ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦「ライザーとのレーティングゲームに備えて特訓を終え、遂に当日がやって来た」
龍「あんの焼鳥野郎この試合でケチョンケチョンにしてくれる……」
戦「と言うわけで龍誠の熱もMAXな第十話スタート」


レーティングゲーム

「準備は良いわね?」

『はい!』

 

リアスの合図でメンバーは一斉に気を引き締める。遂にライザーとの戦いの日になり全員やる気に満ち溢れてる。

 

「それじゃいくわよ!」

 

リアスは背を向け魔方陣に入り、それに皆も続き転移すると、

 

「あれ?」

 

転移によって光に包まれ、それが晴れるとそこに広がっていた景色は……

 

「部室?」

「これはこちらで用意しましたステージです。作りは駒王学園と全く同じとなっております」

なら作戦を建てる上ではこっちが有利か。と戦兎が思っていると、グレイフィアさんのアナウンスが流れてきた。

 

《本日の審判を任されておりますグレイフィアです。簡単なルールの説明をします。敗北条件はキングの敗北です。両者が眷属を出し合い、最終的にキングを倒された方の負けとなります。更にこの戦いは魔王・サーゼクス様もご覧になられますので皆様。恥ずかしくない戦いを心掛けください》

「お兄様まで!?」

 

そう驚くリアスを見て龍誠と戦兎は首をかしげる。

 

『お兄様?』

「魔王サーゼクス・ルシファー様はリアスのお兄様なのですよ」

 

そんな二人に朱乃が説明してくれた。だが二人はリアスの兄ならグレモリーじゃないのかとますます首をかしげてしまう。すると祐斗が説明を引き継ぐ。

 

「昔大きな戦いがあってね。その時に魔王は亡くなったんだ。でも魔王なくして悪魔はなり得ないから四人の悪魔に魔王を継がせたんだ。そして現在は四人の魔王がいる。今言ったルシファー、他にもベルゼブブ、レヴィアタン、アスモデウス。この四人最上級悪魔が冥界のトップって訳さ」

 

うぅむ……とブスブスと頭から湯気が出そうになってる龍誠に戦兎は俺が覚えておくから安心して忘れてろと言っておく。そこにまたアナウンスが流れてきた。

 

《それではこれより試合開始の時刻となりましたので開始とさせていただきます。皆様、ご健闘をお祈りしております》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、早速いくか」

 

戦兎がそう言うと、龍誠と小猫は静かに頷く。さて無事始まったライザーとのレーティングゲームだが。とりあえずはまずキングであるライザーを行きなり攻めるわけにはいかないので(戦略としてそう言うのも無いわけではないが)まずはライザーが陣取っている本校舎の屋上への道中にある建物をまずこちら側で占拠しようと言うわけで戦兎、龍誠、小猫は体育館に来ていた。

 

裏口からこそこそ入って壇上に上がる。するとそこには既に四人ほどライザーの眷属が立っていた。

 

「ようやくきたわね。待っていたわよ!」

 

とチャイナ服の子が言うと、小猫がグローブを着ける。

 

「恐らくあの子はルークです。なので私が」

「じゃあ俺はあの棍使いの子にするかな」

 

小猫と龍誠はすぐに自分の相手を決めるとすぐに別れてしまう。

 

「じゃあお前ら二人ってことか」

 

そう言って相手を見ると小猫と余り変わらない小柄な双子の女の子を見た。まぁ、見た感じそこまで危険そうではなさそうだ。と思ったら、

 

「それじゃあ……」

「解体しまーす!」

「え゛?」

 

突如双子の女の子が出したのはチェーンソー。二人揃ってチェーンソーのエンジンをかけ、バーラバラ!と二人仲良く叫びながら走ってきた。こわっ!

 

「うぉお!」

 

慌てて戦兎は双子から距離を取りながらベルトを付けて新たなベストマッチである海賊フルボトルと電車フルボトルを取り出して振る。そして、

 

《海賊!電車!ベストマッチ!》

「さぁ!実験!を!始め!ようか!」

 

ブンブン振り回してくるチェーンソーを避けながら逃げる足は止めずにフルボトルを挿してレバー回し、

 

《Are you ready?》

「変身!」

《定刻の反逆者!海賊レッシャー!イエーイ!》

 

マリンブルーと黄緑色のビルドに変身を完了した戦兎は序でに海賊ハッシャーを取り出すとこのベストマッチの持ち味である速さを利用して一気に距離を取ると素早く海賊ハッシャーの弓矢で言う弓の部分を引く。

 

《各駅電車!》

「いっけぇ!」

『きゃあ!』

 

引いた手を離すと、電車が矢のように飛んで行き双子を撃つ。とは言え流石にチェーンソーで防いだか、ならば!

