戦兎「兵藤一誠に誘拐され、クローンの部長達との戦いになった俺達」
龍誠「あいつほんと好き勝手やってるよなぁ……どうにかならないのか?」
戦兎「どうにかできるんならとっくにこの物語完結してるでしょうか」
龍誠「だよなぁ……」
戦兎「ま、そのうちこの未来のてぇんさい物理学者がどうにかするから見てなさい」
龍誠「今のお前だと不安しかないんだよなぁ……って感じの106話スタート」
「くそっ!」
ガン!とヴァーリが檻の出入口を蹴っ飛ばすが、びくともしない。
ヴァーリだけじゃない。この場にはリアスを筆頭にグレモリー眷属やヴァーリチームに、サイラオーグや匙も入れられていた。
「やめておけ、俺の力でもビクともしなかったんだ」
「だがこんなとこに何時までもいれねぇだろ。おいアーサーお前のコールブランドで斬れないのか?」
「もう何度も試したでしょう」
サイラオーグに言いつつ、アーサーにヴァーリが問いかけるが、答えは見ての通りのものだ。すると、
「中々頑張ってるじゃねぇか」
『っ!』
リアス達は、声がして身構えると、そこには一誠とヴァレリー……そして、
「ギャスパー!」
リアスが檻から手を伸ばそうとするが、ギャスパーは身動きひとつしない。
「兵藤 一誠!ギャスパーに何をしたの!?」
「作り直しただけさ。正しく動くようにな」
一誠は笑うと、背後からリアス達まで現れる。戦兎達と戦ってた者だけではなく、ヴァーリやサイラオーグに匙などの新たな面子もいる。
「俺達?」
「俺の
ヴァーリが唖然とする中、一誠はニコニコ笑って教え、
「そんなことをしてどうする気なの!」
「決まってるじゃないかリアス。今のうちに実験だよ。お前達を間違って殺したときに作り直せるかをさ。序でにまぁギャスパーは、
『……え?』
リアスだけじゃない。他の面子の表情が凍りつく。そんなはずはない。嘘だといってくれと。
「あぁ、勿論遺体は有効活用させて貰ったよ」
一誠はそう言って指を鳴らすと、一誠の影から醜悪な化け物が出てくる。だがその顔は、
「うそ……うそよ……」
リアスが、いやいやと首を振る。他の皆も思わず顔を背けそうになった。だがそこにある顔は、間違いなくギャスパーのものだ。
「狂ってる……」
匙が侮蔑を込めた目を一誠に向けるが、一誠は気に止めない。
「さて、折角だしこいつらの強さを見てみるのも一興だ」
パチン、と再度指を鳴らし、皆を
瞬き程の一瞬の間に、気づくと投獄されていた城の外の開けた場所に立たされていた。
『
《VanishingDragon!BalanceBreaker!》
するとクローンヴァーリやサイラオーグ等が
「なにっ!?」
「一部は
一誠が指示を出すと、クローン達が襲い掛かる。
「ちっ!来るぞ!」
「リアス!しっかりして!」
「っ!え、えぇ……」
リアスは必死に自分を奮い立たせ、朱乃に礼を言いながら立ち上がると、
『変身!』
《潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!》
《潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!》
《デンジャー!クロコダイル!割れる!食われる!砕け散る!クロコダイルインローグ!オラァ!キャー!》
ヴァーリ達も変身し迎え撃つが、ヴァーリの前にクローンの白い鎧を着たヴァーリが突っ込み、ヴァーリを吹き飛ばす。
「ぐう!早い……!」
「くっ!」
サイラオーグも、
「厄介だな」
相手の拳を受け流し、カウンターを狙うがそれを避けられ、逆に一撃を入れられる。
他の皆もクローンの自分と戦うが、苦戦しているようだ。
「強さは互角。ただスタミナや魔力は無制限だ。時間かけてるとキツいぞ~」
一誠が言うように、クローン達はずっと全力攻撃で、本物のリアス達は疲れが出始めていた。しかし、
「はぁ!」
《フルフルマッチブレイク!》
クローン達の所に、エネルギー弾が降り注ぎ、
「おらぁ!」
クローズマグマに変身していた龍誠が、リアス達の間に入って、クローズマグマナックルを手に嵌め、拳を突き出すと、マグマで出来たドラゴンが飛んでいきクローン達を追撃。
《ファンキードライブ!》
「サイラオーグ様!」
トドメにフウのファンキードライブで吹き飛ばし、フウがサイラオーグに駆け寄る。
「へぇ、来たのか」
一誠が口笛を吹いて称賛する先には、戦兎達が立っている。
「皆!無事か!?」
龍誠が声を掛けると、皆は頷きを返す。それを見て一誠は、
「ふむ、流石に戦兎達まで来ちゃったか。思ったより早かったな」
「兵藤 一誠!」
と頭を掻いて見ていた一誠の元に、エルメンヒルデが来た。
「ん?どうした?」
「どうしたじゃありませんわ……貴方は何てことを!」
エルメンヒルデが叫ぶと同時に、上空からリアス達に何かが襲い掛かる。
「なに!?」
回避したリアス達だが、そこにいた無数の化け物達。それは見たことなかったが、
「約束が違いますわ!リアス・グレモリー達を引っ張ってくれば、私達カーミラ派の吸血鬼の命は救うと!」
「あぁ、だから殺しちゃいない。ちょっと改造しただけさ。ツェペシュ派の奴等も同じだぜ?」
ふざけるな!とエルメンヒルデは走り出し、一誠に飛び掛かるが、間にローブを被った男?が割って入り、左手を突きだしてエルメンヒルデを吹き飛ばす。
「
戦兎が思わず呟くが、確かにローブを被った奴は、ローブを外す。
「きちんと顔を見せるのは初めてですね。初めまして。私はユーグリット。ユーグリット・ルキフグス」
「ルキフグス……?」
皆怪訝な目をしたが、リアスは最もその感情を露わにした。
「ルキフグスって……グレイフィアの家?」
「えぇ、グレイフィアは私の姉です」
なっ!と皆が驚愕。なにせ現魔王の妻にして、戦兎達も幾度となく世話になっている。
「何でグレイフィアの弟が兵藤 一誠と!」
「彼とは利害の一致がありましてね。その為に彼とは同盟関係なんですよ。この
これもね。とユーグリットは懐から取り出したのは、
「エボルドライバー!?」
戦兎が目を見張る中、ユーグリットはそれを腰に装着。
《エボルドライバー!》
「更にこれを」
と手に持ったのは、ドラゴンフルボトルとロックフルボトル。
《ドラゴン!ロック!エボルマッチ!》
ドライバーに挿し、レバーを回す。そして、
《Are you ready?》
「変身」
《ドラゴンロック!フッハッハッハッハ!》
ユーグリットの変身シークエンスが完了すると、そこに立っていたのは、全身が赤と黒を基調し、禍々しく尖っているクローズが立っていた。
「仮面ライダー……ヘルクローズ。でしたっけ?これ」
仮面ライダーヘルクローズ
パンチ力48t
キック力55.6t
ジャンプ力70m(ひと跳び)
走力1.2秒(100m)
本作のオリジナルライダー。
ユーグリット・ルキフグスが、エボルドライバーにドラゴンフルボトルとロックフルボトルを挿して変身する。
主な活躍は次回以降だが、素手だけではなくビートクローザーや、魔力を用いた戦法など、素の状態でも十分強いユーグリットが、