魔竜転生アクノロギア 意図せず原作をブレイクするようです。ただし別のな!   作:前虎後狼

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倍プッシュだ······!!


あくのろだいありー6 副題:やっぱあくのろさんはチート

♩月♪日

 

ようやくシグルドの旅が再開した。

 

シグルドが再び旅に戻るのを切っ掛けとして、ブリュンヒルデとは一旦別れた。

 

俺としてはいや一緒にいろよとも思うが、シグルドは自分の旅を完遂させてから再び迎えに来ると言っていた。

破滅の運命が待ち受けてんなら一緒に居た方が色々とやりやすいと思うんだけど。

 

まあ当人達が決めてしまったのならまぁいいかな。

もしヤバそうになってもあくのろさんなら大抵なんとかなるやろ。

 

さてと、そろそろ密かに練習していた十傑集走りをお披露目するとしよう······

 

 

 

 

ごめん、やっぱ無理だった。

 

 

 

 

 

 

 

$月¥日

 

 

 

 

 

 

またブリュンヒルデにあった。再会するのはやスギィ!

 

何があったかというと、シグルドは旅の途中にブリュンヒルドの養父、ヘイムのもとへとたどり着き、そこでアルスヴィズという少年にであった。

シグルドとアルスヴィズはすぐさま意気投合、二人は友となった。マジか。

 

旅に必要となる食料とかを補充するついでにしばらく滞在することになり、シグルドはアルスヴィズの遊び相手として共に鷹狩りに励んでいた。

俺はそれを傍から見てるだけだけどね?やることないし。

 

そんで三日目くらいかな?鷹がクソ高ぇ塔に迷い込んだみたいだからシグルドが探しに行ったわけなんだけど、次の瞬間俺もグラニも真っ青な速度で走りはじめた。アクセルシンクロォォォォォ!!って叫んでも違和感無いね。

出てる作品の時系列が違うけど。

「ブリュンヒルデ!そこに居るのかブリュンヒルデ!」って叫びながら爆走していく姿は中々にシュール。腹筋に悪いわ!

 

そんな馬鹿なって思いつつ俺も塔の方に意識向けたら。

 

ホントに居たよあの子。

 

暫くしたら暴走特急シグルドが戻ってきて、謝罪と共に塔の中でのことをいろいろ教えてくれた。

 

彼女はシグルドとほぼ同時に、養父が住むこの城へやって来ていたのだという。運命力凄まじすぎる。

 

再会した二人だったが、彼女は自分の持つ予言の力でシグルドとはいっしょになれないこと、そして将来シグルドはギューキの娘グートルーネを妻にすることが定められていると口にした。

だがシグルドは、自分はブリュンヒルデを選ぶのだと言い張り、ブリュンヒルデも同じように語った。

シグルドは自分の持つ黄金の中から、宝物をひとつ、アンドヴァリから奪われた黄金の腕輪を彼女に渡し、それを再会の誓いとするとして再び別れたらしい。

 

まず言えること。結婚指輪ならぬ結婚腕輪ですねわかります。

 

そしてもう一つ、俺の友人ブリュンヒルデキチ過ぎる······!

 

元々の原作(神話と型月)を知ってるこちらからすれば予想出来てたけども、いざ実際に目の当たりにするともうなんて言ったらいいか分からんわ。

見ろや横に居るお前の新しい友アルス君を、めっちゃ頬引き攣っとるがな。

 

俺が言えたことじゃないけどシグルドはもうちょっと自重を覚えて欲しい。

普段は英雄然としてるのにブリュンヒルデが絡むと途端に誰も止められなくなる。

 

お前も大変だな、グラニよ······

 

 

 

 

追記、グラニがちょっとだけ触らせてくれました。

我が世の春が来たァァァァァァ!!

 

 

 

 

 

 

∀月X日

 

 

 

 

 

あくのろさん、雷神と決闘す。

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなった······!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう、これは······」

 

何よりも早く地を駆けし神馬、グラニに跨るシグルドは横でそう呟いた盟友の声に耳を傾けた。

 

「友よ、どうした?」

 

「·········」

 

別の神話(テクスチャ)でその名を馳せる最速の英雄も肝を抜かれる速度で走る、魔竜アクノロギアことロギア。

彼は遠くの何かを見抜くように目を細めて、神速で繰り返した足の回転を止め、急停止する。

 

「シグルド、先に行っていろ」

 

「ロギアよ、いったい何を·········!?」

 

