後日俺達は解放されることも無いまま親衛隊とは別の折神紫直属の部隊、《
「衛藤勇刀、お前が適任だ」
「はぁ!?俺!?」
折神紫の執務室に俺の素っ頓狂な声が響く
「あぁ、お前は他の者に比べて指揮能力が高く状況を良く見て視野を広く持つことが出来ていた、よって私がお前に決めた因みに拒否権は無い、」
「デスヨネ…てかそんな事よりも何なんだよあの御刀は!男が御刀に選ばれるなんて聞いた事無いんだけど!」
「貴様!紫様に対してなんだその口は!」
俺の折神紫に対しての言動が気に食わなかったのか親衛隊の第一席の獅堂真希が突っかかってきた
「良い下がれ真希、それの説明も兼ねて親衛隊含めお前達を呼んだ」
「しかしっ!」
「良いと言っている、私も忙しい、手短に済ませたい」
「っ、わかりました…」
獅堂は納得していないのか鋭い眼光で俺を睨めつけながら下がった
「さて、お前達の持っている刀だが御刀との違いを説明しよう、まずお前達の持つ6振りの刀の名を知る者はこの世に一人としていない」
「はぁ?御刀の名を誰も知らない?」
「どういういことですか?」
「その御刀の名は刀自身が知っている、故に聞き出せ刀の名を」
「刀に聞き出す?アンタはこの御刀に人格の様な物が宿ってると言いたいのか?」
俺の言葉に折神紫は静かに目を閉じ頷いた
「御刀に意識があるなんて…俄かには信じられませんわ」
「へぇ~おにーさん達の御刀って凄いんだね!それでそれで!?その名前を知ってるとどんなことが起きるの?」
親衛隊の第四席 燕 結芽が興奮気味に聞いた
「御刀のその姿は封印されている状態でな、御刀からその名を聞き出し名を呼ぶ事で御刀に封じられた力を開放することが出来る、これを
「刀剣…解放、じゃぁその能力は名前を聞きだして名を呼ぶまでは解らないのか」
「そういう事になる、故にいついかなる時も己の御刀を肌身離さず携帯しろ私が許可する、と言うわけで早速お前達に初仕事だ」
「いやいやいやいやまてまてまてまて!!」
「なんだ?」
「なんだじゃないよ!いきなり実戦とか何考えてんだ!少し位訓練してからじゃないと無理に決まってんだろ!?」
「私も彼の意見に賛成ですわ、いくら御刀に選ばれたとは言え基礎訓練も無しに実戦は危険すぎますわ」
「心配するなこいつ等は一人一人が一線級の実力者だ、幼い頃から剣を振っている、基礎訓練など不要だ、だな?飛天御剣流継承者」
「「「「「「っ!?!?!?」」」」」」
「何処でそれをっ」
思わず俺の流派を知られ眼光が鋭くなる
そして周りの奴等も俺の流派をしり驚いていた
「勇刀君があの飛天御剣流の継承者…」
「大昔に途絶えたって言う幻の流派じゃねぇか、生き残りが居たとはな」
「ほんと、ビックリだよ」
「良く知らないけど凄いことなのはわかる!」
「………」
「私の情報網を甘く見られては困る、任務の内容は夜見から説明させる、私はもうここを出なければならん、任せるぞ」
それだけ言い残し折神紫は颯爽と部屋を出て行った
「僭越ながら私、皐月夜見が任務の説明をさせていただきます」
そういって俺達に詳細が書かれた紙を渡す
そこには俺の妹衛藤可奈美の写真が貼られていた
「っ!?」
「これはっ!?」
「今回の任務は紫様襲撃事件の襲撃犯、十条姫和と衛藤可奈美の両名を捕縛することです。」
「衛藤?もしかしてこの衛藤可奈美と十条姫和とは御二人と何か関係が?」
「えぇ、資料によると衛藤勇刀さんの妹が衛藤可奈美、そして十条和人さんの妹が十条姫和とのことです。」
「それは事実なのかい?」
獅堂が俺達に確認するように問いかけてくる
「あぁ衛藤可奈美は俺の実の妹だ」
「同じく十条姫和も俺の妹だ」
「なら御二人はこの任務から外すべきですわね、情が湧いて逃がされては困りますもの」
「いえ紫様からは今回の任務必ず六刃将全員で出向くようにと厳命されています」
「家族が語りかければ情で流されると紫様は御思いなのでしょうか」
「はぁ、それこそあの人のみぞ知るって所だろ?やるっきゃねぇか」
「衛藤勇刀、アンタはそれで良いのか?下手をすれば血を分けた妹と戦わなければならなくなるんだぞ?」
和人の問いに俺は頭を掻きながら
「ん~、なんかいつかこんな日が来るんじゃないかって、何んと無しに思ってたんだ」
「何だと?」
「まぁアイツが折神紫を襲撃することが解ってたんじゃなくて、俺達が剣士として剣の道を歩んでいれば、いずれ譲れない物の為に本気で刃を交える時が来るんじゃないかってさ」
