戦兎「突如襲い掛かってきたジオウの兵藤 一誠の妹こと、兵藤 実奈に話を聞く龍誠達だったが……」
龍誠「一方その頃戦兎も別の場所で事件に巻き込まれていた」
戦兎「しかし一体全体何がどうなってんだって話だぜ」
龍誠「色々な事が起こりすぎてるもんなぁ……」
戦兎「正直まだまだ分からないことが多すぎる129話スタート!」
「はぁ、全く。どうなってんだよ」
戦兎は裏路地に隠れながら、大きなため息をついた。一体何が起きてると言うのか、街は滅茶苦茶だし住民には襲われる。
自分が何をしたんだと思う中、
「辛そうだね」
「っ!」
戦兎は突然の声に、驚きながら振り替えると、そこにがローブを被った声音からして男が立っていた。
「誰だ……?」
「あぁ、声だけじゃわからないか。だろうね。君にとって僕は取るに足らない存在だった」
そう言ってローブのフードを外すと、そこには戦兎は見覚えのある顔があり、
「ディオドラ・アスタロト?」
「そうだよ。半年前にクローズに負けたディオドラさ」
あり得ない、そう戦兎は呟いた。
「お前はあの一件の罪で捕まったはずだ。今だって厳重に幽閉されてるはず」
「だが、そんなものは関係ないやつもいるだろう?」
そう言われ、戦兎の脳裏に兵藤 一誠が浮かぶ。
「君の想像通りだよ。彼は救世主だ。君達に負け、僕は全てを奪われた。眷属も、地位も名誉も何もかも!」
荒く息を吐き、ディオドラは淀んだ目で戦兎を睨み付けた。
「あぁそうだ。仮面ライダーさえ居なければ、僕は自由だったんだ!仮面ライダーのせいで僕は地獄を見た。愛と平和のためだって?僕の全てを奪っておいて笑わせる!」
「こっちこそ笑わせんな。てめぇがやったクソみたいな計画に巻き込まれたせいで不幸になった奴が幾らでもいる。アーシアだけじゃねぇ。お前の眷属たちもだ。まぁ、今は真実を知って監視つきだが平和に暮らしてるらしいがな」
戦兎はそう言うと、ディオドラはニヤリと笑みを浮かべる。
「平和に……ねぇ?」
含みのある言い方に、戦兎は目を細めた。
「何がおかしい」
「いや、そうだね。彼女達は平和そうだったよ」
まるで見てきたかのような言い方に、戦兎は嫌な予感が過る。
「なんだ。その言い方は」
「ふふ、そうかそうか。なに、君は知らないんだったね。僕はこう見えても、眷属思いなんだよ」
言ってる意味が分からず、戦兎は困惑すると、突如空から何かが降って来た。
「くっ!」
それを転がって避け、戦兎は降ってきた奴を見ると、
「なっ!」
それはグチャグチャと音を立てて動く、何かの集合体みたいな姿の怪物だった。
『ウゥ~グゥ……』
戦兎が思わず見上げるほど大きなそれは、呻き声を上げている。
だが戦兎は気づいた。最初は傷か模様と思った胸の当たりにある物。それは人の顔だ。しかも一つ二つじゃない。
それに、
「ウゥ」
「モウ、イヤァ」
呻き声だと思っていた声は、あの顔が出す片言の声だ。
何よりあの顔には見覚えがある。
「まさか……その顔はお前の!」
「そうだよ桐生 戦兎。僕はね、抜け出してからすぐに皆にそれぞれ会いに行ったんだ。そしたら酷いんだよ。皆僕のこと毛嫌いしてさ。こんなに皆に会いたかったのに、何を吹き込まれたのか知らないけど僕のこと貶して自分は罪を償うとか言ってさ、笑えるよね~!僕に騙されたあげく悪魔になって純潔まで散らしてさ、今更償おうったって遅いっつーの!まぁ?僕は優しいからね。そんな茨の道を可愛い眷属に歩ませるわけにもいかないだろう?だから引っ張りあげてやったのさ。少し強引だったけどね」