「分かるな?シグルド、我が盟友よ。理解出来たならば行け」

 

「だが何故······かの神がここに······!」

 

「どうやら、我に用があるらしい」

 

ロギアの見据える方向の空には、黒き雷雲が集い、眩き火花を散らしていた。

 

「シグルド、先にいけ。なに、すぐに追いつくとも」

 

「·········我が盟友よ、武運を祈る」

 

「フン、誰にものを言っている」

 

その言葉を聞き届けて、シグルドとグラニ振り返らずに駆けた。

人ならざる友を残して、次の場所へと。

 

「さて、どうしたものか」

 

ロギアは空を見上げ、困ったように呟いた。

轟音鳴り響く碧天(そら)の彼方に居る、剛き者を睨みつけて。

 

「貴様が、父の懸念する不穏なりし者か」

 

刹那、ロギアの視界が眩い光で埋め尽くされた。

 

 

耳を劈く轟音。

 

大地砕く衝撃。

 

心塗り潰す(恐怖)

 

そして、身を焦がす程の熱。

 

天上より降りた雷光の槍がロギアの眼前へと突きたち、視界灼く雷光の中から現れたのは、恐ろしき巨漢。

 

「貴様がそうか、不解なる竜よ」

 

主神の右腕にして、主神が認めし軍神。

 

武と雷を司り、最も重き鎚を振るう者。

 

「よもや、これ程の力が我が眼前に現れるとは」

 

雷神トール。北欧において最も強き神が、地上へ降誕した。

 

「竜よ、これより行うは俺の勝手による、貴様への挑戦である」

 

「ほう?挑戦、であるか」

 

「父は貴様に対し、今は静観を徹底せよと仰った。貴様が暴れれば全てが破綻するとな。だが、俺は自分を抑えられそうにない」

 

北欧の軍神が魔竜へと叩きつけたのは、挑戦。

 

上なるものが下なるものへ下す蹂躙ではなく。

 

平等なる者が雌雄を決する為の決闘でもなく。

 

下なるものが上なるものへと力を示す、挑戦であった。

 

「俺は武神だ。父にそう定められた最も強き者。そんな俺が、この神話において武を示す象徴たる俺が、父が恐れた力持つ竜へと挑まずになんとする」

 

「それ故の挑戦、であるか」

 

「そうだ。貴様は俺よりも強い。強すぎる。だが我が力を示さずに背を向けるは、最も恥ずべき行いなり。故に──」

 

故に、雷神は未知へと挑戦する。

 

「我が申し出を受け入れよ。そして、我が力を見るがいい」

 

「·········ククク、()いぞ。実に()い。力持ちし者との闘争、実に、実に───」

 

 

 

 

 

「美味そうな闘争(ごちそう)だ······!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、アースガルズに激震が走った。

 

それは文字通りの意味で、大気震わす神威が北欧中を駆け巡り、多くのものに世界の破滅を匂わせた。

 

神と神がごとき魔竜の、神威と竜気のぶつかり合い。

 

人々は、神々は慄いた。

 

主神にして大神は、雷神の行いを呆れながらも見守っていた。

 

豊穣の女神は、大地への影響を危惧し心を痛めた。

 

勝利の神は、思わずその光景に剣の柄を強く握りしめた。

 

光の神は、その眩くも人を惹きつける戦いに目を細めた。

 

悪神は、ついにこの世の終わりかと破滅の枝を握りしめた。

 

竜殺しの英雄は、魔竜の勝利を祈った。

 

戦乙女の長姉は、見知った波動の無事を願った。

 

灰色の神馬は、認めつつあった友人の咆哮に安堵した。

 

戦乙女達は、その圧倒的な光景に我を忘れた。

 

 

 

 

雷神は、戦いの中でそれを見た。

 

 

 

 

 

「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

雷光纏いし神の鎚が、武神の腎力をもって振り降ろされる。

迸った光の嘶きは堅き大地を易々と砕き、大気の元素すら灼き焦がして尚止まらない。

 

その雷の迸りを、魔竜は紙を裂くかのように呆気なく引きちぎる。

 

『クハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!』

 

魔竜へと変じたロギア、否。アクノロギアは雷神の繰り出す攻撃の悉くを噛み砕き、そして鏖殺する。

時に逸れた雷が鱗を撫でるが、焦げ目一つすら着きはしない。

 

