戦兎「部長達が吸血鬼領に向かい、襲撃を受ける中、俺たちの間に亀裂が……」
龍誠「しかし今回もまたなぁ……そろそろ兵藤 一誠をぼこしたいなぁ……」
戦兎「まぁもうちょっと後になりそうだなぁ」
龍誠「だがそろそろ行かねぇと視聴者のフラストレーションがヤバイんじゃねぇか?」
戦兎「確かにそうだけどな……だがもうちょっと付き合ってくれ!ってな感じの105話スタート!」
「完成だ」
戦兎がパソコンのエンターキーを叩くと、同時に取り付けていたケースからボンっと煙と光が出て、戦兎がその中から、中に入っていたボトルを取り出す。形状としてはスパークリング缶に近く、白と黄色と青のカラーリングが施されたそれは、先日戦兎が自爆の際に使った黒い箱を未完成状態ではなく、完成させたものだ。
仮面ライダービルドの集大成であり、戦兎が父の目を覚まさせるために作ったもの。その名も、
「ジーニアスボトル……ってところかな」
取り敢えず一応試しておくか。そう戦兎は思いながらビルドドライバーを出そうとした時、
「先輩!」
「っ!?塔城?」
どうした?と急に部屋日飛び込んできた小猫に、戦兎が問うと、
「すぐ来てください!部長達と連絡が取れなくなりました!」
「なに!?」
戦兎が慌ててコートをひっ掴み、ジーニアスボトルを見てから懐にしまう。
試さずとも大丈夫だろう。何せ今までぶっつけ本番でもなんとかなった。今回だって大丈夫なはずだ。そう自分に言い聞かせ、小猫と共に屋敷に通じる扉を潜るのだった。
「皆集まりましたね」
戦兎が到着すると、既にソーナその眷属。更にグレモリー眷属と、ヴァーリを筆頭にヴァーリチーム。それにサイラオーグと眷属の皆が集まっていた。
「ヴァーリもこっちにいたのか」
「丁度な」
戦兎はヴァーリの隣に座り、向かいの龍誠と目が合うと、
『……ふん!』
互いにそっぽを向く。そんな光景にヴァーリはやれやれと首を振り、他の皆は少し驚くが、
「リアス達からの定期連絡が途絶えました。御姉様にも知らせましたが、すぐには動けないそうです」
「何でですか!?」
龍誠が思わず身を乗り出すと、ソーナは落ち着いてくださいと言い、
「吸血鬼と悪魔の関係上、無理に突入すれば争いになります」
じゃあ俺たちはどうすれば……という龍誠に、
「今はまだ動けん……か」
「えぇ」
サイラオーグの言葉に、ソーナは同意する。だが嫌な予感が拭えない。どうすれば……そう皆が思ったその時、
「お悩みかな?」
『っ!?』
声が響き、皆が臨戦体勢を整えると、皆の周りを霧が包み始める。
「霧……
ヴァーリが叫び、皆はとにかく近くにいるもの同士で固まったが、
「え?」
ソーナは目を開けると、景色は変わっておらず、周りにも見知ったものたちがいる。しかし、
「何人かいない……!?居ない人は誰!?」
ソーナが確認すると、居ないのはグレモリー眷属・イリナ・ヴァーリ・サイラオーグ・匙・フウ達だ。
「なんてこと……」
ソーナが呟いた一方その頃、
「くっ!」
戦兎は地面に着地し、周りを見回すと見知らぬ森の中だった。
「ここは……」
「おい戦兎!」
声がして振り替えると、そこにいたのは龍誠とフウの二人。
「この三人だけか?」
「えぇ、他の人の気配はありません」
三人は森を見回しながらどうするか話し合う。
「さっきの声は間違いなく兵藤 一誠だ。となればあまりゆっくりしてられない」
戦兎はそう言って、取り敢えず上空から見てみようと言って、ビルドドライバーを装着したが、
「そんなに焦ることはないだろう。戦兎」
『っ!』
声に戦兎達の体は凍りつき、その方向を見ると、そこに立っていたのは、ラビットタンク変身した忍だ。
