SSSS.GRIDMAN うたかたのそらゆめ【完結】 作:カサノリ
最終話のネタバレなども御座いますので、最終話の後、お読みいただけると嬉しいです。
昨日をもちまして、拙作「SSSS.GRIDMAN うたかたのそらゆめ」が完結しました。若く悲しい二人の恋物語を最後まで見届けていただき、ありがとうございます。
幸いにも、本作は多くの方の御支持を頂き、日刊ランキングでも上位に上ることができました。私自身、これは驚きでした。
恋愛小説、出会いから関係を深めていく話は初めてでしたから。書くたびにこれだとどうかな? ドキドキしてもらえるだろうか? 自問自答の日々でした。
そんな楽しくも苦労して書き上げた我が子が、多くの方に見ていただけたこと、感謝しかありません。
最後になりますが、あとがきとして、キャラクターの人物設定や、これからのことを書きたいと思います。
〇全体として
本作は、SSSS.GRIDMAN第四話における、ヅウォーカァ将軍のアイコンを見たことがきっかけで発想しました。
それまでは得体のしれなかったアカネが、一人の少女になったと感じたのです。世界の支配者であり、なんでも思い通りにできるアカネが、アイコンに隠した趣味を発露した。
それは、誰かに気づいて欲しいという寂しさの現れのように思ったのです。
そこからは話が決まっていきます。アイコンに気づいた男子にアカネは興味を持ち、他愛なく話している中、互いに思いを募らせるが、最後は……。
コンセプトは『本編前にありえたかもしれない青春』
本編放送中、しかも重要設定が隠された段階で二次創作に手を出すのは、危険な行為だと思っています。ですが、このコンセプトならば、開示されている設定を元に考察し、前日譚として描けると思い、書きだしました。
今後のグリッドマン本編中で、この作品を不成立させる設定が出るかもしれませんが、そこは覚悟の上です。
また、今、自分が愛している作品が放送されている。その時こそ、二次創作として作品を発表することは、自分にできる応援の方法だとも思っています。
だから、最後は本編へと希望をつなげて、本編の裕太たちをさらに応援し、ハッピーエンドを望める終わり方にしました。なので、悲しい物語となりましたが、描き切れたことに後悔はしていません。
しかし、筆者というものも勝手なもので、書いているうちにリュウタ君やアカネちゃんには愛着が出ています。イチャイチャする話をボリューム増やしたり、それでも迎えた最終回は、書いていて辛かったです。
そして、今、私はSSSS.GRIDMAN本編がハッピーエンドに終わることを、きっと誰よりも望んでいます。
私だって、二人の物語をハッピーエンドにしたいんです!!!
テーマとしてはUNIONに倣い、『人とつながること』
誰か共にいることは、時にストレスや苛立ちにもなりますが、出会いを覆す感情も抱ける。アカネもリュウタも第一印象は良いものではありませんが、互いを知る中で恋をはぐくみました。一方で、消された人々がいなければ彼らの関係はなかった。
アカネの我儘という形を取りながら、彼女に罪悪感を持たせずに繋がりを断ち切らせるアレクシスは、本当に外道だと思います。その残酷さも描いたつもりでした。
〇人物設定
・馬場隆太(リュウタ)
主人公。コンセプトは偽物と献身。
アカネと関係を深められる造形として滅私奉公できる、大切な人に全てを捧げられる、愛が深い人物を設定しました。バックボーンとして複雑な家庭環境を設定。家族に関することは、アフターやイフで更に詳しく触れるかもしれません。
彼は常にアカネを第一に考えるから、決して彼女のボーダーラインは超えません。けれど、アカネの幸せを思うからこそ、最後にはアレクシスに立ち向かい、消え去ってしまいます。
名前は指摘があった通り『ババルウ星人のババリュー先輩』。主人公ではなくとも、繋がりによって大切なものを知り、それを守るために戦うが、敗れてしまう人です。後、名前も本編主人公の裕太と似た響きに。
また、仮面ライダー電王より『リュウタロス』を名前に取り入れています。瞳は紫、髪は黒く見える紫と、紫をコンセプトカラーにしました。
これは、アンチのCVが鈴村健一さんであることから。リュウタのCVは鈴村さんと設定してはいませんが、似た雰囲気を感じる声。彼が消えた後に、アカネが無意識に彼と似た声をアンチに入れたと設定しました。
・新条アカネ
本作ヒロイン。
Twitterや感想を見ると、非常に怖がられている、あるいはサイコ扱いされている彼女。ですが、声を担当された上田麗奈さんも仰っていたように、私は彼女をごく自然の女子高生だと考えています。
汗かかないという設定や、食事描写がないことから、何か特別な存在であるとは思いますが……。
彼女の抱えているだろう裏事情に関しては、
・引きこもりというには、対人への不安や、反動による傲慢がない。
・ちやほやされることに、むしろ疲れている。
