ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「異世界の仮面ライダーの智宏達と出会い、そしてディハウザー・ベリアルに襲撃を受ける俺達だったが……」
智宏「てかマジで容赦無く攻撃してきたなぁ。めっちゃいてぇ」
戦兎「お前体外頑丈だなぁ」
智宏「そりゃ色々潜り抜けてるからなぁ」
戦兎「まぁそんな感じの」
常磐「146話スタート!」
戦兎&智宏「おい!」


純血の悪魔

「妃愛!」

 

ガバっと体を起こした智宏は、周りを見回すと見たことない部屋のベットにいた。

 

「ここは?」

 

とベットを降り、自分の体を触る。何となく覚えているのは妃愛が連れ去られ、自分は兵藤 一誠の攻撃を受けたところだ。すると、扉がガチャリと開かれ、

 

「先輩!?」

「会長!?」

「ん?」

 

入ってきたのはあすみとアメリで、二人は智宏の顔を見ると飛び付いてきた。

 

「良かったですもう痛くないですか!?」

「なんかね!アーシアさんって人が凄かったの!あとなんかさっき聞いてなかったんだけどあの人たち悪魔でね!それでそれで」

「お、おちつけ……」

 

最早二人がかりで放たれた、強烈なタックルだった抱きつきに、智宏は悶絶しつつ、二人を連れて部屋を出ると、リビングに行く。

 

「和泉!」

「あ、桐生さん」

 

部屋に入ると、一番最初に目があったのは戦兎で、それに続いてゾロゾロやってくる。

 

「和泉!怪我は大丈夫!?」

「大丈夫だよ常磐。不思議なくらい痛みがない」

 

最初に声をかけてきた常磐に、マッスルポーズをしながら答えた。

 

「さて、和泉君も目覚めたことだし、これからどうしようか。ひよりんがどこに連れて行かれたのかもわからないしな」

 

確かに、と全員が頷くと、

 

「お前ら!」

 

アザゼルが部屋に飛び込んできて、皆が思わずそっちを見ると、

 

「今冥界にこんな映像が流れた!」

 

そう言って、テレビを弄ると、どこかの空が映し出され、そこに写ったのは、

 

『ディハウザー・ベリアル!?』

 

思わず皆でテレビに齧りつくように寄って見る。

 

そしてそこから声が聞こえてきた。

 

「今更自己紹介もいらないと思うが、改めて名乗ろう。私はディハウザー・ベリアル。レーティングゲームの現チャンピオンだ。だが今は禍の団(カオス・ブリゲード)に席をおいている」

 

ザワッとテレビ越しの向こう側から動揺の声が聞こえる。

 

そんな中、ベリアルは話を続けた。

 

「突然の出来事に、驚くものも多いだろう。だが今までの立ち位置では出来ないことをする必要があるからだ。そしてそれを話すために、今ここにいる」

 

そう言ってベリアルは、手に持ったコマを見せる。それは今まで見たことない形状のコマだ。確かあれは、

 

「チェスのキングのコマ?」

 

詩桜が呟く中、ベリアルは続けて言う。

 

「これはキングの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)だ」

「うそ」

 

リアスが呆然と口にした。

 

「キングの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は存在しない。と言われているが、実は少数ではあるが製作されていた。能力は単純な強化。ただその強化率は尋常じゃない。下級悪魔ですら魔王クラスにまで引き上げるほどのな。さて、そしてここからがレーティングゲームの闇だ。現在レーティングゲームの上位を占める者達は、元々はそこまで突出した力はなかった。だがある日突然力を増し、頭角を現した」

 

このキングのコマを使ってな。と言われ、もうリアスはその場にへたり込みそうになった。それを龍誠は慌てて支え、

 

「そしてその闇を暴こうとしたものがいた。名はクレーリア・ベリアル。私の従兄妹だ。彼女はその秘密に限りなく近づき、そして消された。表向きは、人間の聖職者と恋仲になったと言う名目でな」

『っ!』

 

戦兎達の間に、衝撃が走った。

 

「私は今の冥界と、古き悪魔の血筋を滅ぼすため、禍の団(カオス・ブリゲード)の元に行くことにした。以上だ」

 

それを最後に映像は途切れ、消失した。

 

「やってくれたな」

 

