ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦「新年あけましておめでとうございまーす!」
龍「前回までのは!?」
戦「そんなことより新年一発目の投稿なんだから挨拶でしょ!という訳でお気に入り登録が100を越え、総合評価も200を越えました。誠にありがとうございます」
龍「これからもドンドン更新していきますので、よかったら楽しみにお待ちください」
戦「という訳で新年一発目の25話スタート!」


ギャスパーの受難

停止世界の邪眼(フォービドウン・バロール・ビュー)?」

「えぇ、それがギャスパーの神器(セイクリットギア)よ。能力は視界に入った有機物無機物を問わずに、時間を止めること」

 

前回引っ張り出そうとしたが、部屋の中をちょこまか逃げ回るギャスパーをどうにか捕まえたものの、結局部室で段ボールに閉じ籠ってしまい、その間に彼についての説明をしてくれた。しかし聞いただけでも凄い能力である。

 

「彼は吸血鬼と人間のハーフでね。だから本来人間にしか宿らない神器(セイクリットギア)を持ち、しかも吸血鬼の力も使える。更にデイウォーカーと呼ばれるタイプで太陽も平気なのよ。恐らくポテンシャルだけならうちの陣営でトップクラス。そのせいか神器(セイクリットギア)の力も勝手に上がっていくみたいなの。そのためか駒のビジョップも何と変異の駒(ミューテーションピース)。ただ優しすぎるのよね」

 

ようはヘタレなんですよね。と戦兎と龍誠は思ったが、わざわざ角の立たない言い方したリアスに突っ込むほど野暮じゃない。なので大人しく頷き、

 

「それでこれからどうするんですか?」

「取り敢えず神器(セイクリットギア)の制御よね。でも今のままではまたいつ暴走するかわからないし」

 

目下の課題は、神器(セイクリットギア)の扱いかと皆は頷く。まあギャスパーは未だに段ボールの中で震えてるが。

 

「でも確か部長この後サーゼクス様達と会談の準備のために祐斗や朱乃さん達と出ますよね?」

「えぇ、そうなのよ」

 

折角ギャスパーに出てもらっても、自分に時間がない。リアスがそう言うと龍誠は、

 

「なら俺が何とかしますよ!」

「え?」

 

リアスが驚く中、龍誠は胸を叩きながらギャスパーを鍛えますと言いだす。それに対してゼノヴィアまで、

 

「ふむ。なら私も手伝おう。これでも吸血鬼の相手は教会時代から慣れてる!」

 

正直に言おう……不安しかない。この二人、加減と遠慮がない。何せ筋肉バカと勢いバカの二人である。なので、

 

「戦兎。いざというときは頼むわね」

「はい」

 

リアスに頼まれ、戦兎はすぐに頷いたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ!走らないとこのデュランダルの錆びになるぞ!」

「ひぃいいいい!」

 

ギャスパーに与えられた特訓は、まずは走り込み。次に、

 

「死んでる暇はないぞ!次は腕立て伏せ!腹筋!背筋!疲れたときこそ筋トレだ!」

「うぇえええええ!」

 

休む暇なく筋トレさせられ、合間の水分補給では、

 

「な、なんですかこれは……」

「プロテインを水で溶いた奴だ!プロテインは良いぞ!何にでも合うから何にでも合わせて食べるんだ!」

 

山ほどのプロテイン水を飲まされギャスパーは既に涙目。だがこれに対して不平不満を言う元気がないのか、はたまたヘタレなのか両方か……

 

なので、

 

「サンダーボルトV3!」

『アバババババババババ!』

 

戦兎は、更なる改良を施した新型のスタンガンで、ゼノヴィアと龍誠を眠らせた。

 

「アーシア。治療だけしてやれ」

「あ、はい」

 

突然の事の一瞬呆然としていたアーシアだったが、戦兎の言葉で慌ててゼノヴィアと龍誠の治療を開始する。

 

その間に、

 

「あのバカども。ギャスパーに新たなトラウマを作らせる気かよ」

「それにしてもさっきのは?」

 

ため息を吐いていた戦兎に、小猫は聞く。なぜなら、前に見たはずのスタンガンは一般的にイメージする形状だった。だが今回は、そう言うのがない。と言うか素手でやったようにも見え、小猫が首をかしげると、

 

「これだよ」

 

