ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「小猫達の父親との戦いから暫く経ち、俺達は兵藤一誠への総攻撃を開始する!」
龍誠「何度もしてやられたけどよ、今度という今度は勝つぜ!」
戦兎「という感じの168話スタートだ!」


第二十四章 破滅のイニティウム
託す者


2月最後の日、戦兎達は集まっていた。

 

「間に合わなかったな……」

「何が?」

「あいや。なんでもない」

 

龍誠の問い掛けに答えながら、戦兎はビルドドライバーを装着し、

 

「終わらせよう」

「あぁ!」

 

変身しながら走り出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全勢力を集結させ、兵藤 一誠を叩く。そう伝えられたのは、小猫達の父親との戦いの後だった。

 

世界中の神話体系も一同に集結し、一誠を倒すために動くそうで、その前線に戦兎達はいた。

 

だが、

 

「敵襲!」

 

そこに襲い掛かってきたのは、天を覆い尽くす程の魔獣達で、悪魔の羽が生えている。

 

聞いていた人造悪魔というやつだろう。

 

「一体一体の魔力が殆ど最上級クラスだなんて」

 

リアスは気後れしそうになるが、喝を入れて前を見る。

 

「目指すは兵藤 一誠よ!一点突破!」

『はい!』

 

強引に突破しながら、戦兎たちが進むと、

 

「来たぞ!」

 

そこに降ってきたのは、ヘルクローズ、グリスブレイク、イービルローグの3人が魔獣を引き連れて現れた。

 

「俺達に任せろ!」

 

しかしそれを、ヘルクローズには匙達シトリーチーム、グリスブレイクにはヴァーリチーム、イービルローグにはサイラオーグチームがぶつかる。

 

「頼んだ!」

 

戦兎達は、その横を抜け、更に進むと、

 

「っ!」

 

海上に巨大な魔獣が出現し、戦兎達に食種が襲い掛かるが、

 

「はぁ!」

 

アザゼル達堕天使が光の槍を降り注がせ、

 

「いけ!」

「あぁ!」

 

足止めしてくれている間に、更に進む。

 

その時空から光線が降り注ぎ、

 

「今度は何だ!?」

《宇宙から光線を撃っている魔獣がいるようです!》

 

通信で連絡が入り、宇宙ではすぐに対処出来ないとなったリアスが戦兎をみて、

 

「この際光線は無視するしかないわ!」

「わかりました!」

 

全員で避けながら更に進む。道中邪魔する魔獣は他の人達が対処し、そして!

 

「兵藤一誠!」

「んー?」

 

遂に一誠の眼の前に来ると、戦兎はフルボトルバスターを振り上げ斬りかかる。だが、

 

「なに?」

 

刃を押し当て、回転させているのに切れない。というか、火花すら散らない。

 

「どけ戦兎!」

「私達がいきます!」

 

龍誠と小猫が戦兎と入れ替わり何度も殴るが、ダメージはない。

 

「なら僕たちが!」

 

そこに祐人とゼノヴィアとイリナが斬りかかるが、同じく効果がない。

 

「皆どいて!」

 

それを見たリアスが、朱乃とロスヴァイセとギャスパーと同時砲撃。だが土煙を上げるだけで、効果はなかった。

 

「俺の新たな力。全否定(オールキャンセル)だ。残念だが、俺にダメージを与えることができない。何故なら、如何なる能力でも物理的な破壊でも、その全てを否定し、なかったことにするからだ。最早お前らの攻撃なんて、避ける必要もないのさ」

 

そう言って一誠が腕をふると、その衝撃波で全員が吹き飛ぶ。

 

「がはっ!」

 

近くの岩に叩きつけられ、血を吐くリアスの元に、一誠はやってくると、

 

「まずはお前だ」

「部長!」

 

そこに戦兎が割れて入り、一誠の拳を受け止めるが、衝撃で仮面が割れてしまった。

 

「この!」

《Ready Go!ジーニアスフィニッシュ!》

 

戦兎はそれでも構わずジーニアスフィニッシュを発動し、拳にのエネルギーを集めて殴る。だが一誠には効果がなく、一誠は戦兎を殴り飛ばす。ただそれだけなのに、戦兎は海面を跳ね、変身が解除されてそのまま沈みそうになる。

 

「戦兎先輩!」

 

それをギャスパーが回収し、黒い霧でリアスも撤退させる。

 

「ハハハ。コイツは最高だ。俺はまさしく最強になったってことだなぁ!」

 

そう言ってゲラゲラ笑う一誠だったが、そこに降り立つ人影を見て、

 

「サーゼクス」

「兵藤 一誠。久しいね」

 

マントを脱ぎ捨て、一誠を見つめるサーゼクス。すると、二人を中心に結界が貼られた。

 

「ん?結界か?」

 

一誠は興味なさげに見ていると、

 

「お兄様!」

 

リアスが叫ぶ。しかしサーゼクスは笑みを浮かべ、

 

「大丈夫だ。少し危ないから結界を張っただけだ」

 

と言った次の瞬間、サーゼクスの全身を滅びの魔力が包み、肉体が変化していく。

 

「成程。そう言えばお前には真の姿があったか」

 

生まれついての異能であり異常者。存在してはならない怪物。それが超越者サーゼクスであり、その真の姿は滅びの魔力が人の形となった姿。

 

