ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be the oneは……

戦兎「皆さん。新年あけましておめでとうございます」
龍誠「本年もよろしく頼むぜ!」
戦兎「まぁこっちはまだクリスマス前だけどな」
龍誠「いやぁ、今年もちゃんと投稿できて何よりだ」
戦兎「ま、これからもゆっくりと話は進んでいくから皆もよろしくな!」
龍誠「つうわけでクリスマスが近づく中、イリナのお父さんもやってきてイベントの準備もすることに……しかしそんな中、また兵藤 一誠が何かを計画していた」
戦兎「俺たちは無事、クリスマスを迎えられるのか!ってな感じの136話スタート!」


復讐

「この辺で良いか?」

「そうですね」

 

トウジがやってきて数日。戦兎達は着々とクリスマスイベントに向けて準備を進めていた。

 

現在は教会の中の飾り付けである。まだクリスマスまで二週間程期間はあるのだが、これは二週間もではない。二週間しかないのだ。何せプレゼントの手配に飾り付け。飾り付けだってその飾り付けるものの準備もしなければならず、どれくらいのプレゼントの準備をするのかもある程度分かっていなければならない。そして教会は教会でその業務を止めるわけには行かず、合間を縫って準備を進めなければならないのだ。

 

戦兎達も学校があるし、悪魔の仕事もある。その関係で少し準備が遅れ気味だった。

 

「すみません。皆さんのお手を煩わせてしまって」

 

と頭を下げるのは今回の責任者でもあるトウジで、戦兎とギャスパーはイエイエと首を振る。丁度手が空いていたのは、戦兎とギャスパーと龍誠とイリナ。他は用事があったりで少し遅れて合流する予定だ。

 

そして龍誠とイリナは買い出しに出ていて、

 

「結構買ったなぁ」

「そうだね」

 

それぞれ大量の荷物を持った二人。悪魔と天使の二人は人間を遥かに超えるパワーを持っているので、軽々と持っているが、結構な重量である。

 

「しかしまさか悪魔になって教会でクリスマスイベントの準備をするとはなぁ」

「何があるか分からないよね」

 

そう言って二人は笑い合う。

 

「ほんの少し前まで天使と悪魔がこうして買い物だって考えられなかったし」

 

そう。馴染んではいるが、こうして他の勢力同士が一緒にいるのは、ここ最近の話だ。

 

「だけどこれからはこれが普通になるんだもんな」

「そうだね。話したり、こうして買い物したり、一緒に遊んだり一緒に色んな事をする時代になるんだろうね」

 

すぐにと言うのは難しいかもしれない。だが悪魔も天使も寿命が長いのだし、のんびり気長にやっていければいいだろう。

 

「皆イリナみたく誰とでも仲良くできれば良いんだけどな」

「そうでもないよ?私だって苦手な人とかいるし」

 

龍誠にとってそれは初耳だった。イリナは誰とでも友達になれるタイプだと思ってたし、実際見ていてはそういうふうに写っていた。しかし実際は違うという。

 

「今は違うけど、例えば初めて会った頃のリアスさんは苦手だったしね」

「そうなのか?」

 

これまた意外だった。駒王町に来てからイリナはオカルト研究部に入り浸りだったし、皆と上手くやっていたと思っていた。すると、

 

「だってあのグレモリー家の次期当主のお嬢様で上級悪魔。龍誠君にとっては主で今は恋人で身近な存在だったかもしれないけど、どうしても気後れしてたからね」

 

龍誠としてはあまり気にしたことは無かったが、外から見るとそんなものなのかも知れない。ましてやイリナは天界サイドの者としては一人だ。

 

悪魔と言う共通項がある自分たちとは違い、そういった意味では大変だったのかもしれない。

 

アザゼルはそう言うの全く気にしないだろうが。

 

「すまんイリナ。俺がもっと気を使ってやるべきだったな」

「良いって。ゼノヴィアやアーシアさんがいたし、交流していく中で良い共通の話題があったからリアスさんとも仲良くなれたしね」

 

二人の共通の話題とはなんだろう。そう龍誠が首を傾げると、

 

「龍誠君と戦兎君だよ」

「俺と戦兎?」

 

そうそう。とイリナは頷き、

 

「特にリアスさんは龍誠君の昔の話とかすると喜んでくれてね。お陰で仲良くなれたんだ」

「そうだったのか」

 

