ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦「突如謎の集団に教われた未来のてぇんさい物理学者のこの俺桐生戦兎は仮面ライダービルドに変身し無事解決……かと思えば何と学校でその時であった第三の集団に呼び出されるはめに!」
龍「俺も戦ったんだぞ!」
戦「あーはいはい。雑魚処理専門業者の龍誠も頑張ってましたよっと」
龍「適当すぎんだろ!」
戦「つうわけで何かまだまだゆっくりできそうもない第3話スタート!」


突然の来客

「万丈 龍誠君はいるかな?」

 

放課後、本日の授業が終わり皆が解放感に浸る中そいつらはやって来た。

 

「あぁ、万丈ならあそこに……」

 

と、なにも知るよしもないクラスメイトは素直にこちらに指を指しながら教え、戦兎と龍誠は顔を引きつらせる。

 

「ありがとう」

 

とこっちにやって来た優男は龍誠に声を掛けた。

 

「初めまして万丈 龍誠君。僕は2年の木場 祐斗。こっちは一年の塔城 小猫ちゃん。気づいてると思うけど昨日の事で話があってね。一緒に来てもらっていいかな?」

「お、おい戦兎やべぇぞ!昨日の事だってよ!」

「バカ!」

 

そこで俺に助けを求めたら俺も居たってバレるじゃねぇか!と思わず叫ぶと龍誠は俺を見捨てるのかと叫ぶ。いやそういういう訳じゃないんだけどなぁ……と戦兎が口ごもると、

 

「あ、もしかしてあの変な格好してたの君?」

「変じゃねぇよ!さいっこうにイカした格好だよ!」

 

その直後、あ……と全部言い終わってから戦兎はしまったぁ、と頭を抱える。これでは白状したも同然だ。だが今更やってしまったと後悔してももう遅い。木場からはじゃあ君も一緒に何て言われてしまうしこうなったら仕方ない。

 

と戦兎は筒のようなものを制服の胸ポケットから取り出すと、

 

「逃げるぞ龍誠!」

 

という掛け声と共に床にそれを叩きつけ、同時にボフン!と煙が起こり周りが思わず咳き込む。

 

「おい!戦兎がまた変な発明品を使ったぞ!」

「くそ煙てぇ!目もいてぇし咳もでるゲッホゲッホ!」

 

とクラスの皆が咳き込みながら口々に叫ぶ所から見るによくある事態なのだろう。だがそんなことは目もくれず戦兎と龍誠は荷物を手に教室を飛びだし階段を数段飛ばしながら駆け降りていく。

 

「お前すっげぇな!いつの間に作ったんだよ!」

「昨日あんなことあったからな。前にイタズラで作ったやつを掘り出したんだよ」

 

どんなイタズラだと突っ込まれそうだが戦兎がそう言うやつなのを知っている龍誠は追求せず別のことを聞く。

 

「で?どうすんだよこれから」

「とにかく逃げよう。それから考えれば良い」

 

じゃあ正門に行こう。と龍誠が言うと戦兎は首を横に振った。

 

「ここは相手の裏をかこう。向こうは門から出ると思ってる筈だ。だから旧校舎の方から出よう。そこから塀を乗り越えた方が多分バレない」

「よし!」

 

と二人は正門ではなく旧校舎に向けてそのまま雑木林にはいる。

 

今更だがこの学校、普段戦兎たちが通っている本校舎だけではなく旧校舎もある。こっちは雑木林を抜けた先にありほとんど誰も利用していない。殆どっていうのはオカルト研究部っていう部活が確か使っていた記憶があるからだ。

 

だがそんなのは今はどうでも良い。とにかく逃げよう。と走っていると、

 

「いやぁ、二人とも速いんだね」

『は?』

 

戦兎と龍誠は足を止めポカンと口を開く。それはそうだろう。何せ目の前には裏をかいた筈の木場 祐斗と、塔城 小猫がすでに待ち構えていたのだから。

 

