刀使ノ兄弟   作:腰痛持ち

2 / 32
舞衣ちゃんの兄が登場します!


2話 兄、鎌倉に立つ

鎌倉

「あ~~っやっぱずっと座ってるのはキツイなぁ」

 

勇刀は朝早くに家を出て鎌倉の地に到着していた

そして

 

「勇刀君お久しぶりです」

「尊か久しぶり!!」

 

駅から出た俺は改札口付近で妹の友達の兄である柳瀬尊(ヤナセミコト)と合流した

 

「去年の夏ぶりですね、勇刀君」

「あぁ!あの時は可奈美が迷惑かけて悪かったな」

「舞衣も楽しそうでしたし問題ありませんよ。それに僕の家はあの程度我儘にもなりませんから」

「ははっ!金持ちの家は言う事が違うな!」

 

彼の名前は柳瀬尊(ヤナセミコト)、新興の企業「柳瀬グループ」代表の息子で俺と同じ美濃関学院に通う妹を持つ兄だ、その妹が可奈美の友達である柳瀬舞衣ちゃんである、初めて出会ったのは可奈美が中学1年生の時の夏休みに可奈美にせがまれ一緒に舞衣ちゃんの家の別荘に泊りに行った時に出会った

俺と尊は同い年と言う事と反りが合い直ぐに仲良くなった、メッセージのやり取りなども頻繁にしている

 

「積もる話もありますがそろそろ行きましょう、会場までは家の車で移動します。」

すると尊の後ろにあった車のドアが開き二人で乗り込む

そのまま車は御前試合の予選会場へ向かって行った

 

「はぁ~シートふっかふかだなぁ!座ってて楽だぁ」

「電車の座席はそんなに固いんですか?僕は電車に乗ったことがないので解らないのですが」

「新しい車両は比較的ふかふかだけど古い車両や地方を走ってる車両は固いのが多いな、てか電車乗った事ねぇのかよ!?」

「えぇ移動は基本車か飛行機ですから」

「あぁさよですか……」

 

他愛の無い会話をしているうちに会場に着き二人は美濃関学長から送られてきた入場許可証を提示し会場に入った

 

「舞衣からメッセージで美濃関からも応援が来てるらしいのでその子達と合流しましょうか」

「そうだな」

 

そう言って会場内を歩いていると

 

「あっ!可奈美のお兄さんと舞衣ちゃんのお兄さん発見!!」

「久しぶり、可奈美が迷惑かけてない?」

「大丈夫です!時々剣の修業とか」

「試合にかなり付き合わされますけど……」

「ほんとゴメンね!俺が甘やかして育てちゃったから、後でキツク言っとくから!」

「えぇ!?いやほんと大丈夫ですから!私達もお兄さんに教わった事を可奈美相手に試してますから!頭をあげてください!」

 

勇刀が可奈美のわがままに付き合っている生徒に頭を下げている一方で

 

「舞衣ちゃんには何時もお世話になってます!」

「舞衣ちゃんのお菓子が絶品で!」

「そうなんだね、これからも妹と仲良くしてくれると嬉しいな」

 

尊は妹を褒められて笑顔だった

 

「くっ!この差は一体っ!!」

 

勇刀は自分の妹と友人の妹の差に頭を抱えていた

 

 

勇刀達は可奈美と舞衣のクラスメイトに案内してもらい観覧席で試合を見ていた

可奈美は相手との試合を楽しみ過ぎるあまり危ない場面が目立っていた

舞衣は確りと相手を観察し油断せずに立ち会っていた

 

「はぁ危なっかしい試合ばっかしやがって、強い奴と戦えるからって浮かれてるな」

「でも可奈美ちゃん凄く強いですよ、勝てるかな舞衣」

「まぁ順当にいけば舞衣ちゃんとも当たるな、でも勝負は終わるまで解らないから、可奈美は足元を掬われかねない」

「剣術に関してだけ勇刀君は厳しいですね」

「アイツが自分で歩むと決めた道だ、俺もアイツが戦えるように自分の守りたい物を護れるように妥協はしなかったからな」

「愛ですね」

「この世でたった一人の大切な妹だからな…」

 

このやり取りを見ていたクラスメイト達は

「いいなぁ私もこんなお兄ちゃんが欲しかったなぁ」

「アタシも~」

 

ただ羨むだけだったそしてそこへ

「おにーちゃーん!!」

「げふぅっ!」

 

