ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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最終回

「ん?」

 

気づくと戦兎は、真っ白な世界にいた。なにもない真っ白な世界に困惑していると、

 

「コングラッチュレーション!おめでとう桐生戦兎君!」

「っ!」

 

パーン!と突然響くクラッカーの音に、戦兎は驚きながら振り返ると、そこに立っていたのは顔のない人間。声から判断するに、若そうではあるが、良く分からなかった。

 

「君は兵藤一誠を乗り越え、そしてシャルバも乗り越えた。素晴らしい!予想外の出来事だったよ」

「だ、誰なんだお前は」

 

誰なのかって?男は少し首を捻ると、

 

「僕は神。あぁ、神って言っても君たちの世界の神じゃない。兵藤一誠をこの世界に転生させた神。とでも言えばいいかな?」

「っ!お前が!」

 

戦兎は思わず胸倉を掴もうと手を伸ばすが、神の体は霧散して掴めず、気づくと背後にいた。

 

「無理無理。君は僕には勝てないよ。文字通り次元が違うんだから」

 

神は大仰に両手を広げ、戦兎に話しかける。

 

「答えろ!何で兵藤一誠を送り込んだんだ!」

「おいおい兵藤一誠の悪行を僕のせいにしないでくれよ。あんなことをしたのはアイツの意志。僕が何か唆したわけじゃないんだからさ」

 

まぁ、と神は言い、

 

「転生者ってだいたーいあんな感じだけどねぇ!」

 

ゲラゲラ笑いながら、神は回る。

 

「そもそもさ、今まで引きこもってたようなやつが力貰って理想の世界に行って、それで真っ当な人間になれるわけないよね?そんな都合の良いことは起きない!人間って弱いからさ、道踏み外すほうがデフォだよねぇ!」

「じゃあ何で!」

「決まってるじゃないか。その過程をみたいからだよ」

 

ハァ?と意味がわからず戦兎が声を漏らすと、

 

「僕は神。でも神は一人じゃない。世界には何人も神がいて、それぞれが管理する世界を回している。だがそれだけに神様って意外と暇なんだよね。そんな時、とある神がミスして無関係の人を殺してしまった。そこでその人を好きな世界に転生させ、ミスをごまかした。それが中々面白い世界になってね。そこで僕は考えたんだ。これを産業にしちゃおうってね」

 

神はどこからか出したメガフォンを手に構えた。

 

「色んな人を転生させてきた。そして僕達神が一番心を踊らされる展開ってなんだと思う?それはね、バッドエンドだよ」

 

メガフォンは、気づけばクラッカーになっており、パンっと音を出して紙テープが舞う。

 

「原作キャラの蹂躙!幸せな結末が歪む瞬間!絶望に打ちひしがれる人たち!そう、バッドエンドが最も心を打つ。あ、だからといって別にバッドエンドを回避した君を責めたいわけじゃないんだ。一番心を打つってだけでハッピーエンドだって嫌いじゃないんだよ?寧ろハッピーエンドしか見ないっていうハピエン厨ってのもいるくらいなんだ」

「バカにしてんのかよ。そんなくだらない事のために、沢山の人が死んだんだぞ!」

「えー?でもどうせ物語の中の話じゃないか。これでも大変なんだぜ?転生させる人は管理する現実世界から探さなきゃいけないし、いてもいなくてもいい人間を引っ張ってこなきゃいけない。バッドエンドを意外と達成できるやつって居ないんだよね。結構途中で殺されちゃうことも多いし」

 

戦兎は拳を震わせ神を見る。

 

「でも兵藤一誠は良いものを残してくれたよ」

「なに?」

 

神の言葉に戦兎が驚く。まだあいつはなにかしていたのかと。

 

「兵藤一誠が行った数々の世界。その中でも特に影響を受けた4つの世界がある。別に兵藤一誠が暴れたとかじゃないよ?そこにいただけのときもある。だがそれでも、兵藤一誠の、仮面ライダーの影響を受けた世界。本来なら仮面ライダーなんて存在しないはずなのに、存在する世界。その結果、その世界に仮面ライダーが生まれた。仮面ライダーが生まれれば、その世界の物語は大きく変わる。そこで僕は思いついたんだ。これから始まる4つの世界。それが終わった時、全てを台無しにしてやろうと。6つ目の物語は、君を含めた5つの仮面ライダーを滅ぼす物語を始めるんだ!ハッピーエンドがバッドエンドに変わる物語!これ以上にセンセーショナルな話はあるかい?まぁ、普通に単体でバッドエンドになる可能性もあるけど、それはそれで楽しめるから良いよね」

 

神がそう言った瞬間、戦兎の足場が崩れ、ゆっくり落ちていく。

 

「なっ!」

「精々楽しみに待ってなよ。6人目の仮面ライダーが、君を滅ぼすその時までね」

「ふざけんな!俺達は……仮面ライダーは負けない!お前のくだらない野望も、その6人目も!俺達は乗り越えてみせる!絶対にだ!」

 

遠くなっていく神に、戦兎はそう叫ぶ。完全に暗闇となった次の瞬間、

 

「っ!」

 

意識が覚醒し、戦兎が立ち上がる。全身が汗でびっしょりだ。何か嫌な夢を見た気もするが、覚えていない。

 

「戦兎ー!ご飯よー!」

「あ、分かったー!」

 

上から聞こえてくる母の声に、戦兎は返しながら、

 

「必ず。勝ってみせる」

 

なぜそんな言葉が出たのかわからないが、それでも戦兎は呟きながら、母の元に行くのだった。




新シリーズ!魔法科高校の劣等生 ガッチャードクロス、2024年7月7日スタート!

魔法が科学によって定義され、奇跡から常識へと変わった世界。

その世界には、ケミーと呼ばれる不思議な生物がいた。

大昔、魔法がまだ知られるよりも遥か過去、人工的に作られた生命体ケミー。

そのケミーと友達になることを目標に戦う少年。名は瀬乃 宝太郎。

仮面ライダーガッチャードとして戦う彼の運命は!

「宝太郎。急に一人で叫んでどうしたの?」
「何か悪いものでも食べた?」
「雫!?ほのか!?いやいやいや!何でも無いから!」



















そして、

「なんで。なんで戦うんですか!」
「決まってるだろ?」

絶望に世界が染まろうとも。世界でひとりぼっちになったとしても、

「大義のために」
「誓いのために」
「愛する人のために」
「愛と平和のために」
「魂と覚悟と」
「心火を燃やして戦う」
『それが仮面ライダーだ!』

そこに仮面ライダーは必ず現れる。

「誰も感謝なんかしてくれないのに」
「見返りを求めたら、それは正義とは呼べないぞ」

少年は、仮面ライダーを知る。
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