通りで最近リアスに過去の恥ずかしい失敗談とかがバレてるとは思っていたが、てっきり戦兎がバラしてるのかと思いきや犯人はイリナだったらしい。

 

「ホントは教えたくなかったんだけどね」

「え?何で?」

 

意味がわからず、龍誠は首を傾げてしまう。そんな様子にイリナは、

 

「だって初恋の男の子との思い出だもん。独り占めしたいって思うじゃん」

「ふぅん」

 

最初は何気なく聞き流し、ふと引っかかりを覚え、

 

「え?初恋?」

「そうだよ?まぁ龍誠君ってば私を男の子だと思ってたみたいだから気付いてなかっただろうけどね」

 

これまた初耳で、龍誠はどう反応するべきか悩む。とはいえこの口調的に過去の話しでは?と思っていると、

 

「驚いたなぁ。久々に駒王町に戻ってきて、初恋の男の子との感動の再会!って思ったら悪魔になっててさ~。結構ショックだったんだよ?」

「そ、そうか」

 

イリナは結構夢見がちと言うか、少女漫画チックな展開を好む傾向があるタイプだ。そう考えると、確かにあの時の再会はイリナにとっては、心躍る展開だったのだろう。しかし再会してみたらその幼馴染は当時はまだ敵対関係にあった悪魔。

 

「運命って残酷よね」

 

と言いつつ結構それはそれでノリノリそうな感じはあるが、敢えては突っこまないでおく。しかし、

 

「でもね?最近思うの。一方は天使。もう一方は悪魔。運命の悪戯によって道を違えた二人の幼馴染は、再会し種族の垣根を越えて結ばれるの。凄くロマンチックじゃない?何よりこれからの世界にピッタリでしょ?ミカエル様のAと悪魔の仮面ライダーのカップルなんてさ」

「何かそう言う打算でカップルになるのは……」

 

と言いつつ龍誠はイリナの目を見て固まる。イリナの瞳は不安そうに揺れていた。

 

「そ、そんなの建前に決まってるじゃん」

 

キュッと龍誠の服の裾を摘み、目を覗き込んでくるイリナに、龍誠は息を呑む。

 

「あのさ龍誠君」

 

そう口をイリナが開いた次の瞬間、

 

「ほぅほぅ。イリナもグイグイ行くじゃないか」

「はわわ。イリナさん積極的です」

『……』

 

その空気をぶち壊す人影が二つあった。

 

「何やってんだゼノヴィア。アーシア」

「む。見つかってしまったか」

 

隠れてるつもりだったのか?と電柱の影から出てきたゼノヴィアとアーシア突っ込みつついると、

 

「ちょ、ちょっとなんで二人がここにいるの!?」

「先程用事が終わったので教会にゼノヴィアさんと向かってたんですけど」

「丁度二人が見えてね。少し観察させてもらったんだ」

 

少しバツが悪そうなアーシアと、全く悪いと思ってなさそうなゼノヴィア。そんな対象的な二人にイリナは怒っていると、

 

「そう言えばゼノヴィアとアーシアはなんの用事だったんだ?」

 

龍誠はそう言って空気を変えようとすると、

 

「私は部長さんから引き継ぎの件で」

 

と言われて納得した。もう十二月に入り、どこの部活動も三年は引退だ。勿論オカルト研究部にこれからも出入りするが、リアスや朱乃も同じで、次期部長にはアーシアの名前が上がっている。それに関しては龍誠も含め他の面々も納得しているのだが、アーシア自身がそれに難色を示していた。

 

本人曰く、グレモリー眷属に今年から入った自分より、祐斗やギャスパーの方がいいんじゃないかとのことだが、ギャスパーは後輩であり、何より部長というタイプじゃないし、祐斗も他人を引っ張るタイプではない。

 

その点アーシアは意外と言うと失礼だが、人当たりがよく人間関係の潤滑油になるのが上手い。上に立っても充分活躍できるタイプだ。

 

だが本人にその自覚がなく、どうしたものかとリアスもボヤきつつ交渉中と言ったところだった。

 

一方ゼノヴィアは、

 

「私はちょっと授業で分からなかった所を先生に聞きに行ってたんだ」

 