勇刀の妹、衛藤可奈美が勇刀目がけて突進をかましてきた

「あー、勇刀君大丈夫ですか?」

「この程度でやられてたら可奈美の兄は務まんねぇよ」

「さっすが可奈美のお兄ちゃん!やっぱりうちのお兄ちゃんは最強だね!」

「可奈美、お前ももう中学生なんだからもうちょっと女の子らしくしたらどうよ?そんなんじゃ彼氏も出来ないぞ?」

「え?カレシ?私にはお兄ちゃんがいるからいらないよ?」

「違う、そうじゃなくて」

勇刀は未だに自分の上に乗っている可奈美とあれやこれやと問答していた

 

「勇刀君は苦労しそうですね」

「勇刀さん、頑張って下さい」

そんな二人を見ている周囲の目は温かかった

 

そして決勝戦に出場するのは可奈美に決定した

「ねぇねぇお兄ちゃん!後で稽古つけてよ!」

「いいぞ、決勝戦までは見れないからなお前が勝てる様に少しでも鍛えてやるよ」

「わーーい!やったぁ!それじゃぁあっちでやろう!早く早く!」

「あぁもう!解ったから引っ張るな!」

「勇刀君も大変ですね」

可奈美は勇刀の手を引き外へ出て行った

 

「私達も行こう!勇刀さんの稽古なら見てるだけでも得だよ!」

「そうだね!行こう!」

応援団の子達も二人を追いかけて行った

 

「……僕等も行きましょうか」

「はい!お兄様!」

「何時も通り尊兄さんでいいですよ」

 

 

 

予選会場から少し離れた開けた場所で訓練用の木刀を持って対峙している勇刀と可奈美がいた

「行くよ!お兄ちゃん!」

「いつでもこい!」

 

暫しの沈黙を経て可奈美が仕掛ける

「せぇい!!」

「よっ!」

「くっ!」

 

可奈美の木刀の斬撃をまるで解っていたかのように避けてカウンターで斬りかかる

それから何度か攻守が入れ替わり打ち合いは続いた

 

「やっぱり勇刀さん凄いなぁ!可奈美の剣をあんな簡単に避けてカウンターまでいれられるなんて」

「太刀筋も私達なんかより断然綺麗だし!」

「勇刀さんが刀使として一緒に戦ってくれたら百人力だよ」

「それは無理でしょ勇刀さん男性だし」

クラスメイト達は可奈美と勇刀の打ち合いを見て思い思いの感想を口にする

「勇刀さん非常勤でもいいから美濃関に稽古つけに来てくれないかなぁ」

「いいねそれ!御前試合が終わったら学長に直談判しに行こう!」

(なーんか変な話で盛り上がってるな~「よぉ~しこんなもんで終わりだ、可奈美は決勝戦までは休んどきな」

「えぇ~~!?もっとやろうよ~~!」

「アホか、可奈美はこれから決勝だろうが、俺との稽古で出し切ってどうすんだこれ以上は本番までとっとけ」

「…は~い」

 

可奈美はしぶしぶ近くの木陰で涼み始めた

「相変わらず綺麗な剣捌きでしたね」

「まぁこれでも毎日鍛錬は欠かしてないしな、尊はどうなんだ?ちゃんとやってるか?」

「えぇ、これでも最近は道場の人達とも対等に戦えるようになったんですよ」

「そうか、なら試してみるか?」

「えぇぜひお願いします」

 

尊は勇刀から可奈美との打ち合いで使っていた木刀を受け取り構えた

周囲に居たクラスメイト達は二人の精神が極限まで研ぎ澄まされている事で生じる周囲を圧するような緊張感に生唾を飲んだ

そして二人の間を風が吹き抜けて行き木々を揺らす、その風が巻き上げた葉が二人の間に落ちた

 

「っ!!!!」

最初に仕掛けたのは尊だった、尊は上段からの唐竹で斬りかかる

「踏み込みが浅い!」

 

勇刀は問題点を指摘しながら攻撃を避けて

突きを放つがそれを尊は紙一重で回避し距離をとる

「尊の通ってる道場の人達相手なら今の踏み込みで良いんだろうが俺には通用しない、そこらの道場に居る門下生と同じように戦ってても一生勝てないぞ?」

「っ!……そうですね、いやそうでしたね、君は間違いなく僕が知る中で最強の一人だ、そんな人に一般人の門下生と同じように挑むなんて僕はどうかしていました。行きますよ勇刀君!!」

「来い!!!!」

 

