GOD EATER ~狼の追跡者~   作:黒槍

44 / 46

GE2のシナリオが自分好みではなかったので、原作に沿わない体でやってみようかなと思いつつ、それならとウィキペディアで小説や漫画の概要を調べながら、スサノオ二体とディアガルムを狩りに狩っていたら、一ヶ月経っていました。

不思議ですね。




 第4話(1) アラガミを作るアラガミを作るアラガミは脅威

「ちっ…病み上がり理由にして足引っ張りやがったら、どうなるか分かってんだろうな…?」

 

「…が……頑張り、ます……!」

 

 

 

 

 

ドクターと医務室で散々暴れ尽くして気を失った隊長は、ドクターと一緒にサポーターの応急手当を受けていた。

 

「…お医者様が怪我人を作っては、意味がないでしょう?」

 

隊長のサポーターは、動けなくなる一歩手前まで酷使されたドクターの体に包帯を巻きながら、そう愚痴をこぼした。

 

「あら、その怪我人を治療するのは誰かし…痛っ!」

 

それをしたり顔で言い返そうとしたドクターの体に、一際強く包帯が巻き付く。

 

「今は私どもですが、何か仰いましたか?」

 

「ちょっとしたジョークよ。ドクタージョーク」

 

ドクターは観念したように両手を上げると、サポーターに包帯を緩めて貰えるよう目配せした。

 

ちなみに、ドクタージョークとは、足の捻挫で病院に来た患者に取り敢えず切断を言い渡すような、そんなジョークの事である。

 

切断厨が仲間になりたそうにドクターを見ている。

 

「…あの、ドクターさん……本当に、僕は部隊に戻っても、大丈夫なんですか…?」

 

違った。

 

気を失った隊長をここまで運んできたルーキーは、二つ以上の意味で顔を赤くしながら、ドクターにそう尋ねる。

 

「…神機を使ってみない事には、断言は出来ないわ。本当は原因を特定してからの方が確実なんだけど……任務に指名されてしまった以上、大丈夫な事を祈るしかないわね」

 

包帯を巻かれ終わったドクターは、肌着の上に白衣を羽織りながら答えた。

 

「…そう、ですよね……」

 

ルーキーは改めて訓練場らしい部屋を見渡しながら呟くと、見覚えのある人物がそこにいない事に気が付いた。

 

「…?」

 

その事に疑問を持ったものの、ルーキーは深く考える事はしなかった。

 

(…ふぅ……ずっと医務室で寝てたから、体が鈍ってるのかな…)

 

そして、休憩がてら外をぶらぶらしようと訓練場から出ると、ルーキーの目の前に懐かしい人物が立っていた。

 

「…あ」

 

「あーっっ!!!ルーキーちゃんだーっ!!!」

 

その人物は、ミミだった。

 

薄らと目の端に涙を滲ませながら、ミミはとても嬉しそうにルーキーを指差していた。

 

「…ミミさん、お久しぶりです…!」

 

それが、ルーキーが記憶のどこかで感じている懐かしさを助長させたのか、途端に泣きたいような沈み込みたいような、不思議な感覚にルーキーを陥れる。

 

「!な、泣かないでよ、ルーキーちゃん!ルーキーちゃんが泣いちゃったら、ミミまで…涙出てきちゃったよー…!」

 

すると、気付かないうちに涙を流していたルーキーにつられて、ミミまで泣き出してしまった。

 

二人はどうすればいいのか分からず、階段の上から向けられる視線にも気付かずに、しばらくそうして泣き合っていた。

 

 

 

 

 

「時間だ…行くぞ」

 

ハヤはさっさとヘリに乗り込みながら、ルーキーにそう声を掛ける。

 

「りょ、了解です…!」

 

その声に促され、ルーキーは大事そうに抱えた神機をぶつけないように注意しながら、ハヤに続いた。

 

レージングドローミ…ルーキーの神機は、本部からの簡易メンテナンス許可を受け、無口な工房の責任者によって検査されたのち、ルーキーの手に渡されていた。

 

(…あの受付さん、工房の責任者さんだったんだ……)

 

掃除係の人か何かだと思っていたルーキーは、その事に驚きながらも深く反省していた。

 

その反省の深さたるや、ハヤがルーキーの様子を見兼ねてわざわざ声を掛けるまで、ヘリの存在に気が付かなかったくらいである。

 

しかし、ルーキーが驚いてしまうのも無理はなかった。

 

何せ、あの無口な受付兼掃除兼整備担当兼責任者という、思わず読み飛ばしてしまいたくなる単語の集合体を肩書きに持つ少女は、実年齢より非常に若く見えると言えば聞こえはいいが、外見が幼いのである。

 

つまり、分かりやすく言ってしまえば、合法ロリというやつなのである。

 

すると、少女という代名詞すらこの場合は適切でなく、むしろ形容名詞とでも名付けるべき代物となってしまうのだった。

 

ちなみに、世間一般ではそれを比喩表現と言う。

 

言わないかも知れない。

 

二人を載せたヘリがプロペラを回し始めると、それに合わせて機体が少し振動した後、ふわりと浮かび上がった。

 

二人、である。

 

勿論、操縦士を除いて。

 

本来であれば、出発の時間までに隊長が目覚めていれば、隊長も合わせて三人で行く予定になっていたのだが、結局その予定はただの予定でしかなかった。

 

その為、ナナ達が接触した未知の巨大アラガミは、ハヤとルーキーの二人で討伐する事に決まっていた。

 

ちなみに、ミミはと言うと、万が一の時に備えての待機である。

 

これは、待機を拒否したハヤの代わりに、ミミが待機を引き受けた事によるものである。

 

「…おい、やる気がねえなら降りやがれ…邪魔だ」

 

そんなやる気に満ちたハヤとは対照的なルーキーの様子に、ハヤが苛立ち始めるのは仕方がない事だった。

 

「…だ、大丈夫です…!やる気、あります…!」

 

泣く子も黙るどころか、大人ですら泣いてしまいそうな程の威圧感を放つハヤに気付き、ルーキーは我に返った。

 

そして、それと同時に、ハヤが何故苛立っているのかを理解した。

 

ミミとの再会で緩くなっている涙腺を抑え切れはしなかったものの、黙り込む事なくしっかりとした言葉で、ルーキーはハヤの言葉に答えた。

 

「………」

 

それをどう受け取ったのか、ハヤはルーキーの方を何も言わずに睨み続けると、何かに納得したように小さく呟いた。

 

(…良かった……恐かった……)

 

涙ながらに返事を返した後、ルーキーは滲んだ涙を拭き取り、ぎゅっと神機を抱き締める。

 

(…頑張ろう…きっと、ハヤさんは僕の事を心配してくれて、喝を入れてくれたんだ……頑張らないと…!)

 

そして、少し吹っ切れたような、もしくは成長したような事を考えながら決心すると、ルーキーは再び神機をぎゅっっと抱き締めた。

 

ふと、ルーキーの視界にハヤの様子が映った。

 

(…え…?)

 

ハヤは、先程とは違う苛立ちを顕わにしながら、後ろ頭をがさがさと掻き、酷く難しそうな顔をしていた。

 

「…くそっ……訳分かんねえ……」

 

しかし、ハヤが何故苛立っているのかを理解出来ず、その理由に思い当たる節もなく、ルーキーは不安げにハヤの方を見ていた。





ニブルヘイムって、ガルム系の刀身の名前になってましたね…

というか、武器とかの名前の付け方が適当になっていた感が否めないのですが、気の所為でしょうか…?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。