ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「グレイフィアさんの弟を名乗るユーグリット・ルキフグスは、何とエボルドライバーを用いて仮面ライダーヘルクローズに!」
龍誠「何やらマッドローグに変身すると思ってた人も多かったみたいだな」
戦兎「マッドローグはなぁ~。もうちょっと」
龍誠「しかしどんどん兵藤 一誠側が強化されてくけど大丈夫なのかぁ?」
戦兎「一応これって作者は既にエンディングを考えてるからな。寧ろエンディングから逆算して考えて作ってるから、寧ろこっからの方が作者的に執筆しやすいまである」
龍誠「まぁそんなわけだから心配せず見てな」
戦兎「つうわけで107話スタートだ!」


希望の光

『っ!』

 

ヘルクローズへと変身したユーグリットは、エルメンヒルデに近付くと、首を掴んで持ち上げる。

 

「う……ぐ!」

「無駄ですよ」

 

エルメンヒルデは捕まれたまま、反撃をしようとするものの、ユーグリットは素早く拳をたたきこんで怯ませ、更に追撃の蹴りを入れて吹き飛ばす。

 

「やめろ!」

 

吹き飛ばした場所に、続けて襲い掛かろうとするユーグリットを止めたのは龍誠だ。龍誠は素早くクローズマグマナックルを手に、ユーグリットに殴りかかるが、ユーグリットはそれを避けてカウンター。しかしそこに匙が飛び蹴り……したのだが、

 

「残念ですが、貴方のクローズチャージでは最早スペックからして違いすぎますよ!」

「がはっ!」

 

ユーグリットはエボルドライバーから、ビートクローザーを作り出して、匙を叩き切る。

 

「匙!」

《鋼鉄のブルーウォーリア!タンクタンク!ヤベーイ!ツエーイ!》

 

戦兎がタンクタンクフォームになって、ユーグリットを抑え込もうとするが、

 

「くっ!」

 

びきっ!と戦兎の体の動きが止まり、動けなくなる。

 

「ギャスパーの能力か……?」

 

見てみれば、ギャスパーがこちらの動きを止め、更に、

 

《ボルテックブレイク!》

「っ!」

 

強烈なエネルギー弾が、戦兎を襲い吹き飛ばす。咄嗟に防御したが、それでもダメージはあるらしい。

 

「父さん……!」

 

戦兎は立ち上がり、忍に襲い掛かろうとするが、横からまた別のモンスターが来た。

 

「なんだ!?」

 

戦兎はフルボトルバスターで防ぎながら、そのモンスターを見ると、血が凍りつくような感覚を覚えた。

 

「ギャスパー?」

「ぐるぅうう!」

 

ギャスパーだった者は、ヴァレリーだったもの同時に戦兎に襲い掛かる。

 

「戦兎!」

「させませんよ!」

 

龍誠は戦兎の援護に向かおうとするが、それをユーグリットが通さない。

 

「がはっ!」

 

巨大な腕で吹き飛ばされ、戦兎は地面を転がるが、それをギャスパー達は追撃。しかし、

 

「はぁ!」

 

地面から蔓のようなものが生え、ギャスパー達を拘束。

 

「黒歌!もう少し押さえとけ!」

 

と、ヴァーリと美猴とアーサーが三人同時に飛び上がり、

 

《スクラップフィニッシュ!》

『はぁ!』

 

レバーを操作してキックを放つヴァーリと、それに合わせて攻撃する美猴とアーサー。だが、

 

《Ready Go!ボルテックフィニッシュ!》

「ふん!」

 

横から来た忍のボルテックフィニッシュが、ヴァーリ達三人を弾き、ギャスパーとヴァレリーが蔓を引き千切って、三人を横凪ぎで吹き飛ばした。

 

「皆っ!」

 

戦兎はヴァーリを救出しに行こうとするが、その間に忍がニンニンコミックに姿を変え、四コマ忍法刀を戦兎に向けて足止めする。

 

「諦めろ戦兎。言った筈だ。お前には何も救えないとな」

「まだだ!」

 

