「おぉおおお!」
サイラオーグは滅びの魔力を放ちながら間合いを詰めると、メザードに殴り掛かる。
メザードはそれを避け、至近距離で魔力を撃つが、サイラオーグは魔力で体を覆い相殺。
再びメザードを蹴り、殴り飛ばす。
メザードはそれを防御しながら、後ろに跳んで衝撃を逃しながら、魔力を乱射。
「ぬぅん!」
サイラオーグはマントを振り、その衝撃で吹き飛ばすと、再びメザードと距離を詰める。
建物の壁を駆け上がり、足場にしながらも殴り合い、頭突きを叩き込む。
「ふむ。なかなかいい道具じゃないか。だが、道具がなければ何も出来ないお前では俺には勝てん!」
メザードは、滅びの魔力を連続射出するが、サイラオーグはそれを正面から受け止める。
舞い上がる粉塵を、腕を払って吹き飛ばすと、
「そうだ。俺は一人では何もできん。あるのは母がくれた、この肉体だけだ。しかし、だからこそ俺は共に手を取り合う掛け替えのない仲間を得た。一人ぼっちは寂しいんだよ。メザード」
「くだらないな。一人で生きる力を持たない悪魔。ならば滅ぶべきだ」
メザードはそう言って、両手に滅びの魔力を纏わせ、サイラオーグと殴り合う。
「くだらなくなど無い!今は、力の有無ではない。明日を生き、明日を作ろうとする者に皆等しく生きる権利がある!」
「そんなのは悪魔ではない。悪魔とはひたすらに強く、他者を蹂躙する存在でなければならない」
「ならば悪魔でなくても良い!」
メザードの拳を掴んで止めたサイラオーグは、そのまま頭突きを叩き込む。
「ぐっ!」
「悪魔でも他者を慈しんでいいんだ。思いやってなにが悪い!弱くても生きたいと思ってなにが悪い!それが悪だと言うなら、それを力でねじ伏せようと言うならば、俺がそれに抗う。誰もが等しく生きて良い。願って良い!」
サイラオーグは、レバーを回していく。
「メザード。昔はどうだったかしらん。だがな、今を生きる俺は、この世に生き、明日を願う人々のために戦う。それが俺の大義だ!」
《Ready Go!》
サイラオーグは全身から吹き出した滅びの魔力を推進力に飛び上がり、その魔力が両足に集まり、巨大なワニの上顎とした顎となる。
「ハァアアアアア!」
《エンペラークラックアップフィニッシュ!》
巨大なワニはメザードを飲み込み、
「ぐぉおおおおおお!」
「そしてメザード。人間の世界には素晴らしい言葉がある。新時代を認められず、若者に迷惑をかける存在。それを、こう呼ぶんだ」
老害。サイラオーグはそう言って両足に力を込め、
「俺の大義のために、消え失せろぉおおおおおおおお!」
そのままメザードを跡形もなく消し去るのだった。