ふざけんなぁ!と戦兎は叫び、ビルドドライバーを装着し、
《ラビット!タンク!ベストマッチ!Are you ready?》
「変身!」
《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!》
ビルドに変身し、ディオドラに殴り掛かる戦兎だが、それを化け物に成り果てたディオドラの眷属達が止める。
「くっ!」
『グギャアアアアアアアア!』
悲鳴にも似た声をあげ、ディオドラの眷属が戦兎に襲い掛かった。
「なんだっ!?」
すると戦兎の体に向け、蜘蛛の糸のような物が射出され、体に巻き付くと戦兎を殴り飛ばす。
「がはっ!」
壁に叩きつけられ、戦兎は息を吐くと、
「なんだ今のは……?」
完全に予想外だった。あんな能力を持った眷属はいない筈だ。となるとあの体にされてからか?と疑問符を浮かべていると、
「君は知ってるはずだけどねぇ。異なる生物同士の遺伝子を融合させ、全く新しい生物を産み出す技術をさぁ」
「っ!」
まさかと戦兎は目を見開く。その技術には聞き覚えがあった。かつて共に戦った男である本郷 猛。そしてその男を苦しめた敵。
「ショッカー……?」
「正解。元々あの生き残りにショッカーの最後の切り札を教えたのは彼でね。偶然見つけたらしい。そして場所を教える代わりに、ショッカーの改造技術を教えてもらった。それと同時に魔獣に相手の肉体を侵食させ、操る研究も行なっていてね。先日完成したばかりなんだ。彼女達はその第一号というわけさ。名前は……様々な人や生物を繋ぎ会わせ、作り出す驚異の怪物・《フラン》。フランケンシュタインが元ネタ何だけど、それだと可愛くないだろう?」
「ふざけんなよ……」
戦兎は拳を握り締め、
「ぜってぇテメェは倒す!」
戦兎は叫びながらディオドラに向かって走り出そうとすると、
「居たぞ!ビルドだ!」
「っ!」
物音を聞き付けてやって来たのは、先程撒いた住人たちだった。
そしてディオドラはニヤリと一瞬笑うと、
「た、助けてくれ!あの辺な化け物に助けられてなかったらビルドに殺されるところだったんだ!」
「なっ!」
ディオドラは一瞬で恐怖で歪み、泣きそうになっているような顔になると、リーダー格らしき男にすがり寄る。
「そうだったのか。分かった。後ろに下がってろ」
その男はディオドラの肩に手を置き、後ろに下がらせる。
「あんな優しそうなアンちゃんまで手に掛けようとするとは。もう許せねぇ!お前ら!今度こそ決着つけるぞ!」
『オォオオオオオオオ!』
住人達は武器を手に、戦兎に襲いかかってきた。
「な!や、やめろ!」
「死ねぇ!」
襲い掛かる住人を避けるが、如何せん数が多い上に、反撃できない。するとディオドラは少し離れ、住人達からは死角になる位置に立つと、戦兎と目が合う。
「見てなよ戦兎。これが僕の新しい力。仮面ライダーを否定する力だ!」
「っ!」
ディオドラは腰に取り出したエボルドライバー装着。
《エボルドライバー!》
更にポケットから取り出したのは、兎と戦車が描かれたフルボトル。だが戦兎のラビットフルボトルや、タンクフルボトルより禍々しい見た目と、邪悪なオーラを放っていた。
《クラプションラビット!クラプションタンク!エボルマッチ!》
フルボトルを装填し、レバーを回しながらディオドラは笑みを浮かべる。
「さぁ、復讐の時間だ!変身!」
《創造の否定者!アンチビルド!フハハハハハハハハ!》
ディオドラが変身した姿は、戦兎のラビットタンクに良く似ていた。だが全体的に色は暗めで、禍々しいフォルムをしている。