戦兎はフルボトルバスターを振り回して忍を狙うが、忍はそれを軽々と避けて、すれ違い様に腹部を斬り、振り返り様に背中を斬ってから蹴り飛ばす。

 

「ぐっ!」

 

戦兎はよろめきながら忍を見て、フルボトルバスターをバスターキャノンモードにして、忍を狙うが、クローンのギャスパーが腕から黒い靄のような物を出して、戦兎のフルボトルバスターを包んで、強引に奪い取ると反対の腕の靄で戦兎を殴り飛ばす。

 

「くそ!何でギャスパーが二人もいるんだよ!」

「気づいているだろう?」

 

忍は戦兎に間合いを詰め、四コマ忍法刀で斬る。

 

「あのギャスパー・ヴラディはクローンだ。じゃあ、あの化け物に変異したのはなんだ?あれは本物だったギャスパー・ヴラディ。というのは気づいてたんだろう?」

「……」

 

四コマ忍法刀を腕のキャタピラで弾きながら、拳と歯を噛み締めた。

 

「ふざけんな……」

 

戦兎は渾身の力で忍を殴り、

 

「ほぉ、怒りでハザードレベルを上げたか」

「ふざけんなよ!」

 

殴られつつも、フワリと回って着地した忍を、戦兎は睨み付ける。

 

「俺が知ってる父さんは……こんなことをする人じゃない!」

「当たり前だ。私はもうお前の知っている桐生 忍じゃない。何時までも子供の夢物語で生きてはいけないんだ」

 

戦兎はギリギリと歯を軋ませ、腰からジーニアスフルボトルを取り出した。

 

「それは……?」

「ジーニアスフルボトル。俺の全てを詰め込んだ、集大成にしてビルドの最強の強化アイテム。あんたを倒して、目を覚まさせるための力だ!」

 

戦兎はそう言って、ジーニアスフルボトルの起動スイッチに手を掛け、

 

「行くぞ!」

 

カチっとスイッチ押した。だが何も起きない。

 

「え?」

 

カチカチと戦兎は困惑しながら、何度もスイッチを押すが、何も起きない。

 

「な、なんで……!調整は完璧なはずなのに!?」

「ふ……失敗作だったか」

 

忍は四コマ忍法刀のスイッチを押し、

 

《火遁の術!火炎切り!》

「はっ!」

 

燃え上がる刀身は、戦兎に向かって襲い掛かり、

 

「がぁ!」

 

戦兎は吹っ飛びながら、変身が解除され、

 

「戦兎!」

 

リアスが戦兎に駆け寄る。

 

「はぁ……くそ!」

 

戦兎は立ち上がると、忍に立ち向かおうとするが、

 

「戦兎!待ちなさい!」

 

無茶をするなとリアスが止めるが、戦兎はそれを振り払う。

 

「くそ!何で動かねぇんだよ!使えさえすれば……」

「戦兎。こっちを見なさい」

 

父さんの目を、と戦兎が口にする戦兎に、リアスが静かに告げた次の瞬間、

 

「放っといてください!これは俺のもんだっ」

「いい加減にしなさい!」

 

スパーンっと戦兎の頬から、聞いてて気持ちいいほど見事な平手打ちが炸裂し、思わずそのまま尻餅をついた。

 

「ぶちょう?」

「何が父さんの目をよ……貴方が戦う理由はそんなことなの!?」

 

そんなことってなんですか!と戦兎が噛みつく。

 

「俺にとって……父さんがどんな存在だったか!」

「そうね、でも貴方はヒーローだったんじゃないの!?なのに父親のことで頭に血を上らせて……それでも仮面ライダービルドなの!?貴方が目指したものはそんなものなの!?」

「そんなものがなんだってんだ!分かってたんだ。俺の思いは結局父さんの受け売りだった。憧れだった父さんがそう言うから、自然とそう思うようになっただけだ。俺の思いは偽物だったんだ!それにどうせこの世界はお話の世界。俺が居なくたって回るし変わらない。俺だけが存在しない世界なんだ!だったらどうしようが勝手だ!」

