長らくお待たせいたしました!!!!!!!!
最後やっぱり締めが思いつかなくて打ち切り作品みたいな感がありますが!
ちゃんと!
続きます!!
ので!!!
ご安心を!!!!
折神家最奥部
そこは今まで折神家によって一括管理されていたノロの貯蔵庫だった
しかし今まで集められていた膨大な量のノロは1滴も残っておらずもぬけの殻となっていた
そんな場所で可奈美と姫和は折神紫と戦っていた
「此処にあったノロはもう全て吸収された後か……」
「そうみたいだね、でもここまで来たらもう関係ないよ姫和ちゃん」
「あぁ、ここまで来たら最早奴を斬るのみだ!!」
二人は同時に踏み出しタギツヒメに支配された折神紫に斬りかかる
「はぁああ!!!!」
「せやぁっ!!」
「ふん」
打ち合い、ぶつかり合う鋼の音が響いていた
「いくらか力をつけた様だな、だがそれでも吹き荒れる嵐の前には無力、非力な鳥たちよ」
「その非力な鳥にこれから斬られる覚悟は出来ているか?」
「貴女は私達が必ず止める!!」
「やって見せろ!!」
世界の命運をかけた戦いの音だけが静寂に包まれた洞窟に木霊していた
そして場所は変わり調査隊と勇刀達は
「ゆゆゆ勇刀さん!?何でこんな所に!?というかそもそも何で御刀を持って六刃将なんて」
「取り敢えず落ちつけ美炎!悪いけど今お前の質問に一つ一つ答えてやれる時間は無いんだ、まずお前等はこのまま都内に向かい待機だ」
「勇刀さんどれってどういう…これから何が起きるんですか?」
「俺も確信も確証も無いからなんとも言えないがヤバイ事になるかもしれん、それまでこの金でお茶でも飲んでろ、それから何も起きなかったらどっかホテルなり宿に泊まれ、女の子がネットカフェやらマンガ喫茶で寝泊まりするのはよろしくないからな!多分それだけあれば鎌倉から特急で楽に移動できるだろう」
美炎は六刃将隊長の正体に困惑していたが勇刀は矢継ぎ早に指示を出す
「少しお待ちを、貴方は安桜美炎とどういう関係なのですか?」
「えぇっと勇刀さんは可奈美のお兄さんで私達が1年生だった頃に1週間だけ美濃関で指導を受けていた事があるんです。」
「美炎とはその時連絡先を交換して、稽古のアドバイスとか送られてきた素振りの動画をチェックしたりとか色々連絡をとったりしてたんだ」
「美炎ちゃんにそんな相手が居たなんて、しかも男の子、お姉さんなんだか複雑だわ」
「それで貴方はこの後何が起こると予想しているのですか?」
「あぁ、可奈美達が上手くやれば何も起こらないだろうが、絶対そうは行かないだろうと思ってる…それが成功してしまえば姫和は……」
「勇刀さん?」
「だから起こり得るであろう事は、可奈美達に討伐されそうになったタギツヒメは必ず折神紫の身体から逃げ出すだろう、その際追撃を防ぐために今まで溜めこんだノロを放出していくはずだ」
「もしそんな事になったら…」
「えぇ、狭く見積もっても関東圏にノロが飛散し、荒魂が大量発生するでしょう」
「そんな広範囲にノロがばら撒かれたら今配備されてる鎌府の刀使だけじゃ対応しきれませんよ」
「そうだ、だから美炎達にも協力してもらいたいんだ、人手は多いに越した事はないからな」
「よぉし!!そういう事ならさっさと都内に戻ろうぜ!!荒魂ちゃん達がアタシを待ってる!!」
「呼吹さん…」
「ふっきーって本当にブレないよね」
多くの荒魂と戦えると聞いた呼吹は眼の色を変えて急に活発になった
その様子を見た調査隊の面々と勇刀はやれやれといった
様子で呼吹を見ていた
「防衛線の時から変わらないな、このフードは、この部隊の隊長は?」
「私です。綾小路武芸学舎高等部、木寅ミルヤです」
「君が隊長か、なら俺が言った事考えといてくれ、行くか行かないかは君に一任するから」
