戦兎「新たなジーニアスフォームで兵藤 一誠を撃退した俺だったが……」
龍誠「おいなんだ戦兎!あれどう見てもやべー能力じゃねぇか!」
戦兎「正直言うとな、俺も若干引いてる」
龍誠「クソいいよなぁ!俺もあんな能力がほしいぜ!」
戦兎「あのなぁ。あれだけ能力が多いと能力の取捨選択が大切なんだ。お前みたいなバカに扱いきれるかよ」
龍誠「何を!」
戦兎「さ、そういうわけで142話スタート!」
「そっか。天界の復興は無事進んでるか」
天界の襲撃から数日経った頃、現在戦兎たちは先日まで準備に勤しんでいた教会にいた。
そしてイリナから現在天界の復興が急ピッチで進められている旨を伝えられ、戦兎達は胸をホッと撫で下ろす。
「被害は大きいけど重要な場所の被害は殆どなかったみたい」
「実際、兵藤 一誠も何かの用事のついでって感じだったしな」
イリナと戦兎がそんな話をしていると、
「そういや戦兎。話は変わるが、今度美空が全国ライブ行くらしいな。ヴァーリが騒いでたぜ?追っかけしなきゃーってよ」
「あぁ。ヴァーリのやつどっかの会場の最前列のチケット取れたって狂喜乱舞してたな」
アザゼルの言葉に、戦兎はそうだそうだと思い出す。実は戦兎は関係者席を身内枠で貰ってたりするのだが、ヴァーリには内緒だ。
すると、
「おーっす!帰ったぞー!」
そこに龍誠が大量の食料を手に帰った来て、他の面々も続々と入ってくる。
今日は無事教会の飾り付けや準備も終わり、プレゼント配りも終わった。というわけで皆でドンチャン騒ぎの予定である。
そして龍誠がジュースを紙コップに注ぎ、皆が受け取っていく。そしてリアスが皆の前に立つと音頭を取って、
「そんじゃあ改めて……ハッピー!メリー!クリスマース!」
「はぁ」
ギャスパーは外に出ると白い息を吐きながら空を見上げる。星が輝き、遠くから団欒の声が聞こえてくる。
「ようギャスパー」
「先輩?」
そこに戦兎がやって来て声を掛けると、ギャスパーは驚きながら振り返った。
「少しいいか?」
「は、はい」
隣に立つ戦兎に、思わずギャスパーは自分の胸が高鳴るのを感じた。だがそれを振り払う。これは捨てると決めた感情だ。しかし戦兎は、
「お前の俺への気持ちだけどさ」
「ひゃい!?」
振られると思ってなかった話題を振られてしまい、ギャスパーは変な声で返事をした。
「正直。どーしていいのか分からん。良いも悪いも無いんだよ」
だから、と戦兎は続け、
「少しくらい考える時間よこせ」
一旦保留。勝手に結論出して逃げるな。と戦兎は言った。その言葉にギャスパーの目から涙がポロポロと落ち、戦兎はギョッとする。
「お、おい泣くなよ!」
「だって僕。こんな気持ち悪い……」
それは違う。と言って戦兎は言葉を遮ると、
「お前が何になろうと、お前はお前だ。誰がなんと言おうとお前なのは変わらない。そしてお前が俺が好きでもだ。そりゃずっと同性の後輩だと思ってたやつに好きだって言われればびっくりだってする。でもそれでお前を嫌う理由には絶対ならない!」
本当ですか?本当だとも。とお互いにやり取りをする。大丈夫だから、と戦兎はギャスパーを慰めつつ、
「だから心配するな」
「はぃ」
そう言うと、ギャスパーは戦兎に体を寄せると、抱きつく。
まぁこれくらいならと戦兎は抱きしめ返してやりつつ、頭を撫でるのだった。
「ん?」
なんてやり取りをした次の日の朝。戦兎は目覚めて体を起こす。
寝ぼけた頭で、とりあえず起きるかとベットから降りようとすると、
「え?」
