刀使ノ兄弟   作:腰痛持ち

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6話 兄、対話

「あ~~疲れた」

「これなら荒魂と戦ってる方がマシだったな」

「メディア対応とはこんなにも疲れる物だったのか……」

「ていうか僕達質問になんて答えないのに居る意味あったの?」

「まぁあの会見自体僕等の事がメインでしたからね、その場に居る事に意味があったんですよ」

「お前ら親衛隊は慣れたもんだったな、真希」

俺達六刃将と親衛隊の面々は荒魂退治と記者会見(居るだけ)を終え折神家にある大広間で写シを解いてだらけていた

俺達の写シは刀使が使う者とは別物であるらしく

写シを張ると真っ黒のフード付きロングコートと黒のインナーとズボンという姿に変わる

「当然だ、この程度の事で疲労していては紫様の親衛隊は務まらないからな」

「私は紫様の政務に同行することもありますからこういう場は慣れていますわ」

「親衛隊も大変だな、はぁコンビニ行こう、なんか欲しいものあるならついでに買ってくるけど?」

「あまり部隊の隊長が進んでそういう事するのはどうかと……」

「俺がやりたいからやってんだよ、それに部下を労うのも上司の務めだろ?夜見」

「んじゃ俺コーラ」

「僕はサイダーがいいです」

「僕オレンジジュース!」

「僕は緑茶でお願いしますね」

「俺はコーヒーをブラックで」

「はいよ、親衛隊はどうする?何かあれば買ってくるぞ」

俺は端末に買う物をメモすると親衛隊にも声をかける、こいつ等も頑張ってたし何かあっても良いだろう

「いいの!?やったー!私アイス食べたい!」

「本当に宜しいんですの?私達の分まで」

「良いんだよ、さっきご当主さまから今回の件の報酬を貰ったからな」

俺は5人に封筒を渡す、その封筒はかなりの厚みがあり重い

そして改めてこんな重い封筒をポンと渡せる折紙家は凄い家なんだなと改めて思い知った

「それじゃぁ僕はCCレモンを頼むよ」

「では私は紅茶をお願い致しますわ」

「私はコーヒー牛乳をお願いします」

俺は親衛隊の物もメモし部屋を出てコンビニへと向かう

 

 

「ん~~この辺も夜になると静かだなぁ」

俺は夜の鎌倉を歩いていた、夜風が心地いい

「ん?あれは…舞衣ちゃん?」

「えっ?勇刀さん?」

思いもよらない再会をした俺達は近くにあったベンチに腰をおろしていた

「御前試合の時以来かな、元気してた?」

「…はい、勇刀さんはまだ鎌倉に居たんですね」

「うん、折角の休みだしじっくり観光したいなぁって、それにしても今日は大変だったねぇ急にあんなに沢山の荒魂が押し寄せてくるなんて、ビックリだよ(どの口が言ってんだよ、最前で戦ってた癖しやがって)」

「ホントにそうですよね、私は後方で避難誘導とか逃げ遅れた人の捜索とかを主にしていましたから最前線には出ていませんが、六刃将って人達が大活躍したんですよね」

「そうらしいね、俺も見て見たかったなぁ」

「駄目ですよ!荒魂退治は本当に危険なんですから!」

「解ってるって、専門家の言う通りにしますよ、でもこれだけは忘れないでね?」

「なんですか?」

「君の事を心配している人が居るって事を、別に無理をするなとか命を賭けるなって言いたいんじゃない、ただどんな状況でも必ず自分達の所へ帰って来て欲しいんだ、生きてさえいれば幾らでもやり直せるんだから」

「はい……」

「そう言えば舞衣ちゃんはこんな時間になにしてるの?中学生が出歩いていて良い時間じゃないと思うけど?」

俺はずっと気になっていた事を聞いた、普通夜も10時を過ぎたなら無暗に出歩かないのが常だ、幾ら刀使と言っても舞衣ちゃんはまだ中学生だ、しかも超が何個付いても良い位の超絶美少女だ、同じ妹を持つ兄として尊の気持ちは痛いほどわかる、ウチの妹も舞衣ちゃんに負けず劣らずの美少女だ、ただ剣術馬鹿で部屋の汚れ具合は酷いがこの世に一人しかいない可愛い妹だ、今ごろ何処で何をしているのやら

物思いにふけっていると舞衣ちゃんが強い意志の籠った瞳で俺を見据えた

「どうしても助けてあげたい子が居るんです。」

「さっすが!舞衣ちゃんらしいね誰にでも優しくできる、俺は舞衣ちゃんのそういう所好きだよ!」

「好きっ!?」

何故か舞衣ちゃんは顔を赤くして驚いていた

「だから舞衣ちゃんの優しさや温もりがその子に伝われば良いな」

「はい、ありがとうございます…そう言えば勇刀さんはどうしてこんな時間にそんなにたくさんのジュースを持っていたんですか?」

「………」

俺は自分が持っていた明らかに二人で飲むには多すぎるジュースを見てドキッとした

やっべ!こんな事になるとは思わなくて言い訳考えてねぇ!どうしよ!?