そう。何でも最近ゼノヴィアは勉強に目覚めたらしい。先日のテストも何と平均90点以上を叩き出し、現国に至っては戦兎の87点を超える96点を取っていた。そのせいで戦兎はゼノヴィアより俺は馬鹿だったのかと言って2日ほど寝込んでいたが。

 

「勉強熱心だなぁ」

「あぁ、教会時代は戦ってばかりだったからね。知らない知識を得ると言うのがこんなに楽しいとは知らなかったよ」

 

戦闘は未だに全力押せ押せ脳筋スタイルの癖に、意外と勉学ではインテリ方面の才能を発揮しているゼノヴィア。

 

元々は色んな事に興味を持っていきたいと言う思いが始まりだったが、それがこう言った開花を見せるとは。

 

(戦兎のやつも色々考えてるみたいだし、俺も長生きするんだから色々見つけねぇとなぁ)

 

悪魔は長命だ。だからこそ生き甲斐がないと体は生きてても心が死んでしまう。

 

(とはいえ兵藤 一誠との戦いに蹴りをつけねぇとどうにもなぁ)

 

なんてことを考えながら、龍誠が道を曲がった時、少し先の方に誰かが立っていた。そしてそれを見た次の瞬間、

 

『っ!』

 

思わず龍誠はベルトを装着し、ゼノヴィアはエクスデュランダルを、イリナは天使の羽を出して臨戦態勢を取った。この辺りは人通りが殆ど無い場所なのが幸いだ。

 

「あれは……」

 

アーシアですら、何かしらの嫌な物を感じ取ったらしく、体を震わしている。

 

「おっと、つい殺気が漏れてしまった」

 

男はそう言って視線をイリナに向けると、

 

「私は八重垣 正臣。そちらの天使が紫藤 トウジ。いや、今は局長に昇進したんだったかな。まぁどうでもいい。あの男の娘だろう?」

「パパを知ってるの?」

 

イリナの問い掛けに、八重垣は笑みを浮かべる。

 

「知ってるとも。私はあの男に全てを奪われたんだからね。だから君を殺せば……私と同じ思いを味合わせることができるかな?」

 

と言いながら、八重垣は剣を手にこちらに突っ込んで来た。

 

「くっ!」

 

それをゼノヴィアはエクスデュランダルで止め、

 

「オラァ!」

 

クローズマグマナックルをつけた龍誠の一撃が八重垣の頬を捉え、そのまま殴り飛ばした。

 

「大丈夫か!?ゼノヴィア!」

「あぁ、だがあの八重垣と言うやつが持っている剣。あれは危険だ。そんな気がする」

 

成程な。と龍誠は答えつつ、

 

「変身!」

《極熱筋肉!クローズマグマ!アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!》

 

クローズマグマに変身すると、八重垣はユラリと立ち上がる。

 

「……な」

「なに?」

 

何かを呟いた八重垣に、龍誠は顔を顰めると、

 

「邪魔をするなぁああああああああ!!」

『っ!』

 

突如剣から触手が伸び、八重垣の腕に絡みつくと、八重垣の体が音を立てながら変質し、先程までの人間と同じ姿から全く違う異形の怪物になった。

 

「殺すんだ。アイツを殺すんだ。身も心も絶望に沈めて殺すんだ。そしたらまたクレーリアが帰ってくる」

「クレーリア?」

 

聞いたことのない名前に、龍誠が首を傾げるが、

 

「だから消えろぉおおおおお!紫藤 トウジの娘ぇえええええ!」

『っ!』

 

空気が震える程の怒声に、皆が身体をこわばらせる中、八重垣は爆走。

 

「狙いはイリナか!」

 

龍誠はビートクローザーを構え、八重垣の剣とぶつけ合う。しかし、

 

「何だ!?」

 

刀身をぶつけ合い、押し合いになった時、八重垣の剣から触手がビートクローザーを這うように伸びると、龍誠の体に巻き付いてきた。

 

「気持ちわりぃ!」

 

それを咄嗟に全身に炎を纏わせ、触手を焼き払って距離を取る。

 

「なんだあれ」

「あれは……魔剣?いや、聖剣か?」

 

ゼノヴィアは目を細めて八重垣の剣を見た。

 

