戦「駒王学園に通うこの未来のてぇんさい物理学者。桐生 戦兎は幼馴染で遺憾なことに親友な万丈 龍誠とゲーセンからの帰り道、怪しげな男達に襲われる」
龍「なんで遺憾なことに何だよ!と言うかアイツら誰だよ!銃とか撃ってくるしテロリストかなんかかよ!?」
戦「そんなもん俺が聞きたいよ。まぁ2話見ればわかるでしょって言うことで変身した俺の華麗な活躍も見れる第2話スタート!」
「はぁ!」
ベルトとボトルで仮面ライダービルドとなった戦兎は左足に力を込める。すると脛にあるバネのような部分が収縮し、勢いをつけて伸びた。
「なにっ!?」
その伸縮を利用して一瞬の間に白髪の神父に近づいた戦兎は、右足の戦車のキャタピラのようになった部分で蹴りを放つ。
「ちぃっ!」
それを神父はライトセイバーみたいなやつで受けると、キャタピラの部分が回転し火花とカン高い音を発しながら神父を強引に後ろに吹っ飛ばした。
「て、てめぇ……
「
戦兎はそういうと、ベルトから変身する際に現れたフレームのようなものが現れ、それが剣先がドリルのようになっている武器へと変わりそれを握ると、
「な、なんじゃそりゃあ!?」
「ドリルクラッシャー、俺の発明品さ」
そう言って戦兎は相手との間合いを詰めながらドリルクラッシャーを振り上げる。
「うぉ!」
それを男は止め、素早くもう一方の手で銃を撃つ……が、
「で!」
キン!と火花を散らして少し戦兎に少し悲鳴をあげさせるに留まる。すると、
「少し防御あげるか……」
そう言って、戦兎は今度はダイヤモンドの模様が入ったボトルを取り出すとそれをタンクのボトルと入れ換えた。するとベルトが新たな音声を流す。
《ラビット!ダイヤモンド!》
「まぁベストマッチじゃないよなぁ……」
そう戦兎は呟きながらレバーを回し、それに合わせてベルトから音声が流れた。
《Are you ready?》
「ビルドアップ!」
戦兎がそう叫ぶと、赤と青の姿だったのが今度は赤と水色に変わる。
「はぁ!?」
戦兎の姿がまた変わった事に男は驚くが、それでも素早く銃を向けて撃ちはじめた。
「よ!っと」
だが、戦兎は素早く水色に変わった方の左手を前に出すと、巨大なダイヤモンドが形成され銃弾を弾いていく。
「なっ!?」
更に銃弾を弾いた戦兎は素早く飛び上がって距離を詰めると、ドリルクラッシャーを振り下ろし相手を狙った。
それを男はライトセイバーみたいな剣で止めるが、その瞬間空いてる水色の腕で殴る。
「ぐぇ!この!」
後ずさった男はまた銃を向けるが、またダイヤモンドを形成して銃弾を弾くと同時に相手からこちらを見えないようにして距離を詰めつつ、今度はウサギの模様が入ったボトルを狼の模様が入ったボトルに変えた。
《ウルフ!ダイヤモンド!》
「ベストマッチじゃなぁああああい!」
と戦兎は叫びながらレバーを回し……
《Are you ready?》
「ビルドアップ!」
そうして今度は右手部分だった赤い部分が白に代わり、更に手に見るからに鋭そうな鉤爪が付く。
「はぁあ!」
それから戦兎は間合いを詰めたのを確認すると、ダイヤモンドを一度解除すると右手に現れた爪を伸ばし振り回しながら襲いかかった。
「ちぃ!」
それをバックステップで避けられるが、一度狙いを着けた獲物は逃さぬ狼のように連続で攻撃を放っていく。
その間に銃や剣での反撃もあるが、それはダイヤモンドを形成して防ぐため戦兎にはダメージはない。そして、
「はぁああ!」
爪を更に伸ばしながら戦兎が腕を振るうと、ついに爪が男の銃を切り裂いた。
「げっ!これ高いんだぞ!?」
「知らねぇよ!」
《ウルフ!タンク!》
男の言葉に律儀に突っ込みつつ、戦兎は戦車の模様が入ったボトルを先程入れ換えたダイヤモンドの模様が入ったボトルを抜き取ってから入れ換えレバーを回す。
《Are you ready?》
「ビルドアップ!」