「行くぞ」

 

サーゼクスは滅びの魔力発射。しかしそれは一誠に届く前に消えてしまう。

 

「ならば!」

 

サーゼクスは直接殴りかかるが、サーゼクスの拳が触れる瞬間に、逆に腕のほうが消えてしまった。

 

「なっ!」

「残念だったなぁサーゼクス。アンタも力でも俺には敵わない。寧ろ、相性最悪さぁ!」

《Ready Go!ロンギヌスブレイク!》

 

一誠はゆっくりとレバーを回し、サーゼクスに蹴りを放つと、サーゼクスは吹き飛び、結界もその衝撃で破壊される。

 

「あなた!」

 

そこにグレイフィアが降り立ち、近づくと、ボロボロの普段の姿に戻ったサーゼクスが転がっている。

 

「アハハ!最高だ!サーゼクス相手にもこれならなぁ」

 

一誠はレバー再び回すと、今度はエネルギーを頭上に集め、巨大なエネルギーボールを作り出す。

 

「さぁ、全員消し飛べぇ!」

 

そしてそれが地面に落ち、爆発が起きる瞬間。

 

「おぉ!」

「っ!」

 

サーゼクスは最後の力を振り絞り、その衝撃からグレイフィアを守った。

 

「あなた!」

「そこから動くな!」

 

前方に滅びの魔力を展開し、衝撃を止めるがそれも突き抜けてくるのは肉体で防ぐ。

 

「おぉおおおおおおお!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごほっ!」

 

爆発で吹き飛んだ龍誠は、近場の島に転がり、変身が強制解除されながらも立ち上がる。

 

口の中は血の味と砂でジャリジャリ言うのを耐え、周りを見回す。

 

一誠の攻撃で、敵味方関係なく吹き飛び、遠くで戦いが続いている状態だ。すると、

 

「よう龍誠」

「兵藤 一誠!」

 

龍誠は身構えようとするが、全身に走る痛みに膝をついてしまう。

 

「これで分かっただろ?俺にはお前たちは勝てない。今日はこれで終わりにしてやるよ。俺は優しいからな。ちゃーんと卒業式の日まで待っててやるよ。それじゃあチャオ〜」

 

そう言って、一誠は笑いながら姿を消す。

 

それと同時に、遠くで起きていた戦闘も急に静かになっていく。恐らく一誠と共に撤退していったのだ。

 

「クソ!」

 

地面に拳を叩きつけ、龍誠は歯を噛みしめる。だがいつまでもこうしてはいられない。

 

「皆の安否を確認しないと」

 

龍誠は重い足取りで歩き始める。そしてそこにいたのは、

 

「お兄様!」

 

リアスとグレイフィアに寄り添われながら、アーシアの治療を受けるサーゼクスの姿だ。

 

「サーゼクス様!」

 

龍誠も駆け寄ると、既に治療が行われたらしい戦兎が待てと止めた。

 

これはもう……とは言いたくなかった。だが明らかにもう手遅れだ。

 

「そんな……」

 

誰か嘘だと言ってくれ。そんな思いが胸に去来する間に、他の面々も集まってきた。全員かなりの重症を負っている。だがサーゼクスよりマシだろう。

 

「やぁ、皆集まってきたみたいだね」

 

そんな中、サーゼクスは優しげな声音で話し、

 

「悪いがアーシア君。治療だけは続けてほしい」

 

サーゼクスはそう言いながら、グレイフィアを見る。

 

「怪我はないかい?」

「はい」

「それは良かった」

 

グレイフィアはボロボロと泣き、サーゼクスは困ったような顔をした。

 

「そんな悲しそうな顔をするな。愛する女性を守れたんだ。後悔はない。ミリキャスのこと、頼んだよ」

 

そう言って、リアスを見る。

 

「リアス。あまりわがままを言って、皆を困らせてはいけないよ」

「お兄様……」

 

そして今度は、戦兎と龍誠を見て、

 

「戦兎君。龍誠君。覚えてるかな?魔王の心構えの話」

「は、はい」

 

確か、まだ悪魔になってすぐの頃に、サーゼクスが遊びに来たときに聞いた話だ。だが確か、あのときは秘密だと言われた気がする。と思っていると、

 

「僕が思う魔王の心構え。もしくは上に立つ者の心構えと言い換えても良い」

 

それはね?とサーゼクスは続けると、

 

「誰かに自分の夢を託せる者だ。上に立つ者は、夢を持たなければいけない。何故ならその夢を共に見たいと思うから、民はついてくる。だが時には夢半ばで倒れることもある。その時に託せる者を育てなければならない。託せる者を見つけ、育て、そして時が来たら託す。そうして意思は受け継がれていくものだ。だから戦兎君。龍誠君。君達に僕の夢を……冥界の未来を託したい。誰もが平等に笑える未来を、皆が幸せに暮らす未来を……」

 

そう言って伸ばす手を、戦兎と龍誠は掴み、

 

「任せてください」

 

戦兎の言葉に、サーゼクスは嬉しそうにほほえみ、天を見上げる。

 

「これで、安心だ」

 

サーゼクスの瞳はゆっくり閉じられ、力が抜けていき、その生涯の幕は閉じられるのだった。

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