「何というか、どっちの性質も感じる。木場の聖魔剣に似たオーラだ。魔剣の特性も聖剣の特性も感じる」

「だけどあれどう見ても聖剣ではないだろ!?」

 

明らかに見た目からして禍々しいし、かなり歪なフォルムだ。すると、

 

「いや、それは元々聖剣だぜ?」

『っ!』

 

突如現れたのは、白髪と長いひげを生やした老人だ。そしてその老人は、龍誠の顔を見てニンマリ笑うと、

 

「久し振りだねぇ。万丈 龍誠君」

「え?」

 

急に懐かしむように声を掛けられ、何の事かと記憶を遡る。しかし全く見覚えがない。すると老人は、

 

「あぁ、この姿で会うのは初めてだったか」

 

そう言って取り出したのは、エボルドライバーで、

 

『なっ!』

 

龍誠達が驚く中、老人はそれを腰に装着し、ボトルを取り出して振ると、

 

《不死鳥!ロボット!エボルマッチ!Are you ready?》

「変身!」

《フェニックスロボ!フッハッハッハッハ!》

 

次の瞬間、老人の姿が赤と黒を基調とした機械的な姿に変わった。そしてその姿に龍誠は見覚えがあり、

 

「お前はユーグリットとの戦いのときに邪魔してきた確かリゼヴィム!!」

「覚えていてくれて何よりだよ万丈 龍誠」

 

両腕を広げ、老人は笑う。

 

「因みにこの姿は仮面ライダーグリスブレイク。宜ぴく〜」

「何がグリスブレイクだ。下らない」

 

リゼヴィムと名乗った老人が名乗ると、今度は聞き馴染みのある声だった。しかし初めて聞く程低く、冷たい声音だった。

 

「おやおやヴァーリ君じゃないか。そんなに僕ちんに会いたかった?」

「あぁ、ずっと探していたぞ」

 

ヴァーリは龍誠達を見ず、リゼヴィムを見る。

 

「知り合いか?」

「まあな」

 

龍誠の問い掛けにヴァーリは答えつつ、

 

「アイツはリゼヴィム・リヴァン・ルシファー」

 

ルシファーと言う名前に、他の皆はハッとすると、

 

「血縁上は、俺の祖父にあたる男だ」

「そうでーす!孫がいつもお世話になってまーす!なんてね〜」

 

ゲラゲラと笑うリゼヴィムに、ヴァーリは苛立ちを見せた。

 

「変わらないな。その下劣なところは」

「そう言う君こそどうなんだい?ヴァーリ君。少しは強くなったか?ママに庇われたあの頃よりはさぁ?」

「黙れ!」

《ロボットゼリー!》

 

ヴァーリはリゼヴィムに向かって走り出し、スクラッシュドライバーを腰につけてゼリーを装填してレバーを下ろす。

 

「変身!」

《潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!》

 

仮面ライダーグリスに変身したヴァーリは、リゼヴィムを殴る。だがリゼヴィムはビクともしない。

 

「無駄だよヴァーリ君。君じゃ俺には傷一つけられない」

「うるさい!」

 

再びリゼヴィムに拳を叩き込むが、全く効いている様子はなく、

 

「クソ!クソ!」

「だから無駄だってお前だって知ってるだろ?俺の能力をさぁ!」

 

リゼヴィムは何度も殴り続けるヴァーリに向け、手に炎を纏わせて殴り飛ばした。

 

「ガハッ!ゲホッ!」

「ヴァーリ!」

 

地面を転がるヴァーリの元へ龍誠は駆け寄る。

 

「お前だって知ってるだろう?俺の神器無効(セイクリット・ギア・キャンセラー)神器(セイクリットギア)の力を無効化する力だ」

「だがヴァーリは神器(セイクリットギア)を使ってない筈だ!」

 

しかし龍誠の言葉に、ヴァーリは首を横に振る。

 

「いや、もしやとは思ったがやはりか」

「どう言うことだ?」

「元々ライダーシステムは戦兎の神器(セイクリットギア)である瓶詰め(ボトルチャージ)を使って作られたフルボトルを使っていた。そのフルボトルの成分をゲル化して、力を高めたものが俺のロボットゼリー。つまりだ。ライダーシステムは神器(セイクリットギア)の力を宿したものってことだ。そうなれば、アイツの力の適用範囲内となる」

 