「っ!」

 

リアスは思わず、戦兎の胸ぐらを掴み上げる。

 

「お話の世界ですって?じゃあ何かしら。私達が出会って、泣いて笑って、時には喧嘩したり仲直りして、大切な眷属を失って悲しい気持ちになったのも、全部物語のシナリオにあったことだからとでも言うの!?違うでしょ!」

「っ!」

「この世界がどんな世界でも、私達が見て、聞いて、感じたことは嘘じゃない。だって私達はここで生きてるのよ?」

 

その通りだぜ戦兎!とユーグリットの相手をしながら、龍誠が叫ぶ。

 

「お前がビルドを否定するなよ!受け売りだって良いじゃねぇかよ!少なくとも俺はな、そんなビルドに救われたんだ!ビルドがいたから、俺も誰かのために戦える仮面ライダーになれたんだ!」

「龍誠先輩の言うとおりです!」

 

龍誠に続き、小猫も叫ぶ。

 

「私だって先輩に助けてもらって……優しくてお人好しの先輩がいたから今ここにいるんです!」

 

小猫の叫びの中、アーシアが戦兎に駆け寄ると、回復に入る。

 

「戦兎さん。自分はいなくても回ると言いました。でもそれは違います。貴方がいたから、龍誠さんがいて、私もここにいるんです。貴方がいたから、私達の物語は始まったんです!」

 

そしてこちらに来る忍に、佑斗とゼノヴィアが割って入る。

 

「戦兎君!君は確かに本来はいないのかもしれない。でもね、僕たちのいるここでは、君はいるんだよ!」

「そうだぞ戦兎!誰がなんと言おうとな、お前は私達の仲間なんだ!ホントにいるとじゃいないとか、そんなの関係ないだろう!」

 

佑斗とゼノヴィアは忍に吹き飛ばされるが、そこに入れ替わるように朱乃にロスヴァイセとイリナが、忍に同時攻撃。

 

「戦兎君!貴方はいつも自信満々でした。愛と平和のために戦うことの厳しさを知りつつも、それでも戦い続けてきた。仮面ライダービルドであろうとしていた!それを選んだのは他でもない貴方よ!」

「初めて会ったとき。変わってる子だと思いました。でもお人好しで意外と義理堅い優しい子です!それが例え誰かの受け売りだったとしても、それを貫いたのは貴方の強さです!」

「戦兎君はさ、昔からヒーローになるんだっていってたよね!化学は誰かを幸せにするためのものだっていってたよね!?真っ直ぐな目をして、いつも楽しそうにいってたじゃん!それも否定するの!?」

 

三人の同時攻撃を、忍は姿を消すと二人の背後に現れ、四コマ忍法刀を振り上げた。

 

《スクラップフィニッシュ!》

《スクラップブレイク!》

《クラックアップフィニッシュ!》

「っ!」

 

そこにヴァーリ・匙・サイラオーグのトリプルキックが炸裂。忍は咄嗟に四コマ忍法刀で防ぐが、流石に三人同時に押し込もうとすると、動きが止まる。だが、

 

《エボルテックフィニッシュ!》

『っ!』

《チャオ!》

 

三人を仮面ライダーエボルに変身した一誠が、エボルテックフィニッシュで吹き飛ばす。

 

「ちぃ!兵藤 一誠まで来やがったか!」

「へっ!それがどうした!いくぞお前ら!」

「あぁ!」

 

匙の文句にヴァーリが笑い、サイラオーグも続いて走り出す。

 

「おいおい、諦めろよ!今更スクラッシュドライバーなんぞで変身してるお前らじゃ、俺には勝てねぇんだよ!所詮はお前達は戦兎と龍誠の壁となり、ハザードレベルを上げるためだけの存在なんだからな!」

「うるせぇ!」

 

ヴァーリはツインブレイカーをアタックモードにすると、一誠を殴る。

 

