日常編ですー。
今回は短いですー。
勇刀の過保護が炸裂ですー。
(ん~、なんだ…)
明くる日の朝、勇刀は布団の中で蠢く自分以外の気配で目が覚めた
「誰だ…」
「すぅ…すぅ…すぅ…」
布団を捲るとそこには沙耶香が勇刀に抱きついていた
勇刀は沙耶香の頭を撫で微笑み、可奈美が小さかった時の事を思いだしていた
(そう言えば可奈美も昔はよく俺の布団に潜り込んで来てたなぁ)
「ん~、ユウユウ~……」
「は?……エレンっ!?」
勇刀は後ろから声が聞こえて抱き締められていることに気づき後ろを向くと
エレンが自分に密着するようにして眠っていた
「ちょっとエレン、朝一でその身体に抱き付かれると色々ヤバイんですがっ」
「ユウユウ~~……」
しかしエレンは勇刀の事などお構いなしに眠ったまま自身の豊満な身体を無遠慮に押し付けてきた
並みの男ならここで理性が蒸発し獣と成り果てるだろうが、勇刀の理性と精神力はこの局面を乗り切った
この後をどうしようかと考えていると
ドタドタと部屋に近づいて来る足音が聞こえてきた
バタァン!!
「沙耶香!」
「エレンちゃん!」
「おぉ~姫和ちゃんと瀬戸内さんか~、この二人をどうにかしてくれぇ~」
勢いよく部屋の扉が開き、入ってきたのは姫和と智恵だった
二人はすぐさま沙耶香とエレンを勇刀から引き剥がした
「あー助かった」
「まったく大胆にも程があるだろう!男性の布団に夜な夜なもっもも潜り込むなんて!」
「本当ね、考えが甘かったわね」
「ほら二人とも起きろ、朝だぞー!」
勇刀から引き剥がされてもなお起きない二人に3人は溜め息を吐き
起こそうと声をかけて揺するが起きる気配がなかった
「二人の事任せて良いか?皆の朝飯作らなきゃいけないから」
「えぇ、二人の事は任せて!朝ごはんまでには間に合わせるから!」
「頼んだ」
二人を姫和達に任せ、勇刀は隣の部屋で着替えてキッチンで朝食の準備をする
先に準備を済ませていた薫達と協力し準備を終えた時にエレンと沙耶香がリビングに来た
「ふぁ~~おはようございマース……」
「…おはよう……」
「やっと来たな寝坊助コンビ」
「ほら、二人ともこっちよ」
降りてきた二人はまだ眠そうな目を擦りながら智恵に促されて席に着いた
「よぉ勇刀との添い寝はどうだった?」
「ん~~ぐっすり眠れマシタ」
「しかし沙耶香、お前も大胆になったよな」
「自分でも…わからない、どうして勇刀にこんなことが出来るのか……わからない」
「俺からしたら勘弁してほしいわ、言っとくけど俺だから良かったものの他の男に同じことやったら二人とも襲われるからな!もう誰にもするなよ!」
「は~~い、今後もユウユウとしか添い寝はしまセーン……」
「私も…寝るときは勇刀とと寝る……」
「違うそうじゃなくて…!」
勇刀は今だ寝ぼけている二人とのやり取りに頭を抱えてしまった。
その様子を見ていた他のメンバーは苦笑いや興味なしといった様子だった
そして朝食を食べ終えて帰り支度を済ませたメンバーは新幹線の時間まで寛いでいた
「あー、もう休暇も終わりかぁ仕事したくねぇ~」
「ネー」
「しっかり休んだ後はしっかり働かなきゃダメよ薫さん」
「そうですね、今回我々の穴を埋めるために美濃関の刀使達に負担を強いてしまっているのですから、この後は我々もしっかりと刀使としての使命を果たさなければ」
「それから真庭本部長や各学長達に勇刀さんの稽古の日程を調整してもらわなければいけないしな」
「その件に関しては俺も近々本部に行かなきゃな学校の予定とかもあるし、羽島学長には俺から話しとくから」
「では美濃関の方はお任せします。私達はそれぞれの学長に話をつけますので」
「あぁ任せたぜ、そろそろ時間じゃねーか?」
時計を見ると新幹線の時間が迫っていた
それぞれが自分の荷物を持ち駅へ向かった
勇刀もみんなを最後まで見送るため一緒だった
その間、何故かねねは勇刀の頭の上で寛ぎながら周囲を眺めていた
「ね~~……」
「くそぉ、ねねの奴一匹だけ楽しやがってっ」
「衛藤さんは身長も高いですし、眺めが良いんですね」
そして新幹線に乗る頃には渋々薫の頭に戻っていった
「まずは平城と長船と綾小路方面だな」
「はい、衛藤勇刀大変お世話になりました。」
「気にすんな、俺も久しぶりに楽しかったからな」
「今度は事態が収まった時にまた行いたいデスネ」
「そうだな、その時は私達の料理も勇刀さんに食べてもらいたいです!」
「皆の手料理か、それは楽しみだな」
ホームで会話をしていると発車を知らせる、ベルが鳴った
「それじゃぁユウユウ!今度は長船で会いましょう!バーイ!」
「じゃあな勇刀、長船に来た時はまた飯作ってくれ」
「もぉ薫さんはそればっかりね、でも今回は本当にありがとう、美炎ちゃんによろしくね」
「それでは勇刀さん、稽古の時はよろしくお願いします!」