「おい戦兎裏をかいたんじゃねぇのか?」

「俺もそのつもりだったんだけど……」

 

と二人がいうと木場 祐斗は苦笑いを浮かべながら、こっちも色々あるからね。と言いながらこっちにくる。

 

「逃げても無駄なのは分かって貰えたかな?という訳で一緒にきてもらうよ。危害を加えたい訳じゃないんだ。ただこれ以上強情にされるとこっちも少し本腰入れなきゃ入れなくなる」

 

その言葉に戦兎と龍誠は顔を見合わせると、ニヤッと笑いながら口を開く。

 

「やれるもんなら……」

「やってみやがれ!」

 

と、二人は走り出すと木場 祐斗に向かって拳を握って振るった。

 

「っ!」

 

それを素早い動きで回避した木場 祐斗は塔城 小猫に目配せすると、それを受けた彼女も走りだし戦兎の腕を掴む。

 

「二人がかりはズルいと思います」

「いでででででで!」

 

彼女にギュッと握られると戦兎の前腕がミキミキとあり得ない音を発し始め、戦兎の顔が苦痛に歪んでいく。

 

「戦兎!」

「君は僕とだ!」

 

と、龍誠が戦兎に助け船を出そうとしたがそこに木場 祐斗が割って入り、それを見た龍誠は拳を振るうが、それを片手で受け止められ、腕を掴まれそのまま背負い投げの要領で別方向にぶん投げられた。

 

「ちぃ!」

 

それを龍誠は受け身を取りながら立ち上がり木場 祐斗を見る。意外と線は細いが見た目以上にフィジカルが高いらしい。

 

「この!」

一方戦兎の方はこのままだと腕をへし折られそうだったので制服の上着を脱ぐようにして強引に脱出し塔城 小猫から距離をとる。しかしマジで痛かった……骨が軋む音なんてそうそう体験出来ることじゃない。

 

「逃がしません……」

 

と塔城 小猫は言うと、こっちにきて拳を振るう。それを戦兎は横に避けたが、

 

「へ?」

 

戦兎はあんぐり口を開けて目の前の光景を見る。戦兎の背後にあったのは木だ。そして彼女は背後にあった木に勢い余ってそのままぶん殴ってしまった。そこまでは良い。問題はそのあとだ。

 

なんと木には彼女の拳の形に凹み、彼女はボコッと言う音と共に拳を引き抜く。

 

「手加減失敗……」

「あっぶねぇな!完全に殺る気じゃねぇか!」

「次は加減します」

 

冗談じゃねぇ!と戦兎はポケットから昨日使った赤いウサギの模様が入ったボトルを取り出し振る。

 

「こっちも行くぜ!」

 

と龍誠もポケットに手を突っ込むとそっちは青いドラゴンの模様が入ったボトルを取り出し勢いよく振る。

 

「行くぞ!」

 

先に飛び出したのは龍誠で、ボトルを振るのをやめ、しっかりと握り締めると木場 祐斗に向けて拳を叩きつける。

 

「がっ!」

 

最初はガードするつもりだった。だが想像以上に早かったため咄嗟に防御したのだがそれがイケなかった。なんと龍誠の一撃は彼のガードごとぶち破って腹部に拳を叩き込む。

 

「いま……のは?」

 

木場 祐斗が驚く中龍誠はまたボトルを振って拳をボトルごと握り直す。

 

「おぉ!」

 

その頃戦兎もボトルを握り直すと走り出す。

 

「え?」

 

今度は塔城小猫の方が驚く番だ。なにせ突然高速移動したかと思えば戦兎が目の前に現れたのだから。

 

「よっと!」

「っ!」

 

すると戦兎はさっきのお返しと言わんばかりに小猫の腕を掴むと投げて地面に転がすとそのまま関節を極める。

 

「くっ!」

「さてこれからどうするか……え?」

 

