GOD EATER ~狼の追跡者~   作:黒槍

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早く完結させないと…(使命感)

しかし、広げた風呂敷をまとめるには、最低あと三章くらい必要なのであった…

具体的には、まず第零部隊、そしてルーキー、最後に暗躍する組織とフェンリル…

え?神機?オリジナルアラガミ?

知らん、そんな事は俺の管轄外だ。




 第4話(3) アラガミを作るアラガミを作るアラガミは脅威

「…済まなかったな。ミミ、ここは任せる」

 

「隊長………絶対、三人で帰ってきてねー!!」

 

 

 

 

 

ミミに見送られてヘリに乗り込み、しばらく経った頃。

 

曇ったガラスから外の風景を眺めているふりをしながら、隊長は操縦士の話に耳を傾けていた。

 

「…お二人は、アラガミを倒された直後に抜けた地面の下に落ちてしまい、それきり…」

 

異変を感じて近付く事を躊躇ったと話すヘリの操縦士に、隊長は無言で頷くと、もはや潮騒の音すらも聞こえてこない通信機を懐に収め、あの後の事を考える。

 

そう、あの後の事である。

 

度重なる出来事のほぼ全てに関わり、身も心も磨耗させて奮闘した結果、少し疲れてしまった隊長の名誉を守る為に、わざわざ体を張って元の状態に戻りやすく手を尽くしてくれたドクターに説教されて、目を覚ました後の事である。

 

どうやら、サポーター達の間では、隊長はドクターに説教されて任務前から落ち込んでいて、更にドクターに説教されて今まで意識を失っていた、という事になっているらしかった。

 

「…やっぱり、あの人は嫌いだ…」

 

呟く。

 

ヘリの操縦士には聞こえないくらいの声で、こっそりと。

 

「…貴方が気に病む事はない。貴方は貴方のやるべき事を実行してくれた。後の事は、私に任せてくれ」

 

その隊長の言葉で、少しは肩の荷が楽になったのか、操縦士は頭を下げてヘリの操縦に傾注する。

 

「…やるべき事、か…」

 

その代わり、第零部隊の隊長として放った言葉が、容赦なく隊長の胸を抉った。

 

「…気に病む事はないんだよ、アンタはアンタのやるべき事をやったんだ。後は隊長に任せな…!」

 

それは、かつて隊長が隊長でなかった頃、当時の隊長に言われた言葉だったからである。

 

そして、それがその隊長からの最期の言葉だった。

 

隊長の胸に、微かな痛みが走る。

 

「…ふふふっ…隊長として言うべき事は分かっているのに、肝心のやるべき事が分かっていなかったとは、我が事ながら情けない限りだ…」

 

だが、と、隊長は気を引き締めた。

 

「だからこそ…自らが撒いた種は自らで刈り取らなければ、あの人達に申し訳が立たなくなってしまう」

 

どうやら、隊長のやるべき事は決まったようだった。

 

「…全ては、あの人の帰るべき場所を、私の手で守り抜く為に…」

 

曇ったガラスを指で撫で、そこに薄らと映し出された曇った鑑は、以前と変わりなく隊長としてのあるべき姿だけを映していた。

 

 

 

 

 

大剣が壁ごと土塊を突き砕き、止めから埋葬までとばかりに、土の中へと還す。

 

「ちっ…あいつらがボロ負けする訳だ…ったく、雑魚が次から次へとっ」

 

そして、ハヤはそのまま大剣を足掛かりに跳躍し、後ろから飛来する弾丸を回避した。

 

フレンドリーファイアなのか、はたまたハヤに対する不意打ちだったのか、斬新な土葬を受けた土塊は、同じ様な土塊から放たれた弾丸に貫かれる。

 

そう、土塊。

 

ハヤ達が対峙したアラガミは、自身が喰らった物を素材にして、これらゴッドイーターの様な人形を生成しているのである。

 

その材料が、ハヤとルーキーを落とした際に喰らった大量の土。

 

「…くそ、ありえねえ……本体がどこにいるか分からねえこの状況に、周囲はいつ襲ってくるか分からねえ雑魚共の塊…」

 

それはすなわち、絶体絶命の窮地に他ならなかった。

 

「…ありえねえくらいに………っ最っっっ高の気分じゃねえかっっ!!!!!!!」

 

