GOD EATER ~狼の追跡者~   作:黒槍

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とうとうGE2買ってしまいました。

あの序盤丸ごと体験版は反則ですよ、買うしかないじゃないですか。
つまり、販促…いえ、何でもないです。




 第3話(2) 半壊状態の第零部隊に訪れる新たな始まり

「…取り敢えず、何とかなったわね……」

 

「ドクターさん、お疲れ様です。どうぞ、コーヒーを淹れてみました」

 

 

 

 

 

爆発による火傷と落下による全身打撲で、再起不能一歩手前だったククの治療を終えると、ドクターはルーキーが淹れたコーヒーを口に運んだ。

 

目が覚めるような熱さと、苦くて濃い香りが口一杯に広がる。

 

ブラックが苦手だったドクターは、一口だけ飲んでコーヒーを机の上に置いた。

 

「………さて、休憩がてら経過報告でもしようかしらね」

 

そして、それをルーキーに悟られないようにカルテを取り出した。

 

「あ、はい」

 

ドクターに促されるまま、もはや専用のベッドになりつつあるそこへ腰掛けると、ルーキーはドクターの言葉を待つ。

 

「…まずは、アラガミ化の侵喰状況ね。詳しく調べたところ、エインの偏食因子が貴方の体内に残留していて、それがアラガミ化の侵喰を抑え込んでいるみたいね。だから、一応は順調という事になるわ。良かったわね」

 

ルーキーの右手首にまで縮小した侵喰は、腕輪跡に出来た痣の延長と言っても差し支えないほどに抑え込まれていて、一見するとタトゥーのような模様にも見えた。

 

この程度の模様であれば、槍使いを一人自害させる事も可能かもしれない。

 

この人でなし!

 

「けれど、まだ安心は出来ないわ。その理由は後で話すつもりだけれど、今はエインの偏食因子が貴方に悪影響を与えない事を祈るばかりね」

 

「…分かりました」

 

ドクターのその言葉を聞いて、ルーキーの顔が僅かに曇った。

 

それもその筈である。

 

ルーキーから見れば、隊長に命を救って貰った立場であるのに、それによって新たな被害を被る可能性があるから注意しろ、と言われたのである。

 

その事が、命の恩人を逆恨みするような行為に思え、複雑な気分になってしまったのだった。

 

そんなルーキーの様子に気付いたのか、ドクターは言うべきか言うべきでないかを考え始め、ルーキーを真っ直ぐ見据えた。

 

「…仕方ないわね……もう少し落ち着いてから話すつもりだった事だけど、貴方自身の事だものね。教えてあげるわ、今貴方が置かれている状況を」

 

ドクターの視線を真っ向から受け止めると、ルーキーは意を決したように頷く。

 

「…これは私の憶測でしかない事だけど、貴方は本部の手の平の上で踊らされている、可哀想で哀れむべき存在だという事よ」

 

ルーキーは、首を傾げた。

 

当然である。

 

いきなりそんな事を言われても、理解できる訳がない。

 

それはドクターも承知しているようで、ただの独り言だと言わんばかりに言い直す。

 

「つまり貴方は、本来であれば第零部隊にいてはいけない存在なのよ。この意味が分かるかしら?」

 

ルーキーの背中を、嫌な冷や汗が流れた。

 

「…それは、どういう事ですか?」

 

ごくりと、ルーキーの喉がなった。

 

「貴方は、ごく一般的な普通のゴッドイーターであり、本部から送られてきた時限爆弾…もしくは、ただの実験体という事よ」

 

 

 

 

 

「………ちっ…」

 

ハヤは、考えていた。

 

何をと聞かれれば、それは今しがた睨みを利かせてきた隊長の事ではなく、侵入者達の事だった。

 

「…偶然にしては、タイミングよすぎねえか…?」

 

新種アラガミの出現に部隊の半分以上が割かれ、ちょうど出払っている時に侵入者達が侵入してきている事に、ハヤは疑問を持っているのだった。

 

その疑問に確信を抱かせるような、降って湧いたというより降って消えた隊長の記憶喪失。

 

ここまで都合よく偶然とは起きうるものなのか、ご都合主義ではないハヤは疑問を投じずにはいられなかった。

 

それに、とハヤは崩落した二階の床と天井に目を遣る。

 

「…結局、何しに来やがったんだ…?」

 

第零部隊の施設、そこで働く作業員、応戦したサポーター達と、クク。

 

それらが一定の被害を受けたものの、第零部隊の根本的戦力や機能が大きく削がれた訳でもないのである。

 

破損した箇所は修復し、負傷した人員は治療し、今後の侵入を許さないように対策を考えれば済む話なのである。

 

すると、将来的に見ると侵入者達には損しかなく、どこにも得をするような要素が見当たらないという事になる。

 

それが、ハヤにとって疑問だったのである。

 

目的が分からない。

 

非常事態に対する脆弱性を知らしめる為だったのか、それとも情報の漏洩でも知らせる為だったのかと、ハヤはそんな事まで考えてしまう。

 

それほどまでに、訳の分からない行動だった。

 

仮に、これで隊員の一人二人が殉職でもしていれば、話は別だったのである。

 

ハヤは、深く悩んだ。

 

「…捕まえといた捕虜にでも、今度聞くか…」

 

そう簡単には吐かないだろうがと思いながら、ハヤはふと視線を足元へと向ける。

 

「…ん?」

 

暗くて今まで気が付かなかったのか、そこには外へと続く血痕があった。

 

「…ルルの血か?……いや…まさかとは思うが、一応確認しとくか…」

 

点々と続く血痕の後を追い、しばらくしてから、ハヤは再び外へと出る。

 

「…ま、そう簡単にいく訳がねえか」

 

そこから少し離れたところで、血は途切れていた。

 

こういう時だけは都合よくいかねえなあと、残念そうに呟いて大穴へと振り返ると、ハヤはおかしなものを偶然、見付けた。

 

それは、足跡だった。

 

その足跡は、血痕と同様に途切れているが、おかしなものはそれではなかった。

 

もう一つ、別の足跡がその近くにあったのだった。

 

「…外に逃げたのは、一人だったよな…?」

 

まさか捕虜がと思い、しかしハヤは即座にそれを否定する。

 

何故なら、捕虜を捕まえたのは、ククをドクターのところへ運んだ後だったからである。

 

そして、捕虜をそのままサポーター達に引き渡し、しっかりと神機は工房へ運び込んでいる。

 

逃げられる訳がないのである。

 

捕虜は今頃、サポーター達に拘束されて、肩身の狭い思いをしている筈なのだから。

 

それに、サポーター達が簡単に逃げられるような状態にしておく訳がないという事も、ハヤは知っていた。

 

ルーキーでさえ、身動き一つ取れないように拘束していたくらいなのである。

 

それが侵入者となれば、恐らく目も当てられない状態にしてある事だろう。

 

全裸とか。

 

「…って事は…この足跡は、わざわざこっちをかく乱する為につけたって事か。んな訳ねえな」

 

ハヤは一人ノリツッコミをすると、再び思考の海へと沈んでいった。





あの~…遠慮しないで、アンケートに答えてくれていいんですよ?
アンケート結果に文句は言いませんから…

お願いします…

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