完全に地面に転がし関節を極めた。なのにだ。塔城 小猫は極められていない方の手を地面に置くと力を込め、何と戦兎ごと片手で逆立ちし、そのまま前転の要領で戦兎を地面にぶつけようとした。

 

「く!」

 

それを戦兎は咄嗟に関節を極めるのを止めて側転で回避する。

 

「いやほんとその小さい体のどこにそんな力があるんだよ」

「小さい……」

 

小猫はそう呟くと自分の体を見る。確かに彼女は非常に小柄で、色々小さい。それは彼女の気にするところでもあったようで、

 

「小さくありません。まだ成長期が来てないだけです」

「ようはまだ小さいってことじゃねぇか」

 

と戦兎が要らんことを言うと、ぶちぃ!という効果音が付きそうな空気が塔城 小猫から漏れ、近くに合った木を掴むと彼女はそれをあっさり引き抜きこちらに向かってぶん投げてきた!しかも次々引き抜いてはぶん投げてくる……自然破壊反対なんだが。

 

「マジかよ!」

 

それを戦兎は跳んだり横に転がったり伏せたりと避けながら、

 

「加減もなにもあったもんじゃねぇ。やっぱり殺す気じゃねぇか!」

 

と戦兎が嘆くと龍誠が割って入り飛んで来た木を思いっきりぶん殴って粉砕してしまった。

 

「どうよ!俺の上腕!二頭!筋!」

「もしかして木をぶん投げたり殴って粉砕する事ってそんな珍しいことじゃないのか……」

「いや普通じゃないから安心して良いよ?」

 

と龍誠をジト眼で見ながら戦兎が言うと木場 祐斗が訂正を入れてくれる。そうだよね。普通じゃないよね。

 

「んでどうすんだよ戦兎!」

「だなぁ……」

 

こうなったら変身してボトルの力で逃げるか?と戦兎は思い内ポケットに隠し持っておいたベルトに手を伸ばそうとした次の瞬間!

 

『あびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃ!!!!!』

 

突然の光と共に落雷。戦兎と龍誠は電流が全身に走り悲鳴を上げた。そしてそれが止まると、

 

『けほっ!』

 

黒い煙を二人は吐き出しそのまま後ろにバタンと倒れそのまま意識を失う。

 

「二人とも大丈夫でしたか?」

「朱乃さん。すいません」

 

と木場 祐斗は木の影から顔を出した黒髪の女性にお礼を言うと目を回して倒れる戦兎と龍誠を見た。

 

「二人とも想像以上に強敵でした。本当に人間なんでしょうか?」

「見たところ普通の人間ですが……」

 

言いながら小猫が戦兎と龍誠を持ち上げ、

 

「とにかくこのまま部室に運んじゃいましょう」

「そうだね」

 

そんな三人はやり取りを終えるとそのままどこかに姿を消したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んん……」

 

瞼が重い。と言うか体がまだ痺れるような気がする。と言うか俺何してたんだっけ?と戦兎は微睡みの中で頭を再起動させる。

 

確か放課後に同学年の木場 祐斗と一年の塔城 小猫から逃げて喧嘩になって……そしたら急に体が痺れてそのあと記憶がない。

 

(そうだ……そもそもここどこだ?)

 

そう思った戦兎顔を上げて目も開ける。するとそこには、

 

「あら、起きたみたいね」

 

そこには紅の髪を揺らし、足を組む絶世の美女と言っても過言じゃない少女がそこにはいた。って!

