龍「強敵ライザーと戦うため、遂に変身したこの俺万丈龍誠!っていうか何て名前なんだ?」
戦「仮面ライダー筋肉バカ」
龍「酷すぎんだろ!」
戦「冗談だよって言うことで名前は本編でな。つうわけで12話スタート!」
「クローズ」
「え?」
戦兎の呟きに祐斗は反応した。
「仮面ライダークローズ。それがアレの名前だよ」
「成程。
祐斗の言葉に戦兎が肩を竦める中、龍誠はライザーに飛び掛かる。
「おぉら!」
「っ!」
蒼炎を腕に纏わせてライザーをぶん殴った。咄嗟にライザーはガードしたが、何と腕が文字通り千切れて吹き飛んだ。
「くっ!」
だがライザーは冷静だった。冷静に腕を生やして反撃を……
「オラオラオラァ!」
するよりも速く龍誠は更に連続で攻撃を叩き込む。それによりライザーの体は瞬時にボロ雑巾のように変わった。
ライザーはどんどん再生していくがそれより速く龍誠が攻撃を叩き込む。戦兎と戦ったときには比べ物にならないほどの圧を感じ、ライザーは下がって炎を撃つ。
「ちぃ!逃げんな!」
龍誠は追い掛けるがライザーは今度は一定の距離を保って炎を撃ってきた。全部素手で消し飛ばしてるが流石にこのままでは……と思っていたところに戦兎が、
「龍誠!ビートクローザーを使え!」
「ビートクローザー?」
龍誠は戦兎の言葉に首を傾げるが、龍誠の言葉に反応するようにベルトから両刃の剣が現れ、慌ててキャッチすると、
「柄尻のクリップエンドを引け!最大三回までだ!」
「柄尻ってどこだ?」
そこからかよ!と戦兎が突っ込む中ライザーは炎を撃つ。すると、
「ここか?」
《ヒッパレー!スマッシュヒット!》
正解だったらしい。音声が鳴ったため咄嗟にビートクローザーを振ると刀身が蒼炎を纏いライザーの炎を吹き飛ばす。素手でやるよりずっと楽だ。
「よぉし!」
おぉおお!と叫びながら龍誠はライザーに突っ込む。飛んでくる火球はビートクローザーで切り裂きながら間合いを一気に詰めると、
《ヒッパレー!ヒッパレー!ミリオンヒット!》
「ぐぁ!」
刀身から延びたエネルギーを衝撃波にしてライザーに当てると連続でライザーにダメージを与えた。
「ぐ……」
全身がズタズタに引き裂かれるような感覚にライザーは胃から競り上がってくる血の塊を吐き出しながら後退り再生を……
(再生速度が落ちてるだと!?)
明らかに再生速度が落ちてる。いや、それどころかダメージが完治しない。
「まだまだいくぞぉ!」
しかし龍誠は止まらない。どんどん距離を詰めてビートクローザーを振ったり蹴ったり殴ったりと好き放題にライザーを攻め立てる。
「ぐっ!くそ!」
再生が間に合わず、傷が増えていく。龍誠の攻撃が激しすぎて、ライザーは距離を開ける隙はないがそれでもうまく回避しながら、至近距離で炎を撃ち込む。
「あっつ!こうなったら……
「あのバカ!」
アレほど変身してるときは
「ド根じょおおおおおお!」
体がバチバチ放電する中龍誠は無理矢理ライザーを殴る。すると、いつの間にか放電は収まりルークのまま変身していた。
「何か普通に
「最悪だ……」
小猫の言葉に戦兎がガックシ肩を落とす中、龍誠はルークのパワーを上乗せしてガンガン殴っていく。
「が……はぁ」
ライザーも流石にルークのパワーまで上乗せされれば捌ききれない。ならばとライザーは炎の翼の火力を上げて自分を中心に大爆発を起こした。それに龍誠も巻き込まれたが、
「あぢぢぢぢぢぢぢ!」
地面を転がって炎から龍誠は脱出する。今の爆発はダメージを与えると言うより龍誠を怯ませるためのものだったようだ。 龍誠も埃を払うと空を飛んでいるライザーを見る。
「降りてこいてめぇ!」
ドラゴンがモチーフの癖に俺のは翼ついてねぇんだぞ!と怒るがライザーは無視して火球を放った。
「ちぃ!」
それをビートクローザーで切り裂くが、ライザーはどんどん撃ってくる。
「おい戦兎!俺のには遠距離武器や空飛ぶやつねぇのかよ!」
「アホか!お前のは近距離特化型なの!つうかお前が寝てた二日の間に寝ずに作ったんだぞ!機能を幾つも付けられるか!というかビートクローザーに渡しておいたロックフルボトルを挿してみろ!」
これを?と言いながら龍誠はロックフルボトルを取り出すとビートクローザーの鍔にロックフルボトルを挿す。
《スペシャルチューン!》
「お?」
《ヒッパレー!ヒッパレー!ミリオンスラッシュ!》
いっけぇ! と龍誠がビートクローザーをぶん回すとエネルギーで出来た鎖がライザーに向かって延びていく。
「なに!?」
ライザーは慌てて避けるが鎖は追尾してライザーを捕らえた。そして、
「フェニックスの……一本釣りじゃぁああああああああ!」
ブォン!っと振り回しライザーを強制的に地面に引きずり下ろす。
「うぉおおおおお!」
遠心力を体で感じながらライザーは地面に叩きつけられた。
「ごほっ!がはっ!」
噎せかえりながら顔を上げるライザー……だが、既にそこには、