 

《各駅電車!急行電車!》

 

もう一度引いて各駅電車の音声がなっても引き続けてチャージすると新たな音声がなりそれから手を離して発射。先程より強力且つ本数が増えた電車が双子を襲う!

 

「な、なにこれ!」

「ちょっと!遠くから攻撃ばっかりしてないで正々堂々戦いなさいよ!」

 

そうブーブー文句言われるがこちらとしてはチェーンソーと正面から戦いたかないし何より、

 

「お前ら二人掛かりの時点で正々堂々じゃねぇだろ」

『あ……』

 

中々素直な双子だ。うちの美空にも見習って欲しいものだねと思いつつ海賊ハッシャーを再度引く。

 

《各駅電車!急行電車!快速電車!》

「はぁ!」

『きゃあああ!』

 

チェーンソーで受け止めてもそれごと吹き飛ばして尻餅をつかせた。そして、

 

「あらよ!っと」

『え!?』

 

戦兎は双子に詰め寄るとマリンブルーの方のボディについたマントを振り、それが巨大な投網となり双子を拘束し、切り離す。

 

「ちょ!離しなさいよ!」

「そうよ!」

「そうもいかないもんでね」

 

そう言いながら戦兎が見回すと既に龍誠や小猫も自分の相手を倒した所だ。

 

「終わったか?」

 

相手の棍を折りながら龍誠言ってくるのに戦兎は頷くと小猫に合図を送って三人は素早く体育館から脱出する。

 

「え?なんで……」

 

そうチャイナの少女が言った瞬間、体育館に落雷が降った。それは明らかに自然に起きたものではない。と言うかこのステージには天気がないようなのありえないだろう。つまり誰かが意図したものと言うわけだ。

 

「しかし姫島先輩の雷ってすげぇな」

 

戦兎は空中から魔力から雷を作り出し体育館に降らせた朱乃に嘆息した。そんな戦兎に小猫は口を開く。

 

「戦兎先輩。まだ戦いは終わってません。先を急ぎましょう」

「そうだな」

 

小猫に諭され、戦兎は頷きながら次の合流ポイントに向けて走り出した。次の瞬間!

 

「なっ!?」

 

ドン!っと突如爆発が起き、戦兎と龍誠は爆風によって吹き飛ばされ地面を転がる。だが、

 

「塔城!」

 

変身していたためダメージは殆ど無いが、爆心地にいた小猫は地面に倒れ伏していた。

 

「大丈夫か!?」

「せんと……せんぱい……すいません。わたしをきにせずいってください」

 

そんなこと言ってないで拠点に戻って部長と一緒に待機しているアーシアに治して貰えばと彼女を抱き上げようとしたが、一瞬微かに発光すると同時に小猫は消えてしまう。

 

ゲーム中に一定以上のダメージを受けた場合に強制的にリタイアさせられると聞いていたがこういう風になるのか……だが一体どこから爆発を?と思い空を見上げるとそこには既に恐らく先程の爆発を起こしたであろう少女と言うか女性と朱乃が対峙していた。

 

「龍誠君、戦兎君。彼女は私が倒しますわ。すぐに合流を」

 

バチバチと放電させながら言う朱乃を見て戦兎と龍誠は頷き合うと、任せます!とだけいって今度こそ走り出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ!」

 

一方その頃、祐斗は本校舎が目の前に見える校庭で多数のライザーの眷属を相手に大立ち回りを繰り広げていた。元々は向こう側の騎士と一騎討ちしていたのだがその間に他のポーンやルークまでやって来て祐斗に襲いかかったのだ。

 

「おい!やはり私は一対一でやりたいぞ!」

「諦めろ!ライザー様からの命令だ」

 

そう言う仮面の少女は騎士風の少女に叫ぶとその少女は舌打ちをして祐斗の剣を打ち合う。

 

(数が多いな)

 

そう思いながら祐斗は空いてる方の手にもう一本剣を出す。

 

「先程から剣を一体何本出すんだ?」

「何本でも出せるよ」

 

祐斗も神器(セイクリットギア)の持ち主である。名は魔剣創造(ソード・バース)。あらゆる魔剣を作れるというかなり強力な神器(セイクリットギア)なのだがこういう多人数を相手にするには余り向かない。

 

だがとにかく時間稼ぎだ。時間を稼げば……

 

《各駅電車!急行電車!快速電車!》

「木場!横に跳べ!」

 

