戦兎「無人の力を前に、或人さんと不破さんはそれぞれ新たな姿に変身!」
龍誠「とはいえあのゼロツーに勝てるのか……」
戦兎「まぁその辺はうまくやるさ。ってな感じの115話スタート!」
『ハァアアアアアアア!』
変身した或人と不破は同時に走りだし、ゼロツーとなった無人とぶつかる。
「はぁ!」
「くっ!」
瞬時に後ろに回り込んだ無人は、或人に蹴りを放つが、それを背後に出現したダイヤモンドの壁で防ぐと、
「おらぁ!」
不破が横から殴りかかる。しかし、無人はその拳を掴んで止めると、
「はぁ!」
蹴り飛ばす。そこに或人が横から飛び蹴りを放ち、それも無人は高速移動で回避し、背後に回り込むが、今度は或人の背後から分身が現れて無人を止め、不破がショットライザーを手に取り発砲。
「ぐっ!」
ダメージは大したことはないが、少し怯んだ所に、或人が連続で拳を叩き込んだ。
(なんだ!?)
無人は困惑する。今までの二人じゃない。ゼロツーの力による予測。それは未だに効果を発揮している。しかし、時折その予測を上回ってくるのだ。
(何かが可笑しい!)
「困惑してるだろ?」
すると或人が声を掛けてきた。
「このプログライズキーは特別でね。この世界のじゃない仮面ライダービルドのデータが込められてる。それによりフルボトル?の力を使える」
そこまではわかる。だが無人が疑問なのは、何故自分の動きを読んでくるのかが分からない。
「ゼロツーは衛星ゼアの人工知能を直接搭載している。それにより高度な演算を行うけど、勿論これ事態には衛星ゼアの人工知能はない。でも宇宙にはちゃんと衛星ゼアはいる」
そこまで聞いて、無人は納得した。そう言うことかと。
「成程、衛星ゼアを直接搭載したゼロツーに対抗するには、衛星ゼアは必須。つまりその仮面ライダービルドの力をもったプログライズキーは……」
「そう。これは衛星ゼアとオンラインで繋がっている。厳密には、衛星ゼアと俺を飛電インテリジェンスのコンピューターを介して繋げている。これによりゼロツーの兆にも及ぶ演算に並ぶ程の演算能力を得る事に成功した」
しかし、それにより新たな謎が生まれていた。
「だが、それだけのデータをオンラインで介せば、データを処理し、お前に送るだけでもスーパーコンピューター並の機材が何百単位で必要なはずだ。幾らなんでもそんな用意があったとは思えないが?」
「ふっふーん。確かにうちにはそんな数のスパコンはない。でも、スパコンにも負けず劣らずの仲間がいる」
或人の一言により、無人の中で全てが繋がった。
「ヒューマギアか」
「そうだ。飛電インテリジェンスが今まで作り、そして人々の夢と希望となるヒューマギアがいる。今そんな皆の人工知能をオンラインで繋ぎ会わせ、うちの社員達や刃さんに天津課長が操作する飛電インテリジェンスのコンピューターと共に衛星ゼアの予測データを処理し、適切なフルボトルの力を選択、そして俺に伝えてくれている」
すると無人は舌打ちをすると、
「ヒューマギア……どこまでも俺の邪魔をする。まぁ良い。だが飛電 或人!例えそうだったとしても、ゼロツーには及ばない!」
そういった次の瞬間。ゼロツーの姿が複数出現し、それが次々或人達に襲い掛かった。
「お前がどれだけ数を揃え、予測しようとも直接搭載しているゼロツーに比べ、どうしても予測とその行動の決定には、タイムラグが生まれる!」
複数のゼロツーが連続して或人達に襲い掛かる中、無人は叫ぶ。
「なにより、幾ら手数で誤魔化そうとも、単純にスペックが足りない!」
「それは俺が埋める!」
しかし無人と或人の間に割って入り、ゼロツー達の攻撃を一人で受け止めた不破は、強引に押し返した。
「なっ!」
その力強さは、明らかにさっきよりも大きく上回っている。
「やっと体が暖まってきたぜ」
不破はそう言って走り出すと、一瞬で間合いを詰め、ゼロツーに殴り掛かる。しかしそれを回避し、無人は連続で拳を叩き込んだ。そこに、
「はぁ!」
「っ!」