思考が停止した。そこにいたのは一糸まとわぬ姿で寝るギャスパー。そして思い出す。昨晩ギャスパーに要求されるまま、これくらいならこれくらいならと要求を飲んでいくうち、色々後戻り出来ないことをしたことを。
(な、なんとかヤれるもんだなー)
現実逃避しつつ、思わず天井を煽ぐ戦兎。何がちょっとまってほしいだ。と自分を叩きたくなる。しかしそこに、
「オイ戦兎!そろそろ起きろよ」
龍誠が入ってきた。そして部屋を見て固まり、
「その……失礼しました」
龍誠深々と頭を下げて部屋を出ていった。
「ま、待て龍誠誤解だ!いや誤解じゃないけど色々待ってくれぇえええええ!」
と、朝から戦兎の叫びが木霊する。
その後色々修羅場があったのだが、戦兎の名誉のために、割愛させてもらおう。
「全く。戦兎のやつも厄介な力を手に入れたもんだ」
拠点の椅子に座りながら、一誠はため息をつく。しかしそこに一人の影が現れる。
「よう。待ってたぜぇ。いやぁ、八重垣は残念だったよ。もう少しでクレーリアを取り戻せそうだったんだけどなぁ」
「……」
一誠に声を掛けられた存在は、ゆっくりと一誠に視線を向けた。
「ここに来たってことは、覚悟を決めたってことかな」
一誠はそう言って、少し変わった形の形状をしたフルボトルを出す。
「アンタなら、二人を救える。ハッピーエンドにできるさ」
そしてフルボトルをその人物に挿した。
「ぐっ!うぐ、ガァアアアアア!」
苦悶の声と表情をしながら、肉体が変化し、その姿は禍々しい化け物の姿に変わる。
一誠はそれを見届けると、ニヤリと笑みを浮かべながらポンッと肩を叩き、
「八重垣とクレーリアのハッピーエンドのために、頑張りなよ?ディハウザー・ベリアル」
禍々しい化け物の姿から、普段の姿に戻ると、ディハウザー・ベリアルと呼ばれた男は顔をあげると、
「二人の無念。必ず晴らそう。だが約束は守ってもらう」
「あぁ勿論。アンタが頑張って働いてくれれば、約束通り二人を生き返らせてやるよ」
そう言って、その場をあとにする。それを見ていたマグダランが一誠のもとに行くと、
「あれは新しいタイプですか?」
「あぁ。元来の魔獣に加え、別の世界の仮面ライダーの怪人の力を加えた新型さ」
成程。とマグダランは頷くと、
「確か今度本格的に行く世界でしたよね?」
「あぁ、名は仮面ライダーキング。まぁ目的はそいつ自身じゃねぇが、やりようじゃこっちの味方に出来るやつさ」
それは楽しみですね。マグダランが言うと、一誠も笑みを浮かべる。
「そうすればこれも無事復活できるしな」
と言った一誠の視線の先には、巨大な石像があった。
神々しさと邪悪さが混じった、なんとも言えない雰囲気を持つ、不思議な存在。
「ビジター。目覚めてくれた暁には君の働きにも期待してるぜ?」
一誠は笑いながら、その場を後にするのだった。
「ハックショイ!」
「ちょっと和泉。アンタ風邪でも引いたの?」
「え?先輩大丈夫ですか!?」
和泉と呼ばれた少年はズズっと鼻を啜ると、自分を心配してきた二人の少女を見て、
「いや、何か急にくしゃみが」
「ふむ、となると誰かが君の噂でもしたのかな?」
今度は先程とは別の少女からの問いかけに和泉は首を横に振り、
「まさか勘弁してくださいよ。戦いも終わって今は平穏な日々なんですから。そんな誰かに噂されるような事はありませんよ。ていうかあってたまるか」
ヤダヤダと目の前の書類を手に取った和泉は、
「はぁ。世界は救えてもこういう書類仕事は好きになれないなぁ」
「はいはい。文句言ってないで仕事終わらせてね。生徒会長のアンタがハンコ押さなきゃいけないのも多いんだから」
へーい。と和泉はハンコを捺すのだった。