GOD EATER ~狼の追跡者~   作:黒槍

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もう一つ頂きました!ひゃっほう!




 第3話(3) とにもかくにも災難続きのルーキーは災難

「うわわっ!何ですかこれ?!」

 

「きゃははっ!びっくりしたー?びっくりしたー?」

 

 

 

 

 

ヘリが隠されたヘリポートに着陸すると、巨大なエレベーターが作動し、駆動音を控えめに抑えながら降下していく。

 

そして、カモフラージュの為の地面が左右から出てきて、ヘリポートが降下した事による穴を塞ぐという仕組みである。

 

天井の穴が完全に塞がれると、第零部隊の帰還を祝福するかのように通路がライトアップされ、その通路の先には、専属のサポーター達が総出で出迎えをしていた。

 

まるで、一種のパレードのような、凱旋じみた派手さである。

 

エレベーターの降下が止まり、安全確認をした操縦士から合図が出ると、隊員達は欠ける事なくヘリから降りた。

 

そのまま通路に歩を進め、一人一人順番に手摺を掴む。

 

すると、手摺を掴んだ腕に突然、どこからともなく現れた機械が張り付いた。

 

ルーキーは跳ね上がる勢いで驚くと、待ってましたと言わんばかりにミミが笑いだした。

 

「安心してくれ。ただの簡易検査だ。ここから入る場合、身体に異常がないか、盗聴器などの機器が付けられていないか、それらをチェックするんだ」

 

「チェックするんだー」

 

(…チェックするんだぁ…)

 

ルーキーは、ほっとしたように肩を落とすと、特に何も考える間もなく、通路の終わりに辿り着いた。

 

隊長、ハヤ、ミミの順で、各専属のサポーターに迎えられると、他のサポーター達は唯一人を除いて、中に入っていく。

 

サポーター達は口々に、「ナナ様はお部屋でお休みかしら?」や、「ルル様、クク様と、お楽しみ…ゾクゾク…ハァハァ…」など、「クク様、今日も包帯をご所望なのか…やれやれ…」といった事を話していた。

 

二番目どうした。

 

ルーキーは、サポーター達の後ろ姿を見送ると、手持ち無沙汰な様子で残っている一人のサポーターと目が合った。

 

その瞬間、警報が鳴り響いた。

 

「何だ!?」

 

「???」

 

その警報は、ルーキーの腕に張り付いたままの機械から発せられていた。

 

「…え」

 

ルーキーの腕に張り付いたままの機械は、ルーキーから神機を奪い取ると、自動ドアの向こうに行ってしまう。

 

「…た、隊長…これって…?」

 

助けを求めるような目でルーキーは隊長を見るが、隊長は手を差し伸べるような真似はしなかった。

 

「…規則だ。悪いが、私にはどうしようもない」

 

隊長がそう告げると、三人と何やら話していたサポーター達が、瞬きする暇もなくルーキーに組み付いた。

 

「っ!!??」

 

そのまま、床にうつ伏せになるように組み伏せられ、驚きと焦りのあまり、ルーキーは何も言えなくなる。

 

「危険度Aエラーを確認しました。これより、緊急検査を行います」

 

聞き慣れない用語を言い放つと、サポーター達はルーキーの右腕を伸ばして固定し、上半身の服を容赦なく破いて脱がせた。

 

「!これは…」

 

「っ??っ???」

 

ルーキーの右腕にあった黒い痣は、右腕から肘、肩を経由し、背中まで広がっていた。

 

まるで、オラクル細胞の侵喰を受けているような、そんな様子だった。

 

その事に驚きを隠せなかった隊長は、ルーキーの前でしゃがみ込み、ルーキーの顎を乱暴に持ち上げた。

 

「何故、早く言わなかった!!!!」

 

ルーキーを真っ直ぐと見据えた隊長の目には、怒りや動揺や焦りなどの感情が渦巻いていた。

 

「た…隊長…?…何が、どういう事ですか…?」

 

状況を飲み込めていないルーキーの反応に、隊長の腕に込められた力が抜け、隊長は床を睨みつけながら苦しげに呟いた。

 

「…君はっ……君には…!…”アラガミ化”の兆候が出ているんだ…っ!!」

 

 

 

 

 

(…そっか…あれはつまり、そういう事だったんだ…)

 

ルーキーは、アラガミ化についての話を聞かされ、妙に納得していた。

 

――アラガミ化。

 

人間がオラクル細胞に侵喰される事で起こる、アラガミへの変異現象。

 

それはゴッドイーターも例外ではなく、ゴッドイーターの場合は偏食因子の過多過少によって起こると言われている。

 

勿論この情報は公式発表ではなく、第零部隊だからこそ知る事が出来る情報だった。

 

「…ゴッドイーターになる事が出来る人間というのは、生まれながらにして、オラクル細胞とそれを制御する為の偏食因子を、遺伝子の一部に宿した人間なんだ…それが神機との適合率を決定し、選定される基準となる…」

 

隊長の言葉が、ルーキーの脳裏を巡る。

 

「…我々、第零部隊の隊員は、その中でも特別な偏食因子を宿している…それは、偏食を調節出来るという、まるでアラガミのコアのような役割を果たす偏食因子だ…つまり…」

 

ルーキーは、泣きそうな顔をして話してくれた隊長を思い出す。

 

「…我々は、ゴッドイーターなどと呼ばれる存在ではないんだよ…アラガミとしての部分を色濃く宿し、偶然ヒトとして生まれただけの、憎むべき人類の敵なんだ…」

 

そうだった。

 

そういう事だった。

 

第零部隊(かれら)は存在を隠され、地下に隔離され、ゴッドイーターでもアラガミでもなく、それらの影として生きていくのだ。

 

その理由は、アラガミとしての性質を抑える為だった。

 

謎のゴッドイーターに接近されたルーキーが、完全なアラガミになろうとしていた事が証拠だった。

 

そういった事態を防ぐ為に、こうして可能な限り隔離されていたのである。

 

(…やっぱり、隊長の徒歩に追いつけなかったのも、着地が上手くいかなかったのも、アラガミ化の兆候の所為だったのかなぁ…)

 

本来であれば、腕輪を装着する事によってそれを人為的に抑え、安定させてから配属される筈だったのだが、ルーキーの場合はそれが行われなかった。

 

それが、この状況を生んだ要因の一つだった。

 

ルーキーは、全身を完全に拘束され、誰もいない、何もない部屋にいた。

 

(…本当に、今日は色々と…人生最悪の日、なんだね…)

 

これから一ヶ月の間、ルーキーはこの部屋で、この状態で過ごす事になる。

 

アラガミ化が収まれば原隊復帰となり、完全にアラガミ化すると所属部隊の隊長に処分される。

 

つまり、もし完全にアラガミ化してしまうと、隊長によって処刑される事になるのだ。

 

(…あはは……今日は、色々と特別な日になって…色々な事があったなぁ…)

 

ルーキーは呑気にそんな事を思うと、真っ黒に染まっていく右腕を眺めた。

 

(…災難…だなぁ……)

 

 

 

こうして、とても急な事に、急展開で、一ヶ月の時が流れた。





発売日が迫っているので、それまでにある程度の話まで進めておきたい…

これでも実はスローペースですが、急展開過ぎて面白くなかったら、遠慮なくそう言ってください。

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