戦兎はそう言って手首をクイッと捻ると、袖からシャキンとスタンガンが飛び出し、 バチバチと電流が流れて音をたてた。

 

「前作までは威力を重視した。だが今度は小型化と携行性に重点をおいたんだ。服の下に仕込めて一見分からないし、威力は変わらず。いやぁ、こんなものを作っちゃう自分の才能が恐ろしい!」

 

とまあ自画自賛しつつ、戦兎はギャスパーの近づく。

 

「さて、あのバカどもの特訓はここまでにしてだ。とにかく能力に慣れれば良いんだろ?だったら体鍛える必要はない。能力は慣れる事が一番重要なんだからな」

 

人見知りは自分で直してくれ、と言うスタンスで戦兎はボールを取り出した。

 

「俺がこれを投げる。そしてボールだけを止めるんだ。これで練習だ」

「は、はい!」

 

デュランダルもって追いかけ回されたり、筋トレ&プロテイン水地獄よりずっとマシだと判断したのか、ギャスパーは素直に戦兎の特訓を受けることを受け入れた。そう意味ではある意味バカどもの特訓も無駄じゃなかったのじゃも知れない。だが、

 

「うぉ!」

「あ……」

 

戦兎はボールを投げようと振りかぶった。だが、何とボールだけではなく戦兎の腕までとなってしまい、戦兎は驚愕の表情を浮かべながら、投げるモーションの途中で動かなくなった腕を見る。

 

「す、すみませんすみませんすみません!」

 

それを見たギャスパーは土下座でもしそうな勢いで謝ってくるが、戦兎は気にせずもう一回だと言う。

 

しかし、現実は甘くない。今度は足を止めたり、腕をまた止めたりして来たかと思えば、首から下を全部止められた時もあった。下手すると全身完全にと言うパターンもある。

 

一応何度かボールだけを止めたこともあったが、片手で数えられる程度だ。

 

だがそれでも、ボールだけを止めたときはギャスパーも嬉しいのか、にこやかな笑みを浮かべている。

 

とは言え何度やっても確率は上がる気配がない。まあ焦っても仕方ない。実験は根気が大事なんだ。

 

そう思いながら何度かやると、ギャスパーに疲れが見え始め、一旦休憩に入った。

 

ギャスパーは座り込み、そこに小猫が水を渡す。その時には龍誠とゼノヴィアも復活して、アーシアとギャスパーに謝っている。そこに、

 

「お?あれが解放された眷属か」

「匙?」

 

声がしたので振り替えると、先日同様治療中の匙が、何故かシャベルを片手に立っていた。

 

「しかも金髪ブロンドか……めっちゃ可愛いじゃん」

「男だけどな」

 

匙が鼻の下を伸ばす中、戦兎が現実を突きつけると、匙はマジで!?と眼をひんむいて見てきたので、

 

「女装が趣味だってよ」

「詐欺だろ」

 

ガックシと肩を落とす匙に、共感しつつ戦兎は、その怪我はどうしたんだと聞く。その質問に匙は、

 

「まぁ、色々あってさ。ちょっと今新しい力の特訓中と言うか、扱いきれずに反動がヤバイと言うかだな……」

「おいおい。それやめた方が良いんじゃねぇか?」

「大丈夫だって、一昨日位にようやく扱えるようになったんだ。使った後は滅茶苦茶疲れるけどな」

 

無茶してんな……戦兎はそういうと匙は苦笑いを浮かべ、

 

「仕方ねぇさ。俺だって強くならなくちゃいけない。じゃないと会長の足手まといになっちまうからよ」

 

大切な人なんだな。と戦兎は軽口のつもりで言うと、匙はボフッと顔を真っ赤にして、

 

「ととと当然だろ!?主だぜ!?お前と違って主には忠誠心を持ってるんだよ!」

 

この反応……ようはそういうことなんだろう。まあ確かにソーナも美人だ。恋心を持ってもおかしくはない。と言うか、

 

「俺結構忠誠心は高いぞ?」

『いやいやいや』

 

戦兎の言葉に匙だけじゃない。向こうにいた、グレモリー眷属の面々にまで否定された。解せない。

 

等とアホな事をしていたその時!

