ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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父親

『おぉおおおおお!』

 

ディザスターことシャルバに戦兎達は変身して飛び掛かる。

 

「ふん!」

 

だがシャルバが腕を振るったときの衝撃で、吹き飛ばされる。

 

「朱乃!住民の転移を!」

「えぇ!」

 

リアスは朱乃に指示を出しつつ、シャルバに攻撃。だがシャルバは意に返さない。

 

「はぁ!」

 

そこに黒兎が飛び込んで蹴り、

 

「えい!」

 

戦音が続けて攻撃を叩き込む。だがそれも効いていない。

 

「お前たちの力ではもはや俺には勝てない!」

『っ!』

 

シャルバは二人を殴り飛ばす。地面を転がるものの、

 

「なら!」

《オールドボトル!Are you ready?》

 

黒兎はフェニックスフルボトルをベルトに装填し、レバーを回す。

 

《フェニックス!》

「はぁああああああ!」

 

炎を纏い、突撃する黒兎。だがシャルバはそれを蹴りで跳ね返した。

 

「がはっ!」

 

再び転がり、歯を噛む黒兎。

 

「これ借りるぞ!」

 

ヴァーリは黒兎からフューチャーラビットフルボトルを借りるが、

 

「ま、まて!」

「ぐあ!」

 

スクラッシュドライバーに指した直後、電流が走り、ベルトから外れてしまう。

 

「この時代のベルトには対応してないんだ」

「それ先に言ってくれ」

「こっちは古くても対応してるんだけどね!」

《オールドボトル!Are you ready?》

 

そこに戦音が、電車フルボトルを挿し、

 

《電車!》

「喰らえ!」

 

オーラ状で作られた電車が、シャルバを襲う。

 

「ぬぅん!」

 

するとシャルバはそれを受け止め、逆に戦音に投げ返した。

 

「きゃあ!」

 

吹っ飛び、変身が強制解除される。

 

「大丈夫?」

「あ、ありがとうママ」

 

駆け寄ってきた小猫に、そう言うと小猫は少し複雑そうな顔をした。

 

「さぁこれで終わりかな?」

「終わるわけ無いだろうが!」

《フルフルマッチデース!》

 

戦兎はラビットラビットフォームに変わると、高速移動で間合いを詰めながらフルボトルバスターを構え、

 

《フルフルマッチブレイク!》

「はぁ!」

 

刃を高速回転させ、ガリガリと削る戦兎の一撃。

 

「今だ!」

 

それを見た黒兎も、ヴァーリからフューチャーラビットフルボトルを返してもらい、レバーを回す。

 

《Ready Go!フューチャーラビットフィニッシュ!》

 

戦兎の攻撃を後押しするように放たれた一撃は、シャルバを吹き飛ばした。

 

「どうだ!?」

 

吹き飛んだ先を見る戦兎。だがシャルバは舞い上がった煙の中からゆっくり現れ、

 

「この程度か?」

 

まるで効いていないのか、シャルバはヘラヘラしていた。

 

「クソ!」

 

黒兎は悪態を吐きながら、シャルバを睨む。すると、

 

「おいおい。そんなに睨むなよ」

「うるせぇ!お前のせいでどれだけの人々が泣いたと思ってんだ!お前のせいで……っ!」

 

ギリッと歯を噛む黒兎。だがシャルバは、

 

「それを言ったら、お前にだって一端はあるだろう?」

「何を言ってんだ!」

 

黒兎はそう吐き捨て、シャルバに殴りかかる。だが簡単に防がれ、弾かれた。

 

「くっ!」

「お前を襲ったあの日、違和感を感じないか?」

「シャルバ!黙りなさい!」

 

すると未来の黒歌が駆け出し、シャルバを襲うが、それを防がれる。

 

「なにを言って……」

 

脳裏がパチパチと言う感覚。そんなはずはない。

 

「あの日。お前は俺に襲われ、戦兎も俺に倒され死んだ。だが可笑しいと思わないか?俺は、あのときも今も、たった一人で戦っているんだ」

「っ!」

 

シャルバに襲われ、意識を失ったあの日、目が覚めたら母やその仲間たちがいた。

 

父は助けに来てくれなかった。別の襲撃を受けていた所で死んだ。そう思っていた。

 

だがそうだ。シャルバは自分以外を信用しない。だからたった一人で戦っていた。

 

母達も違うところで戦っていたと聞いている。

 

今も昔も、たった一人で戦うシャルバが複数箇所で起こした事件。

 

可笑しい。何かが可笑しい。だが黒兎は頭を振る。それでも、脳裏に浮かんでしまった。

 

あの時、幼稚園が襲われ、シャルバに襲われた。

 

《黒兎!》

 

その間に入った戦兎。胸を貫かれ、吐血しながらも、黒兎を転移させて逃がした姿。

 

