ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……


戦兎「遂に始まった、最後の戦い」
龍誠「全ての因縁を終わらせるときだ!」
匙「まずは俺の出番だぁあああ!」
戦兎「って感じの173話スタート!」


不屈の邪竜

「はぁあああ!」

 

ヘルクローズこと、ユーグリットに向かって匙は襲い掛かるが、

 

「ふん!」

 

簡単に弾かれ、蹴り返される。

 

「がはっ!」

 

後退り、怯むものの、匙は再び襲い掛かるが、カウンターを入れられ、それに耐えて強引に反撃するものの、ユーグリットは意に返さず連撃を叩き込んだ。

 

「諦めろ。君は私に、ライダーシステムのスペックも、悪魔の力も、才能も練度も汎ゆる点で劣っている。君が僕に勝っている点は一つもないんだよ」

「はぁ、はぁ」

 

それでも匙は、立ち上がると拳を握り直す。

 

「だから……なんだってんだ!」

 

匙は叫ぶ。

 

「俺は、もう奪わせねぇ!」

 

再び殴りかかるが、ユーグリットやれやれと首を振る。

 

「全く。救えないほど愚かな男だ」

 

ユーグリットはブーストを掛けた拳で匙を殴り返す。

 

「ぐぁ!」

 

顔面を殴られ、仮面が割れて素顔が露出した。

 

「お、おいあれ匙じゃねぇか?」

 

それを見た、学園の生徒が呟く。

 

「がはっ!」

 

腹を殴られ、口からゲロを吐き散らし、ユーグリットは気持ち悪そうに避ける。

 

「みっともない。美しさのかけらも気品もない」

「っ!」

 

匙はツインブレイカーで殴るが、それをユーグリットはキャッチし、腕をへし折った。

 

「がぁああああ!」

 

痛みに悶え、腕を抑えながら後退り匙は痛みに必死に耐える。

 

「分かったでしょう?私には君は勝てない。ほら、膝をつき、頭を垂れなさい。足を舐め、服従しろ。そうすれば命は助けてあげますよ」

 

ユーグリットの言葉に、匙は奥歯を噛みしめた。その時、

 

「匙!」

「会長……?」

 

背後から聞こえた声に振り返ると、ソーナが立っている。

 

ボロボロの匙に、ソーナは声を出す。もう良い。援軍が来るまで待て、色々な言葉が脳裏に浮かぶ。だがそれでも絞り出したのは、

 

「勝って」

「……承知しました」

 

ソーナの言葉を聞き、匙は折れていない方の腕でフルボトルを取り出す。

 

そのフルボトルは真っ黒でドス黒い色をしており、今まで見たことのないもの。

 

この戦いの前夜、戦兎にライダー組が集められ、渡されたものがある。

 

ヴァーリとサイラオーグには、追加で作ったビルドドライバーと、強化アイテム。

 

そして自分にはこのフルボトルだ。

 

「ごめん匙。間に合わなかった」

 

連日戦兎は不眠不休で強化アイテムを作っており、実際2人分は完成させたのだ。

 

ただ自分のは、まだ未完成。ただこれでも、一時的にブーストをかけれるらしい。

 

スクラッシュドライバーには拡張性がなく、現状ではこれが限界とのこと。

 

「謝る事なんかねぇよ戦兎。ありがとな」

《チャージボトル!ツブレナーイ!チャージクラッシュ!》

 

匙はベルトにフルボトルを装填し、レバーを下ろす。

 

「おぉおおおおお!」

 

折れた腕がゴキゴキと言いながら治り、飛び出す。

 

「っ!」

 

ユーグリットの反応速度を上回る程の速さで詰め寄り、殴り飛ばした。

 

「匙。頑張って!」

 

ソーナの声が響く中、匙は血を吐きつつ、ユーグリットに連続で拳を叩き込む。

 

「うぉおおおおお!」

 

このブーストは、強化アイテムの安定化を行う前の状態で行うもので、体に大きな負担をかけるが、ドラゴンの力を何倍も高める。そして強引に自己治癒も行う状態。自分で傷つけ自分で治す。それを常に行うため、全身激痛が走り続けている状態だ。