 

「なぁに遊んでんだ?悪魔どもはよ」

『っ!』

 

気配もなく聞こえてきた声に、皆は一斉に振り替える。そこにいた男の姿に、龍誠だけは呟く。

 

「アザゼル!?」

『なっ!?』

 

龍誠の言葉に、全員が臨戦態勢を整える。だがそんな姿に、

 

「おいおい。今日は弱いものいじめをしに来た訳じゃねぇぜ。言っておくが……俺はコカビエルより強い。所詮あいつは堕天使の幹部の中でも最弱」

「四天王の中でも的なノリで言うんじゃねぇよ」

 

戦兎の突っ込みに肩を竦めながらアザゼルは、

 

「そう言えば聖魔剣使いの奴はいねぇのか?」

「そいつなら今部長達とサーゼクス様の所に今度の会談の準備のための話し合いのために行ったよ」

 

マジかよ、つまんねえな。とアザゼルは頭を掻く。目的は祐斗だったらしいのだが、今回は居なくて良かった。

 

等と戦兎が考えているとアザゼルは、

 

「なら帰っても良いが……ちょうど良いや。おいそこのヴァンパイア。お前の神器(セイクリットギア)停止世界の邪眼(フォービドウン・バロール・ビュー)だろ?」

「な、何で見ただけで……」

 

アザゼルの言葉に、ギャスパーは全身を携帯のバイブレーション並みに震わせながら、木の影に隠れてしまう。

 

「見りゃわかんだろ。これでも神器(セイクリットギア)の研究してるんでな。それは邪神バロールに由来する神器(セイクリットギア)だ。んで、そこの悪魔は黒い龍脈(アブソーブション・ライン)か……五大竜王ヴリトラを封じて作られた神器(セイクリットギア)の一つ。これくらい常識だぜ?」

 

常識じゃねぇだろ……と皆で思ったが、そこはなにも言わない。と言うか、驚きが強いようで、匙は自分の神器(セイクリットギア)の生い立ちを知り、アザゼルと知った際に咄嗟に出した黒い龍脈(アブソーブション・ライン)を見ている。

 

「全く、自分の神器(セイクリットギア)の事を何も知らねぇのかよ。まあ悪魔は神器(セイクリットギア)の研究進んでねぇみたいだしなぁ。とは言え、普通とは全然違う使い方をしてる奴もいるみてぇだがな」

「……」

 

戦兎に眼を向けながらアザゼルは言い、戦兎はソッと胸元にしまってあるビルドドライバーに手を伸ばした。

 

「そこら辺については話したいところだが、今は良い。まずはヴァンパイアだ。まずな、停止世界の邪眼(フォービドウン・バロール・ビュー)のような五感に直結しているタイプのは、持ち主のキャパシティを上回ると暴走しやすい。だからお前の黒い龍脈(アブソーブション・ライン)神器(セイクリットギア)の力を散らしてやれ。そうすればさっきみたくボールだけを止めるなんて事もしやすくなるさ」

 

アザゼルはそう言うと、手を振りながら背を向けて帰ってしまう。

 

驚くほどあっさりと帰ってしまい、皆は肩透かしを食らった顔になり、皆で顔を見合わせるが、

 

「じゃあ……匙の神器(セイクリットギア)使ってやってみるか」

 

頼んで良いか?そう戦兎が言うと、匙は快く引き受けてくれた。本当にコイツは良い奴なのだが、良い奴過ぎてきっと後々面倒に巻き込まれるだろうな……戦兎はそう確信していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はひぃ……」

 

日が暮れてきたので、ギャスパーは部屋に戻ってきた。

 

「今日はありがとうございました……」

「ん?あぁ」

 

一緒に戻ってきた戦兎に、ギャスパーは頭を下げる。基本的に人見知りだが、礼儀自体は結構しっかりした奴だ。

 

さて、何故戦兎が一緒なのかと言うと、折角なのだから今日はギャスパーの歓迎会をやろうとなり、龍誠とアーシアにゼノヴィアは買い出しに、小猫はボールを返して、序でに鍵を返しに行った。

 

なので、ギャスパーと一緒に戻ってきたのだ。

 

匙?匙は生徒会の仕事らしい。

 

そして修行の結果だが、匙の協力の後はよく進んだ。何度か失敗したものの、それでも最初の頃と比べれば雲泥の差。いや、比べなくても体感で分かるほどだ。

 

「は、初めてでした。あんな風にちゃんと力をセーブできたのは……」

「そうなのか?」

 