蜘蛛の糸を射出してゼロツーを捉えると、不破の渾身の拳が無人に炸裂。そのまま後方に吹っ飛ばした。
「あがっ!」
だがそれと同時に不破が右腕を抑え、苦しそうに呻く。
「大丈夫!?不破さん!」
「平気だ!それよりまだ来るぞ」
不破が言うと同時に、無人が土煙の中から飛び出し、二人に襲い掛かる。しかしまずは或人が止め、不破がその隙に攻撃。
若干読みが遅れるが、不破が体を張って稼ぐ時間を使って準備し、無人を足止めしていた。
その間にも不破のスペックは上昇していく。
「何なんだ……このパワーは!」
「このゼツメライズキーはな。何でもとんでもない力を持ったドラゴンのデータが入ってるらしくてな。力が溢れてくるぜぇえええ!」
メキメキと不破は自分の体が軋むのを感じつつ、無人に食い下がる。
「無人様!」
そこにザウスが割り込もうとするが、
『させるかぁ!』
そこにそれぞれ変身した戦兎と龍誠がザウスを止めた。
「くっ!」
「お前の相手は俺たちがしてやる!」
「或人さん達の邪魔はさせねぇ!」
ザウスを押し返し、戦兎と龍誠が追い込む中、或人と不破も無人を追い詰めていく。
「くっ!仮面ライダーの力を奪われても、なお俺にここまで立ちふさがるか。飛電 或人!」
「当たり前だろ!俺は別に仮面ライダーだから戦うんじゃねぇんだよ!」
なに?と無人は眉を寄せる。
「俺はな……仮面ライダーだから戦うんじゃない。戦うために、仮面ライダーの力を手にしたんだ!」
或人はそう叫びながら、右手からゴリラのオーラを纏わせた拳で、無人に殴る。
「人間もヒューマギアも守りたい。どっちも笑い、手を取り合って暮らせる未来を作るために、俺は仮面ライダーの道を選んだ。だから例え仮面ライダーの力がなくても関係ないんだよ!」
「……そうか」
無人はそう言いながら、レバーを回す。
「だがそれでも、ここで貴様は片付ける!」
《Ready Go!ボルテックフィニッシュ!ゼロツービックバン!》
「行こう不破さん!」
「あぁ!」
その無人を相手に、或人と不破も必殺技を発動する。
《ベストマッチングボライド!》
《ウェルシュドラゴンブラストフィーバー!》
三人は同時に飛び上がり、キックの体勢に入る。
『ハァアアアアアア!』
キックがぶつかり合い、火花と爆音を撒き散らすが、ゼロツーのキックの方が威力があるのか、少しずつ押していこうとする。
「おぉおおおおおお!」
しかしその時、不破の体が赤く光り、ゼロツービックバンを押し戻していき、
「な、なに!?」
「負けるかぁああああああ!」
遂には或人と共にゼロツーのキックを打ち破ると、そのまま無人を蹴り飛ばした。
『はぁ!』
「ぐぁあああああああ!」
後方に無人は背後に吹き飛ばされ、そのまま壁に叩き付けられた拍子に、ベルトとフルボトルが宙を舞う。
「あっぶね!」
それを見た戦兎は、ザウスを突き飛ばすとジャンプしてビルドドライバーをキャッチ。
「ヨッと!」
龍誠も走ってフルボトルをキャッチし、二人は目を見合わせて一息吐いた。だが、
「うぐぁああああ!」
「不破さん!?」
そこに不破が悲鳴をあげ、次の瞬間変身が強制解除される。
「不破さん!不破さん!」
「不味い!」
或人・戦兎・龍誠の三人は不破に駆け寄った。
今回使ったウェルシュドラゴンのゼツメライズキーは、龍誠の体内にある因子から作ったものだ。
その能力は、スペックを無限に上げ続けると言うもの。それにより、不破の意思に関係なくスペックを上げ続け、遂にはゼロツーすら大幅に上回るほど、スペックを叩き出していた。だがそれは変身者への負担が尋常ではないと言うことで、限界を迎えたらしい。
「不破!」
そこに唯阿や他の面子も、作業をやめて飛電インテリジェンスの社内から飛び出してきた。
そこに、
「ぐ、ぐぐ」
「無人……」
瓦礫の中から無人が立ち上がり、或人もそれを見る。
「もうやめろ無人!もう良いだろ!」
「お前に……俺の何がわかる!」
そんな無人を或人は止めつつも、無人は耳を貸さない。しかし、
