戦兎「続々と
龍誠「ナイスファイトだぜ〜!皆!」
ヴァーリ「そして最後はこの俺だ!全てに決着をつけ、俺は勝つ!」
戦兎「そんな感じの174話スタート!」
「アハハハ!無駄無駄ぁ!俺には勝てないよヴァーリきゅん!」
「黙れ!」
ヴァーリはツインブレイカーで攻撃するも、リゼヴィムの再生能力には勝てず、そもそもリゼヴィムの素の能力の関係でただ無意味に攻撃する。
その合間に、リゼヴィムは炎を放ち、ヴァーリは吹っ飛ぶ。
「がは……」
地面を転がり、変身が強制解除されるが、ヴァーリはそれでも立ち上がった。
「無駄だっただろ?もう諦めなって。半分人間の弱々ヴァーリでは俺には勝てないんだよ」
「……」
ヴァーリは、ビルドドライバーと、クローズマグマナックルと同じ形状のアイテムとフルボトルを取り出す。
「あん?何だそれ」
ヴァーリはアイテムを見て、戦兎の言葉を思い出した。
「ヴァーリ。これはお前の力を引き出すことができる。サイラオーグさんのプライムローグとは違い、お前の魔王の力を引き出す。だがそれは……」
そう。ヴァーリは、自身の悪魔の力を完全に引き出せない。引き出せば、自身の肉体の崩壊が待っている。だから、自分は悪魔の力ではなく、仮面ライダーの力を頼ったのだ。
「おい戦兎。そんな危ねぇもんをわたすなよ」
「バカ。お前を信じてんだよ」
受け取りながらそういったヴァーリに、戦兎は返す。
「安心しろよ戦兎。死んでもこいつだけはぶっ倒してやっからよ!」
ヴァーリはビルドドライバーを装着。フルボトルを振り、ナックルに装填。今度はそのナックルを、ビルドドライバーに装填すると、
「変身!」
レバーを回し変身しようとする。だが、
「あがっ!」
全身に電流が走り、激痛に顔を歪める。体の細胞が崩壊するような感覚。自分の中の何かが崩れるような感覚。それに支配されたヴァーリは膝を折った。
「おいおいなんだよヴァーリ。びっくりさせやがって」
遠のく意識の中、リゼヴィムのそんな声を聞きながら意識を手放す。
「ん?」
真っ白な世界に、ヴァーリはいた。なにもない、真っ白な場所。
「ヴァーリ」
「っ!」
突然声を掛けられ振り返ると、そこに居たのは一人の女性。忘れようもない。
「母さん……?」
幼少の頃、父から自分を庇い、命を落とした大切な女性。その人が眼の前にいた。
「良く頑張りましたね」
そう言って自分に優しく触れる手の温かみは、決して幻じゃないことを教えてくれる。
「そうだ!俺は確かリゼヴィムと戦って!」
ヴァーリは、急いで走り出そうとすると、母はヴァーリの手を掴む。
「もういいのよヴァーリ」
「え?」
「もう良いの。貴方は頑張ったわ」
優しく包みこんでくる感覚に、酔い始めるのを感じる。だがそれに抵抗する気が起きない。
「これ以上。貴方が苦しむ姿を見てられない」
母に抱きしめられ、何もかもがどうでも良くなっていく。
しかし、
「ダメだ」
「ヴァーリ?」
ヴァーリの拒絶。
脳裏に浮かぶのは、仲間達との日々。
戦兎の変な実験に付き合ったり、龍誠と筋トレしたり、匙とトレーニングしたり、サイラオーグの謎ファッションに突っ込んだり、フウのいれるお茶を飲んだり……リアスたちと馬鹿騒ぎもした。美猴達と色んな旅をした。
「ごめんなさい。お母さん」
ボロボロ泣きながら、ヴァーリは謝る。
「俺さ、やっぱり死ねないんだ。ずっと後悔してた。弱かったから、お母さんを守れなくて、何もできなくて、こんな自分に生きてる価値なんてない。死んでも構わない。どうなってもいいからリゼヴィムを倒れるなら良いって、そう思ったんだ。でもさぁ」
まるで子供のように泣きじゃくり、それでもヴァーリは叫ぶ。
「皆すごくいいやつなんだ。馬鹿だけど、とんでもなく良いやつなんだ。俺さ、自分勝手にもほどがあるんだけどさ、俺、まだ死にたくないんだ!」
ごめんなさい。そう言うと、母は優しく笑った。
「やっとわかったのね」
「え?」
「貴方はずっと私に罪悪感を抱いて、前を見ようとしなかった。でも貴方はやっと前を向こうとしてる」
母はソっとヴァーリの涙を拭い、
「良いのよ。生きてヴァーリ。貴方が守りたいものを守って。自由に生きて。貴方の幸せが私の幸せよ。貴方なら大丈夫。悪魔の力と人の心を持つ貴方なら、誰にも負けないから」
その言葉とともに、視界が白くなり、母が消えていく。思わず伸ばしそうになる手を止め、そしてヴァーリは、
「ありがとう。母さん」
「ん?」
立ち上がったヴァーリを見て、リゼヴィムは、面倒くさそうにため息を漏らし、
「おいおい。もう寝とけって」
「残念ながら、世界救うまで寝てる暇はないんだよ」
ヴァーリは再び、ナックルとフルボトルを手に持つ。
「アハハハ!さっき使えなかったアイテムまた使う気かぁ?無理すんなよ」
「さっきは……な。だが今は違う」
ヴァーリはフルボトルを振り、息を吸った。
