ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは!?

戦兎「超絶進化を遂げる兵藤一誠に敗北する俺たち……」
龍誠「もうアイツ手に終えなくなってきたぞまじで!」
ヴァーリ「ホントに作者あれ倒せるんだよなぁ!?」
匙「つうかコメントでも言われてたけど今のアイツ相手に原作通りジーニアスじゃ無理じゃね?」
サイラオーグ「その辺も一応考えてはいるみたいだが…」
ヴァーリ「まぁそもそもジーニアスってエボルト相手に結構苦戦描写多かったしなぁ……」
戦兎「まぁ取り敢えずなんとかなるでしょうってな感じの103話スタート!」


第十五章 課外授業のデイウォーカー
吸血鬼


「戦兎のやつ大丈夫かな……」

 

兵藤一誠との戦いから一週間。戦兎以外のオカルト研究部の皆や、ソーナと真羅、更に匙とアザゼルがオカルト研究部の部室に集まっていた。

 

何故この面子が集まったかと言うと、つい先日ある所から会談の打診があり、アザゼルを筆頭に禍の団(カオス・ブリゲード)関連の事態でもあったためリアス達で対応することに。

 

そしてその相手と言うのは、吸血鬼である。ギャスパーで馴染み深い吸血鬼の連中が、禍の団(カオス・ブリゲード)に関して話すことがあると打診してきたのだ。

 

なので集合しているのだが、龍誠は浮かない顔をしている。

 

「戦兎なら大丈夫よ。お兄様も着いてるし」

「御姉様もいますしね」

 

リアスとソーナは口々に言って励ます。と言うのも、先日の戦いで戦兎の父である忍が、兵藤一誠と共に活動していることが発覚し、戦兎にも一応取り調べをする運びになったらしく、サーゼクス達に連れられていった。

 

「お前ら。取り敢えず戦兎の心配は後にしろ。来るぞ」

『っ!』

 

全員がアザゼルの言葉に気を引き締めると、扉が開かれ朱乃に連れられた男二人と、それに挟まれた少女が一人いる。

 

「ごきげんよう。私はエルメンヒルデ・カルンスタイン。カーミラ派に属する者ですわ」

 

軽く挨拶をし、入ってきた少女達に続き、もう一人ほど入ってきた。ベールを被っシスター風の女性。確か今回は天界サイドの者も来ると聞いている。

 

その女性はベールを脱ぐと、

 

「初めまして。私はグリゼルタ・クァルタ。ガブリエル様のQを任されております」

「むぐっ!?」

 

入ってきた女性を見た瞬間。ゼノヴィアがビクッ!と体を震わせながら、悲鳴を上げそうになったのを、咄嗟に口を押さえて止めた。

 

「どうした?」

「な、何でもない」

 

龍誠の問いに、ゼノヴィアは首を横にブンブン振っており、それを見たイリナは事情を知っているのか苦笑いを浮かべている。

 

「それじゃあ、話を聞きましょうか」

 

リアスはエルメンヒルデに椅子を勧め、彼女はそれに応じて椅子に座った。

 

「それで?話しはなにかしら?」

 

リアスは単刀直入エルメンヒルデに問う。元々吸血鬼と悪魔は、互いに人間を必要とし、時には利用する種族同士だが、基本的に交わることはない。暗黙の了解として、不干渉を貫いてきていた。

 

そんな吸血鬼から突然の交渉案に、リアスは思考を張り巡らせる。

 

「えぇ、実は先日から我らカーミラ派とツェペシュ派の間で大きな戦いがありまして」

 

その言葉に、リアスは眉を寄せた。ツェペシュ派はエルメンヒルデが属するカーミラ派と双璧をなすもう一派。長年2つの派閥が対立していたのは知っていたが、 まさか争いが起きていたとは……

 

だが、

 

「それが今回の話しにどう関係するのかしら?」

 

リアスが知りたいのはそこだ。なぜ今まで三大勢力の和平の際にも、関わってこなかった吸血鬼がここに来て、関わってきたのか。するとエルメンヒルデは、

 

「今回の一件。どうもツェペシュ側に禍の団(カオス・ブリゲード)が絡んでいるらしいのです」

『っ!』

 