そこからの俺達の稽古はやはりと言うべきか少し熱が入ってしまって可奈美との時間よりも長い時間打ち合っていた

俺達の打ち合いを可奈美や舞衣ちゃんそして二人のクラスメイト達も食い入る様に見つめていた

いつの間にか他校の刀使や伍箇伝以外の制服を着ていた人達もいて、見世物の様な事になっていた

 

「ふぅここらで止めとくかこれ以上やると怒られそうだ」

「そうですね、しかし勇刀君から一本とるには骨が折れそうですね」

「あったりまえよ、まだまだ負けてやる気は無いからな」

「そうですか、そうでなくては困りますよ?君は僕の目標なんですから」

二人は拳を突き合わせて感想を言い合っていると自然と周りから拍手が巻き起こった

 

「勇刀さん!また美濃関にいらしてください!そうしたら今度は私達に稽古をつけてください!」

「いやぁもう用事もないし余り行く事は無いかなぁ」

「えぇ~~そんなぁ!」

「はっ!?用事がないなら作ればいいのでは!」

「天才か!?可奈美!!」

「んぇ?なに?」

「また去年みたいにホームシックになって!!」

「えぇ!?!?どういうこと!?」

「可奈美がホームシックになればまた勇刀さんが美濃関に来てくれるでしょ?そしたら可奈美はいつも勇刀さんと一緒に居られる!私達は勇刀さんに稽古を着けてもらえる!まさにwin-winの関係ってやつよ!」

「はっ!私なんでそんな簡単な事に気付かなかったの!?」

 

可奈美とクラスメイト達の暴走は止まらずにどんどん話は進んで行く

「おい!もっとましな方法は無いのか!」

「それじゃぁお兄ちゃん!決勝戦が終わったら一緒に美濃関に帰ろう!」

※美濃関は寮制です。

 

「俺も学校があるから無理だよ、それに可奈美ももう大丈夫だから」

「お兄ちゃんは可奈美と一緒に、居たくないの?可奈美の事嫌いになった?」

可奈美は涙を溜めた上目遣いで勇刀を見上げて袖の先を摘まんだ

「うっ!……」

可奈美も可奈美で重度のブラコンだが勇刀も勇刀でシスコンの気がある、その証拠に可奈美にこうやってお願いされると昔から高確率で勇刀が折れていた

「……はぁ解ったよじゃぁ月一回会いに行くよ、稽古もその時付きあってやるから」

「「「「いぃぃぃぃやったぁあああああああああ!!!!!」」」」

美濃関の少女達は歓喜に包まれた

 

「相変わらず妹さんには剣以外では甘いですね」

「ほっとけ…」

尊は項垂れている勇刀に憎まれ口を聞くが静かにかえすだけだった

 

 

そして決勝の時刻になり可奈美達は決勝の試合会場へと向かい

勇刀と尊は鎌倉の街で観光をしていた

 

「しかし可奈美だけじゃなく美濃関の子達にも困った、俺弟子をとった憶えないんだけど、そもそも人に教えられるほど凄い剣士じゃないし」

「でも美濃関の子達は皆、君を心の底から信用しているようでしたが?」

「去年可奈美が美濃関学院中等部に入学して寮生活になったろ?そしたら早々にホームシックになってな」

 

今から丁度1年前勇刀が中学3年生、可奈美が中学1年生になった頃可奈美は美濃関の寮に入り学校生活が始まって数週間が経った頃

 

「はぁ親父は出張で暫く帰ってこないし可奈美は全寮制の美濃関に進学したから居ないし、実質一人暮らしみたいなもんか、あ~夕飯どうしよう」

スーパーで食品コーナーを回っていると携帯が鳴った

 

「はいもしもし」

「衛藤可奈美さんのお兄さんでしょうか?」

「はいそうですが、どちら様ですか?」

「申し遅れました。私美濃関学院中等部で衛藤可奈美さんの担任をしている佐藤と申します。実は妹さんの事でお話が」

「まさか入学早々なにかやらかしちゃった感じですか?それなら親父の方に電話した方が」

「いえ、衛藤さんは剣術に関しては問題ないのですが日常生活の方で少し支障をきたしていまして、この事をお父さんにもお伝えしたのですがお兄さんの方が適任だと言われてご連絡させていただいた次第です。」

「はぁそれで可奈美に何が……」

「ホームシックです。」

「………ホームシックゥ!?」

「はい、先週の終りから食欲も元気も無くなっていて、ただ剣の稽古だけは毎日続けていたんですが、それも最近手に着かないようで、そしてついに今朝になって寮部屋から出てこなくなってしまったのです。本人からもお兄さんに会いたいと言う様な事を聞いておりまして、お父様に相談した時も「娘の事は息子に任せてあるので」と」