「父さん!」
《マックスハザードオン!ラビット&ラビット!》
「戦兎!」
戦兎は素早く変身し、忍に向かって走り出す。
「変身!」
《紅のスピーディージャンパー!ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!》
フルボトルバスターを構え、忍に襲い掛かる戦兎。
「父さん!目を覚ませよ!科学は誰かのため、愛と平和のためのものなんだろ!」
「目を覚ますのはお前だ戦兎!何時までも夢見がちな子供の戯れ言を言っても誰も救えやしない!」
ドリルクラッシャーで防いだ忍は、戦兎を蹴り飛ばし、ドリルクラッシャーをガンモードにして撃つ。
「龍誠さん!」
「あぁ!」
《ギアエンジン!》
《覚醒!グレートクローズドラゴン!》
「潤動!」
「変身!」
《Engine running gear》
《Wake up CROSS-Z! Get GREAT DRAGON! Yeahhh!》
エンジンブロスとグレートクローズに変身したフウと龍誠も忍に飛び掛かるが、忍が軽々と二人の攻撃を捌き、一撃ずつ叩き込んで二人を押し戻した。
「ただのラビットタンクの筈なのに……強い」
「元々ビルドは私が使うために作ったものだ。つまり、私が変身するのが本来の姿だ」
忍はそう言いながら、指をパチンと鳴らすと、何処からともなく何人かが飛んできて、三人の前に立つ。
『え?』
戦兎たちは思わず相手の顔を見て固まる。そこにたっていたのは、
「部長……?」
「祐斗に先生?」
連絡が着かなくなっていた面々(ギャスパー以外)がそこに立っていた。しかし、
『っ!』
無言でその面々は戦兎たちに襲い掛かり、急いで防御行動を取る。
「ちょ!部長!一体どうしたんですか!」
滅びの魔力の弾をフルボトルバスターで弾き、リアスを取り抑えようとするが、それを受け流してゼロ距離で滅びの魔力を叩き込んで、戦兎を吹き飛ばした。
「戦兎!」
龍誠は駆け寄ろうとするが、祐斗が聖魔剣を手に襲い掛かり、龍誠を斬り付けて足止め、
「くっ!」
それをフウが銃を撃って止めようとするが、光の槍が邪魔をしてくる。
「アザゼルさん!?」
フウが見てみるとアザゼルが槍を手にフウに襲い掛かり、そのまま後方に吹き飛ばされ、アザゼルが手を空に掲げると、上空に無数の槍が作られる。
「やべぇ!」
龍誠は慌てて逃げようとするが、その前に無数の光の槍が降り注ぎ、三人に襲い掛かる。
『ぐぁあああああああ!』
三人は吹き飛んで地面を転がると、変身が強制解除されてしまう。
「うぐ。どういうことだよ……」
「何かおかしい。なんか何時もの皆にはない違和感がある」
龍誠のぼやきに、戦兎は首を振って言うと、
「正解だ。これはお前達の知る仲間達じゃない。これは彼女達の細胞を手にいれ、それを兵藤 一誠の
なっ!と三人は呆然とし、改めてリアス?達を見る。
「容姿だけじゃない。能力や力も全て本人と同じだ。まぁ、本人達と違って容赦がない分厄介かもしれないがな」
忍はそう言って、書類に色々書く。
「結果は上々だな。これなら、このまま計画を進めても問題なさそうだ」
「計画だと?」
戦兎は忍の言葉に疑問符を浮かべつつも、忍は無視して背を向ける。
「ま、待て!」
戦兎が立ち上がって、忍を追いかけようとするが、忍はドリルクラッシャー・ガンモードで戦兎の足元を撃って、足止めする。
「諦めろ戦兎。お前では……兵藤 一誠は止められない」
忍はそれだけを言い残し、リアス達を連れて森の中に消えていったのだった。
一方その頃。
「う……」
ギャスパーは目を開ける。見たことのない風景に、自分がどうしてここにいるのかを思い出す。