「?命令では無いのですか?」
「あぁ、これに関しちゃ強制する気は無いから皆で話し合って決めな、俺は先に行くから」
「えっ!?可奈美達の所には行かないんですか!?」
美炎は立ち去ろうとする勇刀に驚き、声を懸けるが勇刀は歩みを止める事も無く
「アイツ等には俺の覚悟と剣を託したから大丈夫だ、俺が保障する」
そう言い残し勇刀はその場を後にした
その後ろ姿を見て調査隊一行は顔を見合わせ折神家から都内へと向かった
その表情には確かな決意が見てとれた
「でもやっぱり心配は心配なんだよなぁ~~」
しかしこの男、美炎達の前で決めておきながら可奈美達の所へこっそりと様子を窺いに来ていた
勇刀は洞窟の岩影から6人の様子を見ていた
「っ……やっぱり心配する必要なんて無かったな」
彼が見つめる先では強大な敵を前にしても臆することなく確かな信念と覚悟を持って己が刃を振るう可奈美達の姿があった
「お前等なら絶対に大丈夫だ…」
それを見た勇刀は来た道を引き返し、今度こそ仲間達の下へと向かった
都内某所
「よぉ、待たせたな」
勇刀が到着した場所は高層ビルの屋上で繁華街や遠くの町が見渡せる場所だった
「ずいぶん遅かったですね、何かありましたか?」
「ん?まぁちょっと可奈美達の方を覗いて来た」
「姫和は…どんなようすだった?」
「心配すんな、今の姫和は一人じゃない、可奈美達や俺達もいるんだ一人で死に急ぐような真似なんか絶対しない」
「そうか、なら良いんだ」
「ねぇねぇ!!流れ星だよ!!」
海翔が空を指差してその先を飛んで行く3本の光の筋を見ていると
全員のスペクトラムファインダーが異常な反応を示していた
「なんじゃありゃ!?馬鹿みてぇなデカさだな」
「あれが全部ノロ!?どれだけ溜めこんでたのさ!?」
「いやぁ~~流石にこれは予想外だったわぁ」
6人は空を流れる流星群の様な大量のノロに圧倒されていた
「しかし、これは舞衣達が成功したと言う事ですね」
「そうだね、なら今度は僕達の番だよね」
「おうよ!姉貴にばっかり良い格好させてられるか!!」
「よーしっ!頑張るぞー!!」
その時勇刀のスペクトラムファインダーに着信があった
「もしもし……そうですか、了解です。はい謹んで拝命致します。それでは」
勇刀は通信を切り、一つ息を吐いた
一度閉じて再び開いた瞳は力強さが宿っていた
「辞令ですか?」
「あぁ、折神紫の権限が俺に降りてきた、てわけでこんな事が出来る様になるんだな」
勇刀は再びファインダーを操作し通話を開始する
「あーもしもし、現在都内及び首都圏に展開中の刀使に達する」
「この声!勇刀さん!?」
「私のファインダーにも通信が来てます!」
「これは全ての刀使のファインダーに一斉通信をしているのですか」
「こちらは刀剣類管理局臨時局長、独立部隊六刃将隊長及び一席のユウだ」
「「「「「刀剣類管理局臨時局長!?!?!?!?!?」」」」」
「今俺がその地位に居る事の説明をするには時間が無い、今は空を流れる3つの流星だ」
この通信を聞いていた全ての刀使が空を流れる、光の筋を見上げる
それは本体から無数の光を撒き散らしながら夜空を進んで行く
まるでこの空は自分の物だと言わんばかりに
「俺達の頭上を飛んでいるのは願いの叶う流れ星ではない、20年前の相模湾大厄災の終結から折神家が厳重に封印し管理していたノロだ、それが今封を解かれ解き放たれた、これが何を意味するか刀使である皆にはすぐ理解できるはずだ」
「えぇ!?あれが全部ノロ!?」
「いくらなんでも多すぎませんか!?」
「おいおい!そしたらどんだけの量の荒魂ちゃんとやれるんだ!?」