禍の団(カオス・ブリゲード)の名を聞いたとき、リアス以外の面々も体が強張る。先日の戦いの記憶はまだ新しい。ライの死も……あの圧倒的な力を持つ新たな姿も。

 

「そこで、ギャスパー・ウラディを貸していただきたいのです」

「何ですって?」

 

そんな中続けざまに言われた言葉に、リアスはポカンとしつつも、

 

「なぜギャスパーを?」

「ギャスパー・ウラディにはまだ秘められた力がある。その力が必要なのですわ。それに……ヴァレリーとは彼の方が良いですし」

 

ヴァレリー。その名を聞いた時、ギャスパーが今までにない反応を見せた。

 

「ヴァレリーが……いるんですか?」

「えぇ、ツェペシュ側の最前線で私達カーミラ派を蹂躙しました。お陰で此方としては何がなんでも殺すべき……と言う声もありますが、貴方が彼女を止めてくれるなら考えてもよろしいですわよ?」

「ヴァレリーにそんな力は……」

「さぁ?ですが禍の団(カオス・ブリゲード)の現リーダーである兵藤一誠は全ての神滅具(ロンギヌス)をもつ男。後天的に力を与えることくらい出来るのでは?まぁあんな化け物になるくらいならごめん被りますが」

 

どう言うことですか?というギャスパーの問いかけには答えず、エルメンヒルデはリアスを見る。

 

「勿論。ただでとは言いませんわ」

 

エルメンヒルデはそう言って、一枚の書面をリアスに渡す。その紙を見たアザゼルは、

 

「カーミラ派の和平交渉か。成程な。言い換えればギャスパーを貸さなきゃ交渉に応じないってことか」

「そうは言いませんわ。ただ吸血鬼の問題を吸血鬼で解決するために、一人ほど御貸し願いたいだけです」

 

確信は述べない。だが暗にそう言っているのだ。しかしリアスは、

 

禍の団(カオス・ブリゲード)との戦いに関しては私達の方が一日の長があると思うから言わせてもらうけど、そんな簡単な相手じゃないわ。ギャスパーに秘められた力がどんななのかわからないけど、そんな危険な場においそれと送り出せないわね」

「そんなに心配であれば貴女も来られれば以下がかしら?」

 

エルメンヒルデの言葉に、リアスはピクンと眉をあげる。

 

「吸血鬼だけで解決をするんじゃないの?」

「別にアドバイザー位であれば如何様にでも。あぁ但し、仮面ライダーの介入はどのような形でも認めませんわ」

「何ですって?」

「当然でしょう?あのような得たいの知れず、しかもビルドは禍の団(カオス・ブリゲード)幹部の息子だというではありませんか。信用出来るとでも?」

 

エルメンヒルデの嘲笑に、皆が奥歯を噛み締めた。そして、一人それに意を唱える男がいる。

 

「ふざけんな!戦兎はそんなやつじゃねぇ!」

「貴方は……確かクローズでしたっけ?貴方は確かビルドの友でしたわね?貴方も同じですわよ?そう言えば最近悪魔側の情報が禍の団(カオス・ブリゲード)に流れているという噂もお聞きしますが、一度仮面ライダー達の事を調べた方がいいのでは?」

 

なんだとぉ!とぶちギレた龍誠を慌てて匙と祐斗が止め、

 

「それでは決まったらまた御連絡を。失礼します」

 

エルメンヒルデはそう捨て台詞を残し、供を連れて部屋から出ていく。

 

「……くそっ!」

 

龍誠が壁を殴り、 怒りに震えるが、それに関しては他の皆はなにも言わない。

 

皆も同じ気持ちだ。戦兎がどれだけ今回の一件で傷ついてるか、そんなの皆が一番わかっていた。

 

「取り敢えず……どうする?ギャスパー」

 

リアスはギャスパーを見て問いかける。するとギャスパーはすぐに、

 

「行きます」

「良いの?」

「はい。ヴァレリーは僕の恩人なんです。ずっと一人だった僕に唯一優しくしてくれた子で、もし何かあるなら、今度は僕が助けます!」

 

はっきりギャスパーはそう答え、リアスが頷きを返す。ギャスパーは変わった。最近は今までの怖がりな部分が大分緩和され、自分の新たな戦い方を模索している。

 

