魔竜転生アクノロギア 意図せず原作をブレイクするようです。ただし別のな!   作:前虎後狼

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あくのろさん痛恨のミス


あくのろだいあ───

 

 

☆月✓日

 

 

なんか分からないけどトールとの戦いの後に和解し、友達になりました。

 

なんだろね、段々と精神がアクノロギア寄りなってんのかな?

ファイターズハイになってオラオラしてた記憶がある。

夕方の河川敷で殴り合う少年漫画かなここは?

んでもって密かに考えてた俺流滅竜奥義、魔燼咆界剣まで開帳しちゃったよ。そんでもってすごく恥ずかしい······。

 

漫画みたいに技名叫ぶなんてしたの小学校のごっこ遊び以来な気がする。

 

若しくは中学の時の·········うっ、頭が······。

 

だけどなんだかんだで楽しかったな、あくのろさんの身体を存分に使うの。

久々にはしゃいじゃったよ。

 

あっ、それと勝者の証としてトールんから雷の権能の一部を貰ってきました。あくのろさんの魂を抜き取る滅竜魔法をここで使っていくスタイル。

まぁほんのちょっとだから。トールにも何の問題もないみたいだし。

それにさ、友の力で戦うって良いじゃん?

 

それに······もしかしたらもしかしてがあるかもだし、ね。

 

 

よし、それじゃあシグルドの向かったギューキ王の城へ向かうとしよう。

この調子だと明日には着くかな。

恐らくだが三日、いや五日くらいだろうか?それほどシグルドを待たせてるだろうし、急ぐとしよう。

全速前進DA!!

 

 

というか、なんか忘れてるような気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「月」日

 

 

失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野山を駆け抜け、褐色の男は眼下に広がる城を目指す。

雷神トールとの激戦を経たばかりだというのに、疲弊の色は微塵も浮かんではいない。

そんな激戦で勝利を勝ち取った魔竜は、一足先にシグルドが目指した場所、ギューキ王の治める国へと駆け、シグルドと別れてから六日目の晩に到着した。

 

「ふむ、中々に良い街だ」

 

人の活気で溢れる都市、繁栄している光景は、竜とはいえ比較的に穏やかな状態のロギアに笑みを持たせるには充分だった。

 

「さて、シグルドの奴を探すとしよう。一体どこにいるのやら」

 

ボロ布の様なローブを纏い、フードを被り旅人を装う。

比較的目を引く自分の姿を隠す為のものだ。

 

(凄い賑わってるなぁ······おっ、あの肉美味そう)

 

露店にはあらゆる料理が並び、人々はそれらを手に談笑し、笑い合っている。とても賑やかな情景だ。

 

しかし、

 

「少し、賑やか過ぎぬか?」

 

その賑やかさ故に、ロギアは違和感を抱いた。

ここまでのそれはまるで、何かの祭典が執り行われたかのように、何かを祝福するかのようなそれだった。

 

「シグルドの奴、何かまた偉業を成しえたか?」

 

(そんな逸話あったっけ······)

 

叡智(原作知識)による補完を行おうとするも、何故か思い浮かばない。

段々と記憶があやふやになってきたかと少しの危機感を抱いていたその時、聞き逃せぬ言葉があった。

 

「いやーついにウチのお姫様が結婚とはねぇ!しかも相手はあのシグルドときたもんだ!」

 

「全くだな、あの姫様にもようやくの春が訪れたようで、俺らも一安心だよ」

 

 

 

 

 

 

「───なに?」

 

 

 

 

 

 

一瞬、世界からあらゆる音が消失したかのような錯覚に陥った。

 

(シグルドが······あのシグルドが、ブリュンヒルデ以外と結婚·········?)

 

それらの情報を飲み干して、ロギアは声の聞こえた方へと歩を進めた。

 

「おい貴様」

 

「あん?一体何用──ヒッ!?」

 

ロギアの恐ろしい迄の人相とにじみ出る怒気、そしてなんの力も持たぬ一般の民である彼には理解しようのない魔力の波動。

なす術もなく怯えている男だが、それらを前にして正気を保っているだけでも、充分に凄いことではある。

 

「貴様、先程言ったことをもう一度繰り返せ。シグルドがなんだと?」

 

しかしそんな彼の事など知ったことでは無いと、ロギアは先の言葉の如何について問うた。

 

「い、いや!だからシグルドがウチの姫様と婚姻したって話で」

 

「その姫とは誰の事だ!!奴は誰と契りを交わした!!」

 

「ヒィィィィ!!ぐ、グートルーネ様だよ!ギューキ王と妃グリームヒルドの娘、グートルーネ姫様だ!」

 

「──なん·····················だと?」

 

激情に駆られるまま男の胸倉を掴み上げていたロギアは、力を、感情を失ったかのように手を離す。

 

解放された男は荒くなった呼吸を整えながら、急に機能停止したかのように動かなくなったロギアを畏怖の目で見上げていた。

あれだけの恐怖に直面して漏らすことも無かった彼は時代によっては英雄と呼んでも差し支えなかったかもしれない。

 

(嘘だろ······嘘だ。だってアイツはブリュンヒルデを──)

 

思考が纏まらない、考えが追いつかない、感情が治まらない。

 

理解が及ばない。

 

なんだそれは?どうしてそうなった?あの誓いは、ブリュンヒルデに捧げた愛の灯火はどこへと消えたのだ?

