ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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暗闇の光

「おぉおおおお!」

 

仮面ライダーデーゴンとなった匙は、ゴーマに組み付くと膝蹴りを叩き込む。

 

「ぬぅ!」

 

匙に触れられ、力が抜けるような感覚と同時に叩き込まれた膝蹴りに、ゴーマは苦悶の声を漏らしながら振り払うと、匙を殴り飛ばす。

 

「くっ!」

 

匙は怯んで下がるが、右手を掲げると背後の空間が歪み、多数の宝具が射出され、ゴーマに襲い掛かった。

 

「ぬぅ!」

 

それを炎で弾くが、匙はその隙に駆け寄り、全身から黒い龍脈(アブソブーション・ライン)を出し、地面に落ちた宝具を拾うと、それで攻撃。

 

ゴーマは全てギリギリで避けていくが、匙が力を込めると、背後にタンニーンを模したオーラ上のドラゴンが現れ、ブレスを放つ。

 

そして爆発と同時に火柱があがり、ゴーマは転がったが、

 

「おぉおお!」

 

素早く立ち上がり、拳を突き出すとオーラのドラゴンを生成し、匙に向かって飛ぶ。

 

「はぁ!」

 

対する匙も拳を突き出すと、巨大な龍を象ったオーラを飛ばして相殺。

 

「さらに!」

 

だがそこから黒い炎を出すと地面を這わせて攻撃。

 

「っ!」

 

ゴーマは飛び上がって避けるが、

 

「おぉ!」

 

再びブレスを放ち、ゴーマは体をひねって回避。空を覆っていた雲が吹き飛び、空を炎が覆い尽くした。

 

「な、何て戦いなの」

 

リアスが熱い空気を吸い込んで咳き込みそうになる中、闘いは更に加熱する。

 

「はぁ!」

 

続け様に、懐に飛び込んだゴーマの連撃が匙に打たれる。

 

「ぐっ!」

 

匙は負けじと反撃するが、ゴーマはそれを避けて攻撃を叩き込んだ。

 

「舐めるなよ。どんな力を持ったとしても、貴様と私は覚悟が違うのだ!」

「覚悟だと!?」

「そうだ!私は正しきことを為すため、己の間違いを正すために戦っているんだ!負けるわけにはいかない!」

「フザケンナ!」

 

ゴーマの攻撃を強引に耐え、匙は殴り返した。

 

「間違ってただと?違う!ソーナ会長は間違ってなんかいない!」

 

奥歯を噛み締め、ゴーマの言葉を否定する。

 

匙は両親を既に失っている。眷属になる前は、弟妹の面倒を見るため、日夜バイトに励み、家事の全てを担っていた。

 

将来は公務員辺りになれば良い。そんな事を漠然と思いながら、ガムシャラだった。

 

そんなある日、弟妹がなんの因果か、ソーナを呼び出し、自身の力を見抜いた彼女が、眷属となれば支援してくれると言うので、悪魔になった。

 

最初は、弟妹の面倒を見るのに割の良いバイト先が見つかった、位の感覚で、眷属としての仕事をし、比較的金銭的に安定してきた中、ソーナの夢を聞いた。

 

「いつか、身分など関係ない、学校を作りたい」

 

自分は素直に良い夢だと思った。お金がなく、弟妹達に苦労をかけてきた自分の過去を振り返り、身分に関係なく誰でも受け入れる学校。

 

凄く良いものだと思った。何より、真っ直ぐそれを語る彼女の目に、凄く惹きつけられた。目を逸らせなくなり、胸が高鳴った。

 

そうだ。きっとこれが恋なのだと。その時理解した。自分は、ソーナのその目に。そしてその夢に恋をしたんだと。

 

「だから、お前は俺が倒す。お前を倒して、会長の夢を続ける!」

 

匙はそう言って、左腕に付いているスイッチを押す。

 

《Boost!》

「おぉおお!」

 

匙は走り出すとゴーマを殴り飛ばす。

 

「何故そこまでっ!」

「大事なものが……譲れないもんがあるんだよ!」

 

ふっとばした先に回り込んだ匙は、蹴り飛ばして再度別方向に飛ばすと、ゴーマは壁に叩きつけられる。

 

《Reset!》

 

全身から煙を噴出させ、力を抜くと、ゴーマは立ち上がった。

 

「諦めろゴーマ。お前は俺には勝てない。分かっただろ。死にたいのか」

「死にたいか。そうだな。正義を為すために死ぬなら本望」

 

ゴーマはそう言って駆け出すが、匙はレバーを一度回して、

 

《デーモンサイド!Ready Go!デモニッションブレイク!》

 

右拳に集めたエネルギーを叩きつけるようにぶん殴る。

 

「そういうことかよ。お前」

 

匙は、同情的な、それでいて冷ややかにも聞こえる声音で喋る。

 

禍の団(カオス・ブリゲード)の残党には、大きく分けて2つの特徴があった。一つは、兵藤一誠に心酔していた者。もう一つは、洗脳によって、意識を捻じ曲げられた者」

 

後者は、マグダラン等が筆頭だ。厳密には、根底にあった黒い部分。それを表に引き出され、他者を憎むようになったもの。

 

しかしそれらは、兵藤一誠が死んだ後、罪の意識を感じ、今は専用の施設にて隔離されている。

 

問題は前者だったが、

 

「俺はてっきり、お前も前者だと思っていた。兵藤一誠に心酔していた残党。だが本当は違う。お前はただの死にたがりだ」

「っ!」

 

ゴーマは何もかもを奪われ、失った。築き上げたものも、大切な家族も、何もかもを失い、ただ死ぬのを待つだけだった。だがそこに、兵藤一誠が現れ、戦う場所を得た。

 