「まだ……終わってないぞ」
「っ!」
龍誠はライザーを立たせると腹にパンチを入れ、怯んだところに蒼炎を纏わせた右腕でライザーの顔面を殴る。
「ラァ!ラァ!ラァアア!」
一発、二発、三発と続けてジャブ、ジャブ、ストレートと叩き込みライザーは最早膝がガクガク笑った状態になりながら後退り、立っているのもやっと状態だ。
「これで終わりだ!」
そう叫んだ龍誠はレバーを回し始め、エネルギーが高まっていくのを感じる。するとライザーは、
「ま、待て!この結婚は悪魔の未来が掛かってる重要な事なんだぞ!お前のような何も知らない転生悪魔風情がどうこうして良い問題じゃないんだ!」
「あぁそうだな。俺は悪魔の今の状況なんて知らない。純血の悪魔がどれだけ大切なのか分からない。でもな!」
《Ready Go!》
レバーから手を離し、腰を落とした龍誠の周りを蒼い龍が飛び回り、龍誠の背後に止まった。
「部長がこの結婚を望んでないことだけはわかる!俺がてめぇを倒す理由は……それだけで十分だぁああああ!」
《ドラゴニックフィニッシュ!》
そう叫んだ龍誠はライザーに向かって飛び上がると先程の蒼い龍が龍誠の蹴りと同時にライザーに向かって突撃し、龍誠の飛び蹴りと共に彼を飲み込んでいく。
「ぐぁあああああ!」
地面を抉り、ライザーは遥か後方まで吹っ飛ばされると、壁に激突しその勢いが強すぎたのかこっちまで跳ね返って戻ってきた。それを見た龍誠はライザーの元に歩き出すと、
「待ってください!」
「ん?」
龍誠の目の前に降り立ったのはレイヴェルだ。彼女は顔色を悪くしながらも懸命に言葉を発した。
「こ、この勝負は兄の敗けです。貴方の自由にして構いません。ですが、どうか兄の命だけはお助けください……お願いします」
「え?え?」
龍誠は参ったなと頭を掻く。単純に相手が気絶したか確認したかっただけなんだがまぁ確かに見方によっては止めを刺しにいってるようにも見えるかと納得する。
まぁこれ以上はやりすぎだろう。見れば足が震えている。兄をボコボコにした相手に直談判と言うのは勇気がいることだろう。それに対しては報いるのが礼儀だと言うのはアホの龍誠でも理解できた。なので変身を解除して、
「焼き鳥が起きたら言っとけ。今回の結果が納得いかなかったらまた相手になってやるから何時でも来いってな」
ニッと笑いながら言うと、レイヴェルはホッとした気持ちが半分とちょっと照れてるような表情を浮かべたが、今はそっちは重要じゃない。と背中から悪魔の翼を出して観客席まで戻る。しかし変身してると悪魔の翼が出せないって不便だよなぁ……
「龍誠」
観客席まで戻るとリアスが来る。それを見た龍誠は笑みを浮かべながら言った。
「お迎えに上がりました。部長」
「全く、何て無茶を……」
「あはは」
リアスの言葉に龍誠は苦笑いを浮かべる。
さてあの後だが、ライザーを倒したご褒美にリアスを受け取った龍誠は、オマケにと言って用意されたグリフォンに乗ってリアスと一緒に空を飛んでいた。
因みに戦兎は、白馬の王子と姫様の邪魔はしたくないから他の皆と帰ると言っていた為二人きりだ。
「もう、今回は破談に出来たかもしれないけどまた来たら……ライザーより強い悪魔もいるのに」
「まぁその時はその時で何とかなるでしょう。誰が相手だろうと倒して見せますよ」
何でそこまでとリアスは問う。それに対して龍誠は、
「まぁ俺が眷属だからか……今度はちゃんと助けたいからかまぁ色々ありますけど俺が助けたいからですよ。俺が貴女を助けたいと思ったからです」
龍誠はリアスを真っ直ぐ見ながら言葉を続ける。
「後はほっとけなかったんでしょうね。泣いてる女の子のことを」
そう言ってにっこり笑って言う龍誠に、リアスは見てたのねと照れ臭そうに頬を染めた。そして、
「ありがとう。貴方を眷属にして良かったわ」
「いやぁ、それほどでも」
龍誠はそう言うと胸を張って、えへんと言う。それを見たリアスは少し笑い、
「ねぇ龍誠。香澄さんのことなんだけど……」
「あ、あぁ……もう大丈夫です!ちょっと色々あったんですけど俺なりに決着つけましたので!」
と龍誠が慌てて言うと、じゃあ大丈夫ねとリアスが言い、どう言うことかと龍誠が首を傾げると、
「え?」
突然リアスに頬を両手で包まれ、そのまま互いの唇の距離がゼロになる。所謂キスと言うやつだ。
「え?え?」
「本当はかっこ良かったし嬉しかったわ。助けに来てくれた時やライザーに啖呵を切った時ね……流石に戦いになったときは心配になったけど」
でもライザーに勝ったとき、ホッとするのと同時に龍誠がカッコよく見えたのは本当だ。
「ありがとう。龍誠」
「はひ……」
ギュっとリアスに抱き締められた龍誠は口をパクパクさせて顔を赤くしてしまった。
結局その後、学校に戻るまでずっと抱きつかれたままだったのだが、まぁこれが役得と言うことにしておこう。うん。これぐらいのだったらバチも当たるまい。