く動じることも無く、全てを弾き、避け、払い全員の手から御刀を弾き飛ばしそれを見事空中で掴む
「そんなっ、私たちの一斉攻撃が」
「あんな簡単に」
「防がれるなんて…」
「チッ相変わらず馬鹿みてぇな強さしやがって」
「御刀も取られちゃいましたっ」
「このままじゃ…」
調査隊のメンバーはユウの底知れない強さを前に絶望していた
御刀は目の前の敵の手中にあり、今自分達は丸腰状態でありこのままでは写シすら張ることも出来ないただの女子学生に成ってしまった。
「美炎は少し成長したかな、まだまだだけどこのままちゃんと稽古を積んで場数を踏めば確実に強くなる、フードの方はまだ集団戦に慣れてないな、タイミングが半歩遅れだったぞ」
「えっ?その声……もしかして」
そんな時、唐突にユウが軽い口調で喋り始めた、その聞き覚えのある声に安桜美炎が反応した
「なんだよ、気付いてなかったのか?あれだけ稽古で打ち合って、今も散々付き合ってやったのに、俺だよ俺、衛藤可奈美の兄、衛藤勇刀だよ」
フードを取った勇刀の顔を見た美炎は数秒固まったあと
「えぇええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?勇刀さん!?!?」
静かだった折神家に美炎の叫び声が木霊した
前書きに駄文にて新年のご挨拶をさせていただきました。
昨年は中途半端な時季に始まったこの小説ですが、ありがたい事にお気に入りにして下さる方も増え、そして毎回感想を書いて下さる方も増え皆さんのおかげでここまで来る事が出来ました。
一応アニメと同様12話で波乱編は終了となります。
これからも宜しくお願い致します。
腰痛持ち