「貴方は辛くありませんの?一時とはいえ家族に刀を向ける事が」
「心苦しくはあるが俺はアイツの兄としてやるべきことをやるだけだ」
そう言って部屋を出た、
そうだ俺はアイツの兄貴だなら俺はやるべき事をやるだけだ
「なお襲撃犯が潜伏していると思われる現場付近には、既に特殊部隊が到着し陣地を形成しています。我々はそこへ合流します」
親衛隊と六刃将は其々ヘリへと乗り込み特殊部隊と合流した
「さて、親衛隊の指揮は獅堂に任せる、六刃将は二つに分ける、まず守衛に勇仁、綾人に尊の3人そして捜索に俺、和人、海翔の3人だ、尊は俺が居ない間2人を纏めてくれ、親衛隊はどうする?」
「あぁ此方は夜見を守衛に置き、僕と寿々花で捜索に当たる、夜見は六刃将と待機だ、何かあればすぐに連絡を」
「畏まりました」
「んじゃ尊、頼んだ」
「はい、了解しました。隊長殿」
「その呼び方止め!むずむずするから!」
「冗談ですよ、行ってらっしゃい勇刀君」
俺は短く「おうっ」と返して森の中へ入って行った
森の中へ入って少し歩いていると此花が不思議そうに聞いて来た
「そう言えば衛藤さんと糸見さんは御刀を背負ってらっしゃいますけど、どうやって鞘から抜きますの?」
此花の疑問も尤もだ、俺は身の丈程の大刀の為腰に差す事が出来ない、海翔は身長が足りず差す事が出来ない為仕方なく背負っている
「あぁ、俺も海翔も御刀を抜こうとすると鞘が消えるんだ、んで鞘に収めようとして背中に戻すと鞘が出てくるんだ、ほらな?」
俺は背中を見せて実演してみせると二人は「おぉ~~」と感心したように声を出した
「戦闘に支障が出ないようで安心しましたわ、では私達は西側を探索します。東側はお任せ致しますわ」
「任された」
「何かあれば支給されたスペクトラムファインダーで連絡を取り合おう、既に僕達の端末の連絡先は登録されているはずだ」
「OK、んじゃぁな」
俺達は親衛隊と別れて捜索を始めた
俺達は木から木に飛び移り捜索範囲を広くしていたが見つからず偶々見つけた川のほとりで休んでいた
「ん~~中々見つかんないねぇ~」
「そうだなぁ、何処ほっつき歩いてんだか…」
「隊長」
「なんだ和人?あと隊長言うの止め」
「すまない…アンタは妹の事が心配じゃないのか?」
珍しく和人から話しかけて来た
「お前と同じだよ、この世に一人しかいない大切な妹だ、心配してないわけないだろ?」
「変な事を聞いてしまった様だな…」
「そういう和人はどうなんだ?今回の折神紫の襲撃事件主犯はお前の妹だろ?何か心当たりがあるんじゃないのか?」
「俺の母親は20年前の相模湾岸大厄災の時の英雄だった、ある人物から母に届いた手紙を見て姫和は折神紫を討つと言って変わってしまった。俺がもっと確りしていればこんな事には…」
「和人お前さ、後悔してんだろ?あの時あぁしていればこうしていればってさ」
「あぁちゃんと姫和と向き合っていれば、アイツの抱えている物を少しでも俺が抱えてあげられていたらとずっと思っていた、でもっ出来なかったっ」
「なら今度はちゃんと手を差し伸べられるように確りしろよ、後悔するのは良いが自責の念に捕らわれるのだけは止めろ、そんな物はただ自分の脚を重くする枷にしかならん」
「っ!」
「今お前が向かい合うべきなのは何もできなかった過去じゃない、何でもできる未来だ」
「解った…善処する」
「おぉ~~勇刀お兄ちゃんカッコいい!!」
「照れるぜ!」
和気藹藹と話していると俺の端末に皐月夜見から通信が入った
「はい、もしもし?」
「衛藤さん、急ですが捜索対象を発見し交戦中と獅堂一席から通信が入りました。至急現場に向かって下さい」
「了解!そう言えば来る時にS装備がどうとかいってたか?あれはどうだった?」
「S装備の件については未だ調査中です。気になりますか?」
「あぁ、変な感じがする、特殊部隊の奴らに周囲の警戒を強化させた方がいいかもな」
「了解です。その様に致します。それから交戦地点の座標は端末に転送してありますので急ぎ合流を」
「了解、移動を開始する」
俺は夜見との通信を切り和人と海翔に向き直りニッと笑いながら声をかける
「襲撃犯が親衛隊の獅堂と此花両名と交戦中だそうだ、俺達もそこに合流する、行くぞ!」
「了解!」
「は~~い!」
俺達は端末で示された方角へ駆けだした