 

「それ俺の!」

 

と戦兎は立ち上がるとするが体が動かない。何だと見てみれば、体が鎖で縛られている。

 

「なんで縛られて」

「だって意識戻ったらまた暴れそうだったら……」

 

悪いわね。と言いながら紅髪の少女はテーブルの上に並べていた戦兎から没収したものらしきボトルを一つ手に取る。

 

「これに掘られてるのは……タコかしら?」

「こちらはカメですわね」

「ライオン……」

「こっちなんか狼みたいですね」

 

と紅髪の少女が言うと他にも黒髪の少女に木場 祐斗や塔城 小猫までいる。やはりグルか。と言うかあの紅髪少女や黒髪少女も昨日見覚えがあった。

 

「かと思えばこれはピラミッド?時計?まぁそんなボトルが59本。そして隣の万丈 龍誠君の持ってたドラゴンのボトルで合わせて60本。更にこんな物まで……」

 

と紅髪少女が見せたのはベルトだ。戦兎は心の中で当然だと思いつつも取られていたことに舌打ちする。

 

「確か昨日はこれを腰に着けていたわよね」

「部長。危ないですわ」

 

と、腰に試しに着けてみようとしてた紅髪少女を黒髪少女は嗜める。まあそれは確かに特定の条件をクリアしてないとボトルを挿しても使えないのだが止めてもらえて助かる。死にはしないけど危ないことは危ないからね。

 

「ふわぁ……」

 

とそこに丁度龍誠も起きたようだ。コイツも少し眠そうに目を開けて周りを確認。そして、

 

「あぁ!」

 

と龍誠が突然大声をだし戦兎は目を細めながら龍誠を見る。

 

「なに叫んでんだよ」

「リアス・グレモリー先輩だ」

 

はぁ?と戦兎が何言ってんだコイツという眼で見ると龍誠が更に口を開く。

 

「隣にいるの姫島 朱乃先輩だろ?ほら、うちのクラスに松田と元浜っているだろ?」

「あぁ、あのいつも女子更衣室覗いてシバかれてる二人だろ?たしかお前の隣と斜め後ろの席の」

 

戦兎が記憶の糸を引っ張りながらそう答えると龍誠は頷いて、

 

「その二人が話してたんだよ。うちの学校の美少女ランキングとかで」

「あぁ、そういやなんか写真とかも出回ってる人がいるって……」

「そうそう。俺何回かあの二人が持ってるのを横目でみたことあってさ。それで多分間違いない」

 

と龍誠が言うと紅髪少女は口を開く。

 

「えぇ、私がリアス・グレモリーよ」

「そして私が姫島 朱乃ですわ」

 

そう言われ、龍誠がやっぱりそうだと頷く。

 

「なんか勉強出来るし運動神経も抜群で見た目も完璧って言ってた」

「しかしお前にしてはよく覚えてるな」

 

そう戦兎がいうと龍誠は若干げんなりした顔で、

 

「そりゃ毎日隣の席で聞き流してるとはいえ聞かされりゃ名前くらいはな」

 

と言われてそんなもんかと戦兎は頷く。戦兎は正直現在色事には余り関心がないためその手の話題には疎い。すると、

 

「って俺はなんで鎖で縛られてんだ!?」

「今更かよ!」

 

余りにも今更過ぎる疑問に戦兎はずっこけそうになりながら(こっちも縛られてるのであくまでに気分的にはだが)龍誠に突っ込んでるとリアス・グレモリー先輩はジト眼でこっちをみてきた。

 

「貴方達結構余裕ね」

「いやそう言うわけでは……」

 

正直現在の時点でどうやって逃げ出すかの算段立てるの必死だし。

 

ボトルは置いていけない。いや、作り直すことは可能なのだがこのボトル単体でも結構危ないのでここに放置できない。

 

ベルトなら単体では使い道はないし複製できるので命とどっちかと言われたらまだ置いていけるが……と思っていると、

 

「ま、そこまで警戒しなくて良いわ。貴方達は限り無く白だと思ってるから」

『はい?』

 

何をいってるんだ?と思っているとリアス・グレモリー先輩は更に続ける。

 

「私の名前を聞いても変な反応を示さなかったというのはこっちの事情を知らない者。ならあのはぐれの味方でもないでしょうし教会関係でもないでしょうね」

「あの……どういうことですか?」

 

と戦兎は問うと、リアス・グレモリー先輩は首をかしげ、

 

