そしてアニメにもチラッとしか出てきていない
柳瀬家三姉妹の次女と三女が出てきます。
それから僕のTwitterで、ちょろっと募集してたんですが
皆さんがこの作品を読んでいて想像する、勇刀達のCVを聞いてみたいので、感想欄に書いていただけると嬉しいです!
あっちなみに海翔君の場合は男性声優に限ったりはしません。
小学生なので女性声優さんでもOkです!
勇刀が長船で出張稽古に赴いているある日の昼下がり
柳瀬尊は自宅のソファで読書をしていた
「そういえば、勇刀君は今ごろ長船女学園で稽古中でしょうか」
尊は顔を上げ窓の外に広がる晴れ渡る空を見上げてふとつぶやく
するとそのタイミングを見計らったように車のエンジン音が近付いてきて玄関付近で停車した
「帰ってきたみたいですね」
玄関の扉が開きドタドタと大きな足音を鳴らしてリビングの扉が勢いよく開かれた
「たっだいまーーーー!お・兄・いーーーーーーーー!!!!!」
「お帰り美結」
扉を開けて一番に入って来たのは次女の美結だった
美結は鞄を投げ捨て尊に抱きついてソファに寝転んだ
「ん~~お兄ぃ~~」
「美結は急に甘えたさんになったね?」
「ん~~?そうでもないよ??」
「また美結お姉ちゃん制服のままお兄ちゃんに抱きついて寝てるー」
「もう!美結ちゃんと着替えてから寛ぎなさい!尊兄さんも美結をあまり甘やかさないで下さい!」
尊は自分に抱きついている美結の頭を撫でていると、遅れて舞衣と三女の詩織が帰宅してきた
「えぇー!私はお兄ぃ成分を補給中で忙しいのーー!」
「お兄ちゃんが帰ってきてから美結お姉ちゃん、お兄ちゃんにだけほんと甘えん坊になったよね」
「僕も皆を心配させてしまったからね、できる限りは時間を取るようにしたいんだ」
「えへへ~~」
「もちろん詩織や舞衣ともね」
「お兄ちゃん」
「兄さん」
その日は両親は多忙で居なかったものの久しぶりに兄妹が全員揃っての一日になった
「それじゃぁ僕は少し自主稽古してくるから」
「はーい!行ってらっしゃい!」
「早く帰ってきてね~」
「尊兄さん!」
「舞衣?」
「私も一緒に行って…良いですか?」
「そうだね、相手がいる方が助かるから一緒に行こう」
「えぇーー!舞衣姉ぇだけズルい!なら私も行く!」
「じゃぁ詩織も行くー」
「わかったわかった、じゃぁ皆で行こう」
「もぅ、遊びに行くんじゃないのに」
「まぁまぁ、舞衣は準備しておいで、僕も準備があるから」
その後二人は動きやすい服装に着替え自身の御刀を持ち敷地内にある開けた場所に来た
「ここに来るのも久しぶりだなー」
「そうですね、私が美濃関に入学してからここに来る事は少なくなっていましたから」
そこはかつて舞衣が美濃関入学前に尊と剣術の稽古をしていた場所だった
そんな思い出の場所で感傷に浸りつつも二人はアップを済ませてお互いに写シを張り構える
「いつでもどうぞ」
「ではこちらから行きますっ……はぁっ!」
舞衣からの袈裟斬りで打ち合いが始まった
二人は迅移を使いながら何度も剣を打ち合った
「舞衣姉ぇ、すご…」
「尊お兄ちゃんも……」
その様子を美結と詩織はただ眺めていた
「随分と変わりましたね、舞衣」
「はい、私だけが置いて行かれるのは嫌ですから」
尊は自分の妹の剣が変わったことにすぐに気付いた
そしてその原因と要因にも
「勇刀君と可奈美ちゃんかな」
「そうです。勇刀さんの様にどんな時でも誰かを護れるようになりたい、可奈美ちゃんの様に自分の想いを真っ直ぐに貫けるようになりたい、だから私は強い自分になる、その為なら何度でも変わります。」
(本当にあの兄妹はつくづく人を突き動かすのが上手い、無意識でしょうけど)