 

「まぁ親父も出張で今居ませんしねぇ、解りました僕が学校の方に伺います」

「ありがとうございます!今迎えの車がお宅に向かっていますので準備をお願いします!」

「はい、お手数おかけして申し訳ありません」

そしてその1時間後家に迎えが到着した

「すみません、行きがけに寄っていただきたい所があるんですがいいですか?」

「構いませんよ、どちらに向かいましょう。」

「あの山の麓にお願いします。」

「はい」

 

車は勇刀の指定した山の麓に着くと

勇刀が指笛を吹くと1羽の鷹が勇刀の腕に停まった

「この手紙を師匠の所へ届けてくれる?」

勇刀が鷹の背中についている筒状の入れ物に巻物の様にして丸めた手紙を入れると鷹は頷くと飛んで行った

 

「頼んだよ~~っ……すみませんお待たせしました。美濃関に向かいましょう」

「はい」

そうして俺は美濃関学院へと向かった

 

そして寮のエントランスに入ると心配するクラスメイトに囲まれて涙を流す可奈美が居た

俺はすぐさま可奈美の名前を呼んだ

 

「可奈美!!」

「っ!!お兄ちゃん!!」

可奈美は顔をあげ勇刀に抱きついた

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

「もう大丈夫だ、兄ちゃんが来たからな」

勇刀に泣きつく可奈美を見てクラスメイト達が話す声が聞こえる

 

「あの人が衛藤さんのお兄さん?」

「えっ?凄いイケメン……」

「衛藤さんの家の顔面偏差値高過ぎじゃない?」

「いいなぁ衛藤さんあんなイケメンのお兄さんが居て、ウチのと交換して欲しいなぁ」

「絶対ダメ!!カナのお兄ちゃんは誰にもあげないんだから!!!!」

「地獄耳!?」

「ん?何の話してたんだ?可奈美」

「うぅん!何でもないよ!それよりもお兄ちゃんなんで此処に?」

「お前がホームシックになってるって担任の先生から連絡があったから来たんだよ」

勇刀は此処までの経緯を可奈美に説明すると可奈美は見るからに落ち込む

「また、お兄ちゃんに迷惑かけちゃったね。可奈美もお兄ちゃんみたいに強くなりたくて此処に、美濃関に来たのに…こんなんじゃ」

「バカ、そんな駆け足で強くなろうとしなくて良いんだよ、お前はお前のペースで強くなれば良い、急ぎ過ぎても良い事は無いんだから」

勇刀に抱きしめられ涙を流す可奈美を生れて間もない子をあやすように優しく頭を撫でる

次第に落ち着いたのか可奈美は勇刀に抱きついたまま眠ってしまった。

 

「コイツ人に抱きついたまま寝やがった、どうすれば」

「今日は妹さんの部屋で休んで下さい、その方が可奈美さんも安心できるでしょうから」

「ありがとうございます」

「柳瀬さんお兄さんを可奈美さんの部屋まで案内してあげて、他の皆は解散して早く休みなさい」

「「「「はーーい」」」」

生徒達は其々の部屋へ戻って行くそして一人の大人しそうな少女が勇刀に近づいて来た

 

「えっと私可奈美ちゃんのクラスメイトの柳瀬舞衣と申します。可奈美ちゃんの部屋までご案内します」

「そんなに畏まらなくても良いよ、もっと気軽に呼んで貰っていいから、堅苦しいの苦手だからさ」

「では勇刀さんと呼んでも良いですか?私の事も下の名前で呼んでいただいて構いません」

「じゃ舞衣ちゃん案内宜しくね」

「はい!」

 

勇刀は可奈美を抱き上げて舞衣に案内されて可奈美の部屋に来た

「ここが可奈美ちゃんの寮部屋です。それじゃあ私はこれで、お休みなさい」

「あぁありがとう舞衣ちゃん、おやすみ」

勇刀は舞衣と別れて可奈美の部屋へ入ると

「なんだこりゃ……」

勇刀の目の前に広がっていたのは脱ぎ散らかされた洋服や制服やその他いろいろな物が散乱していた

 

「説教は明日だな、今日はもう寝るか」

可奈美をベッドに寝かせて自分は床に寝ようとしたが可奈美はがっちりと勇刀の服を掴んで離さないため仕方なく可奈美と同じベッドで眠る事にした

「一緒に寝るのなんて何年振りだろうな」

「おにいちゃん……」

勇刀は優しく可奈美の髪を手で梳いて優しく撫でる

「おやすみ、可奈美」

 

