刀使ノ兄弟   作:腰痛持ち

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投稿を予約するのを忘れていました!


30話 朝起きた瞬間に体が重いとその日の気分を上げるのは大変

「………」

 

どうも皆さん、先日メチャクチャ巨大な大荒魂を討伐してからはや数日

その間爆睡してた衛藤勇刀です。

 

「んぅ〜…」

「zzzzz」

「すぅすぅすぅ」

「ゆぅゆぅ〜」

「おにぃ…ちゃん」

 

「なにこの状況…」

 

今の俺の状況は俺が寝ている個人の病室の無駄に広いベッドの上に可奈美、エレン、沙耶香ちゃん、美炎、薫が雑魚寝の用に眠っていた

 

そしてベッドの脇に置いてあるソファに舞衣ちゃんが横になっていた

 

「これは起こす順番が鍵だな」

 

と天井を見ながら思案していると

 

「んっ…ん〜……」

 

「あっ舞衣ちゃん、おはよ〜早速でごめんなんだけどk「勇刀さんっ!!」うぉっ!?」

 

俺の希望通り、舞衣ちゃんが最初に起きてくれたのは良かったけど、すごい勢いで抱きついてきて、その衝撃でベッドの端に寝ていた子たちが床に落ちた

 

「勇刀さんっ勇刀さんっ!」

 

(舞衣ちゃん!舞衣ちゃん!タップタップ!苦しいから!)

 

舞衣ちゃんは俺の顔に自身の豊かな双丘を遠慮なく押し付けてくるので俺は呼吸をするのが難しくなっていた

 

「良かったっ勇刀さんっ無事で本当に良かったっ」

 

舞衣ちゃんは俺を抱きしめたまま涙を流していた

俺は舞衣ちゃんの背中を撫でて宥めていると他のメンツも目を醒まし始めた。

 

そしてまた俺は揉みくちゃにされてそれを収束させてくれたのは騒ぎを聞きつけてきた看護師の人だった

騒ぎが落ち着いたあと程なくして俺は検査を受けるために病院をあちこち移動し、全てが終わったのはお昼が過ぎていた頃だった

 

「あーつかれた、起きた途端あんな大騒ぎになるとは思ってなかったわ」

「私も可奈美ちゃんも皆もそれだけ心配していたんですよ。もちろん兄さん達だって」

深く息を吐いて話す勇刀に彼の検査に付き添っていた舞衣が俯きながら告げると、

勇刀は目線を逸しながら気不味そうに言葉を濁す

「あー、まぁ…うん」

「……」

 

二人の間を気まずい空気が支配し静まり返る

しかしその沈黙を破ったのは他ならぬ舞衣だった

 

「私達、今回の事で改めて誓ったんです。」

 

舞衣は勇刀の手を自分の両手で包み込むように握り、掌を自身の頬へ当てる

 

「っ!!?」

 

その舞衣の表情は今まで見たことが無い程に艶やかで色気のある年不相応で舞衣の女性らしさを強調した表情に、勇刀の心臓は早鐘を打った

 

「もう勇刀さんを一人で闘わせないって、そのためにもっと強くなろうって、だから…」

(待て待てまて待て!えっ!?今目の前にいるのって舞衣ちゃんだよね!?どこぞの女優さんじゃないよね!?エッ!?色っpじゃなくて!、元々同年代の子達と比べて大人びてる子だけど、こんなエrでもなくて!ストップストップ!舞衣ちゃん顔近いって!)

 

気がつくと舞衣の顔が勇刀のすぐ目の前にまで迫っており、唇が触れる寸前のところで

 

『舞衣ちゃ〜ん?/舞衣〜?、なーにーしーてーるーのー?』

 

「きゃぁっ!?」

「うあぁ!?」

 

突如二人が座っていたベンチの背もたれの裏から現れた、瞳のハイライトが消えた可奈美と美炎によって接触は阻止されたが、勇刀と舞衣は驚きのあまりベンチから飛び上がって落ちてしまった。

 