「さぁ、行くよぉ!」
「っ!」
戦兎は住人を突き飛ばし、ディオドラを止めた。
「あはは!優しいね。でもその優しさがいつまで持つかなぁ!」
「なに!?」
そこに横から体当たりしてきたフランに吹っ飛ばされ、地面を転がるが体勢を建て直し、
「まだまだ!」
と走り出そうとする。だが、
「甘いよ」
ディオドラが手を向けると、突然戦兎の体に電流が走り、動けなくなってしまう。
「な、なんだ!?」
体が動かなくなり、訳がわからず困惑すると、突如変身が解除されてしまった。
「な、なんだ!?」
《海賊!電車!ベストマ……》
慌てて別のフルボトルを装填するが、ディオドラが手を向けるとまた変身が出来なくなってしまう。
「何で!?」
「僕はアンチビルド。ビルドを……仮面ライダーを否定し、拒否する存在。僕の前では仮面ライダービルドで居続けることすら出来ないのさ」
ディオドラがそう言って笑うと、
「おい!ビルドが人間になったぞ!?」
「しかも何で二人いるんだ!?」
「構いやしねぇ!ビルドなら俺達の敵だ!殺す!」
困惑する男達に、リーダー格の男が声を出すと、それに続いてまた戦兎に襲い掛かってきた。
「嘘だろ!?」
戦兎は人々の攻撃を避けながら、ラビットタンクスパークリングボトルを出すと、振って装填するが、
「ダメか!?」
フルフルラビットタンクボトルも使ってみるがそれもダメで、戦兎は舌打ちしながら住人の攻撃を避ける。しかし、
「君の相手はこいつらだけじゃないよ!」
そこにディオドラが襲いかかり、戦兎を殴り飛ばす。
「ビ、ビルドが来やがった!」
「怯むな!仲間割れだか知らないが好都合だ!こっちも殺せ!」
と住人はディオドラの方に行くが、ディオドラは魔力を手に集め、住人達に向かって発射する。
「不味い!」
戦兎は立ち上がり駆け出そうとするが、それをフランが阻んだ。
すると、
《ライダータイム!仮面ライダー!ジオウ!》
「はぁ!」
《ジカンギレード!ケン!》
ディオドラの手から発射された魔力弾は、その前に飛び降りた物に真っ二つに斬られた。
「お前は!」
戦兎が驚く中、ジオウの兵藤一誠は剣を構え、ディオドラと対峙すると、
『ハァアアアアア!』
「え?」
戦兎が呆然とする中、上から降ってきたのは祐斗とゼノヴィアで、その二人は剣でディオドラの両腕をそれぞれ切り落とし、横に飛んで離れると、
「これで!」
「いきますわ!」
滅びの魔力と雷光が炸裂する。勿論放ったのは、リアスと朱乃である。だが、
「無駄だよ」
土煙の中から出てきたディオドラは、全身がボロボロになっていた。だがそれはあっという間に修復され、元通りになってしまう。
「な、何で……」
戦兎がまたもや驚くと、ディオドラは笑いながら戦兎を見て、
「僕のこのアンチビルドは仮面ライダーの力を否定する。だが同時に、僕はビルドの力でないと倒せないんだよ。言うなれば、擬似的な不死でね。如何なる力を持ってしても、僕はビルドの力でなければ何度でも瞬時に受けたダメージは全快する。例え全身を粉々にされてもね。分かるかい?僕は仮面ライダービルドに対して絶対的有利であると同時に、ビルドでなければ倒せない。そういう矛盾した存在なのさ。本当ならこんな事はできないけどね。そこはそのジオウの最低最悪の王と呼ばれた力を奪ってやったんだ」
「なんだと?」
戦兎が眉を寄せると、ディオドラは更に笑ってジオウの一誠を見る。
「君も知っている方の兵藤一誠がね、上手く奪ったのさ。お陰で僕はアンチビルドになり、また眷属の皆と暴れまくれる生活に戻れたのさ」