 

 

「なんて事があってな、次の日に部屋の片付けをさせて気が紛れる様に稽古に付き合ってやってその日の夜には帰るつもりだったんだけど」

「けど?」

 

 

『やだやだ!帰っちゃ駄目!!』

『帰っちゃ駄目て、家の事もあるしもう帰らないと』

『そうだよ、可奈美ちゃん勇刀さん困ってるよ』

寮の部屋では帰ろうとする俺に抱きついて帰らないでと駄々をこねる可奈美を舞衣ちゃんが宥めるという図が展開されていた

 

するとそこへ寮長と担任の先生がやってきた

『送迎の準備が出来ましたよ……あらあら』

『お兄さんも大変ね、明日もお休みだし泊って行ったらどうかしら?』

『いやいや!女子寮に男が泊まるわけに行かないでしょ!?』

『大丈夫よ、生徒の皆にはメールで伝えておくから安心しなさい』

『それで良いんですか先生!!』

『今日の可奈美さんとの打ち合いを見たのと貴方と話した事で確信したらしいわ、貴方なら大丈夫だって』

『いや何を確信したの!?喋ったって言っても挨拶と軽い世間話ですよ!?それで何を確信したって言うんですか!?』

『ウチの羽島学長は20年前の相模湾大厄災で大荒魂を鎮めた英雄の一人なの、そんな人が言うんだから間違いないわ』

『えぇ~~……』

 

その後なんやかんやあり約1週間もの間美濃関に滞在し可奈美に稽古を着けていると徐々に教えを請う生徒達が増えいつの間にか学年関係なく放課後の時間は勇刀の下での稽古が日常化していた

 

「んでようやく可奈美のホームシックが治まって美濃関から解放されたんだ」

「大変でしたね、君も受験を控えていたでしょうに」

「ホントだよ、でも無事志望校には入れたしもうどうでもいいんだけどね!」

「僕は君のそういう所に好感が持てますよ」

「ははっ!そつはどうも……尊、気づいてるか?」

「えぇ、うっすらとはついてきていますね、何者でしょうか?」

「さぁな、何処の回し者か判らないけど撒くか」

「そうしましょう」

 

小声で追手を撒く算段を決めそのまま実行に移す

「おい!尊!このままのペースじゃ予定してた所周りきれねぇ!走るぞ!!!!」

「そうですね!そうしましょう!!」

わざとらしい大きな声で喋って走り出す

「っ!!」

追跡者は慌てた様子で二人を追いかける

 

「恐らく折神紫付きと鎌府の刀使だな」

「その様ですね、それにしても何故僕達をストーキングしていたのでしょうか?」

「さぁな、取り敢えず次の道曲がるぞ、右な」

「了解!」

 

二人は走りながら相手の考察を行いなるべく人混みのある所を駆け抜けて行く

そして大通りを曲がり直ぐの店に駆け込むと追手は見失ったと焦りそのまま何処かへ走って行った

「…行ったみたいだな」

「そうですね、暫くは大人しく身を隠しながら移動した方が良さそうですね」

二人は店を出てまた歩き出した

「しっかし刀使に後を着けられる覚えは無いんだけどな」

「御前試合の決勝戦でなにかあったのかも知れませんね」

「いやいやまさか!御前試合の警備見たろ?あんな警備の中で何が起きるってんだよ」

「ん?舞衣から電話ですね、失礼…はい尊です。どうしたんですか?解りました……

勇刀君には僕から伝えます。はい、そちらも気をつけてください。それでは」

 

尊は電話を切り端末を仕舞うと真剣な表情で勇刀と向き合うその真剣な表情に思わず勇刀の表情も真剣な物になる

 

「勇刀君、落ち付いて聞いて下さいね?」

「何かあったんだな?」

「可奈美ちゃんが折神紫を襲撃した人物を護り共に御前試合の会場から逃亡したそうです。」

「なんっ…だと?」

キャァアアアアアアアアアアア!!!

荒魂だぁあああああああ!!!

「「っ!!!!」」

突如二人の目の前に球体の様な身体を持った荒魂が現れ二人を飲み込み消えて行った

 




二話目の投稿です。
いかがでしたか?
次はまぁ来週あたりにでも投稿しますので気が向いたら読みに来てください。
それではまた次回
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。