 

「──なんだ、それは」

 

「あー、兄ちゃん?あんた一体どうしたんだ?」

 

「もしかしてあんた、シグルドの知り合いだったり?」

 

被害者になった男と酒を酌み交わしていた者が訝しげに話しかけてくるが、それどころではない。

 

「っ、情報、感謝する。済まなかったな、無辜なる民よ······」

 

どうにかなってしまいそうな頭を抑えて、ロギアは人気のない路地裏へと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな馬鹿な、有り得るはずがない!」

 

民家の屋根から屋根へと飛び移り、街の夜空を駆け抜ける。

 

それはつい先程到着したばかりのロギアだった。

 

ロギアは混乱していた。あのシグルドが、見ているこちらが恥ずかしくなる程にブリュンヒルデを愛していたあの男が、ブリュンヒルデ以外のものと夫婦の契りを交わしたなどと。

 

(シグルドの偽物?だがシグルドは確かにここへ向かっていた。ならば両者が鉢合わせするのは間違いない。それにもし偽物だとするならば、本物はどうしたって言うんだ!?)

 

一度結んだ約定を違える男ではない。仮に違えるとしたら、それは奴が死んだ時だ。それ以外にありえない。

 

(まさかシグルドに限って殺されたなんてことは無いだろうけど、じゃあ一体何が!?)

 

民家の屋根の上を跳ね、事の中心であろうギューキ王の城の塀に着地する。

ロギアはその人間離れした視力でもって、城内の中を隈無く探し始めた。

 

 

「───────」

 

そして、見つけてしまった。

 

認めたくなど無かった。ホラ吹きであって欲しかった。

もしそうなら、ロギアは笑いながらなけなしの賃金をはたいただろう。

 

しかし、しかししかししかし。

 

 

 

 

「なに、をやっている、シグル──」

 

 

 

 

微笑む盟友と、同じく幸せそうに微笑む見目麗しい少女。

 

それは、かつて英雄が恋に落ち愛すると定めた運命の君──ではなく。

 

似ても似つかぬ、面影も微塵もない別人だった。

 

 

 

「シグルドォォォォォォォォ!!!」

 

 

 

気付けば、足場とする城の塀が砕け散るのも厭わずに、ロギアは一足で盟友の下まで跳んだ。

 

城の庭園、二人が談笑していたその場へと、魔竜は激情に駆られるまま飛び込んだ。

 

「──ロギア?」

 

困惑する盟友、シグルドの声を聞いて、ロギアはわけも分からぬまま叫んだ。

 

「き、さま!シグルド!!何をやっている!?」

 

「どうしたのだ盟友よ。貴殿は何に激昴して──」

 

「何に!?何にだと!?それは我の言うべき言葉だ!!貴様こそ何をしている!?この地にて、婚姻?結婚だと!?ブリュンヒルデはどうした!!我が愛、我が運命と語っていた貴様は何処へ行った!!?あれだけの情熱を灯していた、貴様の()はどこへと掻き消えた!!!?」

 

「──まて、盟友よ。お前の言うブリュンヒルデとは、一体誰の事だ?」

 

「───なに?」

 

ブリュンヒルデを、知らない?

 

そんな訳が、ない。ありえない。有り得るはずがない!

 

「忘れた······?忘れたというのか!?あれだけ愛してやまなかったお前の愛を!その矛先を!決して忘れぬとあの女へ手向けた誓いを!!!貴様は──」

 

「あ、あの!!」

 

ロギアの絶叫を遮って、シグルドの隣にて困惑を露わにしていた麗しき少女が声を上げた。

 

「貴方は、シグルド様のお知り合いなのですか?」

 

「き、さまは──」

 

「初めまして、私はグートルーネと申します。ギューキ王と妃グリームヒルドを親に持ち、今日シグルド様の伴侶となった、少々賢しいだけの小娘です」

 

姫君グートルーネが、夫シグルドに詰め寄る名も知らぬ大男へと尋ねる。

魔竜は未だ混乱から抜け出せずに、その激情の矛先をグートルーネへと変えた。

 