ほらね。と言わんばかりに祐斗は笑みを浮かべて横に跳躍するとその後ろから何本もの電車型の矢が祐斗と剣を交えあっていた騎士風の少女に炸裂する。

 

「あが……」

 

もろにそれを喰らって後ろに吹っ飛んだ少女を仮面の少女が止める。

 

「増援か」

「そう言うことだ」

 

と戦兎が海賊ハッシャーを肩で担ぐと龍誠が祐斗に駆け寄った。

 

「大丈夫か?」

「待ちくたびれたよ」

 

そんなやり取りをしながら三人は並び相手をみる。相手はこちらより多い。だが三人は落ち着いてそれぞれの獲物を構える。

 

「俺に一網打尽にする策がある」

「じゃあそれでいこう」

 

内容聞かなくて良いのかよと戦兎はあっさり了承した祐斗に聞くと彼は肩を竦める。

 

「今のまま普通にやっても数で押されちゃうからね。なら賭けてみるよ」

「んじゃ、まず二人は極力アイツらを引き付けてくれ。その時に余りアイツらをバラけさせないでくれ」

 

了解。と祐斗と龍誠は走り出すと向こうも臨戦態勢を取った。

 

「おぉ!」

 

先に前に出たのは龍誠だ。龍誠はドラゴンフルボトルを振ると拳を握り前に出てきた仮面の少女を狙う。

 

「ぐっ!」

 

彼女はそれを止めたが破壊力の余り体を後ろに後退りしそうになったがなんとか踏ん張る。

 

「お前はポーンだと聞いていたんだがな」

「あぁ、そうだけど?」

 

と言いながら連打を叩き込んでいくが、それを上手く捌き横から別の二人組が連携を入れてくれる。

 

「あっぶね!」

 

それを龍誠は慌てて下がって避ける。その頭上を祐斗が飛び越えると魔剣を交差させて龍誠に横から攻撃を仕掛けてきた二人に剣を振る。

 

『ちっ!』

 

それを避けてライザー陣営は一旦距離を取って相手を見る。流石に一筋縄ではいかないか。だが、

 

「全員で一気に攻める。こちらの方が数が多い。数で一気に押しきるぞ」

 

仮面の少女がそう言うと他の眷属たちも頷いて武器を構えて飛び上がる。だがその時!

 

「二人とも伏せろ!」

『っ!』

 

戦兎の指示に二人がとっさに伏せると頭上をワイヤーが飛んでいき飛びかかってきたライザー眷属を纏めてグルグル巻きにしてしまう。

 

「な、なんだこれは!」

「は、外れない!?」

 

そりゃ普通のワイヤーじゃないからな、と戦兎はビルドのマリンブルーの方から射出したワイヤーが外れなくなっているのを確認してから海賊ハッシャーを構える。

 

《各駅電車!急行電車!快速電車!》

「これで終わりだ!」

《海賊電車!》

 

限界までチャージされた一撃は今までとは比べ物になら無いエネルギーを内包した電車型の矢を何本も一度に射出しワイヤーで一纏めにしたライザー眷属に当たると大爆発した。

 

『きゃあああ!』

 

その強力無比な一撃はライザー眷属を纏めて消し飛ばし退場に追い込み、その場所には爆発が起きたためクレーターができている。すると、戦兎は膝を付いた。

 

「大丈夫?戦兎君」

「あぁ……ここまでの長時間の変身は初めてだったからちょっと疲れただけだ」

 

いつもここまで長時間はない。だがいずれレーティングゲームに参加することを考えれば早めに慣れておいた方がいいかと思いつついた瞬間。

 

「これで終わりね」

 

そんな呟きと共に突如三人がいたところが爆発し、地面にもう一つクレーターを作り出した。

 

「これで後はキングとビジョップのみね」

 

そう言って地面に降り立ったのは先程朱乃と対峙していた筈の女性。長い髪を揺らして周りを見回すが、

 

《各駅電車!》

「っ!」

 

全く関係ない方から飛んできた一撃に彼女は咄嗟に魔力で壁を作って防いだ。

 

「なぜ無事なの……?」

「何度も同じ手に引っ掛かるかよ」

 

そう言って海賊ハッシャーを向ける戦兎の後ろには祐斗と龍誠が立っている。爆発する直前に二人をマントで被って跳んだが何とかなった。

 

しかし、

 

「お前こそなんで傷一つないんだよ。姫島先輩と戦ってノーダメはないとおもうんだが?」

「えぇ、なのでこれを使ったわ」

 

彼女が取り出したのは小さな小瓶。それを見た祐斗は成程と言う。

 

「フェニックスの涙か」

「なんだそれ?」

 

首を傾げる龍誠に祐斗は顔を向け、

 

「使えばあらゆる怪我を治す事が出来るアイテムだよ」

 

んなもんズリィだろ!と地団駄を踏む龍誠に相手は鼻で笑った。

 

「ルールでも二つまではアイテムの使用が許されてるわ。なにも問題はないわよ」

「ぐぬぬぬぬ」

 

ギリギリ歯を噛み締めながら龍誠が怒っているその時!