「分かるさ!あんたが一番恨んでるのはヒューマギアじゃないってこともな」
「なに?」
「俺も社長だからわかる。あんたが一番許せないのは、時代の流れに逆らえず、でも乗ることも出来ず、社員や家族を不幸にしてしまった自分自身だ!違うか!?」
「っ!?」
「あんただって分かるだろ!こんなことしたって、何にもならないってこと!」
「だまれ……」
「家族は戻ってこない。会社だって戻ってこない。あんたの過去は変えられないんだよ!」
「だまれだまれだまれぇ!」
無人がそう叫んだ瞬間、無人の全身が魔獣に変わっていく。
「な、なんだあれは!」
「そうか。なんで先日まで植物状態だった人間が動き、変身まで出来たのか……お前兵藤 一誠から
「そうだ」
怪物に変わった無人は言う。
「おれは既に脳から足先まで殆ど魔獣化させている。そのせいで長時間活動すると、体が拒否反応を起こしてしまうがな。だがそれももう関係ない!来い!ザウス!」
「は!」
ザウスは無人の隣に立つと、無人の体から生えた触手でザウスを絡めとり、そのまま体にくっつけて同化していく。
それと同時に、無人が見上げるほど巨大な怪物に変貌した。
「俺がどうなろうと知ったことかあ!全てを俺が破壊してやるぅ!」
そう言うと同時に、無人が口から光線を放ち、それが戦兎達に襲いかかった。
「不味い!」
そう感じたときにはもう遅い。既にそれは戦兎達に飛んできていた。だが、
『はぁ!』
そこに割って入ってきた者が、その光線を弾く。それは、
「ヴァーリ!?」
「ヴァーリだけじゃないぜ」
と言って来たのは匙だ。そして、
「今治療します!」
不破に光を当てて治療するアーシアがいて、
「待たせたな」
「お待たせしました」
サイラオーグとフウもいる。
「皆来てくれたのか」
「おう」
ヴァーリがニヤリを笑みを浮かべる。
「匙も復活したのか!」
「アーシアさんのお陰でな」
龍誠に匙も答えていると、
「あ、そうそう。匙、これ返すわ」
「おう」
戦兎が思い出したように、スクラッシュドライバーと、ラビットスクラッシュゼリーを渡す。するとラビットスクラッシュゼリーが戦兎の手を離れると同時に、ドラゴンスクラッシュゼリーに戻った。
「でもなんで皆が?」
「アザゼルの奴が徹夜して何とか転移装置を作ってな。今度は5人まで運べるようにしたってんで、俺達が来た。アーシア・アルジェントがいれば、怪我人の治療も出来るしな」
とヴァーリからの説明を受けているうちに、不破の治療も終わったらしく、不破は、立ち上がる。
「凄いな……もう完全に治ってる」
「で、でも無理はダメですよ?」
驚く不破を横目に見つつ、戦兎は或人に、
「或人さん。失礼します」
「ん?」
戦兎は龍誠からフルボトルを受け取り、それを或人に向けると、光が溢れて、或人の中に戻っていく。
「これでゼロワンに変身できる筈です」
「ありがとう」
そんな中、巨大化した無人がこちらを凝視し、
「どこまでも邪魔をしやがってぇ!」
「あぁ邪魔するさ。何度でも何度でも。俺達が仮面ライダーである限り!」
《ゼロワンドライバー!》
《ショットライザー!》
《フォースライザー!》
《サウザンドライバー!》
《スラッシュライザー!》
或人達は全員ベルトを装着。
「アーシア。下がってな」
「は、はい!」
そして戦兎が指示を出すと、アーシアは素直に後ろにいき、戦兎たちもベルトを装着。
皆がそれぞれ変身用のアイテムを取り出す。
「さぁ、実験を始めようか!」
《ラビット!タンク!ベストマット!》
《ジャンプ!オーソライズ!》
《覚醒!グレートクローズドラゴン!》
《バレット!オーソライズ!》
《ロボットゼリー!》
《ダッシュ!オーソライズ!》
《ドラゴンゼリー!》
《ゼツメツ!Evolution!ブレイクホーン!》
《デンジャー!クロコダイル!》
《ポイズン!》
《ギアエンジン!ファンキー!》
《インフェルノウィング!バーンライズ!》