「舞衣の向上心は天井しらずだね、でもそれなら僕も負けてるつもりはないよ!今度はこちらから行くよ!!」
「はいっ!!」
このとき始まった打ち合いは今までの物とは一線を画していた
速度も斬撃の重さも響き渡る音さえもが違った
「「………」」
美結と詩織は二人の剣戟の応酬に眼を奪われ言葉を呟くことさえ忘れていた
「はぁああああああああああああああ!!!!」
「てやぁあああああああああああああ!!!!」
二人の打ち合いはその後30分続き終わりを迎えた
舞衣と尊は下の妹達の所でドリンクを飲んでいた
「ふぅ、しかし勇刀君との稽古が舞衣をここまで変えてしまうなんて、やはり彼は僕らとは見えているものが違いますね」
「本当に凄いですよね…」
「私も久しぶりに会いたいな、勇刀さんに」
「うん、前に会ったときはそんなにお話出来なかったから、今度はちゃんとお話したいな」
「そう言えば二人は初めて会った時は、勇刀君の事怖がっていたからね」
「あの時はそうだったけど今度会った時はきっと楽しくお話できると思うな、私も美結と詩織には勇刀さんと仲良くして欲しいし」
舞衣の笑顔を見て次女の美結はニヤリと笑ってとんでもない爆弾を落とす
「そりゃ勇刀さんは舞衣姉ぇの旦那さん候補だからね、家族ぐるみのお付き合いがあれば何かと楽だし」
「えっ!?」
「ブフォォッ!」
美結の突然の発言に尊は飲んでいたドリンクを吹き出し
舞衣は手に持っていたボトルを落とした
「ケホッ!ケホッ!」
「お兄ちゃん大丈夫?」
「もう美結!突然何て事言い出すの!?」
「えぇ~?舞衣姉ぇもしかして気付かれてないとでも思った~?」
「な何が?」
「舞衣姉ぇが端末で勇刀さんの写真をじーっと見つめてたり夜な夜な部屋で勇刀さんの名前をy「もうやめてぇええええええええええ!!!!!」うわぁ!?もごもご」
「舞衣……」
「舞衣お姉ちゃん……」
「うぅっお願いこの事は勇刀さんには、絶対内緒にしてっ……」
舞衣は美結の口を塞いで止めようとするがタイミングが遅かった
乙女の機密事項を暴露され、力無く地面に手を突き項垂れる舞衣の姿は普段のイメージからはとても想像できない物だった
そしてそんな舞衣を見る尊と詩織は少し引くと同時に哀れにも思っていた
「まっまぁ私も勇刀さんの事は好きだしね!カッコいいし!そんな人が義兄になってくれたら私も自慢できるし!ライバルは多いと思うけど頑張ってよお姉ちゃん!」
「うぅ…こんな私の事を知ったら勇刀さんに嫌われちゃう……」
「だっ大丈夫だよ舞衣!勇刀君はそんな事で人を嫌ったりしないよ!ちゃんとそれも含めて舞衣の事を見てくれるよ!」
「そっそうだよお姉ちゃん!勇刀さんの事は舞衣お姉ちゃんだって良く知ってるんでしょ!?」
「そうだよね…勇刀さんは、そんな人じゃない」
こうして舞衣をなだめて元に戻ると
「それじゃぁ僕は千本桜の方を稽古するから3人はそこで見ていてね」
尊は御刀を眼前で構え、名を呼ぶ
「散れ、千本桜」
すると御刀の刀身が桜の花びらの様に散り
波や流れる水の様に縦横無尽に尊の周囲を旋回する
「行けっ」
その言葉と同時に散った刃がまるで生き物の様に木々の間をすり抜けて行く
しかし中には木に当たってしまい切り刻んでしまったり、砕いてしまったりする所が出て来た
「やっぱり自分から離れれば離れる程コントロールが難しいな、それにスピードも落ちてる」
「綺麗…」
「「………」」
もっと上手に扱える様にならないと、この程度の速度なら勇刀君は余裕で間合いを詰めてくる、彼に勝てる位にならないと話にもならない!!
もっと強く!更なる高みへ!!
