戦兎「突然の襲撃を乗り切り、別世界の仮面ライダーである或人さん達と出会った俺達……」
或人「いやぁ、何か色々なことがあったなぁ。お陰でまだ処理しきれないや」
戦兎「いやいやまだまだ序盤も序盤。どんどん色々起きていきますよって感じの113話スタート!」
「成程……ヒューマギア。それに別の世界にも仮面ライダーがいるとは」
ザウスや無人に逃げられ、戦兎は或人達を連れて、オカルト研究部の部室に来ていた。
因みに結局あんな騒ぎの後では、授業どころではないという事で、学校もお休みとなっている。
「聞いたところ、恐らく私達が住むこの世界よりも、かなり技術も進んでいるようですね」
或人達から説明を受け、リアスとソーナは顔を見合わせながら話す。
「こっちもビックリだよ。まさか自分達以外にも仮面ライダーがいるなんてね」
そう言って笑うのは或人で、彼は更に、
「しかしあの無人って言うのは何者なんだろう……」
「話を聞く限り、飛電さん個人と言うよりも、飛電さんが経営する会社自体に因縁があるようですが……」
ソーナの問いに、或人は頭を掻く。
「俺も社長になってまだ一年ちょっとだから、それ以前の話となると副社長に聞かないと……」
「となるとまた僕達の世界に戻らないとね」
或人に迅が言うと、滅とイズは立ち上がり、行こうと言う。すると戦兎も立ち上がり、
「俺もいきます」
「え?」
戦兎の言葉に、或人は驚いた顔をした。
「良いですよね?部長」
「そうね」
その間に話が進むが、或人がストップをかけた。
「ちょ、ちょっと待って。この件はこっちの世界から始まったことだ。君たちを巻き込むことはできないよ」
「そうはいっても、俺のベルトを取り戻さなきゃなりませんし、このまま引き下がるわけにはいきませんよ。何より兵藤 一誠が絡んでるなら、無視できません」
まぁ実際ベルトは作り直せるが、流石に2、3日でパパッと作れるものじゃない。そんな長期間ベルトがないままでは、危なすぎる。それなら敵から素直に取り戻す方が早そうだ。
「そもそもなんだけど、その兵藤 一誠って何者なの?見たところ……そこの彼と似てたけど」
と或人は龍誠を見ながら聞くと、リアスは口を開く。
「そうですね。まずはこの世界について説明しなければなりませんね」
そうリアスは言い、この世界について説明を始める。そして或人達は聞き終えると、
「ここは物語の世界……か」
「はい。ハイスクールD×Dと言う小説の世界らしいです。そしてその兵藤 一誠とは、この小説の主人公の名前。本来であれば、こちらの龍誠が兵藤 一誠になる筈だったんですが、彼が成り代わって兵藤 一誠を名乗り、この世界の人間がそれぞれ持つ筈だった、
リアスの言葉に迅が頭を掻く。
「何て言うか。そっちも厄介な事になってるねぇ」
「しかしそれだけの力を内包しておきながら、一切のデメリットがないと言うのが厄介だな」
迅の言葉に滅が続けると、
「何でもアイツは無限の才能ってやつがあるらしく……」
「話に聞く限りだが、それは才能と言うより、自分にとって利益となるもの以外を無視する能力に近いな」
確かにそうかも。とリアスは滅に頷く。
「とにかく。兵藤 一誠は厄介きわまりない相手です。そしてその相手なら私達に一日の長があります」
「成程……」
リアスに或人は頷くが、そこにイズが入る。
「ですが社長。装置は大人数での移動ができません。最大で4人まで。連れていくことはできません」
「装置?」
するとアザゼルが立ち上がると、或人が装置を取り出して見せる。
それをあアザゼルは手に取り見てみると、
「成程こうなってるのか……ふむ。これなら複製できそうだな」
「出来るんですか!?」
アザゼルが事も無げに言うと、アザゼルは頷く。
「ただまぁ……即興で作っても大人数は難しいな。1、2日位時間を貰えるなら大人数でも行ける奴を作れるが」
「即興で作った場合何人くらい行けるの?」
「2人だな。空間所か世界を越える装置だからな。安定性を考えたらそれが限度だ」
リアスの質問にアザゼルは答える。それを聞きリアスは、
「ならばまずはそれで戦兎と龍誠が先行してちょうだい。その後に私たちも追い付くわ」
「了解」
「うっす!」
それに戦兎と龍誠は頷き、アザゼルはじゃあちょっと一時間ほど時間くれと言って部屋を出ていく。
「何か……凄いことになってきたね」
「あぁ」
そんな光景を見ながら迅は滅に耳打ちすると、滅は静かに頷くのだった。
一方その頃。
「さてさて。これで俺の必要なものが手にはいった。だが良かったのか?」
「構わない。私にはゼロワンがあれば十分だ」
無人は渡していたフルボトルを一誠から受け取り、
「それでは失礼する」
とだけ言い残して、無人はその場を後にする。
「良かったんですか?彼を行かせて、更に
ユーグリットが一誠に問うと、
「無人はうまくやってくれた。その礼にザウスとゼロワン位ならあげてもいいさ。俺にはこれがあればいい」
そういう一誠の手には,漆黒のフルボトルが、握られているのだった。