全員がアイテムをベルトに装填し、構えた。そして叫ぶ。
《Are you ready?》
『変身!』
「潤動!」
《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!》
《プログライズ!飛び上がライズ!ライジングホッパー!A jump to the sky turns to a rider kick.》
《Wake up CROSS-Z! Get GREAT DRAGON! Yeahhh!》
《ショットライズ!シューティングウルフ!The elevation increases as the bullet is fired.》
《潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!》
《ショットライズ!ラッシングチーター!Try to outrun this demon to get left in the dust.》
《潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!》
《パーフェクトライズ!When the five horns cross,the golden soldier THOUSER is born.Presented by ZAIA.》
《割れる!食われる!砕け散る!クロコダイルインローグ!オラァ!キャー!》
《フォースライズ!スティングスコーピオン!Break down.》
《Engine running gear》
《スラッシュライズ!バーニングファルコン!The strongest wings bearing the fire of hell.》
こうして、全員が変身を終えると、或人と戦兎が一歩前に出る。そして、
「無人!」
或人は叫ぶと、
「お前を止める。止めて見せる。お前を止められるのは……」
俺だ!といつもの癖で言いかけたが、それは違うと或人は踏みとどまり、今度は戦兎と一緒に、
『俺達、仮面ライダーだ!』
ベストマッチングビルドレイダー
パンチ力・23t
キック力・55t
ジャンプ力・100m
走力・2.5秒
ビルドのデータから作り出した、ベストマッチングビルドプログライズキーを使って変身した姿。
スペックはライジングホッパーレイダーより劣るものの、ジーニアスとは違い一つしか使えないが、ビルドのフルボトルの力を使うことができ、更にオンラインで衛星ゼアと繋がることで、ゼロツーに匹敵する演算能力を持つ。
しかし、オンライン通信ではその膨大な情報を処理して送ることが出来ないため、外部でその処理及び、処理した情報を或人に通信で伝達する必要がある。その為飛電インテリジェンスの機材だけではなく、会社に登録されている全てのヒューマギアの人工知能をオンラインで結び、情報の処理を行わせている。そのためゼロツーとは違い、先読みにタイムラグがあり、ゼロツーとの正面からの戦いではスペック差もあって勝つことは難しい。
その為、戦いでは不破の援護に回っていた。
仮面ライダードラゴニックバルカン
パンチ力・40t
キック力・88t
ジャンプ力・55m
走力・1秒
戦兎がイズに頼んで作った秘策で、ウェルシュドラゴンゼツメライズキーで不破が変身した姿。
こちらは最初からショットライザーでの運用を見据えて作られたため、オルトロスバルカンのようにショットライザーが破損することはない。
因みにキーは龍誠からデータを得て作っている。
スペックはかなり高めで、更にスペックをほぼ限界なく上昇させる事が可能。これによりゼロツーのスペックを上回ることも可能。ただし、スペックの上昇は時間経過による自動上昇のため、すぐに上回ることは出来ない上に、上昇を適度な所で止めることも出来ないため、不破の肉体に尋常ではないほど負担をかけ、殴る蹴るの動作ですら体を壊すほど。最終的には倒れてしまうものの、アーシアの回復により全快した。