「そもそも貴方達はなんで呼び出されたと思ってるの?」

「わかりませんがどうみても怪しかったです」

「以下同文です」

 

まぁあの場に限ればあながち否定できない部分もあるけど……とリアス・グレモリー先輩は言うと姫島 朱乃先輩や木場 祐斗も困ったような表情を浮かべた。

 

「私は貴方達がぶっ飛ばした怪物を追ってきたの」

「えぇ、それは何となく想像つきました」

 

戦兎が答えるとリアス・グレモリー先輩も頷く。

 

「でも貴方達に何かしようという気はないわ」

「ホントですか?なんかこう見たやつは逃さない的なやつじゃないんですか?」

 

ここで素直に受け取るほど戦兎もバカじゃない。龍誠も疑いの眼差しだ。それに対してリアス・グレモリー先輩は流しながら答える。

 

「だってアレくらいなら何もなかったのと同じくらいに綺麗に証拠隠滅出来るしそんな状況で貴方達がいくら騒いだって問題はないわ。それにその気になれば貴方達に気づかれないように記憶消せるもの」

 

とサラッと怖いことを言われて戦兎と龍誠は背筋が冷える感覚を感じるが、表情には出さない。それを見ながらリアス・グレモリー先輩は言葉を続けた。

 

「ただそれが普通の人間ならね。ただ貴方達はあの怪物を倒した。見たところ普通の人間……いや、桐生 戦兎君。貴方は神器(セイクリットギア)を持ってるようだけどそれでもアレを倒して平然としてるというのは普通じゃないわ。貴方達は何者?なぜあそこにいたの?」

 

普通の高校生のつもりなんだけどなぁ……と戦兎と龍誠は顔を見合せながら思うがそう言って納得してもらえる空気じゃない。ただ何故いたのかは素直に答えても良いだろう。

 

「まずあそこに何故いたのかですか追われてましてね。何か変な神父風の服装の男達に怪我させられてた男の人を保護しまして」

「神父ですって!?」

「あいや……言動とか行動みるにどう考えても神父じゃないと思いますよ?銃とかライトセイバーみたいな武器使ってたので」

 

いやこれ信じてもらえねぇよな……と思いつついると教会の関係者が?とリアス・グレモリー先輩以外の三人も顔を見合わせていた。

 

「んで住宅街でやりあうわけにいかないんで使われなくなった廃工場に誘い込んで返り討ちにしたんですけどあの怪物の相手してる間にどこかいっちゃって……」

 

言えば言うほど苦しい嘘に聞こえるなと戦兎は思うがリアス・グレモリー先輩達には何か思うところがあったのか何か普通に受け入れてくれる感じだ。どういうこと?

 

「聞いても良いかしら?」

「え?はい」

 

リアス・グレモリー先輩の言葉に戦兎は頷くと、

 

「何人位いたの?」

「十人くらいですかね」

「まぁほとんど俺が倒しましたがね」

「でもリーダー格倒したのは俺でしょうが!」

「でも数は俺の方が上じゃねぇかよ!」

 

はいはい喧嘩は良いからとリアス・グレモリー先輩に宥められ、フン!と鼻を鳴らしながら二人は顔を逸らすと戦兎は相手を見た。

 

「昨日の私が見ただけの状況をみるにこれを使ったのよね」

「えぇ」

 

ベルトとボトルを持ち上げた彼女に戦兎は頷いていると、

 

「これ自体が神器(セイクリットギア)ではないみたいね……でもボトルの方からは不思議な力を感じる」

 

どうやって使うの?と聞いてきたが、それは自分にしか使えないと返す。すると、

 

「貴方結局どんな神器(セイクリットギア)を持ってるの?」

「そもそも神器(セイクリットギア)ってなんですか?」

 

昨日も何か言われたが、そもそも神器(セイクリットギア)とはなんだ?というのが戦兎の気持ちだった。全く心当たりがないのだ。

 