圧倒的。圧倒的なまでの強さ。

成程。主神が、父が恐れるわけだと。雷神は眼前の脅威を前に絶望するどころか、そうでなくてはと笑みを深めた。

 

「雷よ!」

 

『これは、これは!!』

天上より降り来る無数の雷矢。音をも超えた雷速の矢を掻い潜り、雷神にそれを振るう。

 

『魔竜の業拳!!』

 

巨大な質量である竜の拳が魔力を纏い、雷神へ向けて放たれる。

 

滅竜魔法。この世界とは違う何処かの世界で生み出された、竜を屠る為に竜に近付く魔法。

それが初めてこの世界で、敵へ向けて放たれた。

 

「ぬうぅぅぅぅん!!」

 

巨大なる魔の竜、アクノロギアの放った彗星がごとき一撃。

それは恐らく、大神持つ神の槍が放たれたそれと同等の一撃と言えた。

そんな神であれタダでは済まない一撃を、トールは真正面から受け止めた。

 

「でぇぇぇぇあぁぁぁい!!!」

 

そして、雷神は己の持つ全ての力を振り絞り、巨大なる魔竜を投げ飛ばした。

 

『クハハ、ハッハハハハハハハハ!!!』

 

空に放たれた魔竜はすぐさま翼を広げて体勢を建て直し、次なる一撃を放つ。

 

『魔竜の葬翼撃!!』

 

翼を弓を放つかのように大きくしならせ、風にのせた魔の刃の暴風を無数に放つ。

 

悉く打ち砕く雷神の鎚(ミョルニル)ッ!!」

 

襲いかかる魔刃の嵐。それを雷神は、同じく雷の荒れ狂う嵐でもって迎え撃つ。

 

二つの力が鬩ぎ合い、大地はヒビ割れ空が荒れる。

こうも神威が地上で吹き荒ぶのは、何時ぶりであろうか。

 

ぶつかり始めてから、どれだけたっただろう。詳しい時間まではわからない。

日が落ち夜を迎え、再び陽光が空に昇ったことくらいしか覚えていない。

それだけ、二つの絶対存在はこの闘争を愉しんでいた。

 

「ぐっ、がはっ!」

 

魔と雷の鍔迫り合いを生き残り、トールはついに膝を着いた。

 

先の魔竜の拳を受け止めた際に、衝撃を完全には受け流しきれなかったのだ。

 

「ぐっ、ははは」

 

口の中に広がる鉄の味を噛み締めて、雷神は笑った。

 

「強いな、貴様は。強すぎる······」

 

『フン、当然の帰結よ』

 

雷神の賛辞を受け止め、魔竜は当然だと不遜に笑う。

 

「やはり届きそうには無い、か。ははは、なれば······」

 

雷神は今一度立ち上がる。荒れ狂う雷風纏う神鎚を掲げて、そして。

 

「今の俺の全力を、全て持っていくがいい······!!」

 

最後の一撃を。当代にて撃ち放てる、最高で最強の一撃を。

 

「吹き狂え、元素の彼方まで······!!」

 

天より雷が降る。それはアクノロギアへではなく、主であるトールが掲げた右腕の鎚へと、全ての力が集うように。

程なくして、雷神の全力(神威の全て)が集約された。

 

『悦いぞ、実に悦いぞ!北欧の雷神!!』

 

それは、天を翔ける雷光の具現。

 

神罰の象徴、人が最も恐れ、最も想像する厄災の光。

 

真に、人を恐怖させる神の怒り。

 

『ならば見せよう、我の秘奥の一端を。喜ぶがいい雷神よ、貴様は我に、初めてこれを使わせた!!』

 

「ならば見届けよう!最も最強なる魔竜よ!そして刮目せよ!我が威光、我が全て!万物焦がす我が雷光、一切合切を灼き砕く雷神の鉄槌を!!」

 

そしてトールは、己の全てを脚へと集約し、高く高く跳んだ。

 

遥か高みより振り下ろす、雷神が齎す天雷を落とさんが為に。

 

『集え、万能万象たる魔の波動よ!かの雷の権化へ、我が魔竜たる由縁を示さんがために!!』

 

対する魔竜は、大気に溶け込んでいる微量な魔力を、その悉くを自分の袂へと吸い寄せる。

 

集いゆくのは微細なる魔力。それらは塵と吐き捨てるも同然の小さな力でしかない。しかしその塵は、次第に勢いを増していく。一が十に、十が百に、百が千、万、億と、段々とその総数を増やしていく。

