未来からの来訪者
「だ、誰だ!」
冥界の端。誰も立ち寄る者もいないこの場所に、一人の男がいた。フードを目深に被り、顔を見ることはできない。
「安心しろ。俺は味方だ」
「お前は、仮面ライダービルド!?」
フードの男は、目の前の男に驚愕する。だが、
「俺は仮面ライダービルドじゃない。そして桐生戦兎でもない。名は仮面ライダーディザスター。桐生戦兎はもう死んだ。そして、これからまた死ぬ」
戦兎?はベルトを着け、両腕を広げる。
「さぁ、共に世界を破壊しようじゃないか!」
「オーライオーライ!」
現在、駒王学園では、卒業式に向けて準備が行われている。
「いやぁ、皆頑張ってるなぁ」
「あぁ」
その様子を、屋上から戦兎と龍誠は見ていた。
去年は自分が送られる側だったが、次は自分たちが送られる番。
「あっという間の3年だったよな」
「とはいえエスカレーターで駒王大学だけどな」
去年は兵藤一誠との戦いで、リアス達が卒業式後の余韻もなかった。
今年は平和に過ごせそうだ。等と思っていると、
「ん?」
気配だけ出し、音もなく背後に立つ二人の影に、戦兎と龍誠は振り返る。そこに立っていたのは、
「え?」
戦兎と龍誠はよく知っている。ビルドのラビットタンクと、ニンニンコミックだ。
「っ!」
しかし、それは戦兎達に襲いかかり、二人はそれを避けながらビルドドライバーを装着。
「良く分からねぇけどやるしかねぇな!」
「だな!」
《ラビット!タンク!ベストマッチ!》
《覚醒!グレートクローズドラゴン!》
ベルトのボトルを装填し、レバーを回して構える。
《Are you ready?》
『変身!』
《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!》
《Wake up CROSS-Z! Get GREAT DRAGON! Yeahhh!》
変身を終えた二人は、武器を手に走り出し、
「はぁ!」
偽物のラビットタンクの高速移動に、戦兎も同じ動きで対応し、飛び上がった所を蹴り落とす。
「おぉおおお!」
龍誠はニンニンコミックに飛び掛かるが、四コマ忍法刀でビートクローザーを弾き、切り返してくる。
「ちっ!」
龍誠はそれを受けながらも強引に切り返し、刃を押し当てると、
《ヒッパレー!スマッシュヒット!》
必殺技を発動させ、相手を吹き飛ばすと、転がった2体を見据えながら、戦兎と龍誠はレバーを回し、
《Ready Go!》
《ボルテックフィニッシュ!》
《ドラゴニックフィニッシュ!》
ライダーキックを放ち、2体を撃破すると、
「これはっ!」
倒した相手に戦兎が駆け寄ると、ボロボロと崩れていき、そのまま消えてしまった。
「なんだったんだ今の?」
龍誠がそう呟く中、
「流石にそいつ等じゃ相手にならないか」
『っ!』
戦兎と龍誠は、その声に聞き覚えがありつつも振り返る。そこに居たのは、
「戦兎?」
そう、目の前にいたのは戦兎だ。戦兎が、目の前にいたのだ。
「俺は桐生戦兎じゃない。桐生戦兎はもう死んだ」
「はぁ?何いってんだ。お前どう見ても戦兎じゃねぇか!ってかここにも戦兎がいるっての」
「もしくは偽物か」
目を細め、目の前の自分を見る戦兎。だが戦兎?は笑うと、
「俺は仮面ライダーディザスター。お前達を殺し世界を……そして未来を破壊する者だ!」
ディザスターは、ビルドドライバーを装着し、ハザードトリガーを起動。
《マックスハザードオン!》
ビルドドライバーに挿し、更に黒いジーニアスボトルを取り出した。
「あれはジーニアスボトル?」
《ダークネス!ジーニアス!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!Are you ready?》
「変身」
《暗黒魔境のアクマヤロー!仮面ライダーディザスター!》
禍々しく、黒いジーニアスへと変貌したディザスターは、戦兎達にゆっくり詰め寄る。
