幕間の話
「これでいいですかね」
「えぇ。ごめんなさいね」
龍誠がそう言うと、朱乃が顔を覗かせる。
現在龍誠は、朱乃の家の蔵の片付けに着ていた。
卒業式も間近になり、春の訪れが感じられる今日このごろ、春用の物たちを蔵から出すのに、龍誠が駆り出されている。
戦兎達は、現在リアス達の卒業式前祝いという形で、焼き肉パーティーをやるので、その準備をしているはずだ。
「じゃあこれを家に入れたら俺達も行きましょうか」
「そうね」
鍵を締め、朱乃と並んで歩き出す。すると、
「ん?」
神社の境内に一組の男女。恐らく夫婦だろう。
「こんにちわ」
「あ、どうも。おや、巫女さんは彼氏と一緒ですか?」
朱乃が声を掛けると、男性のほうが挨拶をした。
「うふふ。ありがとうございます」
朱乃は腕を組んでアピールしてくるので、奥さんの方もニコニコしている。
「えぇと」
「あぁごめんなさい龍誠。このお二人はよく家の神社に来てくれるの」
「成程。あ、はじめまして。万丈 龍誠です!」
ビシッと挨拶すると、御夫婦は笑た。
「へ、変でしたかね?」
「あぁすまない。私達には子供がいなくてね。君みたいな子供だったら良かったなって思ったんだ」
「そうね」
ニコニコとしている二人に、龍誠は気恥ずかしさを覚える。すると、
「失敬。自分は兵藤五郎。妻の三希です」
『っ!』
名を聞くのは初めてだったのか、朱乃も驚いている。たまたま同じ苗字なのか?少しそう思うものの、見ていると何か通ずるものがある。これはいつもの勘なのか……それとも。
「お子さん……居ないんでしたっけ?」
「あぁ。子は授かり物っていうくらいでね。縁がなかった。あ、でも夫婦二人での生活というのも悪くないよ」
そう言って笑い合う二人を見て、龍誠も笑う。
「必ず……守るよ」
「え?なにか言ったかい?」
いえ何でも!そう言いながら龍誠は歩き出す。
「じゃあ、俺達はここで」
それだけ挨拶し、龍誠がその場を後にすると、
「良かったの?」
「あぁ」
きっとこれで良いんだ。あの二人が本当の両親なのか否かは分からない。調べれば分かるかもしれないけど。
「きっと良いんだよ」
そう言いながら、会場に向かうのだった。
『カンパーイ!』
さて皆で集まり、コップを掲げると全員で飲み食い開始。
「まてまだ早い!」
そんな中、肉を焼いているヴァーリは、箸を伸ばそうとするサイラオーグを止める。
「ねぇヴァーリおかわり」
「んもう!みーたん任せてよ〜!」
ニコニコしながら、ヴァーリは美空に肉のおかわりを渡している。
皆それぞれパーティを楽しみ、騒ぐ。
来週には、リアス達は卒業式がある。そしてその日、兵藤 一誠が全勢力で襲い掛かってくのだ。誰も負ける気はない。だが、それでも不安はある。それを吹き飛ばすように、皆で騒ぐ。
敢えて来る日が分かっているので、ギリギリまで準備にあて、迎え撃つ。それがアザゼルの作戦だ。今こうして騒いでいるが、上層部は今頃準備でバタバタしているはず。
「よっ」
「おう」
戦兎が少し外れた場所でジュースを飲んでいると、龍誠がきた。
「今日な。両親にあったんだ」
「そうか。言ったのか?」
「言えるかよ」
それもそうか。とだけ返しながら、
「なら、勝たないとな」
「あぁ」
こちんとコップを軽くぶつけながら、戦兎と龍誠は、笑い合うのだった。
次回、ハイスクールD×D Be The One最終章開幕!
サイラオーグ「大義のためにっ!」
フウ「誓いのためにっ!」
匙「愛のためっ!」
ヴァーリ「心火を燃やす!」
龍誠「俺達は誰にも負けねぇ!」
戦兎「さぁ、最後の実験を始めようか!」
戦兎達は、未来をビルドできるのか!?