戦兎は苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

「これは相当荒れるぞ」

「だろうな」

 

ヴァーリと匙がそういう中、

 

「リアス」

「サイラオーグ?」

 

今の見たか?とやってきたサイラオーグに問われ、リアスは頷くと、

 

「そうか。ならうちの爺さんが話があるらしい。来てもらえるか?」

「えぇ、私も聞きたいことがあるわ」

 

リアスは自分の足で立つと、サイラオーグに体を向ける。

 

「きっちり話を聞かせてもらうわよ」

「あぁ。勿論だ」

 

なんてやり取りを観ていた智宏は、戦兎に耳打ちした、

 

「あの、どうしてあの男性のお祖父様が?」

「いや俺も詳しくはないんだが、さっき出た古い悪魔の血筋って奴らの大将みたいな感じかな?」

 

成程。と智宏は戦兎の言葉にうんうん頷くと、

 

「あのグレモリーさん」

「何かしら?」

「自分も一緒に行っていいですかね?ちょっとそのお爺さんに聞きたいことがあるので」

「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法陣から出現したリアスたちと、智宏達。

 

智宏達は空を見たりして物珍しそうな顔をした。

 

「ホントに魔法陣で移動なんてあるのね」

「俺は戦兎さんたちがほんとに人間じゃなかったことにも驚いてるよ」

 

常磐と智宏がそんな会話をしていると、

 

「あれー?」

「どうしたアメリ」

 

智宏が急に声を上げたアメリに向きなおる。

 

「せっかくだから、いんちゅたに空の写真あげようと思ったんだけど、繋がらないんだよね」

「世界違うからなぁ。俺もソシャゲやろうと思ったら繋がらなかったよ」

 

残念がるアメリを宥めつつ、皆で屋敷に入っていくと、サイラオーグに案内され、初代バアルが待つ部屋につく。

 

「初めまして。グレモリーのお嬢ちゃん。他の皆もレーティングゲームの映像で見たことがあるのばかり……おや、見たことない人間もいるようだ」

 

ビリビリとしたオーラを纏った老人だ。これが古い血族の頂点。初代バアルかと思う。

 

「単刀直入に聞きます」

 

そう言って口火を切ったのはリアスだ。

 

「チャンピオンが……いえ、ディハウザー・ベリアルが言っていたことは本当なのですか?」

「本当じゃよ」

 

初代バアルは悪びれることもなく、あっさりと認めた。余りにもあっさりと認めたため、リアス達は肩透かしを食らった気分だ。まるで何か問題でも?と言いたげなくらいである。

 

「それは転生悪魔の台頭があったからですか?」

「流石よく分かっておるわ」

 

リアスの問い掛けに、初代バアルは喉を鳴らすような笑い声を出す。

 

「転生悪魔が増え、レーティングゲームが盛り上がってくるとな、段々純血の悪魔たちの戦績が落ちていった。転生悪魔の多様な能力に神器(セイクリットギア)、中々に厄介。じゃがそれは宜しくない」

 

宜しくない?と智宏は意味が分からず、首を傾げた。ここに来るまでに転生悪魔の話は聞いている。数が減った悪魔という種の存続のため、生まれたのが転生悪魔。だとすれば強い転生悪魔がいるのはいいことなのでは?と。

 

「人間の坊やには分からないかもしれないが」

 

とそれを見た初代バアルは智宏と視線をぶつけると、

 

「転生悪魔は悪魔じゃないからだ。悪魔というのは、古くからその血筋を繋いだ純血の者のみをさす。故に転生悪魔がレーティングゲームで幅をきかすなどあってはならないんだよ」

「な、成程」

 

智宏は嫌な爺さん。と思いながらそれ以上は口にしない。いっそ清々しいほどだ。

 

「それでキングの駒を使ったと?」

「そうじゃよ。多少順位が上の方に転生悪魔がいるのは仕方ない。じゃが上位クラスは古き血脈の純血が立っておらんとな」

 

示しがつかんじゃろう、と言う。

 

「じゃが厄介なことになった。ただでさえうちはマグダランの阿呆が禍の団(カオス・ブリゲード)についた。そのせいであちこちから文句を言われとるからのう」

 

このままでは行くあてもなく他の純血達と一緒に逃げるしかない。と笑う初代バアル。それを聞いて戦兎は眉を寄せると、

 