「勝てるかどうかじゃねぇんだよ!やるしかねぇんだ!例えてめぇより劣ろうとな、ベルトをつけて!変身してるときの俺は仮面ライダーグリスだ!俺の知ってる仮面ライダーはな!どんなときでも勝つために心火を燃やして戦うんだよ!」

「皆の笑顔のため、愛と平和のためにアイツは戦ってた!俺だって仮面ライダーだから負けられねぇ!」

「大義のため、そしてアイツが謳った仮面ライダーの信念のため、俺達は決して折れん!」

 

三人は連携して一誠と戦うが、

 

「鬱陶しいんだよ!」

 

デュランダルを取り出した一誠は横凪ぎで三人を弾き飛ばすと、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の力で倍増させて纏めて凪ぎ払う。

 

『がはっ!』

『まだまだぁ!!』

 

その余波で他の皆も吹き飛ぶと、一誠の頭上から黒歌・美猴・アーサー・ルフェイのヴァーリチーム四人が飛び掛かった。

 

「何やってんのよ戦兎!私から白音を守ったときのあんたは死ぬほど厄介で怖かったわよ!でもね、誰よりも優しくて頼りになるって思ったから託したんだから!」

「今時ヒーローなんて流行らねぇよって思うけどさ、でもおめぇは何時だってそれを誇りにしてただろうが!父親に言われたからなんだってんだ!お前が歩んで積み重ねたもんがあるんじゃねぇのか!」

「妹に付き合って見させてもらいましたがね。仮面ライダービルド。悪くないと思いますよ。綺麗事でも夢物語でも、それを現実にしたいと願って足掻いて何が悪いんですか。そう簡単に認められないから、足掻いてるんですから」

「私は仮面ライダービルドが大好きです!カッコ良くて誰かの明日を作るために戦う。それの何が悪いんですか!」

 

そこに更に光の槍と歯車が降り注ぎ、その合間を縫ってアザゼルフウが一誠に襲い掛かった。

 

「戦兎!お前はよ!確かに変わりもんだ。でもな、例えお前が本当にここにはいないはずの人間だったとしても、お前は俺の生徒だ!それにな誰が何と言っても、ラブ&ピースのために戦って、皆と一緒に泣いておこって笑ってきたお前をな、もうこの世界の人間じゃねぇなんて言う奴なんかいねぇぞ!」

「例え始まりがどんなであろうと、大切なのはそれで何を為したかです!貴方は仮面ライダーとして戦い、そしてこれだけの仲間に出会った。それが答えなんじゃないんですか!」

「邪魔だぁ!」

《Ready Go!エボルテックフィニッシュ!》

『ぐっ!』

 

アザゼル達を一誠は吹っ飛ばすと、クローン達が一誠の元に集結。そして、

 

「最後は、自分達にやられて消えな!」

 

そう言って皆は力を解放し、一斉掃射。閃光と轟音が戦兎達を包み込む。筈だった。

 

『え?』

 

戦兎達と一誠達との間に、黒い壁が出現し、一誠達の一斉攻撃を防いだのだ。

 

厳密には防いだと言うより、飲み込んだに近いのだが。

 

「なんごぶ!?」

 

なんだ!?と驚いた一誠の横っ面を、何か黒い靄のようなものが叩きつけられ、真横に吹き飛んだ。

 

クローン達が咄嗟に、その犯人に向けて攻撃しようとするが、既にその頃には黒い靄で作られた翼で空に飛んで逃げる。

 

「そうですよ先輩。貴方目指したものは、僕を変えてくれました!先輩が例えどんな形であっても、格好いいヒーローだったから、僕は勇気を出せるようになったんです!」

 

そう叫ぶのはクローンのギャスパー。だが言葉の内容は、まるで今まで一緒にいたギャスパーのようだ。と思っている間に、ギャスパーはこちらに降りてきた。

 

「ギャスパー……なの?」

「はい部長!ギャスパー・ヴラディ。ただいま帰還しました!」

 

何が何やらわからず、リアスだけではなく皆が困惑する。

 