「貴様か······?貴様がこやつから、記憶を奪ったのか?我が盟友、我が友、シグルドから愛を······真なる愛を奪ったと言うのか!?」

 

だとするなら、だとするならばコイツは──

 

「そのような事など!!私はシグルド様を純粋にお慕いしております!記憶を奪うなど!?」

 

「っ·········」

 

嘘、では無かった。

 

彼女の目には虚偽の色はなく。嘘をつくものが自然と行う目を逸らす行為をせず、真っ直ぐにロギアの目を見つめ返していた。

 

「で、ではっ······ブリュンヒルデという名に、聞き覚えは?」

 

「?それはもちろん、大神オーディンに仕える誇り高き戦乙女。ブリュンヒルデ様、ですよね?」

 

飾ったような言葉ではない。

純粋に彼女自身が思い当たった記憶から情報を引き出し、その通りに答えていた。

 

「では、シグルドからブリュンヒルデという名が口に出たか?」

 

「いえ、シグルド様のお口からは一度も」

 

「っ───」

 

違う、この女ではない。

 

シグルドから記憶を奪ったのは······

 

「ロギア?どうしたというのだ。それに先日の、雷神トールとの決闘は──」

 

「居たぞ!侵入者だ!」

 

失意に暮れるロギアの下へ、武装した衛兵達が庭園へとなだれ込んで来る。

 

「姫様をお守りしろ!」

 

「なっ、待って!この人は何も!!」

 

グートルーネは、その先を紡げなかった。

 

「クッ!!」

 

ロギアは足下に魔力を集め、人が傷つかぬ程度の暴風を起こす。

その風に乗って、ロギアは城の塀を越え、街を越えて、元の来た道を引き返していく。

 

 

「ブリュンヒルデ·········?」

 

 

残されし過去を忘却した英雄は、盟友が口にしていた者の名をゆっくりと反芻していた。

 

聞き覚えのない名前。それは、竜殺しが愛すると誓った、気高き乙女の名。

過去を忘却させられた英雄が、最も愛おしく思った女の名だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハア、ハア······」

 

満月が照らす夜闇の山。

 

その中腹部にて、魔竜は混乱したままだった頭をようやく落ち着けて、再び思考の海に埋没する。

 

(何を見落としていた、俺は。シグルドとブリュンヒルデが破滅する決定的な瞬間は、一体何時だった?)

 

北欧神話において、英雄シグルドとブリュンヒルデの物語は、報われぬ悲恋の代名詞として人々に知られている。

ロギア、いや、アクノロギアの躯を手にする前の、かつて人の子であった男はそれを断片的に知っていた。

 

だが男は、その原因となる出来事をこの時まで忘れていた。

 

即ち、シグルドの記憶の忘却。

 

(何が切っ掛けだ、何が運命をこうさせた?二人が、シグルドとブリュンヒルデが出会い、愛し合ったからか?違う。それは賢者の言っていた予言だが、決定的じゃない。回避できる余地はあったはずだ)

 

例えば、以前に述べたように二人が片時も離れずにいること。

 

例えば、シグルドが早々に旅を切り上げて、挙式なりなんなりすればいい。

 

故に、決定的な分水嶺となったのはここではない。

 

(ならなんだ?この街に来たことか?グートルーネに惚れられたからか?いや、いいや違う。他にあるはずだ。起点となった出来事が、忘却した原因が───)

 

忘却した。どのように?

自然と忘れた?有り得ない。あれほど愛した者を自発的に、しかもこんな短期間で忘れるなど不可能だ。

 

(───忘れ薬)

 

ならぱ、魔術のようなマジックアイテムならば、どうだろう?

 

──可能だ。

 

なら、それができる人物とは。

 

「──────あぁ、そうか。そういう、ことか」

 

ロギアには、一人心当たりがあった。

 

「どうして忘れていた、我は。あれほど書物の中に描かれた謀略の魔女へと抱いた、決して忘れぬ敵意、憎悪を、どうして今の今まで忘れていた」

 

最強と謳われる魔竜の躯を手にしたことで、男は有頂天になっていた。

今の自分ならなんでもやれる、何者でも救えると。

 

「クハハ。酷い、酷すぎるぞ。この醜態さには、微塵も笑えんよ。

 

おのれ、おのれ魔女め。我が盟友から、真なる愛を奪いおったな!

おのれ────」

 

しかし所詮は、ただの力だった。 純粋な暴力でしか無い彼には、謀略による悲劇など防ぎようもなかった。

 

そんな事、とっくに気付いていたはずなのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グリィィィィムヒルドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

魔竜は、憤怒の咆哮を挙げる。

謀略の魔女と、愚かで無力な己自身へ。

 

 

 

 

後悔の音色が、響き渡った。




運命とは抗うもの。

絶望とは覆すもの。

では絶望を覆せば、何がある?
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