塵はやがて、巨山へと姿を変える。

濃密なまでの魔力の波動がアクノロギアを中心に集い、魔竜の持つ魔力が少しづつ浸透していく。

 

そしてそれは、覚醒した。

 

アクノロギアを中心に荒れ狂う魔力は暴風域のごとく吹き荒れる。

それはさながら、意思を持った嵐のようだった。

 

魔力の嵐は鎧のようにアクノロギアの身体を覆い、更にその勢いを高めていく。

 

万雷打ち轟く(ミョル)──」

 

引き絞った弦から矢が放たれるかのように、ギリギリと限界まで軋ませた身体が元に戻る反動を利用し、正真正銘、雷神が撃ち放てる最強の一撃が開帳される──

 

 

『滅竜奥義───』

 

対する地の魔竜は、大地に亀裂を刻むことも厭わずに踏み締め、四つの足で地を蹴り地面にたたきつける勢いで黒きその双翼を振りかぶった。

 

直後、魔竜は重力の軛から解き放たれ、神を貫くべく撃ち出された一発の魔弾と化した。

 

 

 

 

 

 

 

「───雷神の嵐(ニィィ)ィィィィィィィィル!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『───魔燼咆界剣(まじんほうかいけん)!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那、北欧の空に光が充ち、音が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空には闇の天幕が降り、月と星々から齎される光が地上を僅かに照らしている。

 

二つの人影も、その内に含まれていた。

 

一つは星光と月光を浴びて煌びやかに光る灰とも銀ともとれる髪を揺らす、褐色の男。ロギア、魔竜アクノロギアが人の形をとった姿。

ロギアは腕を組んで、そこに居た者を見下ろす。

 

そのもう一つこそが、アクノロギアと血湧き肉躍る激戦を繰り広げた北欧の雷神、トールだった。

 

身体中に血を纏い、自らの体躯よりも少し大きい巨石に背を預け、届かなかった魔竜を見上げている。

 

その眼には恐怖の念は無く、眼に灯るのは悔しさと、憧憬だった。

 

「やはり、届かぬか······俺の雷は·········」

 

「あぁ、この身には届かぬとも。いかに北欧の武神とはいえ、我が躯に傷を付ける名誉はくれてやれんよ」

 

雷神と魔竜の最後の一合、制したのは魔竜だった。

 

最大最高の激突は雷神の嵐を突き破り、魔竜の弾丸が雷鎚を打ち破った。

 

それは誰が見ても恐ろしいものであるが、同時に、誰もが魅入られた戦いだった。

 

「魔竜よ。浅はかな願いであるが、これは俺が望み、俺が成したことだ。そこに他の神々の意は無く、主神の願いでもない。故にこれは」

 

「無論である。この闘争は我々だけのもの。貴様が望み、我が応えた。故に始まった闘争である。貴様の父とやらにこの責任を問うことなどはない」

 

戦いの中で垣間見た獰猛な笑いはなりを潜め、波の立たぬ大海のように穏やかな波動が残った。

ロギアは雷神を見下ろし、牙を見せるように笑った。

 

「故に、安心するがいいトール(・・・)よ。この戦いは、我々だけのものだ」

 

「──そうか」

 

その笑みにトールは安堵し、同時に歓喜した。

 

かの竜は俺を、確かに認めたのだと。

 

「──さて、勝者である我には報酬があってもよいと思うのだがな」

 

「む、確かにそうか。しかし魔竜よ、貴様は俺に何を望む?この雷鎚(ミョルニル)か?」

 

「それは貴様の得物だろう。貴様の誇りを奪うほど我は落ちぶれておらんよ。なに、安心せよ──」

 

ロギアはトールのもとへと近づき、トールの胸板の前へ掌を翳す。

 

「───貴様の霊格のほんの一欠片、雷の一端を貰い受ける」

 

瞬間、トールへと翳した掌に雷が走り、ロギアへと流れていく。

 

「ぬ、それだけで良いのか?」

 

「良い。いずれ役立つ時が来るやもしれぬし、なに。今はまだ弱き波動なれど、我が糧としたのだ。貴様が振るいし全力に足るまで鍛え上げるとしよう」

 

「は、ハハハハッ!」

 

「クク、クハハハ!」

 

「ハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

「クッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

 

 

 

 

激動の後には、竜と神との間に歪な友情が生まれた。




あくのろさん、神友ができました。(白目)


あとシグルドとブリュンヒルデの話は原典の解釈を混ぜてあります。
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