「このままでは関東圏に荒魂が溢れかえり文字通り地獄と化すだろう、それを阻止する為に皆の力を貸して欲しい!、無論これは強制ではない、未だ実戦経験の浅い者や実戦を経験していない者に関しては避難誘導や後方支援へ回ってくれて構わない、それでは皆の奮起を期待する」
そう締めくくり通信を切る
それと同時にファインダーに多数の荒魂出現を知らせるアラートが鳴り響いた
「さぁ来たぞ!準備は良いか?」
「それを聞いて俺達の準備が整って居なかった事があったか?」
「俺達はいつでも行けるぜ!」
「後は勇刀さんだけだよ」
「はやく行こうよ!!」
「勇刀君」
全員の返答を受け勇刀は口角を上げ高らかに叫ぶ
「じゃぁ、六刃将出撃!!」
それを合図に全員がビルから飛び降りる
その日、東京は過去に例を見ない状況に陥った
「ご覧ください!!あの巨大な流星から放たれた光が地上に降り注ぎ荒魂が大量発生しています!これは現実に起きている光景なのでしょうか!?これを受け刀剣類管理局は非常事態警報を発令!自衛隊と特別祭祀機動隊が住民の避難及び荒魂の掃討作戦に当たっています!!あっ!今各伍箇伝から派遣されてきた刀使達が降下していきます!あれは美濃関学院の刀使達です!」
各社報道は東京上空にヘリを上げて状況を伝えていた
「パイロット!!こっちにデカイ荒魂が来てる!!避けて!!」
「駄目です!!間に合いません!!くっそぉおおおおおおおおおおお!!!」
この時ヘリに乗っていた全員がもう駄目だと諦めていたその時
「はぁっ!!……おい!すぐにこの空域から離れろ!次は護ってやれるかわからねぇぞ!」
彼等を救ったのは黒衣を纏い大刀を携えた男だった
「貴方は六刃将隊長のユウさん!!」
「他の同業他社にも伝えろ!もうすぐここに伍箇伝から増援で刀使達を乗せた輸送ヘリが飛来する!民間のヘリは直ちに現空域から避退しろと!」
「しかし我々には真実を伝える使命があります!!」
「そんな大層な覚悟があるなら、ここで死ぬべきじゃないってこと位解るだろう!命の賭け時を見誤るな!」
「っ!!」
「アンタ達が死ぬべきなのはこんな所じゃない!」
「パイロット、この空域から離れて下さい……」
「協力感謝する」
「最後に一つ、良いですか?」
「なんだ?」
「事態が落ち着いたら密着取材お願いしても良いですか?」
「気が向いたらな、じゃぁ道中気をつけてな」
「はい、貴方もご武運を……」
「おう!」
勇刀はヘリが進路を変えるのを確認してヘリから飛び降りて行った
「良かったんですか?引き下がって」
「良いも悪いも無いわよ、彼等は自分の命を賭けて私達を護ろうとしてくれているのに、それを無碍にして脚を引っ張る様な真似出来ないわよっ……はぁ」
「どうしたんですか?溜息なんかついて」
「いや、かっこよかったなぁって……」
「えっ!?彼の顔見えたんですか!?」
「うん…チラッとだけどでも確り見えた、凄く力強い眼をしてた…はぁ~~」
「どんなイケメンでした!?忘れちゃわない内にスケッチに描き起こして下さいよ!謎に包まれた刀剣類管理局独立部隊隊長の素顔なんて特ダネじゃないですか!!」
最後まで騒々しいままヘリは退避して行った
それを先頭に続々と民間のヘリが東京上空から退避して始めた
空を見上げて去って行くヘリを見送りながら荒魂を討滅していく
「漸く逃げてくれたか、てか今更だけどこの上着邪魔だな」
「それを脱ぐと姿を世間に晒す事になりますが?」
「人の命がかかってんのにそんなこと気にしてられるかっての!」
「「「「「そう言う事なら!俺/僕達も!!!!」」」」」
一斉に黒衣を脱ぎ捨てた
「うわっ動きやすい!!」
「すげぇ身軽だぜ!」
「感想は後!今はこの状況をひっくり返しますよ!散れ、千本桜」
「は?」
「りょーかい!霜天に坐せ!
「はっ?」
「行くよ!射殺せ!
「ちょっ!?」
「万象一切灰燼と成せ!