「俺に足りなかったのは覚悟!何が何でも生きる覚悟だ!」
《ボトルキーン!》
ナックルにボトルを装填後、ビルドドライバーにナックルを装填。
《グリスブリザード!》
レバーを回し、腕を上げて構える。まっすぐリゼヴィムを見つめ、
《
「
背後にナックル型の溶鉱炉が現れ、そこから液体窒素のような液体が振りかけられ、ナックルが氷を破壊すると、
《激凍心火!グリスブリザード!ガキガキガキガキガッキーン!》
真っ青な姿のグリスとなったヴァーリは、
「心火を燃やして……明日を生きる!」
腰を落として走り出す。
「ちぃ!」
リゼヴィムは炎を放つとヴァーリは冷気を放つ。すると、
「なに!?」
炎が凍り付き、ヴァーリは飛び上がって、リゼヴィムと肉薄した。
「くっ!」
「はぁ!」
ヴァーリがナックルをつけて殴ると、防御したリゼヴィムの腕が凍り付き、そのまま腕が砕け散る。
「ぎゃああああああ!」
悲鳴を上げ、リゼヴィムは地面を転がった。
リゼヴィムは急いで再生しようとするのだが、
「な、なんで再生しない!?」
傷口を見ると、そこは氷付き、それが阻害してるのだと分かった。
「く、クソ!」
傷口に炎を当てて氷を溶かそうとするのだが、氷が溶ける気配がない。
「な、なんで!?」
その間に、レバーを回しながら、ヴァーリは近寄ってきた。
《シングルアイス!》
「こ、この!」
リゼヴィムは炎を放ち、それを受けるが、氷のロボアームを作り、それでぶん殴る。
「ぐあああああ!」
腕どころか、肩周辺まで吹き飛ばさて、両腕を失ったリゼヴィムはイモムシのように動いて逃げ出そうとした。
「ふん!」
《ボトルキーン!グレイシャルナックル!カチカチカチカチカチーン!》
ナックルにボトルを装填し直し、握り直すとリゼヴィムの腰を殴り、下半身を凍りつかせて砕く。
「あひ、ちょ!まてヴァーリ!」
リゼヴィムを掴み持ち上げると、リゼヴィムは命乞いを始めた。
「お、俺が悪かった!な?そんな怒んなって冗談だよ?ね?」
だがヴァーリは、
「怒ってないさ」
ヴァーリは、冷たくも、穏やかな声音で、
「ただお前はこの世にいてはいけない。この世にいれば、多くの不幸を呼ぶ。お前の呼ぶ不幸は、俺で終わりにする!」
空高く放り投げ、レバーを回す。
《シングルアイス!ツインアイス!》
ヴァーリは冷気を噴出し、飛び上がるとライダーキックの体勢に入った。
「これで終わりだぁああ!」
《グレイシャルフィニッシュ!バキバキバキバキバキーン!》
リゼヴィムの全身が凍り付き、ヴァーリのキックで粉々に砕け散り、消えていく。
「安心しろリゼヴィム。お前には死すら生ぬるい」
「いっでええええええええ!」
リゼヴィムは悶絶しながら叫ぶ。
「クソ!あのガキ!復活したらぶっ殺してやる!」
リゼヴィムは怒り狂いながら、復活を待つが、いつまで待っても体が戻る気がしない。
「な、なんで!?」
全身が粉々に砕かれる痛みが、全く引くことがなく、リゼヴィムは焦り始めた。
そして思い至る。さっきの戦いでも、傷口が凍り付き、治らなかったことを。
見えないほど粉々になった破片一つ一つが、氷付き、コーティングされている。つまりそれは、氷が解けない限り、復活できないということ。そしてその氷は、自身の炎でも溶けることはなかった。
「やめろ……やめてくれ」
リゼヴィムは、震えだしていた。体はなく、意識だけなので、そういう気持ちというだけだが。
「いやだ!この痛みにずっと苛まれるのか!?」
変身している状態では、自分は不老不死だ。つまり、死ぬことはない。だが、粉々に砕かれた痛みは、常に味わうことになる。
つまりこの先、死ぬまでこの痛みを味わい続けることになるが、リゼヴィムは死ぬことはない。
「頼む!ヴァーリ!俺が本当に悪かった!だから……だから!」
永遠の暗闇の中、粉々になる痛みだけを味わい続ける。それがリゼヴィムの末路だ。
「俺をせめて殺してくれぇええええええ!」
勿論この叫びは、音となることもなく、暗闇の中に、消えていくのだった。
仮面ライダーグリスブリザード
パンチ力50.7t(右腕)、61.7t(左腕)
キック力59.9t
ジャンプ力64.9m(ひと跳び)
走力2.1秒(100m)
ビルドドライバーとグリスブリザードナックル、ノースブリザードフルボトルで変身する強化形態。
スペックの上昇に加えて、冷気を操る力を持つ。
この能力は、ジーニアスボトルから作った、白龍皇の力が元になっており、周りの汎ゆるエネルギーを取り込むことにより、その過程で熱エネルギーも吸収。結果として、冷気を操っている。
この吸収は、変身者にも適応され、変身しているだけで膨大なエネルギーを奪われてしまう。同時に、変身者の秘められた力も強引に引き出す。
ヴァーリの魔王としての膨大なエネルギーがあるから成り立つ形態でもあり、魔王の力を克服していなければ、ヴァーリは命を落としていた。