ギャスパーの言葉に、戦兎が首をかしげるとギャスパーは頷き、

 

「下手すると自分以外全部止めちゃうこともあるんです。自分以外が動かなくなって、感情がなくて……一人ぼっちになっちゃったような感覚になって、まるで皆がマネキンみたいな光景はもう見たくないです」

 

自分には分からない。と言うのが正直な感覚だ。何せ自分には時を止める何て言う能力は流石にない。

 

だがギャスパーが外に出たがらないのはきっとその辺が関係してるのだろう。そんな光景を見るくらいなら人と関わらず、近寄らずに自分の殻に閉じ籠っていたい。

 

更にギャスパーの過去についてリアスから聞いていたのだが、元々ギャスパーは吸血鬼としては名家の家柄だったらしい。だが妾でしかも人間だった母を持つギャスパーは迫害の対象でしかなく、なまじ力が強かったことがそれを加速させた。

 

そしてある日そこから逃げ出したギャスパーは、ヴァンパイアハンターに殺されかけたところをリアスに救われたらしい。

 

だがビジョップの駒はギャスパーの才能を開花させ、力を制御できないものにしてしまい封印処置になった。と言話だ。

 

力が無くてもハーフヴァンパイアと言うだけで迫害の対象だっただろう。それくらいヴァンパイアと言うのは、純血と言うのに拘るらしい。だが自分で制御できないほどの力があって、将来的には純血を越えるのは確実な才能を感じさせる姿は、純血のヴァンパイア達にとっては許されざる存在だろう。

 

ある意味、力に生まれたときから振り回され、人生を歪められたといっても過言じゃない。

 

それを聞きながら戦兎は、

 

「自分の力が嫌いか?」

「正直に言えば余り……今までこの力が役に立った事がありませんでしたから。皆に迷惑をかけ続けているだけのこんな力……僕は要りませんでした」

 

そんな言葉を聞きながら、戦地は少し笑みを浮かべてギャスパーを見た。

 

「俺もな。力で失敗したことがある」

「え?」

 

戦兎の言葉に、ギャスパーはポカンとしながら顔を見る。彼が短いながらも見ていた戦兎の姿は、いつも自信たっぷりで余裕があって、聞いた限りではリアスの眷属になってからも高い実力で活躍していたと聞いた。

 

そして戦兎は更に言葉を続ける。

 

「俺の力であるビルドには封印した強化アイテムがあるんだけど、ビルドをやっと使えるようになって来た時に研究室漁ってたらそれの設計図見つけてさ。危険性とかについても書いてあったんだけどそれ読まないで作った。科学は役に立つけど危険も伴う。だから何度も実験するし、その実験も最大限の注意を払うべきだって言われてたのに……軽々しく使って龍誠を殺しかけたことがあってよ。龍誠がギリギリ解除してくれたから助かったけど、それ以来その力は使ってない。ただもっとヤバイ奴とか現れるなら……覚悟しなきゃいけないのかもしれないって最近は思っててさ」

 

恐くないんですか?ギャスパーはそう聞いてくる。それに対して戦兎は頬を掻きながら、

 

「今の龍誠も変身できるし……他にも仲間達がいる。いやまあだから絶対大丈夫っては言えないけど、これでも信用してるしな。それに今なら少し位なら制御できる気がする。最近またハザードレベルも上がったしな」

 

ハザードレベル?とギャスパーはまた首をかしげるので、戦兎はビルドの事や、ハザードレベルの説明を始める。

 

それを聞いたギャスパーは、

 

「す、凄いです!戦兎先輩そんな風に神器(セイクリットギア)を使えるなんて!」

「あぁ……うん」

 

眼をキラキラさせながら、顔を近づけるギャスパーに戦兎はどもってしまう。

 

睫毛長いし良い匂いまでする。こいつホントに男かと思い、心臓が……

 

(ってなにドキドキしとんじゃ俺はぁああああああああ!)

「せ、先輩!?」

 

突然ガンガン壁に頭を打ち付け始めた戦兎に、ギャスパーは眼を見開きながら驚愕する。

 

「なにしてんだ?」

「さぁ?」

 

謎の戦兎の奇行に、丁度部屋に入ってきた龍誠とアーシアは首を傾げたのは……まあ余談だろう。

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