「えぇっと!そう!あれだ!今日は徹夜で遊ぼうってなってさ!お菓子とかは買っていたのだけど飲み物を買うの忘れちゃっていて!それで買いに来たんだ!」

「夜にお菓子を食べ過ぎると太っちゃいますよ?あと夜更かしもしないでちゃんと寝ないと駄目です!」

「あはは、いやー返す言葉も無い、流石妹が二人も居るだけあるわ、良いお姉ちゃんだ、それで探してる子はどんな子なの?」

「えぇっと沙耶香ちゃんは、背丈は私よりも小さい此の位で、髪の毛も白くて色白の可愛い子です」

(どっかで聞いたことある名前だけど鎌府の子かな?「えっとたしかそんなような子がコンビニの近くに居た様な気がする」

「本当ですか!?教えていただいてありがとうございます!それじゃあ私はこれで!」

舞衣ちゃんは笑顔になってコンビニの方へ走って行った

「気をつけてね~」

手を振って舞衣ちゃんを見送り俺も帰った

 

 

「ただいま~~」

「あら?ずいぶん遅かったですわね、何をしてらっしゃいましたの?」

「尊の妹に会ってさ、少し話してたんだよ、ほれ此花の紅茶な」

「ありがとうございます。それと私の事は寿々花で良いですわよ、私もお名前で呼ばせて頂きますわ、勇刀さん」

「そうか?ならそうするよ、寿々花」

そして其々の飲み物を渡して行くと結芽が居ない事に気づく

「あれ?結芽は?」

「結芽なら部屋を出たきり戻ってきていないな」

「そうか、なら結芽のアイスは冷蔵庫入れとかなきゃ」

俺はアイスを備え付けの冷凍庫に入れて自分の飲み物を飲みながらさっきの会見を思い出す

「まぁさかこんなに早く折神紫の元を離れて独立部隊として動く事になるとは思わなかったな」

「あぁそれについては僕も同意見だ、今回の戦いで君達の強さを見る事が出来たし、その力に何ら疑問は無い、しかし部隊行動は個々の実力とは別の力が求められる、いくら個々人の力が絶大でもそれは所詮単体での戦闘時にのみ発揮される、しかし集団戦はチームワークが大切だ、上手く連携が取れなければ個々の力は半減する事になる」

「私達も最初は苦労しましたものね」

「まぁその辺は実戦で鍛えろって遠まわしに言ってるのかもな、ご当主様は」

そう、さっきの会見で折神紫は俺達六刃将を直属部隊ではなく独立部隊にすると宣言した

その為俺達は独自の判断で行動できるようになった

と言っても明確な目標がないから何をするでもなく出動要請があったら出るって位だけど

「はぁ、素振りでもしてこようかなぁ~」

「山狩りから碌に休めていませんし、少し休息を取る事をお勧めします。」

「夜見の言う通りですわ、休む事も任務の内ですわよ?」

「それもそうなんだけどさぁ、勇仁にあんなの見せられたら、何かせずにはいられないんだよ」

夜見と寿々花の忠告に俺は頭を掻きながら答える

「確かに…あれは衝撃的だった、たった一撃であの巨大な荒魂を真っ二つにしてしまったんだから」

「確かにあれは凄かったよねぇ~御刀も主人に似るのかな?」

「おっきい御刀がズドーンてやってたよね!」

「あの様な力が他の皆さんの御刀にも秘められていると言うのですから大きな戦力には違いありません」

「勇刀君は今のままでも十分強いんだから焦る必要は無いと思うよ」

尊の言葉にも一理ある、力は急いで求めても良い結果は生まない、俺の師匠も同じ事を言っていた

「まぁでも頭が冴えちゃってるから落ち着く為にも少し体を動かしてくるよ」

そう言って俺は部屋を出る

「勇刀君……」

僕達は彼の背中を見送る事しかできなかった

程なくして建物の裏手から等間隔に風を切る音が聞こえて来た

 




皆でお喋り回でした~~。
投稿日や時間が毎週バラバラですみません。

そして毎回読んでいただいてありがとうございます。
毎回感想をいただけているので励みになります。
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