「自覚がないの?でもじゃあこれは……」

「なぁ戦兎。あの腕輪じゃね?」

 

戦兎の返しに悩み出してしまった彼女を横目に龍誠が口を開き、戦兎はこれ?と左腕に意識を集中させると一瞬小さく発光し現れたのは金色のバングル。それを来たリアス・グレモリー先輩は目を丸くした。

 

瓶詰め(ボトルチャージ)……確か能力はボトルを作り出して生物無生物問わず物体を封じ込めるだったはず」

「ですが先日のような力はないはずですよね?」

 

とリアス・グレモリー先輩の言葉に木場 祐斗が続くと彼女は頷く。

 

「そもそも戦闘向きの能力じゃないわ。いつから使えたの?」

「物心がついたときくらいですかね。気づいたら腕輪を出せました。そのあと色々研究して作ったのがそのボトルとそれを最大限活かすためのベルトです」

 

と戦兎がいうとリアス・グレモリー先輩はそう言うことかと目を細めた。

 

「人間の科学力もすごいわね。それでこれを使って昨日の怪物も倒したと」

「えぇ」

 

成程ね。嘘は吐いてないみたいだし良いでしょう。とリアス・グレモリー先輩は言い、そんなあっさり良いんですか?と戦兎は思わず聞いてしまう。すると彼女は笑って、

 

「だって隣の万丈 龍誠君が嘘は吐いてないって顔をしてるんだもの。彼、嘘が吐けないタイプでしょ?」

「あぁ」

 

今度はこっちが成程ねという番だ。確かに龍誠は嘘がすぐ顔に出る。そういう意味ではコイツは信用できる。だがそれをこの短いやり取りで気付くとは結構人をみる目はあるらしいなこの人。

 

「じゃあ取り敢えず尋問はここまでよ。ごめんなさいね。手荒な真似になって。でもこっちの話を少し位聞いてくれれば良かったのだけどね」

「怪しい人にはついていくなって小学生でも知ってますよ」

 

と戦兎がいっていると隣でブチッというかバキッみたいな音がして見てみると龍誠が鎖を自力で引きちぎって外していた。

 

「いやぁ、何時でも外せたんですけどど一応様子みてたんですよ」

 

と笑いながら龍誠は戦兎の鎖も腕力で引きちぎる。

 

それを見ていたリアス・グレモリー先輩達は思わず、

 

『人間?』

「一応学問の上では人間に分類されてるはずです」

 

戦兎も立ち上がりながら若干ビックリしているのだが、龍誠は鍛えてますから……とか決め顔してるし最近同じ種族かどうか怪しく思えてきたのは本音だ。

 

「あとそれ返してもらって良いですか」

「え?あぁ、良いわよ」

 

とリアス・グレモリー先輩にベルトを返して貰いボトルを取りながら木場 祐斗と塔城 小猫の方を見て、

 

「悪かったな。手間取らせて」

「ううん。こっちも怪しかったのは認めるところだからね」

「はい」

 

と戦兎の謝罪を受け入れてくれた二人に感謝しつついると、

 

「そう言えばそれって結局どうやって使うの?」

 

と若干好奇心に満ちた瞳で聞いてくるのはリアス・グレモリー先輩だ。それを見た戦兎はまぁ少し位なら良いかとベルトを腰に装着しウサギとタンクの模様が入ったボトルを取り出す。

 

「この赤いウサギの模様が入ったボトルがラビットフルボトル。こっちの青い戦車の模様が入ったボトルをタンクフルボトルって言います。そしてそれを挿して」

《ラビット!タンク!ベストマッチ!》

 

そして戦兎はレバーを回してポーズを取り、

 

「変身!」

《鋼のムーンサルト!ラビット!タンク!イェーイ!》

 

先日も変身した赤と青の姿に変わるとリアス・グレモリー先輩達から「おぉ」という声が漏れる。

 