「そうだ……ヴァレリー!」
急いでギャスパーは立ち上がろうとしたが、鎖で体の自由が奪われていることに気づき、コウモリに変化して抜けようとするが、変化できない。
「やめとけやめとけ。そいつは特別製でな。抜けられないよ」
「っ!貴方は兵藤 一誠……」
こうして面と向かっては初めてかな?と言う一誠に、ギャスパーは鎖をガチャガチャ鳴らしながら叫んでいた。
「ヴァレリーを……ヴァレリーを何であんな目に!」
「実験だよ」
実験?とギャスパーは、まるで言葉が理解できなかった。
「そう実験。折角この世界に来て
「そんなの仲間じゃない!」
一誠の言葉にギャスパーは、はっきりと口にする。
「仲間っていうのはそんなんじゃない!お前はただ自分の力に酔ってるだけだ!人から奪った力で!戦兎先輩の方が何倍も……ううん、比べるのも失礼なくらい力の使い方を知ってる!」
「っ!」
がっ!と次の瞬間ギャスパーの首を一誠は締め上げる。
「いちいちよく回る口だなぁ?キャラクターの癖に俺をイライラさせる」
一誠はそう言って手の力を強めようとするが、何かを思い付いたような顔をする。
「そうそう。良いこと思い付いたぜ」
笑いながら、一誠は立ち上がると少し離れる。
「折角すぐに終わらせてやろうかとも思ったがな。折角だ。何でお前が親戚から疎まれてたか教えてやろう」
「え?」
「お前はハーフヴァンパイアじゃない。いや、ハーフヴァンパイアの範疇を逸脱した存在……というのが正しいかな?お前はな。化け物ですらない。言うなればそうだな、お前は魔神バロールの生まれ変わり……て言うとちょっと違うけどそれに近い存在だ。だからな」
一誠は手招きすると、そこにやって来たのは自分と同じ顔……そう、間違いなく自分だ。
「僕と同じ?」
「あぁ、同じだ。お前のクローンだからな。ちゃんと
「っ!」
そう言った一誠の後ろから、ズルリ音をたてヴァレリーが現れる。
「ヴァレリー!」
ヴァレリーは、ゆっくりとギャスパーの元に行く。
「僕だよ!ギャスパーだよ!ヴァレリー!」
「無駄だよ。もうとっくに自我なんてない。そうして俺が命令すれば……」
一誠は、静かにヴァレリーにしじをだす。
「やれ。ヴァレリー」
「っ!」
ヴァレリーの腕から伸びた触手が、ギャスパーの心臓を貫き、口から血を吐かせる。
「が……はっ!」
「よかったなぁ……ギャスパー。お前を逃がしてくれた大切な恩人が、今度はお前を殺すんだ。ハッハッハ!盛大な皮肉だなぁおい!」
一誠は笑いこけながら、ギャスパーを見る。しかしギャスパーは、
「ぜったい、おまえだけは、ゆるざない」
その瞳に炎を宿し、ギャスパーは一誠を睨み付ける。
「しんでも、ぜったいに……!」
「はぁ?死んだらおわりだっつうの」
一誠はそう言って手を翳すと、ギャスパーの体から黒く光る球体が出て、ギャスパーの体から力が抜けていく。
「ぜったい、に……」
ガクン!とギャスパーの体から完全に力が抜け、完全に死んだことを確認。
「さぁて、これをこっちのギャスパーに埋め込んでやって」
と一誠は黒い球体をクローンのギャスパーに近づけると、それはクローンギャスパーの中に溶けていく。
「これで今日からお前がギャスパー・ヴラディだ」
一誠はクローンギャスパーに言うと、
「終わったか」
「あぁ、取り敢えずな」
忍がクローンのリアス達を連れて帰って来た。それを見た一誠は、
「あぁ、最高の気分だ。遂に計画最終段階。俺の夢が叶うんだ!」
高らかに笑い、天に拳を突き上げる。
悪意は……止まることはない。
アークワン……変身者を誰が予想しただろうか……