「あ、あぁ」

「思い出したか黒兎。桐生戦兎がなぜ死んだのかを」

「ちがう。ちがう」

「違わない!桐生戦兎は間に合っていたんだよ。発表会に間に合うように、あいつは来ていた。そしてお前を庇い、死んだんだ。お前はその現実に心が堪えられず、現実を捻じ曲げた。父は来なかった。そう思い込むことで自分を守ったんだ」

 

ビキリ、と黒兎の何かが壊れる音がした。

 

「酷いやつだよなぁお前は。命がけで守ってくれた父を恨み続けることで自分を守ってきた。お前は最低な男だよ桐生黒兎!まぁでも同情もしよう。周りの者たちも、それに乗っかることでお前の心を守っていたのだからな」

「そんな……おれは」

「きっと桐生戦兎も悔やんでも悔やみきれないだろうなぁ。お前のせいで死んだのに。逆に恨まれるなんて」

 

シャルバはそう言い、戦兎と同じ声音に変えながら言う。

 

「黒兎。俺はお前のせいで死んだのに。酷い息子だ。お前は。ガッカリだよ」

「っ!」

 

遂に黒兎は地面に伏せってしまった。

 

「おれは……ごめんなさい。ごめんなさい」

 

泣いて謝る黒兎。だが、

 

「何泣いてんだよ」

 

ペシン。と頭を叩かれ、黒兎は顔を上げる。そこには戦兎の顔があった。

 

「おいシャルバ。お前は間違ってるぜ」

「なに?」

「俺が黒兎にがっかりする?そんなわけねぇだろうが」

 

戦兎はシャルバを見ながら、黒兎を守るように立ち上がる。

 

「寧ろ俺はホッとした。未来の俺は、ちゃんと自分の息子の危機に間に合ったんだってな。そして確信した。黒兎を俺が恨むはずがない。自分の息子を守れて、それに何を不満に思うってんだ。誇りこそすれ、それを不満に思うはずがない。だから仲間たちも、黒兎の記憶に乗ったんだ。俺の思いを汲んでな」

 

戦兎はそう言って、黒兎が落としたフューチャーラビットフルボトルを拾うと、小猫を見る。それを見て小猫は頷くと、

 

「ごめんこれ借りるね」

「え?あ!」

 

戦音からフューチャータンクフルボトルを取り、戦兎に投げ渡す。それをキャッチしながら受け取ると、

 

「だから俺はお前を許さねぇ。息子を泣かせたことも。子供たちが生きる未来を破壊したことも。だから俺が、未来を、そして子供達の笑顔をビルドする!」

 

戦兎はそう言って、ボトルを振る。数式が流れ、ボトルの成分が高まっていく。

 

「バカが。さっきのヴァーリの状態を忘れたか?現代のドライバーでは使えない」

「使えるさ。これは未来の俺が、子どもたちの為に残したもの。俺の思いが詰まったボトルだからな」

 

戦兎が笑みを浮かべ、ボトルの蓋を回して合わせ、

 

「さぁ、実験を始めようか」

《フューチャーラビット!フューチャータンク!ベストマッチ!》

「なにっ!?」

 

シャルバが驚愕する中、戦兎がレバーを回す。フレームが展開され、戦兎が構えると、

 

『え?』

 

その隣に、もう一人現れた。戦兎と良く似ているが、少し年は上かもしれない。

 

「とうさん……」

 

黒兎の呟きと同時に、二人の戦兎は笑みを浮かべながら、構えて叫ぶ。

 

『変身!』

《未来を駆け抜けるフォーエヴァーヒーロー!フューチャービルド!イエイ!イエイ!イェエエエエエエエイ!》




仮面ライダーディザスター《究極体》

パンチ力200t
キック力350t
ジャンプ力300m
走力秒0.05(100m)

戦兎の体を奪ったシャルバと、現代のシャルバが融合し、生まれた形態。圧倒的スペックに加え、ジーニアス由来の力も使用可能。

こういった表面上の強さ以外にも、違う時間の同一人物が融合したことによる矛盾により、概念からして違う存在となっており、この世の理の外にいる存在となっている。

対抗するには、同じ力を持つ存在が必要なのだが……


仮面ライダービルド フューチャービルドフォーム

パンチ力145t
キック力200t
ジャンプ力250m
走力秒0.08(100m)

現代の戦兎が、ビルドドライバーにフューチャーラビットフルボトルとフューチャータンクフルボトルを装填して変身した姿。

本来なら現代のドライバーがフューチャーフルボトルには対応していないのだが、未来の戦兎が作ったからなのか戦兎のドライバーでは使うことができた。

能力は順当にラビットタンクを強化したもので、ジーニアスのようま多種多様な力はない。

スペックも大幅に上がっているが、ディザスターと比べると劣るなど、クローズビルドのように無敵というわけではない。

ただ、全身から特殊なエネルギーが溢れており、そのエネルギーを仲間に渡すことで、仲間達にも同じ力を付与し、戦うことができる。

そういう意味では、一人で戦うディザスターとは対極であり、仲間と共に戦うのが前提の姿である。
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