そんなのありかよ……とボヤく龍誠だが立ち上がると、

 

「だったら俺がぶん殴る!」

「あ、おい!お前のクローズマグマだってライダーシステムだから同じことだぞ!」

 

ヴァーリの静止も聞かず、龍誠はクローズマグマナックルを手に付け、リゼヴィムを殴ろうと拳を振りかぶった。

 

「オラァアアアアアア!」

「ハッハッハ!無駄だって言うのに頑ばブベェ!」

 

リゼヴィムは余裕綽々と言った風情で立っていたが、龍誠の一撃を喰らって吹っ飛んだ。

 

「は?」

「何だよヴァーリ!俺のクローズマグマは普通に効くじゃねぇか!」

 

ヴァーリは意味がわからず困惑する。するとリゼヴィムは立ち上がり、

 

「成程。既にクローズマグマはライダーシステムの枠から外れた力だったな」

 

リゼヴィムは瓦礫から立ち上がりつつヘラヘラ笑う。

 

「何笑ってやがんだ!仕掛けが分かればお前の能力なんて怖くねぇぜ!」

 

そう言って龍誠はビートクローザーを片手に再びリゼヴィムに突進し、斬り掛かった。

 

「オラァ!」

「うぉ!」

 

龍誠の斬撃はリゼヴィムの片腕を切り落とす。

 

「グッ!」

 

リゼヴィムは片腕を抑え、呻きながら後退った。

 

「何だお前!能力頼りで弱いじゃねぇか!」

「へぇ?そうかな?」

 

すると突如、リゼヴィムの切り落とされた腕から炎が燃え上がり、その炎の中から腕が現れた。

 

「はぁ!?」

「言い忘れてたな。俺のライダーシステムは少し特殊でね。フェニックスフルボトルの力により、俺は一時的に異常な再生能力を得ているのさ。これにより俺はどんな攻撃を喰らっても死なない。バラバラにされたとしてもな」

 

そう言ってリゼヴィムは全身から炎を撒き散らし、その炎をフェニックスの形状に変えて突っ込んでくる。

 

「くっ!」

 

龍誠はそれを横に転がって避けるが、

 

「オォオオオオオオ!」

「しまっ!」

 

その隙に八重垣がイリナに向かって突進し剣を振り上げた。しかし、

 

「何っ!?」

 

突然八重垣の腕が黒い靄のようなもので覆われ、動きを止められた所に、

 

「ハァ!」

《フルフルマッチブレイク!》

 

ラビットラビットフォームに変身した戦兎の一撃で八重垣を吹き飛ばした。

 

「ギャスパー!戦兎!」

「ったく。何してんだか」

 

戦兎は呆れた声を出しつつも、イリナと八重垣の間に割って入る。

 

「成程。兵藤 一誠の新しい仲間か」

「なんか嫌な感じがします」

 

戦兎の言葉に、腕から黒い靄みたいなものを出しながらギャスパーは答え、

 

「もう来たのかよ。厄介だねぇ」

 

なんて言ってリゼヴィムは肩を竦めた。しかし八重垣は、

 

「どけぇえええええ!」

『っ!』

 

咆哮と同時に、こちらに突っ込んでくる。

 

「ちぃ!」

《鋼鉄のブルーウォーリア!タンクタンク!ヤベーイ!ツエーイ!》

「戦兎!そいつに触れるな!」

 

咄嗟にタンクタンクフォームになり、突っ込んできた八重垣を止める。しかし龍誠の叫びに、戦兎は困惑した次の瞬間、八重垣の体から無数の触手が伸び、戦兎の身体を絡め取ると、

 

「なっ!」

 

戦兎の体を引きずり込み、そのまま呑み込んできた。

 

「不味い!」

「先輩!」

 

するとギャスパーは黒い靄を出し、戦兎の体だけ包むようにすると、八重垣の体から無理矢理引き剥がす。

 

「サンキューギャスパー」

「いえ。先輩こそ大丈夫ですか?」

 

あぁ、と頷きつつギャスパーの頭を撫でて立ち上がった戦兎は、

 

「早速実戦投入させてもらうか」

 

と言って、ジーニアスフルボトルを取り出した。すると、

 

「随分集まったじゃないか」

「兵藤 一誠」

 

空間が歪み、その中から現れたのは一誠で戦兎は睨みつけた。

 