「良く分からねぇが行くぞ!」
「あぁ!」
戦兎と龍誠は駆け出し、ディザスターを殴るが、ディザスターはそれ掌で止め、押し返すと吹き飛ばす。
「くそ!」
戦兎もジーニアスボトルを取り出し、スイッチを押そうとするが、
「ふん!」
「なに!?」
ディザスターが掌をかざすと、ジーニアスボトルが茶色に変色し、スイッチを押しても起動しなくなってしまった。
「ジーニアスボトルはクローズビルドへの鍵でもある。クローズビルドは過去現在、そして未来に置いても超えるものはいない。対策を打たないわけがないだろう?」
「くっ!」
ディザスターはそう言いながら、雷光を放ちそれが襲いかかってくる。
「まずい!」
「くそっ!」
戦兎と龍誠は屋上から飛び降り、雷光を回避するが、
「な、何だ!?」
当然ながら、準備していた他の生徒たちが驚き、パニックになる。
「ちっ!」
だが上空から滅びの魔力が降り注ぎ、戦兎どころか生徒たちにも襲い掛かる。
「ん?」
土煙が上がり、それが晴れると、
「全く。ずいぶん騒がしいわね」
そこにはリアス達が立っており、代わりに生徒たちが消えていた。
「転移か」
「えぇ、駒王町全体には兵藤一誠の事件以降転移が掛けてあってね。何時でも飛ばせるのよ」
リアスはそう言いながら、ディザスターを見る。
「それで?貴女は何者かしら?」
「俺は仮面ライダーディザスター。破壊、滅亡って意味だ。以後お見知りおきを」
ディザスターは頭を下げ、こちらを見ると、
「そして、この世界を唯一正しく導ける者だ」
「そういう輩は、大体碌なやつじゃない」
「そういうことだ!」
背後に飛び出した祐斗とゼノヴィアだが、ディザスターの背後からサメバイクとカイゾクレッシャーが出現し二人を止めた。
「これは!」
「ビルドの!?」
驚く二人を押し返す中、ディザスターはエクスデュランダルを出し、振り下ろして戦兎達を攻撃。
「まずい!」
《ダイヤモンド!Are you ready?》
「ビルドアップ!」
咄嗟にボトルを交換し、ダイヤモンドの壁を出して防ぐ。だがエクスデュランダルの一撃に耐えきれず、破壊され爆発。
『がはっ!』
吹き飛び、変身が解除された戦兎と龍誠に、他のメンバーも地面を転がる。
「皆!」
2体のビルドを相手にする祐斗とゼノヴィアが叫ぶが、こちらも手一杯だ。
「流石にこの時代のお前らは弱いなぁ」
「この時代?」
ディザスターの言葉に、戦兎は眉を寄せる。
「おっと言い忘れていた。俺は今から30年後に生きる者だ。所謂、未来人だな」
「そう言うことかよ」
通りで、良く分からない力を使うはずだと、戦兎は思い至りつつ、
「ならなんで俺と同じ顔なんだ!」
「さぁて?なんでだろうなぁ?」
ふざけやがって、と思った時、
「やっと追いついたぞ」
「もう逃さないんだから」
突如戦兎達の前に魔法陣が出現し、驚いていると2人の男女が現れる。
「ほう?お前達も中々しぶとく、しつこい奴だ。ヘビかなんかか?」
「誰が蛇だ!どっちかって言うと猫だ!」
《フューチャードライバー!》
男のほうが反論しながら、ベルトを装着し、女の方も同じく装着。
「お前たちは誰なんだ?」
そんな戦兎の問いかけに、
「俺は仮面ライダーフューチャーラビット。もしくは、桐生黒兎だ」
「私は仮面ライダーフューチャータンク!本名は桐生戦音!戦音って呼んでね!お父さん!」
『はい?』
戦音と名乗った女の言葉に、皆はポカンとしながら戦兎を見る。
「わかりやすく言うなら、三十年後に生きるアンタの子供だ!」
《フューチャーラビット!》
《フューチャータンク!》
《Are you ready?》
『変身!』
《獅子搏兎!仮面ライダーフューチャーラビット!》
《鉄心石腸!仮面ライダーフューチャータンク!》
黒兎と戦音はボトルをベルトに装填し変身すると、
「今度こそぶっ倒してやるよ。ディザスター!」
そう言って、ディザスターに飛び掛かるのだった。