「なんだって!?お前等何時の間に!!」
「「「「いやさっきちょっと」」」」
「さっき!?ちょっと!?どういうことだってばよ!!」
その日荒魂以外に季節外れの桜と氷の龍が舞い、そして剣が伸び縮みしていた
六刃将の伝説が増えた瞬間だった
「別に羨ましくなんて無いんだからなぁあああああああ!!!!」
チクショォオオオオという叫び声と共に荒魂を狩り尽くしていた
((((あぁ、羨ましいんだ))))
「おぉ~~~、勇刀お兄ちゃんすご~~い!!」
突如自分以外の全員が御刀の刀剣解放を習得した事実にショックを受けていたがそれを燃料にしていた
そして勇刀が要請していた増援が続々と到着し劣勢だった状況は覆り優勢になって行った
そして市民の避難が完全に完了した時
戦闘中だった勇刀達の下に数個の刀使の部隊が合流した
「六刃将の皆さん!伍箇伝の真庭学長、五條学長、羽島学長が指揮所でお待ちです」
「ここは私達が引き継ぎますので皆さんは学長達の所へ」
「増援が来て勢いに乗りたいって時に!」
「大丈夫です!私達が皆さんの分も頑張りますから!行って下さい!」
「勇刀君ここは一旦下がりましょう!僕等の体力も無尽蔵というわけじゃありませんから、休息も必要です」
「確かに戦闘が始まってからずっと戦い通しだから流石に疲れたかも」
「解った、だけど危険だと思ったら直ぐに応援を呼べ!必ず助けに行くからな!」
「はい!その時はお願いしますね!」
「……指揮所まで退くぞ」
指揮所
そこでは大きなテントが張られそれぞれ指揮所や救護隊の詰め所等区分けされ、皆忙しなく動きまわっていた
そして一番大きいテントの中に入ると
「久しぶりね勇刀君、今は衛藤臨時局長と呼んだ方が良いかしら?」
「止めて下さいよ羽島学長、そんな大層な人間じゃありませんから、こっちは可奈美がご迷惑をお掛けした件もあるんですから」
「でも実質ウチらの上司でもあるわけやからねぇ、上下関係の事はしっかりしとかんとね」
「五條学長……」
「久しぶりやね和人君、元気にしとった?」
「この度は申し訳ありません。俺が姫和を止められていればこんな事には…」
「和人君が気にする事は何もありません。もし十条さんが行動を起こさなくても舞草が遅かれ早かれ動いとったんやし」
「そうだな、そして戦闘開始からここまでご苦労だった、これからは部隊を交互に入れ返させ休息を取らせる、お前達は現在我々が保持し得る最高戦力だ、それを失うわけにはいかないんだ」
「そうや!皆がどうして御刀に選ばれたのか詳しい話を聞かせてもらってもええやろうか?」
「そうですね、その話は我々としても是非把握しておきたいですからね、てな訳で報告とまでは行かないが、お前達に何があったのか話してくれるか?」
「えぇ、解りました」
こうして勇刀達は今までの事を学長達に語った、御前試合から始まった日々の事を
そして全てを話し終えた所で6人は休息用にあてがわれたテントで休息をとった
指揮所テント
「はぁそれにしても勇刀君たちが御刀に選ばれるなんて、ビックリだわ」
「そやなぁ、しかもその御刀が他の御刀とはまったく別物なんやもんな、恐れ入るわ」
「そうですね、そして先の戦闘で示したその力は我々の想像をはるかに超える物でしょう」
「最初に見た時は幻かとおもたけど現実なんやなぁ、刀身が桜の花びら見たいに散ったり、氷の龍を出したり、刀身からごっつ大きな炎だしたり、アニメや漫画見たいやね」
「これから先も、その力が必要になって来るのよね」
学長達は溜息をつきこれからの方針を話し始めた
これから先の新たなる展開に備えて
この時既に新たな敵の脈動が既に始まっていた
しかし今の彼等にそんな事を知る余裕はあるはずも無かった
今はまだ自らの出自さえも知らぬ彼なのだから
とりあえず前半は以上で終了です!
とじとものイベントのお話なんかもちょくちょく投稿できたらと思いますのでそちらもお楽しみに
活動報告に今後の事を書いて投稿したので良ければご一読下さい。