「それにあの人は言ってました。僕の秘められた力って。本当かどうかわからないけど……分かるなら僕は行きたい」

 

サイラオーグ戦でやられ、その後禍の団(カオス・ブリゲード)の戦いでも負け続けていることを、ギャスパーはかなり気に病んでいた。

 

「それなら行くメンバーはそうね。私とギャスパーに……祐斗。お願いするわ」

「あと俺もな」

 

貴方も?とリアスが首をかしげるとアザゼルは、

 

「ま、未だに事を構えてる教会の人間が行くよりは角は立たないだろう。つうわけでミカエルにもそう伝えてくれ、グリゼルタ」

「畏まりました」

 

アザゼルにグリゼルタは頭を下げて答える。その間にリアスは、

 

「ソーナ。暫くは貴女にお願いするわね。うちの眷属も申し訳ないけど一緒に」

「えぇ、任せてちょうだい」

「龍誠も。何かあったら……と言うか禍の団(カオス・ブリゲード)が関わっている以上、一筋縄ではいかないだろうから、タイミングを見てすぐに他の皆も呼ぶわ。そうなっても良いように準備だけは怠らないで」

「了解です!」

 

龍誠が返事をし、他の皆も同意。

 

「それじゃ今日はこのまま解散だな」

 

と、ゼノヴィアは足早に部屋を出ようとして、

 

「待ちなさいゼノヴィア」

「ひっ!」

 

ガシッ!とグリゼルタはゼノヴィアの頭を掴み、無理矢理自分の方を向かせる。

 

「ひ、久し振りだなシスター・グリゼルタ。げ、げげ元気だったかい?」

「えぇ、お陰様で」

 

全身から滝のような汗を掻き、ゼノヴィアは視線だけグリゼルタから外す。

 

「なぁ、ゼノヴィアとあの人は知り合いなのか?」

 

龍誠はソッとイリナに聞くと、

 

「ゼノヴィアが昔いた施設からお世話になってた人で、ゼノヴィアがこの世界で一番頭の上がらない人。クイーン・オブ・ハートの異名を持ってて、この辺り一体の天界スタッフの管理もしているわ」

「成程ねぇ」

 

イリナいわく、ゼノヴィアが悪魔になった際に、一番ショックを受けていたのも彼女で、それもあってこの辺りに来ていたのは知っていたゼノヴィアも、会いに行かなかったらしい(電話もかなり来ていたようだが全部無視していた模様)。

 

「全く。貴方と来たら何時もノリと勢いとその場の流れに身を任せて周りも大変だったでしょう」

「そ、そんなことはない!なぁ皆!?」

『……』

「何かいってくれ!」

 

思わず同意をも止めてきたゼノヴィアに、皆がソッと視線をそらし、祐斗は一人グリゼルタに近付き、

 

「この際もっと言ってやってください」

「木場!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く。皆揃って酷いじゃないか」

 

その後、こってりとグリゼルタ絞られたゼノヴィアは、プリプリ怒りながら家のリビングに入り、他の皆も苦笑いを浮かべながら続く。

 

すると床に魔方陣が出現し、そこに戦兎が転移してきた。

 

「戦兎!大丈夫だったか!?」

「……あぁ」

 

疲れた様子の戦兎に、皆は駆け寄ると、これからの話をする。

 

「分かりました。じゃあ俺もやることやっときます」

「やること?」

 

リアスの問いかけに戦兎は頷き、

 

「対兵藤 一誠用のビルドの最強強化アイテムを作ります」

「ビルドの強化アイテム……?」

 

はい、と戦兎は言いながら、

 

「兵藤 一誠にも父さんにも負けない……ビルドの強化アイテムを作ります。俺がビルドは正義のヒーローだって証明して見せます」

 

なので失礼します。戦兎はそう言って部屋を出ていく。

 

「どうしたの?龍誠」

「いえアイツ……何か思い詰めたみたいな顔してたから」

 

龍誠はそう呟きながら、戦兎が出ていった部屋の扉を、見つめるのだった。




もうゼロワン1ヶ月で終わり……来月からはセイバーですね。何かちょっとスーパー戦隊感がある見た目ですが、どんな物語を紡ぐのか(小説家だけに)。しかしゼロツー出来かたがエモい。或人とイズの二人の愛の結晶ですね。

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