・自身への劣等感や、見た目を誇示する描写がないので、外見はそのまま。
・動機のほとんどは日常の我儘の延長
以上より、本作では、人間関係に圧迫され、生きづらさを感じる少女だと考察しました。罪に向き合うことなく人を消せる時に、使わないと決意できる人間は多くないでしょう。それに加えて、箱庭世界に閉じ込められている状態ですからね、アカネ。
ですが、自分の周りの障害を消した理想の世界は、退屈と寂寥感を感じるものです。本編でもアカネは退屈を告白していますし、刺激があるグリッドマンには強い執着を見せています。
本作におけるリュウタとの関係も、その考察を背景にしました。共通の趣味という興味から親近感を得て、リュウタが傷つくことに苛立ったことで興味を深める。そして最後には自分の憤りの正体が恋に由来するものだと気づく。
意識したのは、常に彼女からステップアップを望むこと。そのため、リュウタは愛情深いが故に奥手になっています。そうして彼女自身が納得できないと、今の状況では直ぐに相手を目の前から消してしまうでしょうから。
ですが、今のアカネには、アレクシスの与える安寧を捨てきれないでしょう、最後はリュウタを結果的に死なせ、自分の過ちに気づきかけるも、それをアレクシスは許さない。そうして、喪失感と苛立ちを募らせたまま、本編へとつながる。それが彼女のストーリーでした。
さて、まだ放送段階である以上、上記の考察が外れている可能性も、もちろんあります。真実はどうなのでしょうね? 私も、本編でアカネの本心が現れ、救われる時を楽しみにしています。
・内海将
最終話前に希望たっぷりに登場したターボーイ。
彼の役割は最初から決めていました。アレクシスサイドにも揺らぐ主人公を、ヒーローとして立ち上がらせる役割として。
アニメでは中々目立つ活躍はありませんが、彼はヒーローから学んだ正しい心を知っている人間だと思っています。なので、記憶のない裕太や本作のリュウタにも役割を自覚させたり、支えになることができている。
初期の主人公からは同族嫌悪で嫌われていましたが、話せば気が合うでしょう。アカネとは6話で描かれた通り、解釈違いで喧嘩しそうですが。
余談ですが、最後パワードのBDをもち、それを開封できていないシーンは、6話放送前に書き上げていました。なので、6話にてパワードレッドキングを知らなかったというシーンは、少し、作者としては嬉しかったです。自然と意味を持たせられました。
・他
友人キャラはティガ、ダイナから名前を頂戴しました。。
堀井:サッカー部四人組の鎹でお調子者。刈谷の相談役にもなっていた。
刈谷:アカネには本当に恋をしていた。堀井がいたら、リュウタを傷つけることはなかった。
権藤:一番控えめなタイプ。実はリュウタとは相性が悪い
〇これからについて
本作のラストシーンは、なるべく前日譚として違和感少なくSSSS.GRIDMAN本編へとつながる形にしました。そして、本編が完結するまで、私も原作時間軸を書くつもりはありません。
ですが、SSSS.GRIDMANのラストを見届けて、それが違和感のない形に仕上がるなら本作の続編を書きたいとも思っています。
候補としては、次のようなもの(『』内は仮題です)
1.アフターストーリー『youthful beautiful』
本編後、犠牲者が復活するならば……。リュウタと再会したアカネのストーリーを書きたいと思います。そのためにもアカネも生き残ってくれることを祈らずにはいられません。
2.IFルート(闇落ち)『夢のヒーロー』
ヒーローとして立ち向かうのを止め、アカネのもとへと戻ったルート。
おそらく、二人が一番イチャイチャかつ退廃的な関係に進展。そんな二人の前にグリッドマンが出現し、リュウタがアカネを守るために、アレクシスの力を借りながらグリッドマンに対抗していく話です。
本編時間軸を辿りながら、怪獣や出現動機も全く異なるストーリーになります。
書きたいシーンは、
・アカネ・リュウタと六花・裕太のダブルデート。
・彼女もちとして、裕太から恋の相談を受ける話。
・アシストウェポンズ(新世紀中学生)との生身バトル
を構想しています。
3.IFルート(グッドエンド)『もっと君を知れば』
ご都合主義でアレクシス討伐に成功したルート。
そうなるとあの世界がどうなるかは分かりませんが、二人で甘い学園生活を送る話。砂糖吐きながら、数話くらい書きたい。
4.○○ルート『√SIGMA』
???
〇最後に
本作は私の作品の中で、初めて『完結』の二文字を付けることができた話になります。そして、初めてのビターエンド、恋愛物語と私にとって初めて尽くし。
書かせていただき、とても勉強でき、思い入れがある作品になりました。
ここからは私も一視聴者に戻り、SSSS.GRIDMANを見届けたいと思っております。
それでは皆様、ご縁がありましたら本編完結後や、私の別の作品で。
皆様の多くの感想や評価に勇気づけられました。お読みいただき、本当にありがとうございました。