尊の表情は次第に険しい物へ変わり、手を使い操り始めると速度は跳ね上がったが制御は更に困難を極めた
この稽古は日が落ちてからも続いたが集中力が切れたため切り上げる事になった。
そして家に戻り4人で食卓を囲んだ、久しぶりの兄妹水入らずでの食事は楽しく安らぎを尊に齎していた
そして風呂に入り自室に戻り、ベッドに横になると直ぐに眠りに落ちてしまった
その頃舞衣はベッドの上で正座して端末を耳に当て電話をしていた
「もしもし?夜分遅くにごめんなさい。折り入ってお願いがあります…私に抜刀居合いを教えてください。」
ここに一人の少女がより強さを求める為の扉を開いた
自らの刃をより強く鋭くするために
綾小路武芸学舎 学長室
相楽学長は木寅ミルヤから提出された提案書に眼を通していた
その顔真剣そのものだった
その雰囲気につられてミルヤの表情も少し固くなっていた
「この件は確かに魅力的だが綾小路武芸学舎としては受け入れかねる、すまないな木寅」
「いえ、相楽学長の判断であれば致し方ありません。」
「しかし、お前がこの様な提案をしてくるとはな、意外だったぞ」
「私はより効率的に荒魂を討伐するためには刀使の個人能力を高める事が最善だと判断したまでです。」
「本当にそうかな?お前は衛藤勇刀と出会ってから少し雰囲気が変わったぞ」
「そうでしょうか?確かに彼に影響されることは多々ありますが、それと私の雰囲気となんの関係があるのでしょうか?」
「いずれ解る時が来るさ、木寅なら大丈夫だ」
「はぁ…では私はこれで失礼します。」
「あぁ、ゆっくり休め」
ミルヤが部屋を出ると相楽学長は息を吐きながら背凭れに体を預け天井を仰ぎ見る
その表情には明らかな怒りと憤りが見てとれた
「彼に頼ることが出来たのならばどれだけ幸福か、あの子達の負担もどれ程軽いか、しかしもう後戻りは出来ない」
一人語る相楽学長の姿はやりきれない想いを抱えたまま、校舎から消えていった
そこはこの世に存在するどんな物よりも黒く、この世に存在するどんな場所より暗い空間
光は差さず、風もなく、音もない、ただ上下の認識が有るのみだった
「永きに渡る我らの宿願!あの御方の御霊を刀使達から解放するのだ」
この言葉に返答するものは居ない、ただ声だけが遠くに広がっていく
「その為の備えも間もなく終わる、もう暫くお待ちください。必ずやあなた様をここに御戻しします。」
一人の声が虚しく響いていた
それを聞くのは巨大な骸の様な石像のみだった
長船女学園、女子寮宿直室
「あ~…疲れた」
「薫ちゃん、休むなら自分の寮部屋にしなよ」
「別に良いじゃねぇか、減るもんでも無し」
「減るよ!私とお兄ちゃんの二人っきりの時間が!」
「まぁまぁカナミン、薫も今日は凄く頑張ったので大目に見てあげてクダサイ」
この日、可奈美と勇刀が宿泊する宿直室ではちゃぶ台を女子3人で囲んでいた
そして備え付けのキッチンからは勇刀が何やら準備をしていた
「お前ら元気だな、そんなに元気なら明日はもっと厳しくしても大丈夫そうだな」
「死んでしまいます。ヤメロクダサイ」
「んじゃこれ飲んだら歯磨いてさっさと寝ろよ」
お盆にコーヒーカップを4つ乗せて戻ってきた勇刀の冗談に薫は凍り付き即土下座をキメていた
「これはホットミルクデスネ」
「この味、ハチミツか。落ち着くな」
「あぁ、寝る前にこれ飲むと落ち着いて良く眠れるんだ、可奈美のは少し温めにしといたぞ」
「ありがとう、お兄ちゃん!」
「それでは薫、そろそろ部屋に戻りましょうか…薫?」
「スースー…」
「喋らなくなったと思ったら寝やがった」
「起こしちゃうのも可哀想だよね」
「しょうがない、俺が背負って部屋まで運ぶわ」
「薫の部屋までは私が案内シマス!」
「頼むわ、可奈美は寝る支度してな」
「…はーい」
ホットミルクを飲みながら談笑をしていると、いつの間にか薫が眠ってしまった
勇刀は薫を背中に背負い立ち上がりエレンに薫の寮部屋まで案内を頼んだ
「しっかし薫はやっぱり軽いな、こんな体であんなデカイ御刀振り回してるんだから凄いよな」
「そうデスネェ、薫は頑張りやさんなので稽古中ももっと褒めてあげればもっと頑張ると思いマスヨ」
「そうだな、機会があればそうするよ」
そして薫の部屋に入り彼女をベッドに寝かせてエレンと別れ部屋に戻った
するとパジャマに着替えた可奈美が備え付けのベッドに座って勇刀をジーっと見ていた
「どうした?先に寝てて良かったのに」
「んー!」
可奈美は頬を膨らせながら勇刀に手を伸ばしていた
その時勇刀は全てを悟り自分も寝巻に着替えて可奈美を抱きしめる形にして
ベッドに入った
「ん~~っお兄ちゃ~~ん/////」
「はぁ、いつまでも手のかかる妹だな…」
「えへへ~~」
勇刀の胸に顔を埋めて幸せそうにしていた