「まさか禍の団(カオス・ブリゲード)につくなんて言わないですよね?」

「ハッハッハ。今行ったところでディハウザー・ベリアルに殺されてしまうよ。言っただろう?行くあてはないと」

 

冗談なのかそうじゃないのかわからない言い方に、その場の空気がピリついてきた。しかしそれを智宏が手を上げて、

 

「あ、あのバアルさん?でいいですかね?」

「ふむ。なにかな?」

 

智宏はペコペコしながら前に出ると、初代バアルの目を見ると、

 

「あの、クレーリアさんって何者なんです?」

「クレーリア?あぁ、ディハウザーの従姉妹の娘じゃよ。聞いてないのかい?」

「あいや、どんな関係だったのかなーって」

「目を掛けてたのは知っとるが、深くは分からんな」

 

そうですか、と智宏はガックシ肩を落とす。戦兎達は、そんな智宏を見て首を傾げた。一体何をしたいのだろう。

 

「そんなことよりグレモリーのお嬢ちゃんよ。これからどうするんだい?」

「どうするとは?」

「聞いた話ではビルドの妹が誘拐されたらしいじゃないか」

「勿論取り戻します。こちらの和泉 智宏君の妹さんも連れ去られましたし」

 

なら気をつけることだ。と初代バアルは言い、

 

「あやつの強さに偽りはない。元々の才能と修練を積み重ねたものだ」

 

それは皆もそうなんだろうとは思っていたが、改めて言われると背筋に冷たいものが走る。

 

下級悪魔でも魔王級まで引き上げるキングの駒を使ってきた面々を倒し、そして長くチャンピオンとして立ってきた男。その強さに嘘はないらしい。

 

「正真正銘の怪物。せいぜい気をつけなさい」

 

口元に笑みを浮かべながら、初代バアルはそういうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんなのあのじじいいいいいいいいい!」

 

屋敷を出た瞬間。常磐が叫ぶ。あのあとも少し話したが、少なくとも彼女は初代バアルが嫌いになったらしい。

 

「むかつくむかつくむかつくー!」

「落ち着けよ常磐」

 

どうどうと智宏が抑えつついると、

 

「しかしまぁどうしたもんかなぁ」

 

ひとまずの行動指針としては美空と妃愛の救出だが、隠れている場所が分からない以上動きようがない。とはいえ、兵藤 一誠のことだから、タイミングを見て現れるはずだとも思っている。だがそれまで動けないのもそれはそれで落ち着かない。と戦兎はいうと、

 

「それにしてもあのお爺さん優しいね」

 

は?と皆がアメリの発言に固まる。

 

「え?態々気をつけなさいって言うために呼んでくれたんだよね?」

『うーん』

 

皆が思わず唸る。確かに今回の会話の内容としては説明とベリアルへの注意だったが、なんとも言えない空気があった。すると詩桜が、

 

「いや、恐らくそれだけじゃないだろう」

「え?」

「あのご老人は仕切りに純血が大事だと言っていた。あの口ぶりから察するに、あの人が重視するのは冥界そのものより純血という事実。それこそ1に純血2に純血。3、4ときて5に純血というくらいだろう。恐らくだが、世界が滅びようと純血の悪魔がいればいいと思ってる」

 

確かに思ってるだろうなぁ。と戦兎達悪魔組は思う中、さらに詩桜は続け、

 

「ただ逆に言えば、純血悪魔の立場を考えてくれるのであれば、恐らく協力は惜しまないということだ。言っていただろう?このままでは他の純血悪魔を連れて逃げるしかないと。それつまり、あの御老人が声をかければ動かせる人材は多いということだ。だが同時に、行くあてはないとも言っていた。それは、かなり切迫してはいるということ。そしてリアスさんを呼んだのも、貴女は魔王の妹なのだろう?恐らく狙いは貴女のお兄さんに話を通したかったんだろう。お兄さんと直接会えば、周りの目もある。だがリアスさんや私達も入れてなら、桐生くんの妹さんの件もあるし、言い訳は幾らでも立つ」

「じゃああの人の目的は」

 

あすみが詩桜に問うと、恐らくはだが、と前置きを置いてから、

 