「でも兵藤 一誠に殺されて……」

「あぁ、何と言うかですね。気づいたら目覚めたと言うか……多分僕の停止世界の邪眼(フォービドウン・バロール・ビュー)が関係してるっぽいんですけど、何かよくわかんないし変な黒い靄のようなのが出るようになっちゃったし……」

 

と言ってギャスパーは、右手からまた靄のようなのを出す。

 

「どうなってやがんだ?」

「恐らくだが、ギャスパー・ヴラディの停止世界の邪眼(フォービドウン・バロール・ビュー)に宿っていた魔神・バロールの力ごと移植することで、人格ごと移った…のか?」

 

一誠に仮説を言いながら、忍はギャスパーを見る。

 

「そうか……そういや元々の人格自体が魔神・バロールから変質した物だったか……あーくそ。そんな設定もあったっけ。その辺関係か。イライラすんなぁ」

 

と苛立った様子の一誠を尻目に、戦兎は立ち上がる。

 

「戦兎?」

「さいっあくだ」

 

リアスの問いかけに、戦兎は頭をガシガシ掻きながら、天を仰ぐ。

 

「俺、こんな大事なこと忘れてた」

 

戦兎はそう言い、ビルドドライバーを腰に装着。

 

「部長!皆!ごめん。でも思い出した。俺は駒王学園の2年にしてグレモリー眷属のポーン。愛と平和のため戦うナルシストで自意識過剰な正義のヒーロー。仮面ライダービルドこと、桐生 戦兎だってな!」

 

戦兎が宣言すると、皆は顔を見合わせてから、 笑みを浮かべる。そして、

 

「後は任せてください!」

 

戦兎はそう言って、前に出ると忍を見据えながら、ジーニアスフルボトルを手にする。

 

「父さん。俺は間違ってたよ」

「ほう?」

「俺は確かにあんたへの憧れからヒーローに憧れた。そしてあんたがそれを否定するから俺もそれが間違いだったんじゃないかって……そう思い掛けた。でもその憧れから始まった事が、俺を皆と出会わせてくれた。俺はこの世界にいて良いんだっていってくれた。だから俺は自分がしてきたことを信じる。これからも仮面ライダービルドであり続ける。アンタが正義のヒーローなんて夢だと言うなら、俺が現実にして証明する!そして、俺は父さんを……いや、桐生 忍を越えて見せる!」

 

戦兎は叫びながら、ジーニアスボトルの起動スイッチを押す。

 

《グレート!》

 

戦兎の覚悟に呼応するように、ジーニアスフルボトルは起動し、それをビルドドライバーにセット。

 

《オールイエイ!ジーニアス!》

 

戦兎はレバーを回すと、地面から台座のようなものが競り上がり、背後にベルトコンベアーが出現し、フルボトルが流れていく。

 

《イエイ!》

《イエイ!》

《イエイ!》

《イエイ!》

 

どんどんレバーを回し、戦兎は静かに構えて唱える。いつだって自分を奮い立たせ、正義の味方に変えてくれる魔法の言葉を。

 

《Are you ready?》

「変身」

《完全無欠のボトルヤロー!ビルドジーニアス!》

 

変身シークエンスが起動し、白い素体に変わると、全身にエンプティフルボトルが次々刺さっていく。

 

これは戦兎が考え、作った仮面ライダービルドの集大成。戦兎の積み重ねた全てを詰み込んだ、最高のアイテム。

 

《スゲーイ!モノスゲーイ!》

「さぁ、実験を始めようか」

 

それを見た祐斗は、少し笑う。

 

天才(ジーニアス)か。戦兎君らしいかな」

「そうかもな」

 

それにアザゼルは頷く。

 

「だが知ってるか木場。ジーニアスって言葉にはまだ意味がある」

 

え?と祐斗が疑問符を浮かべると、

 

「ジーニアスって言葉の語源であるラテン語だとな。こういう意味があるんだ」

 

アザゼルはニッと笑いながら、教えてくれる。

 

「守護神。ってな」




ゼロワン次回最終回って嘘やん。

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