「私もそれまでにはもっと頑張ります!」
「それでは綾小路に来たときもよろしくお願いします」
「おう!じゃぁまたな」
そういった瞬間ドアが閉まり新幹線は発車し、勇刀はそれを見えなくなるまで見送った
そして次は関東方面の沙耶香、呼吹を見送るため反対方向のホームへ向かった
「しかし、ここから女子中学生を二人だけで帰すのもなぁ」
「平城の二人だって中学生だろうが、なんでアタシ達だけそんなに心配すんだよ」
「あの二人はしっかりしてる子達だから心配してないけど、ふっきーとかフラッとどっか行っちゃいそうだし、沙耶香ちゃんは初対面の人とはコミニュケーションとれないし、二人とも可愛いから変な奴に狙われたら困る」
「ああああアタシが可愛いだなんて!何いってんだ!」
「端から見ると美少女だぞふっきー、沙耶香ちゃんもな、迎えに来てもらえないの?」
「たぶん無理…」
「今から連絡して運良く手配してもらったとして迎えが来るのは明日だな」
「だよなぁ~」
「私はそれでも良い、勇刀と一緒にいられる…」
「いや、それはダメだろ…仕方ない、良いか二人とも知らない人には付いていかない、声をかけられても答えないこと、何かあったらすぐに回りの大人を頼ること、いくら刀使が超法規的国家公務員だとしてもまだ子供なんだから」
「子供扱いすんなよな!」
「まだまだ子供だよ、ふっきーも沙耶香ちゃんも俺もな」
勇刀は自分の手を握っていた、沙耶香の手を包むように握り返し諭すように言う
その言葉に二人は自然と耳を傾け静かに頷いた
それを見た勇刀は笑顔になり二人の頭を優しく撫でる
そこにちょうど良く二人が乗る列車が来た
「じゃぁな…今度鎌府に来たら、いろんな所を案内してやるよ」
「またね、勇刀」
勇刀は笑顔で手を振りドアが閉まったあとも列車が見えなくなるまで見送り続けた
そして、見送りを終えた勇刀が駅を出ると思わぬ声が聞こえてきた
「あっ!お兄ちゃんだ!おにーちゃーん!」
「可奈美!?」
「ただーいま!」
「おっと!おかえり、可奈美」
勇刀は飛び付いてきた可奈美を優しく抱き止めてその場で数回ぐるぐると回った
「お前よく帰ってこれたな、関東なんて今大変なのに」
「真庭本部長が長期休暇をくれたんだ!だから帰ってこれたの」
「そうなのか、それじゃしばらくは一緒に居られるんだな」
(まぁ、数日中に鎌府に行くんだけどね)
「うん!そうだよ!…それよりもお兄ちゃん」
「ん?…どうした可奈美?」
刹那、可奈美から何か薄ら寒い気配を感じるも、直ぐに気配が消えた
その事を不審に思いつつも勇刀はいつものように接する
「なんだか、お兄ちゃんから甘くて良い匂いがする、女の子の匂いが……」
「え~っと実は昨日調査隊のメンバーと沙耶香ちゃんと姫和ちゃんとエレンと薫が来て、家に泊まったんだよ、んで昨日、沙耶香ちゃんとエレンが夜中に俺のベッドに潜り込んできてて、多分その時のだな、うん、きっとそうだ」
「…………」
「可奈美?どうし…た!?」
急に何も言わず黙ってしまった可奈美に視線を落とすと
眼に涙を溜めて頬を大きく膨らませて今にも泣き出しそうに怒ってる顔の可奈美がいた
「えっ!?ちょ可奈美どうした!?何で泣いてんだ!」
「姫和ちゃん達ばっかりずるい!それならカナはお休み終わるまでずっとお兄ちゃんと一緒に居るーーーー!!」
可奈美は勇刀にギュッと抱きつき無理やり腕を組んだ、
突然響いた大きな声に周囲の視線が一気に二人へ集中するが
言外に「あぁなんだ衛藤さん家の二人か」というようなそぶりで直ぐに視線は散らばった
離れろと言っても聞かない言う事を聞いてくれない可奈美に溜息をついて
「はぁ……仕方ねぇな、今日は可奈美の好きな物作ってやるよ」
「ハンバーグ……」
「はいはい、解りましたよお姫様」
そして商店街に着くと
「おっ坊主!今日は可奈美ちゃんと一緒か!昨日は沢山の女の子侍らせといて今日は可愛い妹と一緒か?やっぱりもてる男は違うねぇ!!」
「っ~~~~~~!!…………」
「はっはっはっはっ!!!!可奈美の細い指がめり込んで痛いぞぉ!はっはっはっ!(魚屋のオヤジめ!今度会ったら覚えとけよ!!)
前日の買い物の様子を見ていた魚屋のオヤジが余計なちょっかいをかけてきたせいで
可奈美と腕を組んでいる左腕に可奈美の細くしなやかな指がめり込み激痛を走らせていた
その後無事にハンバーグの材料を購入して
帰宅すると同時に料理を始め、昨日の夕飯で可奈美の分として取っておいた料理と共に振舞った
豪勢な料理に面喰っていた可奈美だったが、直ぐに立ち直り凄い勢いで食べ進め始めた
そしてその日は案の定可奈美が勇刀と寝ると言いだし、結局勇刀が折れる形で事態は収束した
今回はあえて短くしてみました。
ここ数話1万字超えが多かったので短く纏めてみました。
感想や評価等々お待ちしてます。