「歩み寄り、だろうな。いやまぁ、私も悪魔の社会がはっきり分かってるわけじゃない。そちらの世界の説明とあのご老人の会話から推理した所もあるがな」

「はぁ!?じゃあそれ自分の立場が悪くなったからすり寄ってきたってこと!?」

 

まぁ悪く言えばな。と詩桜は怒る常磐に言い、

 

「だが恐らくあのご老人も現体制と歩み寄るタイミングは測っていたと思う。さっき言ったように、純血の存続が一番だ。だがそれは結局、今の体制に合わせなければ生き残れない。最初から自分達だけでどうにかなるなら、そもそも転生悪魔という制度に頼る必要などなかったんだからな」

「でも前から現体制は歩み寄ろうとしてたはずだけど」

 

と龍誠が言うと、

 

「それに素直に応じれば弱腰と取られるからだろう。あくまでも自分達が主体で妥協した。という体でなければ、更にそこから離反するものも出たはずだ。あの御老人が目指したのは、自分についてくる純血も一族を極力離反させず、且つ一定の地位を得た状態で現体制に入り込むこと。そういう意味では、今のタイミングは良かったはずだ。何せ大規模テロが起きている今の状況では、現体制もある程度妥協しなくていけない。そこまで余裕がないのは純血だけじゃない。現体制の方もだろう。その状況なら、純血主導で話を進めたと話をしても問題にはならないだろう。細かいところをお互い指摘しあってる余裕はないからな。だからリアスさんを通してお兄さんにメッセージを送った。今ならお互いチャンスではないか?とね。現体制もいま純血悪魔の離反なんて言う騒ぎを起こされても困るはずだろう?」

 

まぁ全部想像の域だがね。と詩桜は締めた。ついでに今度小説に使わせてもらうかと言うと、アザゼルが、

 

「俺も同じ意見だ。ま、色々あるからな。どうするリアス?サーゼクスに伝えるのか?」

「政治的なことに関してはお兄様が決めることよ。でもお兄様がずっと古い血族達との和解も願ってたのも知ってる。そのチャンスが来たなら私が邪魔するわけにいかないでしょ。普通に伝えるわよ」

 

そんなやり取りを見ながら、龍誠は智宏に、

 

「なぁ、お前のとこの先輩すげぇな」

「あの人基本的に完璧超人ですから。まぁ性格は一癖どころか百癖くらいある人ですけどねー」

 

アッハッハと笑う智宏を見ていた龍誠だが、突然ギョッとした顔をする。

 

「どうしました?」

「う、後ろ」

「後ろ?」

 

そう言って振り返った智宏の目の前に、ニッコリ笑顔の詩桜が立っていた。

 

「コソコソと随分なことを言うじゃないか和泉くん」

「あ、いやー」

 

今度はアハハと力なく笑う智宏に、詩桜はゴキッと指を鳴らすと、

 

「フン!」

「あぎゃあああああああ!」

 

一瞬で智宏の腕を掴んでひねり上げるとそのまま関節を極めた。

 

「せ、先輩ギブギブ!人間の腕はそっち側には曲がらないように出来てるんですから!」

「なら人類初を目指してみようじゃないか!」

 

そんな初はやだー!と智宏は叫び、

 

「止めるか?」

「その内勝手にやめますわよ」

 

一応戦兎は聖に聞くと、呆れた様子で言われた。そして暫しじゃれ合ったあと、詩桜に解放された智宏は涙目になりながら、

 

「いつか見てやがれ三浦大根が」

「なんか言ったか?」

 

イエナンデモー!と詩桜についた悪態も聞かれて詰め寄られる中、

 

「あ、あの」

『ん?』

 

と声を掛けられ振り返ると、そこには一組の男女がいた。見たことはない。

 

「あ、貴方が仮面ライダービルドですか?」

「あ、はい」

 

なんだ?と首を傾げると、目の前の二人は急に土下座をしてきた。

 

「はい!?ちょ、ちょっと!?」

 

突然のことに、戦兎はわけが分からず困惑していると、

 

「本当に!今回のことは申し訳ありませんでした!私共の息子がとんでもないことを!」

 

その言葉に、戦兎は気づく。まさか、と。

 

「もしかして、ディハウザー・ベリアルの?」

「はい。ディハウザーは私達の息子です!」

 

突然の登場に、戦兎達は互いに目を合わせ、困惑するのだった。

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