「元気にしてたかぁ?なぁ戦兎」

「お陰様でな」

 

二人の視線が交差する中、先に一誠は肩を竦めると、

 

「まぁ良いさ。帰るぞ。八重垣君。リゼヴィム」

「まだだ。まだ紫藤 トウジの娘を殺していない」

 

全身から殺気を滲ませながら進もうとする八重垣に、まだ早いと言って一誠は止めると、

 

「ただ殺すだけでいいのか?お前の無念はその程度で収まるのか?違うだろ?アイツを殺す場はちゃんと用意してやる。最高の舞台と最高の演出があってこそ、復讐は映えるんじゃないか?」

 

そう言われて八重垣は止まると、

 

「分かった。一度引こう」

「そうこなくっちゃ」

 

そういうが早いか、一誠達は撤退し始めた。しかし戦兎達はあえて動かない。

 

ここは人通りが殆ど無いとはいえ、普通の道だ。ここで本格的にやり合えば、余計な被害を生む。

 

「それじゃな……って忘れてた。おいギャスパー!体は大丈夫か?」

「っ!」

 

突然の一誠の問い掛けに、ギャスパーはビクッと体を震わせ、カァっと顔を赤くすると、キッと睨み付ける。普段の彼らしからぬ光景に、戦兎は少しばかり驚いていると、

 

「成程。そんじゃ改めて。チャオ」

 

一誠はニヤニヤしながら姿を消し、それと共に八重垣やリゼヴィムも消えていった。

 

「大丈夫かヴァーリ」

「あぁ」

 

少し暗い表情を見せるものの、概ねヴァーリは落ち着いていそうだ。

 

「その……アイツが前に言ってた」

「あぁ、母を死なせる原因となった男だ。あいつが父を唆し、俺と母に暴力を振るうように仕向けた元凶」

 

しかしそう言いながらヴァーリは龍誠を見ると、

 

「さっきは悪かったな。冷静さを失ってた」

 

そう言ってヴァーリが頭を掻く中、

 

「ギャスパー。さっき兵藤 一誠が言ってたことだけど、何かあったのか」

「い、いえ何も」

 

明らかに何かあった表情を浮かべるギャスパーだが、戦兎はため息を吐くと、

 

「大丈夫なら良い。でも何かあるならすぐに言えよ?」

「は、はい」

 

俯きながら答えるギャスパーに、戦兎はヤレヤレと肩を竦めた。取り敢えず大丈夫だと言うなら、大丈夫ということにしておいたほうが良さそうだ。

 

(見たところ体調不良の兆候はなさそうだしな)

「しかしあの八重垣って何者なんだ?」

 

そんな中、ゼノヴィアがそう呟くと、

 

「私が説明しましょう」

 

と言って、皆が振り返るとそこには、肩でゼィゼィと息をするトウジがいた。

 

「年は取りたくないものですね。昔であればこの程度ですね。現役の頃はこれくらい走ったくらいで疲れなかったものなんですが」

 

息を整えつつ、トウジは戦兎達を見る。

 

「一度教会にお集まりください。皆さんにお話いたします。この街で起こった悲劇を……いえ、私の罪を」




仮面ライダーグリスブレイク

パンチ力40t
キック力46t
ジャンプ力50m
走力100m5秒

リゼヴィムがエボルドライバーにフェニックスフルボトルとロボフルボトルを使って変身した姿。

スペック自体はエボルドライバー系ライダー最弱だが、最も厄介なのは、フェニックスフルボトルの力を過剰に発揮することによって得た、異常再生能力で体が一部でも残っていればそこから再生することが可能。

更にリゼヴィムの神器無効《セイクリット・ギア・キャンセラー》も使用可能で、神器(セイクリットギア)自体の能力がそもそも効かず、万が一それを突破しても再生能力と言う二段構えになっており、原作から神器無効《セイクリット・ギア・キャンセラー》を突破されるとリゼヴィムは弱いと言うのを知っていたため、兵藤 一誠はこの能力を与えた。

但し、一部でもあれば再生可能と言うことは、一部も残さない攻撃には弱く、実はリアス等が使う滅びの魔力には弱いものの、狡猾なリゼヴィムを一発で肉片一つ残さず消し飛ばすと言う無理ゲーをクリアしなければならない。
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