 

それでも匙はソーナの声援に答えるため、前に突き進む。

 

「匙いいいいい!まけんなぁああああ」

 

すると、学園の誰かがそう叫び、

 

『頑張れー!』

『やっちまえー!』

 

口々に声援が起こる。

 

「おぉ……任せろおおおおおおお!」

 

匙の猛攻が、更に激しくなっていく。

 

「くっ!何だこの力は!?」

 

ユーグリットは訳が分からんというが、匙は笑うと、

 

「これが、仮面ライダーの力だああああ!」

 

匙はそう言いながら、フルボトルとスクラッシュゼリーを入れ替え、レバーを下ろす。

 

《スクラップブレイク!》

 

その場で飛び上がり、蹴り飛ばす。だが、

 

「がぁ!」

 

それをユーグリットは腕を払って弾いた。

 

「おおおおお」

《スクラップスクラップブレイク!》

《シングル!シングルフィニッシュ!》

 

レバーを連続で2回下ろし、ブースト用のフルボトルをツインブレイカーにセットして必殺技を発動。

 

「はあああああ!」

 

飛び上がり、再度キックを放つが、

 

「舐めるなぁああああ!」

《Ready Go!エボルテックアタック!》

 

ユーグリットも必殺技で応戦し、無理やり匙を弾いた。

 

「転生悪魔如きが、私に勝てるとでも!?」

 

上空に打ち上げた匙を目で追うユーグリット。だがその視線に捉えたのは、

 

「え?」

 

ユーグリットが慌ててベルトを確認すると、そこにはあるはずのドラゴンフルボトルがない。

 

(まさかあの打ち合いで奪ったのか!?)

「俺の神器(セイクリットギア)。忘れられちゃ困るな」

 

匙は黒い龍脈(アブソブーション・ライン)で奪った、ユーグリットのドラゴンフルボトルをツインブレイカーにセット。更に、

 

《シングル!ツイン!ツインフィニッシュ!》

 

ブースト用のフルボトルもセットして必殺技を発動。そしてトドメとばかりに、レバーを3回下ろした。

 

《スクラップスクラップスクラップブレイク!》

 

「これで……トドメだぁあああああ!」

 

全身から黒い炎を噴出させ、全力のライダーキックを放った匙は、そのままユーグリットに叩き込む。

 

「ぐああああああ!」

 

全身を黒い炎で焼かれ、変身が強制解除されるユーグリット。

 

「馬鹿な。この私がなぜぇええ!」

「才能も実力も、お前のほうが上だ。でもな、何一つ勝ってないといったが違う!俺にもお前に負けないものがある!」

「何だと!?」

「それは守りたいって思いだ。お前たちは奪うことしかできない。だが俺達は守ることが出来る。誰かの明日を、守り繋げる事ができる。自分の欲望のためだけじゃない。誰かの願いのために戦える。自分と誰かを背負って戦える俺達が、お前らみたいなもんに負けるかぁあああああああ!」

 

匙の叫びと共に、炎がユーグリットを飲み込み、消し去ると、そのまま匙は着地に失敗し、地面に転がる。

 

「匙!」

 

ソーナは匙に駆け寄ると、匙は弱々しく笑い、

 

「へへ、勝ちました」

「良かった……」

 

匙の勝利宣言に、ソーナも共に笑うのだった。




ブースト用フルボトル

本来は匙用の強化アイテムを制作するためのものだったのだが、時間がなくて未完成のまま使われた。

拡張性のないスクラッシュドライバーのスペックを強引に引き上げることが可能で、匙に大幅な自己治癒能力を付与する。但し、変身者への負担が大きく、自己治癒能力も苦しみを長引かせる事になってしまうという諸刃の剣。

ただ、エボルドライバー系ライダーを圧倒するスペックを引き出せるなど、パワー自体はかなり強い。

真っ黒なのは、戦兎がジーニアスボトルから作り出したヴェルドラの力を込められているから。
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