 

『なんだ!?』

 

ドン!っと今度は明らかに爆発ではない破壊音が目の前にある本校舎の屋上から聞こえてきた。

 

「今ライザー様とそちらのキングが一騎討ちをしている頃よ。まぁ、勝敗なんて目に見えてるけどね」

 

マジかよ、と龍誠がいうと戦兎が、

 

「二人とも。屋上に行け」

「戦兎君は?」

 

俺は塔城の敵討ちをしてから行くよ、と戦兎は海賊ハッシャーを構えながら相手に突っ込んでいく。

 

「あら、ライザー様の邪魔はさせないわよ!」

 

そう言って彼女は空へと飛び上がり連続で爆発を起こしまくってきた。

 

「あっぶねぇ!」

 

と龍誠は転がりながら避け、祐斗も自慢の足で逃げるが相手も絶対に校舎にはいれるつもりがないらしい。すると、

 

「お前ら!受け身は自力でな!」

『え?』

 

戦兎は素早くワイヤーを伸ばすと祐斗と龍誠を一纏めにして、

 

「どぉおおおおりゃああああ!」

『うわぁあああああああああ!』

 

強引にそのままぶん投げて校舎に放り込んだ。正確に言うと勢いつけすぎて校舎の二階の窓からダイナミック入室したのだが……

 

「乱暴な男ね」

「いやいや、俺ほど優しい男はいないぜ!」

《各駅電車!》

 

戦兎は再度海賊ハッシャーを構えて発射したが軽く防がれた。他の奴とは違う感じがする。

 

「それで終わり?ならこちらからいくわよ!」

 

そう宣言した彼女は連続で爆発を起こし戦兎を追い詰める。戦兎の方も必死に逃げながら狙いを定めるが、

 

(だめだ、これじゃ各駅電車までしか溜められない)

 

海賊ハッシャーの弱点として威力は高いがそれを活かすためMAXまでチャージすると隙が大きいのだ。恐らく相手もそれを見抜いて爆発を間を開けずに撃ってるのだろう。証拠に爆発自体は今までのと比べれば大きくない。まあ比べればであって充分危険だけど。

 

とは言えずっと走って逃げるのも疲れてきた。という訳で、

 

「さぁ、実験を始めようか」

 

戦兎は走りながら今度は橙色の鷹の模様が入ったタカフルボトルと、灰色のガトリングの模様が入ったガトリングフルボトルを取り出し振りながら走りベルトのボトルを交換する。

 

《タカ!ガトリング!ベストマッチ!》

 

レバーを回し、相手を見ながら足は止めず。

 

《Are you ready?》

「ビルドアップ!」

《天空の暴れん坊!ホークガトリング!イエーイ!》

 

姿を変えた戦兎は走るのをやめて飛び上がると背中から出した鷹の翼を模した羽根を出すと空へと飛び上がり相手と同じ高さまでいく。

 

「勝利の法則は決まった!」

 

更に戦兎はそこから機関銃型の銃【ホークガトリンガー】を取り出しマガジン部分を回転させる。

 

《10!20!30!40!50!60!70!80!90!100!フルバレット!》

 

そんな音声と共に戦兎と相手を囲むように球場のフィールドが形成された。ホントはもっと大きいフィールドも出来るが今回はかなり小さくだ。

 

「くっ!これは!」

「流石にこんな狭い場所じゃあ爆破は出来ないよな?」

 

そう言いながら戦兎はホークガトリンガーを向け、

 

「アバヨ」

「っ!」

 

全弾一気に撃ちまくる。狙いもなにもないがこの距離だし下手な鉄砲数撃ちゃ当たる作戦で充分。そして撃ち尽くしたあとには既に相手は強制退場となったらしく、消えていた。

 

「前に見つけたときに装備も作っといて正解だったな」

 

つうかこれも龍誠が見つけたんだよな……と呟きつつ戦兎は屋上を見る。ここは片付いた。すぐに向かった方がいいと翼を広げて高度を上げていく。ビルドの飛ぶ速度をもってすれば一秒も掛からず屋上に到着する。だがそこにあった光景は……

 

「っ!」

 