戦う間は、何もかもを忘れることができた。何より、楽しかった。自分は奪われたのだから、今度は誰かから奪ってもいいじゃないか。そんな気持ちもあった。

 

「お前は、自分が苦しむのから逃れるために死にたがり、その前に兵藤一誠に拾われたから気持ちの逃げ道を覚えた。だが、兵藤一誠がいなくなり、逃げ道がなくなったから暴れまわって死のうとしてる身勝手野郎。それがお前だ。正義もクソもねぇよ」

「黙れ!」

 

ゴーマは再び先に飛びかかるが、レバーを2度回し、

 

《デーモンサイド!ドラゴンサイド!Ready Go!ドラゴニックブレイク!》

 

匙は何と地面を踏みつけた。すると巨大な大穴ができ、二人はその中に落ちていく。

 

「おいおいマジか!?」

 

龍誠が慌てて駆けつけ中を覗くが、底は見えないほど深い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」

 

着地したゴーマに、匙はゆっくり詰め寄る。

 

「はぁ!」

 

それを見て、ゴーマは殴るが、

 

《Boost!》

 

装置を起動し、ゴーマの拳を自らの拳で迎え撃つ。

 

「ぐぁ!」

 

骨が砕ける音とともに、ゴーマは右手を抑えるが、

 

「らぁ!」

 

ゴーマは左手で殴る。しかし、匙はそれを頭突きで迎撃し、骨を砕く。

 

「ぐぉおおお!」

 

後退り、悲鳴を上げるゴーマに、更に詰め寄る。

 

《Reset!》

「何で二人きりになったか分かるか?」

 

匙は、ゾッとするほど冷たい声音で、ゴーマを見る。

 

「これから行うのは、蹂躙だ。きっと戦兎や龍誠なら、生きて償わせようとするだろうな。だが、俺は違う」

 

匙の蹴りがゴーマを吹き飛ばした。

 

「俺はお前を許せない。きっと昔のお前は良い人だったんだろう。そして様々な経験を得て、変わってしまったんだろう。凄く可愛そうな人なんだろう。でもな」

 

会長を悲しませやがったな?地獄の底から湧き上がってきたような、憎悪のオーラ。

 

龍には、触れてはならない物がある。それは逆鱗。それに触れられた龍は怒り狂うらしい。

 

匙にとって、それがソーナだった。

 

「だが、過去に尊敬したお前を眼の前でボコボコにし、殺せば、きっと会長の傷になる。だからせめて、見えない所でお前を殺す」

 

匙はそういいながら、レバーを3度回した。

 

《デーモンサイド!ドラゴンサイド!デュアルサイド!Ready Go!》

「ククク……アハハハハハハ!」

 

ゴーマは、それを見て笑う。

 

匙は飛び上がり、キックに体勢に。

 

ゴーマはそれを見て、両腕を広げて、受け入れる姿勢をとった。

 

「ハァアアアアア!」

《デュアルデモゴニックブレイク!》

 

キックを受け、爆発が起きる。

 

そして、

 

「いつか、お前達も同じ目に遭う」

「……」

「恩を仇にされ、今までしてきたことを否定され、奪われ失う。ソーナが語る学校なんて空想でしか無い」

 

匙は変身を解除し、ゴーマを見た。

 

「そうかもな。でもなゴーマ。だったら俺は、その悪意と闘い続ける世の中、悪いやつばっかりなのかもしれない。でもだからこそ、教えを信じてくれる僅かな光が、何より大事なんだ。アンタにもいただろ。そんな光がさ」

「……」

「暗いところばかり見ても、先は見えない。だからこそ、僅かな光を大切にする。それが教育ってもんだろ」

「どうしてそこまで戦えるんだ。お前は」

「決まってんだろ。愛する人のため。愛ゆえにさ」

 

愚かな。ゴーマはそう言いながら、消滅していく。

 

「いいさ、お前たちが裏切られ、絶望していく様を、見届けてやる」

「じゃあ残念ながら、俺達が死ぬまで見ることはないな。諦めて成仏することをオススメするぜ」

 

消滅し、消えたゴーマの場所に、匙はそう声をかけ、目を伏せる。

 

ゴーマとの戦いは、きっとこれからだ。ゴーマの言ったことを否定し、自分の信じた道を全うすること。それがゴーマを倒した、自分のケジメだ。

 

そんな事を思いながら、匙は穴を上がっていくのだった。




仮面ライダーデーゴン その2

様々なドラゴンの力を使用可能。

例えばブレスはタンニーン由来。オーラ状で放ったドラゴンは、ミドガルズオルムイメージ。触れている間力を奪うのはアルビオン。一時的なBoostはドライグ、宝具を召喚し射出して攻撃はファーブニル。そこにティアマトやオーフィスのパワーを上乗せして使用可能。

パワーもさることながら、防御力も非常に高く、並の攻撃ではビクともしない。

更に胸のパーツにはアルビオンの力が使われており、受けた攻撃を吸収、半減さぜ、背部から放出させてダメージを軽減させることも可能。

そして、左手腕に取り付けられた装置のスイッチを押すことで、一時的にブースト状態に移行。一度押せば、最大で10秒間その状態で戦うことが可能で、素の能力倍の力で戦うことが可能。

但し、負担が大きいため、10秒経つと、胸の機構を利用した処理が行われ、自動的にブースト状態は解除される。

一応10秒前に押し直せば、再度10秒間の使用が可能になり、ブースト状態も更にアップさせることが可能なのだが、体への負担が大きくなる。

固有武器はブースト装置位だが、ファーブニル由来の力で宝具を使用可能なため、余り問題にはならない。
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