そうして戦兎はまた姿を変えると、ドリルクラッシャーを握り鍔本にあるソケットにウサギの模様が入ったボトルを挿入しスイッチを押す。すると、
《Ready Go!》
と音声が鳴り、それに合わせて戦兎は走り出す。
《ボルテックブレイク!》
それと同時に更に音声が鳴りドリルの部分が赤いオーラを纏って高速回転し、それを男に振り下ろした。だがただでやられる相手ではない。それをライトセイバーで止め、火花と甲高い音が辺りに響き渡るが、戦兎は強引に相手の剣を弾き飛ばすとそのまま横一文字で相手の男を吹っ飛ばし壁に叩きつける。そしてそのままズルズルと地面に落ちるのを見ながら戦兎は、
「峰打ちだ。安心しな」
「いやそれドリルだから峰もなにもねぇじゃねぇか!」
いや手首の返しがポイントで……と言いながら戦兎が振り替えると、そこにいた龍誠はパンパンと手に着いた埃を叩いて落としながら、足元に転がった戦兎が吹っ飛ばした男に追従していた神父姿の男達を見る。
「んでぇ?こいつらなにもんだぁ?」
「取り敢えず警察に連絡して俺達はトンズラかな……」
警察に事情説明するとビルドのことまでバレかねない。だって普通に考えて武装した複数人の男を高校生二人が素手で倒したとは思わないだろうし……いやまぁ龍誠みたいな場合もあるけどさ。ホントこいつ腕っぷしは化け物だよ。あるアイテム使ってるとはいえ一人でこの人数ノックアウトだもんなぁ。
「じゃあ取り敢えず連絡を……」
と思い戦兎が携帯を取ろうとした次の瞬間、ドカン!という派手な音と共に壁が壊され二人はその方向を見ると……
「ミノタウロス?」
「ケンタウルスだよ。ミノタウロスは上が動物下が人間だからな」
そう。二人の目の前に現れたのは巨大なケンタウルス風の化け物が立っていた。
「そういう違いがあるのか?」
「一応な」
あっはっは。と二人が笑った瞬間ケンタウルスこちらに突っ込んで来る!
「龍誠、あぶねぇ!」
それを咄嗟に戦兎は龍誠を突き飛ばすと自らを盾にした。
「がっ!」
ケンタウルスの一撃は変身していなかったら全身がバラバラになりそうな程の衝撃生み出し、戦兎は後方に吹き飛ばされるが強引に空中で体勢を戻して着地する。
「大丈夫か!?戦兎!」
「大丈夫だ……ったく、ほんっと今日は最悪だ」
そう言いながら、戦兎は白いウルフのボトルを取ると赤いウサギの模様が入ったボトルを挿入しなおす。
《ラビット!タンク!ベストマッチ!》
「ビルドアップ!」
そうして最初に変身した姿に変わると立ち上がる。
《鋼のムーンサルト!ラビット!タンク!イェーイ!》
「龍誠!さっき助けた人を頼む!」
「おうよ!」
戦兎がそう叫ぶと、龍誠は急いで壁に寝かせた人を背負って離れた。それを確認した戦兎はケンタウルスの方を向き直る。
「これでよし……んじゃ、誰だか知らないけど攻撃してきたってことは敵だろ?もうすっかり日も暮れたし晩飯が待ってるんだ!さっさと終わらさせて貰うぜ!」
そう言った戦兎はレバーを握ると勢いよく回す。それと共にベルトが発光しエネルギーが満ちていくのを感じながら戦兎は手を頭上に掲げ、
「勝利の法則は決まった!」
と言いきると後ろに向かってダッシュして、ある程度離れたところでジャンプ、そのまま地面に潜っていってしまう。
「っ!」
それを見たケンタウルスが追おうとするが、それを突如出現したグラフが両方から重なりあいX軸の部分で相手を挟み動きを止めた。そして、
「うぉおおお!」
穴から出現した戦兎は大きく飛び上がり、その線グラフのM軸を滑るように相手に向かって飛び蹴りを放つ。
《ボルテックフィニッシュ!》
「はぁああ!」
エネルギーを蓄えた右足はキャタピラの部分も高速回転し、相手にぶち当たるとガリガリ削りながら後方に吹っ飛ばす。
そしてそのまま、また壁をぶち破って外まで吹っ飛んだケンタウルスが動かなくなったのを確認した戦兎は今度こそ一息を吐き、
「お疲れ」
「あぁ」
もう戦い飽きたぜと戦兎は言いながら周りを見渡すと……あれ?
