しみったれたガキとの遭遇
緑谷 出久 side
ぼくは、みどりやいずく!よんさい!ヒーローをめざしてるんだ!でも、この前、こせいしんだん?っていうので「無個性」って言われたの!それはすっごく悲しかったし、なにより今まで兄貴分だったかっちゃんが、ぼくをいじめてくるようになったんだ...ともだちもみんなぼくとは遊んでくれないし、もう何も楽しくないや...
最近はずっとこの公園で1人でブランコをこいでるんだ!
「やぁ、ぼく、こんな所で何してるんだい?」
え?この金髪のおじさん誰だろう?
出久 side out
吉影 side
私が雄英高校ヒーロー科を卒業して、早五年近くの月日が経った...私はヒーロー名「クィーン」として密かに活動している...偶然社員を募集していた「マイツプロ」とやらの入社試験に無事合格し、そこの一従業員としての活動だがね...何とこの事務所、あの筋肉ダルマこと「オールマイト」の事務所だった...それを知ったのは、入社してからの事だった...この時は、失敗したと思ったよ...めんどくさいが睡の事務所の方が良かったとも思ったね。しかし、自分から仕事を辞めるのは私のプライドが許さない...!そこで、ここでも私は可も無く不可もなくな実績を重ねている...時々ヒーロー活動をしないといけないのが憂鬱だがね。
だが、最近悩み事ができてしまった...私の家は、事務所からかなり離れた位置にある...その帰り道に通る公園でずっと1人でブランコに乗っているガキがいる...!こいつは全てを諦めたかのような目をしていやがる...私はその姿を見ると無性にイライラしてしまう...これが最近の悩みだ...だめだ、これでは安眠出来ない...早く処理せねば...
仕事の帰り道、またあのガキがいた...もう、限界だ!
「やぁ、ぼく、こんな所で何してるんだい?」
そう私が尋ねると、
「おじさんだれ?まさか!?ゔぃらんなの!?」
などと言ってきやがった...
「違うよ、私はこう見えて一応ヒーローを名乗らせてもらっているよ」
私がそう言うと、そのガキは異様に興奮して私に質問してきたり、自分の名前を教えてきたりしたが、私はそんな事がしたいのでない...!
「ねぇ、出久くん?どうして君はそんなに諦めた顔をしてるんだい?まだ君みたいな子供がそんな顔をするのは早いんじゃないのかい?」
と言うと、
「ぼく...ヒーローを目指してるんだ...だけど「無個性」で、みんなにばかにされるんだ...ぼく...ヒーローになれないのかな...」
などとほざいてきた...私からすれば、そんな事で悩むなど愚の骨頂であるが、私の安眠のためだ...仕方ない...少しだけアドバイスとやらをしてやろう...
「あのね、出久くん、君はヒーローになりたい、と言うけれど、それを目指して何がしたいんだい?目立ちたいのかい?お金が欲しいのかい?それなら、ヒーローは目指さなくていいと思わないかい?」
私がそういうと、ガキは少し涙目になってしまった...!まずい!ここで泣かれたら目立ってしまう...!最悪警察を呼ばれる可能性が出てくる...!何とかせねば...
「.........だけどね、そうじゃなくて、人を救けたい...そう思ってヒーローを目指しているんなら、それは素晴らしい事だ...『無個性』?そんなの関係ない、大事なのは君がいかに自分が目指すヒーロー像に向かって努力できるかなんだよ...個性がないなら、鍛えれば良いじゃないか、言われているだろ?個性は身体機能の1つだと...その1つが無くても、人は生きていけるし、補う事だって出来る。そうは思わないかい?」
まぁ、こんなに難しい事を言っても、殆ど理解はできないだろうがね...だが、このガキは私の話を聞いて、目を輝かせた...
「おじさんは!ぼくでもヒーローになれるって言ってくれるんですか!?」
何を当たり前な事を...私でさえ仮初めのヒーローになれたんだ、たかが個性がない程度でなれないわけがない。
「もちろんだよ、私は努力さえすれば誰だってヒーローになれると思っているよ」
私だって、『性』を抑えるようにしているんだ...抑えきれない時はあるがね...
「おじさん!ありがとう!ぼく!これから頑張るよ!」
それから、私はこの公園でこのガキを見る事は無くなった...ふう、これで安心して熟睡出来る...
吉影 side out
吉影君はヒーローになりました!が、どうやら『性』は抑えきれないようですね笑
ヒーロー名である『クィーン』の意味の1つはチェスの駒です!
チェスの中では、最強の駒である、クィーンと、もう1つはトランプのカードを掛けています!常に3番や4番に位置するが、本来の能力は最強に近い吉良吉影に相応しいと思ってつけました!まぁ他にもあるんですけどね..,
納得がいかない方がいると思いますが、これから吉良吉影らしさを出すのでご了承ください!