しかし、ハヤは着地と同時に大剣を抜き放つと、弾丸の雨の中を必死で逃げ回るルーキーを視界に収めながら、嬉々として叫んだ。

 

そして、跳んだ。

 

間合いも何もあったものではなかった。

 

切っ先を人形に向けたまま突貫し、反撃どころか迎撃さえも許さずに、轢き潰す。

 

雨が止んだ。

 

「は、ハヤさん…!?」

 

ルーキーの安堵と驚きの入り混じった声すら届いていないようで、ハヤは振り返りざまに黒いオーラを纏った大剣をこれ見よがしに大きく振りかぶる。

 

「………えっ?」

 

ハヤに変なスイッチが入った事に気付いた時には、まるで死の間際のようなドラマチック精神に溢れる実にのんびりとした時間の流れを、ルーキーは感じていた。

 

「ええええぇぇぇぇ????」

 

切っ先がハヤの背中の向こうから僅かに顔を覗かせると、見る見る活性化したオラクルが第二の刃としての姿を現していき、際限などないように壁の中へと飲み込まれていく。

 

もはや、逃げ場も何もあったものではなかった。

 

そんな状況の中でルーキーに出来た事と言えば、数分前に見た直下型ボムの巻き添えを受けないように祈りつつ、神機を置き両目両耳を塞いでその場に倒れ込む事だけだった。

 

「ブチかまして、や――――ッッッ??!!!!」

 

一拍置いて、爆発音がルーキーとハヤの身体に叩き付けられる。

 

否、もはやそれは音と呼べるほど生ぬるいものではなかった。

 

二人に叩き付けられたのは、空気の振動ではなく空気そのもの。

 

つまり、ただの凄まじい衝撃だった。

 

その衝撃は、伏せていたルーキーを地面から引き剥がして飛ばして転がして、神機を振り切るハヤの手から神機を奪い取り、ハヤも飛ばして転がした。

 

なぜころころしたし。

 

「っ……ハヤ、さん…?」

 

しっかりと衝撃に耐える準備をしていたルーキーは、不快な耳鳴りに堪えながら同じように飛ばされたハヤを見付け、ふと疑問符を浮かべた。

 

衝撃で大きく抉れた壁、そして地面。

 

それだけ、だった。

 

数分前、あれ程までに大地を滅茶苦茶に崩壊させたハヤの一撃とはとても思えない綺麗な破壊跡に、ルーキーは違和感を覚えずにはいられなかったのである。

 

まるで爆発物による破壊跡のようだと、ルーキーが思った直後、ハヤの神機がルーキーの目の前に突き刺さった。

 

「ひっ!」

 

危機一髪である。

 

「…ふう……ハヤさん、ハヤさんの神機が……って、ハヤさん?」

 

ハヤは、ルーキーの方を見たまま動かない。

 

「…ちっくしょう…」

 

そして、普段より小さめの声で、搾り出すように言った。

 

「…おい新入り…オレはもう駄目だ…動けるなら、今の内に逃げろ…」

 

「え?」

 

それは、ルーキーにとって予想外の言葉だった。

 

声の小ささもそうだが、それ以上に何かを押し殺したような口調が、到底ハヤの口から飛び出したものとは思えなかったのである。

 

「おい、聞こえねえのか!!さっさと逃げろ!!」

 

ルーキーが返答に困っていると、今度は妙に大きな声で叫ぶ。

 

まるで、何かを隠そうとしているような必死さが、そこにはあった。

 

「…もしかしてハヤさん、動けないんですか…?」

 

ハヤは、答えない。

 

というより、そもそもルーキーが何を言っているのかが分からず、答えようがないという感じだった。

 

「…今行かねえと…死ぬぞ…オレも、お前も…」

 

すると、衝撃による影響なのか、上空から土の塊が降り注いでくる。

 

それら土の塊は、まるで重さを感じさせない身のこなしで着地すると、一斉にハヤに注目した。

 

「ちっ……ほら、行けよ…隊長が死ぬ気で繋いだ命だろうが。無駄にするんじゃねえよ、ルーキー」

 

そうして、ハヤの姿は土塊に隠れて見えなくなった。

 

 

 

 

 

「―――――ッッッ!!!!!!!」

 