戦兎が屋上に到着した瞬間ライザーに祐斗の剣が決まる。だが瞬時にその傷は再生し祐斗を大火力の炎で焼き一撃で退場に追い込んだところだった。

 

「てめぇ!」

「っ!!」

 

戦兎はホークガトリンガーを撃つが、ライザーは意に返した様子がない。何発撃っても瞬時に回復してしまう。

 

だがそれでも撃ちながら戦兎はリアスやアーシアと彼女に治療されていた龍誠の元にいった。

 

「大丈夫ですか?」

「えぇ」

 

龍誠はかなりボロボロだが何とか平気そうだな。と戦兎は結論付け、ライザーを見る。

 

「おいリアス。いい加減に諦めろ!今治療中のポーンも俺の相手にはならなかった。今来たポーンも既に肩が上がってるじゃないか」

 

ライザーの言葉は正確だった。戦兎は明らかに疲労の色が出ているし龍誠も自慢の拳はライザーには通じなかった。すると龍誠が、

 

「戦兎……これ使え」

 

とだけいって差し出したのはドラゴンフルボトルだ。それを見て戦兎は何を考えているのかを理解する。

 

「成程な」

 

そう呟いて戦兎は龍誠からドラゴンフルボトルを受け取ると新たに金色の南京錠の模様が入ったロックフルボトルを取り出して振ってからベルトのボトルを入れ換える。

 

《ドラゴン!ロック!ベストマッチ!》

「ぐっ!」

 

一瞬バチバチと放電し戦兎は苦悶の声を漏らしたが、戦兎は無理矢理レバーを回して構えた。

 

《Are you ready?》

「ビルド……アップ!」

《封印のファンタジスタ!キードラゴン!イエーイ!》

 

紺と金色のビルド姿を変えた戦兎だが、体にまた電流が走る。それを強引に振り払うと戦兎はライザーに飛びかかった。

 

「うぉお!」

「っ!」

 

戦兎は紺色のドラゴンフルボトルで作られた右腕に青い炎を纏わせてライザーをぶん殴る。それを受けたライザーの腕が吹っ飛び、明らかに先程にはなかった動揺が見て取れた。

 

「あれはいったい……」

「ドラゴンフルボトルは他のボトルと比べるとなんでか強い力があるらしいんですが、ただ強すぎてベストマッチ以外のボトルじゃ扱えないらしいんです。しかもそれですら短時間だけで今戦兎が、疲労状態にあるのも考えれば……」

 

だから余計に急いでるのねとリアスが言う中戦兎は再度右腕に蒼炎を纏わせてライザーを殴る。

 

(バカな。ここまでの力を持っているとは……)

 

傷自体はすぐに再生できる。だが一撃一撃の重さと言うか圧が凄まじい。これは()()()()()()()()()キツいと判断した。

 

だが戦兎自身も変身の限界時間が近づいていることに気づいている。そのため戦兎はレバーを回す。

(とにかく決めるしかねぇ!)

《Ready Go!》

「はぁ!」

 

レバーを回して高まったエネルギーを感じながら戦兎は左腕の鎖を伸ばしてライザーを捕らえた。

 

「なに!?」

《ボルテックフィニッシュ!》

「おぉ!」

 

そして右腕に蒼炎を溜め巨大な火の玉を作り出すとそれをライザーに……

 

「がっ!」

 

ぶつける前にビリビリと戦兎の全身に電流が走り突如変身が解除されてしまう。

 

「そこか!」

「っ!」

 

そして変身が解除され、隙ができたのを見逃すライザーではなく、素早く炎を作り出すと戦兎にぶつけて吹き飛ばした。

 

「戦兎!」

 

強制解除によって生身でまともに喰らった戦兎は後方に大きく吹っ飛んでいきそのまま消滅する。

 

「ふん。まさかあんな隠して球があったとはな。長期戦でこられてたら危なかったぞ」

「てめぇ……」

 

龍誠は立ち上がりながら拳を構えた。ドラゴンフルボトルは戦兎が持ったまま消滅してしまったため完全に素手だ。

 

「なんだ?またお前が来るのか?」

「当然だ!」

 

そう言いながら走り出すために足に力を込め、

 

「龍誠……」

「行くぞ焼鳥野郎!」

 

リアスの声を背中に受け、龍誠は叫びながら走り出す。だが、ドラゴンフルボトルを持たない龍誠では勝負にならずすぐに退場に追い込まれ、アーシアとリアスだけで結局ほぼ万全の状態のライザーに勝てるわけもなくリアスのリタイアの宣言をもって、こちらの敗北となったのだった。

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