「かっ可奈美ちゃん!?美炎ちゃん!?」

「おおおお前ら!急に出てくるなよ!びっくりするだろ!」

「いや〜、二人ともなんだか良い雰囲気だったから思わず声かけちゃった」

「も〜舞衣ちゃんったらおませさんなんだからぁ、カナのお兄ちゃんに変な事したらメッだよ?」

「っ////」

 

舞衣は二人の言葉で我に返り、自分の行動を思い返して赤面する顔を両手で覆い隠し、口をパクパクさせていた

そんな状態の彼女に二人は追い打ちをかける

 

「舞衣ちゃんてこういう事には奥手だと思ってたけど意外と積極的なんだね」

「本当だよね~、勇刀さんに誰が付き添うかで揉めてる内に抜け駆けするんだもん、策士だよねぇ~」

「うぅっ、だって看護師の人も困ってたし、それに勇刀さんにもし何かあったら…」

「それなら私達に一声かけてくれても遅くは無かったんじゃな~~い?」

「あぅぅ…」

 

二人の容赦ない口撃と黒いオーラに当てられて、ドンドン追い詰められて小さくなっていく舞衣を見るに見かねて勇刀は行動に出る

 

「二人とも!」

「きゃっ!」

『!?』

「これ以上舞衣ちゃんを苛めるなら、二人の稽古は見てあげないよ?」

 

勇刀は舞衣を抱き寄せ、二人にクリティカルヒットするであろう一言を告げると

舞衣は赤面し可奈美と美炎はムンクの〈叫び〉のような表情になっていた

 

「二人が俺のことを心配してくれてたのは理解してるし嬉しいけど、今のは言い過ぎだよ」

「うぅごめんなさい」

「反省します」

 

二人を諫めた後、一つため息を吐いて舞衣を見ると

 

「きゅ~~~~~……」

「あっ…気絶してる」

(羨ましい)

(いいなぁ…)

 

勇刀は舞衣を背負い病室に戻った

 

 

 

 

 

「ん………あれ、私いつのまに寝ちゃってたんだろう、ここって勇刀さんの病室」

 

私はいつの間にか眠ってしまっていた様で、勇刀さんの病室で目を覚ました。

 

「確か勇刀さんの検査と診察に付き添った後、勇刀さんとベンチでお話しして…それで」

 

眠る前のことを思い出そうとしても記憶に靄がかかったようなって朧げにしか思い出せない、その感覚が凄く気持ち悪くて、胸騒ぎがした

そこで私はこの部屋に居なければならない人の事を思い出した。

 

「勇刀さん…勇刀さん!今日は安静にしてって言われてるのに、一体どこへ…」

 

部屋の中に気配は無くて、その事が私に焦りを生み出していた

そして居ても立っても居られなくなった私は病室を飛び出して、勇刀さんを探しに出た

他の病棟も、中庭も、さっき迄居たベンチも、私が思いつく場所は全部まわった、私が思いつきそうもない意外な所も

虱潰しに探してみたけど全部外れだった

 

「ハァはぁ…何処にもいない、勇刀さん一体どこに…」

 

病院中を走り回って息を切らせていた私は落ち着くために、勇刀さんの病室に戻ってきた

 

「入れ違いになるといけないし、ここで待たせてもらおう、勇刀さんなら大丈夫、だってあんなに元気だったんだもん、大丈夫…大丈夫」

 

私はベッドに腰かけて、不安をなくすように何度も唱えて落ち着こうとするけど、治まってくれない、少しでも落ち着きたくて身体を倒して眼を閉じたとき

 

「衛藤さん!!しっかりしてください!衛藤勇刀さん!!聞こえますか!?」

 

部屋の前を勇刀さんを呼ぶ声とストレッチャーが通り過ぎる音が聞こえた

私は全身が凍りつくような悪寒と共に跳ね起きて後を追いかけた

 

「勇刀さん!!…なっなに…これ…」

 

追いついた私の目に映ったのは身体の半分が白く染まり、ノロのような物が固まってゴツゴツした鎧の様な物に変質し、顔は半分以上が角の生えた面に覆われている勇刀さんだった

 

「これは#!!#$&”#%$だ!、速やかに処理をしなければ」

「先生!勇刀さんをどうするおつもりですか!?、先生!!」

 