ルーキーの感覚器官は、あらゆる情報をカットしているようだった。

 

視覚、触覚、聴覚、嗅覚、そして味覚。

 

それらは、本来の機能を全く発揮していないようで、敵以外が視界に入らず、既に原型から離れつつある身体に何の不自由も感じず、自身の発する声にならない声に気付かず、不自然極まりない臭いも理解出来ず、土塊を左腕の触手で捕喰していた。

 

「――ッッ!!――ッッ!!!」

 

近接人形と遠距離人形との四対一でさえ、今のルーキーにとってはハンデにもなっていなかった。

 

降り注ぐ二重雨を、右腕の神機から放たれる多重暴風雨によって蒸発させ、迫り来る二光を、左腕で蠢く五光によって飲み込む。

 

そんな、勝負は一瞬という言葉が、違う意味で使われているような状況だからである。

 

何回やっても何回やってもルーキーは倒せないよ、というのが世界のルールであるかのような光景が、幾度となく繰り返された結果、狡猾な落とし穴に過ぎなかったそこは、ジュラシック・インパクトへと姿を変えていた。

 

そして、土塊の出現が止まった。

 

「――――」

 

敵だけを追い続けるルーキーの視界が、上空の一点に浮かぶアラガミらしき存在を捉える。

 

それは、巨大なステージ。

 

ぼろぼろと急拵えの証しを宙に散らしながら、まるでルーキーを見下ろすように静止していた。

 

だが、ルーキーは知っていた。

 

このステージが、本当のアラガミではない事を知っていた。

 

何故なら、このステージと土塊人形との間に、大きな差異がない事に気が付いたからである。

 

故に、ルーキーは右腕の神機をステージへと向けた。

 

バレットが弾丸なのか、レーザーなのか、はたまたそれ以外の何かなのか、今のルーキーには然したる違いもないようだった。

 

ただ、撃つ。

 

動かなくなるまで撃つ。

 

動かなくなっても念を押して撃つ。

 

念を押す事を忘れている可能性に念を押して撃つ。

 

そして、気付いた時にはステージは消滅しており、ルーキーの目の前には女神像のような芸術的破廉恥さを持った、アラガミの身体の一部分のような何かが転がっていた。

 

「――――?」

 

ルーキーは、取り敢えず、撃った。

 

すると、アラガミの身体の一部分と言われても納得出来る何かの胸部から、円形の物質が顔を覗かせた。

 

だが、空気に触れて酸化していくかのように次第に黒ずんでいき、融けてしまう。

 

その様は、ハヤがもはやステージとは言えそうにない円盤を落とした際に見たものと、全く同じ様だった。

 

「――――ッ!!!!!」

 

と、突然女神像のような何かが、断末魔の叫び声のようなものを上げた。

 

ルーキーはそれの意味する事に気付くと、咄嗟に周囲を見渡し、驚愕する。

 

「―――ッ…!?」

 

宙の一点にオラクル細胞が収束し、それが徐々に球形の物質へと変化していく。

 

それと同時に、球形の物質を覆い隠すように白い肌のようなものが形成され、真下にある土を吸い上げる。

 

土は女神像のアラガミを閉じ込める檻や拘束具へと変わり、次いで頑強なステージを作り上げていく。

 

「―――――ッッッ!!!!!!」

 

撃った。

 

ルーキーは、目の前で起こっている事の意味を理解するよりも速く、撃ち続けた。

 

しかし、それは長くは続かなかった。

 

何故なら、ルーキーの眼前に飛び込んできた土塊が、次々と爆発したからだった。

 

だが、そのお陰で、ルーキーは一つだけ理解する事が出来た。

 

ルーキーを吹き飛ばし、ハヤを再起不能にした爆発の正体を、である。

 

爆風に吹き飛ばされ、再び敵の姿を捉えたのは、既に距離を離された後の事だった。

 

「―――ッッ!!!!」

 

苦渋に満ちた咆哮が、荒野に響いた。





再臨、ルーキーの見せ場!

と言う事で、クリスマスプレゼントには間に合いませんでした…

全部TFが悪いんです、TFが。

TFSPが発表されてしまったら、TF6をやるしかないじゃないですか。

え?GERB?

…NPCのスキル弄れるのはいいなぁって思います。

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