「他にもボトルを入れ換えれば……」

《ラビット!掃除機!》

「ビルドアップ!」

 

そして今度は赤と 青緑の姿の上に青緑の方の腕には掃除機がついた姿に変わる。

 

するとそれに対して姫島 朱乃先輩が首をかしげた。

 

「今度はベストマッチって言いませんわね」

「あれは特定の相性の良いボトル同士でしか鳴りませんからね。まぁいくつかは見つけてるんですけど今日は良いでしょう」

 

そう言って戦兎は今度はドリルクラッシャーを出し、

 

「そしてこれがこのビルドの専用武器。ドリルクラッシャー。今はブレードモードですが……」

 

そう言って戦兎はドリルクラッシャーの刃先を掴んで取り外すとひっくり返して今度は刃先の方がこっちを向くように連結する。

 

「こうすればガンモードに!遠近どっちも使えるんですよ!」

 

と、戦兎はノリノリになってきたかと思うと次の瞬間!

 

『きゃあ!』

『うわぁ!』

 

何と突然それをぶっぱなしたのである。見た目以上に壁は何故か頑丈だったのが更なる不運を呼び銃弾は跳弾して全員が大慌てで伏せる。そんな中でも仮面越しにでも分かるほど戦兎はニコニコしながら、

 

「凄いですよね?ヤバいですよね?天才ですよいてぇ!」

 

ゴン!っと戦兎は後ろから龍誠にぶん殴られた。

 

「何すんだよ!」

「何すんだはこっちの台詞だ!当たったらあぶねぇだろうが!」

 

という龍誠の言葉にリアス・グレモリー先輩達もウンウンと頷き戦兎はやっちまったかなぁ……と思いながら変身を解除する。

 

「でも凄いわね。神器(セイクリットギア)を利用してるとはいえ組み合わせ方によっては応用力が高いじゃない。えぇと……何て言ったかしら?さっきの姿」

「ビルドです。造る、形成するって意味でビルド」

 

そうそう。とリアス・グレモリー先輩は言いながらいると塔城 小猫がこっちにきて、

 

「さっき変身って言ってましたよね?もしかして……」

「あ、うん。あれは仮面ライダーからね。と言うか俺的には一応仮面ライダーをモデルにしてるから正式名称は仮面ライダービルドって呼んでる」

 

というやり取りをしていると木場 祐斗がきて、

 

「仮面ライダーってあの都市伝説の?」

「あぁ、今は余り聞かなくなりなしたが、未だに正体が謎のヒーロー。やっぱこういう力が何で俺にあるのか分からないけどどうせ使えるならああいう風に使えた方がかっこいいじゃん?」

 

と戦兎は言いながらベルトを内ポケットにしまう。そんな戦兎の言葉に木場 祐斗は成程と答えた。

 

そんなときふと戦兎はある疑問を思い出す。それは、

 

「そう言えば何でリアス・グレモリー先輩達はあの怪物を追っていたんですか?」

「え?そうね……まぁ貴方達にも知る権利があるわね」

 

とリアス・グレモリー先輩は言いながらこっちを見た。

 

「あれははぐれ悪魔。まぁずいぶん好き勝手やっててね。詳しくは言わないでおくけど色々やったあげく討伐命令が出ていたの。それで追っていたの」

「何で先輩達が?」

 

と聞いたのは龍誠。まあその問いは戦兎も気になっていた内容である。すると、リアス・グレモリー先輩達は並び、

 

「だって私たちも悪魔だもの」

『え?』

 

バサッと戦兎達が呆然とする目の前で突如リアス・グレモリー先輩達の背中からコウモリのようなちょっと違うような羽根が生える。明らかに自らの意思をもって動かしている様子に二人はポカンとしている。

 

「それで二人に良い話があるのだけど」

 

そんな二人の様子をほっといたままリアス・グレモリー先輩は赤いチェスの駒のようなものを取り出した。

 