私がいくら呼びかけても看護師の人も医師の先生も誰一人答えてくれなかった

そしてそのまま真っ暗な部屋へ入ると、そこには兄さんたち六刃将の皆が揃っていた

 

「兄さん!勇刀さんが大変なんです!先生も誰も答えてくれなくて、勇刀さんに何が起きてるんですか!?これから勇刀さんに何をするんですか!?」

「………」

「にい…さん?」

「それではお願い致します。」

 

私の質問に兄さんも他の皆も答えることなく、先生がストレッチャーを兄さんたちの前に止めると、皆が一斉に御刀を抜いて勇刀さんに振り下ろした

 

 

 

「ダメェーーーーーー!!!、っ!はっはっはっ!」

 

舞衣が目を覚ましたのは勇刀の病室だった、彼女は自分が眠って居たことを認識するとベッドから飛び降り部屋から飛び出した、そして夢の中で自分がまわった所を全て確認したがそこ勇刀の姿は無かった

 

「ハァ!ハァ!ハァ!…勇刀さんっ…そういえば」

 

舞衣は焦りを隠すことも忘れ、駆けまわる事を止めずに居たことの反動が一挙に訪れ、芝生の上に座り込んでしまった

そんな時、ふと見上げた空に向けた視界の端に映った場所があった、それは屋上だった、夢の中でもそこにだけは行っていなかった事を思い出した時には、既に走り出していた、それこそ今までよりも速く、そして

 

バン!!!

 

「ハァッ!!ハァッ!!ハァッ!!」

 

勢いよく開け放たれた扉の先にはたくさんのシーツが干されていた

それを舞衣はゆっくりと避けながら進んでいく

不思議と今まで感じていた焦りや焦燥感や不安は嘘の様に感じなくなっていた

それどころ、一歩一歩進むごとに心は落ち着き平静を取り戻していた

そして何も干されていない場所に辿り着くと、そこには人が立っていた

 

「ゆうと…さん」

「ん?あぁ舞衣ちゃんか、起きたんだねおはよう」

「ゆうとさんっ…勇刀さん!!

「おぉっと…舞衣ちゃん?どうしたの?」

「今まで何処で何をしていたんですか!?お医者さんに今日は安静にしてって言われたじゃないですか!」

 

舞衣は涙を流しながら、困惑する勇刀に力一杯抱きついて問いただす。

 

「いやー、数日も寝たきりだと体が鈍っちゃうし、皆の稽古に支障をきたしちゃマズイでしょ?だから少しでも身体を動かしときたくて…」

「こんな時ぐらいご自分の心配をしてください!いつもいつも自分のことは二の次で!

私達の中で一番重症なのに無茶して!!あの時だって!!っ!?」

「ごめんね舞衣ちゃん、心配かけちゃって…でもこれが俺だからさ、母さんを亡くしたあの日から…これからも皆を最優先にするよ、皆には悪いと思うけど」

「っ!!……うぅ、ひっく、うぁあっ!」

 

舞衣は自分がどんなに頑張っても変えることのできない最愛の人の意志の硬さと優しさと己の無力さに感情が高まり泣いてしまった。

 

(ありがとう、こんな不器用な男のために泣いてくれて、でも俺はもう大切なものを失くしたくないんだ)

 

勇刀は舞衣を落ち着かせるために優しく抱き締める

舞衣も落ち着いたのか、泣き止んではいるものの勇刀から離れようとしなかった

 

「そろそろ病室に戻って大人しくしてますか」

「勇刀さん…少しワガママを言っても良いですか?」

「うん、いいよ」

「もう少しの間だけこうしていたいです。」

「もちろん良いよ、でもちょっと失礼」

「きゃぁ!?」

 

勇刀は舞衣をお姫様抱っこで抱きげて近くのベンチに座り、彼女を自分の足の上に置いた

自分から言い出したこととはいえ、流石に恥ずかしいのか勇刀の腕の中で顔を赤くしながらもピッタリと身体を密着させている舞衣だった

そんな彼女をみて甘えベタなところは長女ってかんじだなぁと思ったそうな

そして翌日、晴れて退院する事ができた勇刀だった

 

 




恋愛模様って難しい…
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