「神父みたいな服装のやつらは?」
「あ?そんなもんここら辺の転がって……あれ?」
そう、改めて見回すとさっき倒したやつらがいない。戦兎が吹っ飛ばした方も含めいないのだ。一人も。
「お前ちゃんと気絶させてなかっただろ!」
「させたはずだよ!と言うかお前の相手だっていねぇじゃねぇか!」
なんだぉ!と二人で顔を合わせて睨み合う。バチバチ火花を散らしているとそんな中、
「貴方達……何してるのかしら?」
『え?』
戦兎と龍誠は声のした方を見ると、先程のケンタウルスを吹き飛ばした穴から四人の男女が立っている。それを見た戦兎は思わず……
「もう良いだろ!」
『っ!』
と叫び、龍誠だけじゃなくて今やって来た四人まで驚いている。だが戦兎の叫びは止まらない。
「幾らなんでも次々来すぎだろ!バーゲンセールやってんじゃねぇんだよ!」
「いや戦兎?あの人達が神父共やケンタウルスの関係者だとは……」
と戦兎に耳打ちする龍誠に戦兎は首を振った。
「さっきキックした時に気付いたんだけど、あのケンタウルス傷だらけだった。多分ここには誰かから逃げてきたんだと思う。それにあそこからならケンタウルスが見えるはずなのに動揺してる様子がない。つまり……」
「あいつらがケンタウルスが逃げてた相手かそうでなくても怪しさ満点か」
そう言うことだ。と戦兎は言うとスマホとライオンの模様が入ったボトルを取り出しそれに挿して放り投げる。
《ビルドチェンジ!》
するとそれは変形、巨大化するとバイクの姿となり、更にそれから素早くライトの模様が入ったボトルをタンクのボトルと入れ換える。
「え?ちょ、ちょっと待ちなさい!」
「待たない!」
《ラビット!ライト!》
「ビルドアップ!」
そう叫ぶと、今度は左肩に巨大な電球が付いた黄色ベースの半身に代わり、それが強烈な光を放ち相手の視界を眩ませる。
『きゃぁ!』
「くっ!」
突然の発光に完全に不意打ちを喰らったのか相手が怯み、その間に戦兎は前に、龍誠は助けた人を背中に乗せたまま後ろに乗るとエンジンを吹かして走り出す。
「口閉じてろよ!舌噛むぞ!」
「おう!」
と戦兎の指示に龍誠はギュッと口を結び、戦兎は更にスピードを上げそのまま入り口をバイクでぶち破りながら突破しそのまま走り去る。
「いっちゃいましたわね……」
そこに残された四人のうち一人がそういうと別の誰かが口を開く。
「追いましょうか?」
「大丈夫よ」
その問いに恐らくリーダー格の少女は首を横に振り答えた。
「あのもう一人の男の子の服装……そこまで焦らなくてもすぐに見つかるわ」
一方その頃、
「しかしお前いつの間にこんな発明品作ったんだよ」
「昨日の夜完成させたんだ。何度か試運転したんだけどやっぱり凄いでしょ?最高でしょ?天才でしょ!?」
「分かったから前見て運転しろよ!」
無事追いかけられていないのを確認しつつ、人心地ついた戦兎と龍誠はそんなやり取りをしていた。すると龍誠は、
「あれ?でもお前バイクの免許なんか持ってたっけ?」
「おいおい。俺は未来の
「なるほどな~……ってそれようは無免許ってことじゃねぇか!」
「わっ!バカ揺らすなあぶねぇ!つうかそれいったら実質三人乗り状態の時点でもアウトだよ!」
と戦兎がいうと龍誠は確かに……と少し納得してしまう。そうして揺らされるのを止めてもらった戦兎は変身を解除して、
「取り敢えずこの人を病院に放り込んで後はトンズラしよう」
「せっかく助けたのになぁ……なんかお礼くらいしてもらっても良いんじゃね?」
「どう説明すんだよ。神父服姿のやつらに襲われましたって言っても信じちゃもらえねぇぞ」
う……と龍誠は言葉に詰まり戦兎は更に続ける。
「それにこれ以上遅れると母さんや美空に殺される」
「それはもっとヤバイな……」
ブルブルっと体を震わせた二人は病院に放り込んだらすぐさま帰ることを誓う。すると龍誠は更になにか思い出したようだ。
「そういや俺がっつり顔見られたんだけど大丈夫かな?」
「大丈夫だろ。駒王町だって狭くないんだ。そんなホイホイスレ違わねぇだろうさ。ま、暫く外出は控えた方がいいかもだけどな」
だよなぁ、と戦兎の言葉に龍誠は頷き二人で笑う。だがそんな次の日の学校で、
「万丈 龍誠君っているかな?」
『……』
何故か昨日いた四人組のうち二人ほどうちのクラスにやって来たのだが、どういうことか説明を求む。