「なんですかこれ?」

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)。悪魔っていうのは出生率が低くてね。人口の減少が問題になってる。それでどうしたと思う?」

 

と言う問いに龍誠は大きな声で、

 

「外から連れてくる!」

「んなアホな」

「いえ大体合ってるわ」

 

合ってるのかよ!戦兎は突っ込むのを我慢して続きを促す。

 

「それでこの駒。これは人間を悪魔に転生させることが出来るの。勿論誰にもでこの駒を配られる訳じゃないわ。私のような上級悪魔という階級に分類される悪魔だけよ?そしてこの駒を配られた悪魔は駒を使って転生悪魔を産み出して自分の眷属を作っていくの。一度使っちゃうと取り返しつかないから慎重にはであるけどね」

 

へぇ、悪魔にも階級あるんだ。何て思ったのは余談としてつまりはだ。

 

「勧誘ですか?自分の眷属にならないかっていう」

「まぁそういうことね。ちなみに悪魔になるとこんな特典がつくわ」

 

と彼女はどこからともなく書類を見せると二人はそれをみる。

 

「い、意外と福利厚生がしっかりしてますね」

「今の時代そこもしっかりしておかないとね」

 

成程。悪魔としての通常業務やこのレーティングゲームという競技への参加等色々あるが寿命の増加や身体能力に悪魔の業務次第では給料も相当……あとは危険な仕事もあるからという旨もある。良いことばっかじゃないか。って!

 

「龍誠!なに寝てんだ!」

「俺こういう字ばっかの奴みると眠くなるんだ……知ってるだろ」

 

知ってるがダメだ起きろと戦兎は龍誠をたたき起こし改めて見る。

 

「どうかしら?二人のあの変身能力は魅力的なんだけど……」

「え?俺は変身できませんよ?」

「え?じゃあどうやって九人の相手を倒したの?」

 

そう。龍誠は変身できない。リアス・グレモリー先輩は出来ると思っていたようだがコイツはできない。ボトルは持たせてるけどな。

 

「俺の鍛えぬいた肉体です!」

「脳ミソまで筋肉に浸食させちゃってますからねぇ」

「そんな誉めんなって」

 

誉めてねぇよ!と戦兎は返しながらテーブルに置く。

 

「それで答えは出たかしら?」

 

えぇ、と戦兎は答えながらリアス・グレモリー先輩の顔をみて、

 

「お断りします」

 

そう。とリアス・グレモリー先輩は何となくそう来るだろうなぁという顔で答えた。

 

「いや条件は良いんですけど俺は人間としての生活を普通に楽しめてるのでこれ以上は余り望んでないんですよ。この力を誰かのために使いたいとは思いますがそれは別に悪魔にならなくても良いわけですしね」

「俺も人間やめるのはちょっと……」

 

と二人が言うとリアス・グレモリー先輩は優しげな笑みを浮かべて、それじゃ仕方無いわねと駒をしまう。それを見た龍誠は、

 

「結構あっさり引いてくれるんですね」

「無理矢理転生させる悪魔もいるけど私はしないわ。そもそもそんなことすれば不満をもった眷属から謀反起こされることもあるしね。なら今回のお詫びもかねてこれをあげるわ」

 

と言って渡してくれたのは魔方陣が描かれた一枚の紙だった。

 

「さっきの書類にあったとおもうけど私達の業務として召喚に応じて対価を貰う代わりに願いを叶えるってあるんだけどその簡易魔方陣を使えば一つだけ。願いを叶えて上げる。今回限りは対価無しでね。あ、でも余り無茶な要求はダメよ?」

 

じゃあその内願いが決まったら使いますねと戦兎は笑いながら自身のポケットに放り込む。

 

「おい戦兎。俺にも決めさせろよ」

「分かってるよ」

 

と言いつつ二人は立ち上がりドアに手をかけながら、

 

『それじゃあ失礼します』

「えぇ、またね」

 

そんなやり取りをして二人は部屋をあとにしたのだった。

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