「上手くねぇ」
ジオウの一誠は頭を掻き、
「あっちこっちを同時に襲撃しまくって、人を寝不足&疲労困憊にした挙げ句そっちの
お陰で未だに絶賛不調気味だぜと言いつつ、一誠はジカンギレードを地面に突き刺し、
「まぁ良い。さっさと倒して寝させて貰うぜ」
そう言って一誠は、前腕のホルダーから別のストップウォッチ状のアイテムを取ろうとし、
「あれ?」
ホルダーを二度見して、一誠は腰まさぐる。そして、
「やべ、どっかにビルドのライドウォッチ忘れてきた」
『はぁ!?』
祐斗達はギョッとしながら、一誠に駆け寄っていくと、
「忘れてきたってどういう事!?」
「家、かなぁ?」
かなぁじゃない!と皆に詰め寄られつつ、一誠は前に出ると、
「取り敢えず撤収!」
《ソウソウ!》
一誠は急いで戦兎は見たことがない人物が描かれたストップウォッチを起動し、
《アーマータイム!ソーウソーウ!》
一誠は槍を手にした、中華風のアーマーを身に付けた姿に変わると、槍先から光を発し、ディオドラ達の目を眩ませると、
「逃げたか」
光が晴れた頃には、既に一誠は姿を消していた。いや一誠だけではなく、他の仲間や戦兎に住人たちも消えている。
「ふむ。逃げられちゃったか。まあいいか。どうせまた近いうちに会えるだろうし、今回でちゃんと僕のフルボトルジャマーちゃんと効果があるって分かったしね」
ディオドラはそう言って笑うと、フランを連れて何処かに姿を消す。
一方その頃、
「取り敢えず中で治療だね」
と祐斗に肩を借りながら、戦兎は建物に入る。それに続き、他の皆も入っていくと、リアスが振り替える。
「一誠?どうしたの?」
「え?あぁ、何でもありませんよ」
そう?とリアスは言いながら建物に入っていき、一誠はため息を吐く。
「悪いな戦兎」
そう呟くと、一誠は懐から
「ここまでは計画通り。だけどまだディオドラを倒すわけにはいかない。お前にはもっと苦しんでもらわなくちゃならないんだ」
グッとそれを握りながら、一誠は静かに天を仰ぐのだった。
仮面ライダーアンチビルド
パンチ力65t
キック力70t
ジャンプ力75m
走力100m0.8秒
クラプションラビットフルボトルと、クラプションタンクフルボトルをエボルドライバーにセットしてディオドラ・アスタロトが変身した姿。
他のエボルドライバー系ライダーと比べ、非常に高いスペックを持ち、本人の狡猾さも相まって厄介な存在となっている。
だが最も厄介なのは、フルボトルジャマー本人が言う能力で、デメリットは無しで、フルボトルを一時的に無効化することができる。それにより、戦兎の変身をいきなり解除させることが可能。
あくまでもフルボトルの無効化のため、戦兎自身が変身能力を失うわけではないが、それでも実質ディオドラの前では変身出来ない。しかもそれはフルボトル由来も力も有効なため、スパークリングやフルフルラビットタンクボトルも使えなくされてしまう。それどころか、龍誠のクローズは勿論、スクラッシュゼリークロコダイルクラックフルボトルもフルボトルの力が使われているため、グリスやクローズチャージにローグにとっても天敵。
但しこの能力はエボルドライバー系ライダーには効かない。
そしてもう一つ厄介なのは、ビルド以外の力が効かないと言うこと。
ジオウの一誠から奪った最低最悪の王の力により、ビルドの力を効化にするという能力を持ちながら、ビルドでなければ倒せないと言うが因縁を得ている。その為、ビルド以外がどれだけ頑張っても、倒すことは不可能。