戦兎「若手悪魔の会合も終わり、俺達はソーナ会長たちとの戦いに望むため、修行を開始することに」
龍誠「しかし俺たちの修行は……」
戦兎「おおっとまだ言わせない。というわけで衝撃の展開もある第31話スタートだ!」
「と言うわけで特訓内容を発表する。まずはリアス」
若手悪魔の会合から次の日、アザゼルはリアス達を集め、手元の資料を見ながら、まずはリアスを見る。
「えぇ」
「まあお前はほっといたって後数年もすれば最上級悪魔候補になれるだろうが……今強くなりたいんだろ?つうわけでお前の特訓メニューはこれだな」
そういったアザゼルは、リアスにメニュー表を渡す。それを見たリアスは目を細めた。
「余り特別な感じはしないわね」
「言ったろ?お前はほっといても強くなるし、そもそも今の時点だって十分強い。全てに置いて高水準のオールラウンダータイプなのさ。周りが異常なだけでな。だからお前は過去のレーティングゲームの記録を見てキングとしての実力をつけろ」
成程、とリアスが頷くのを見ると、アザゼルは今度は朱乃を見る。
「朱乃。お前は自分の血を受け入れろ。ライザー戦の映像を見たがなんだあれは。お前の本来の力を使えばクイーンに負けることはなかったはずだ」
「私はあんな力を使わずとも!」
「アホかお前は。これからライザー戦とは比べ物になら無い戦いも待っている。本気にならないで勝てると思うな。このままじゃお前は足手まといにしかならないぞ」
アザゼルに言い切られ、朱乃は口をつぐむ。だがアザゼルはそれを無視して、
「木場とゼノヴィアはそれぞれ剣の特訓だな。木場は
「はい」
「そして私はデュランダルだな!」
頷く祐斗の横で、ゼノヴィアが気合いを入れる中アザゼルは、
「お前のデュランダルは強力だし、聖剣という特性上悪魔には無条件で優位に立てる。だが今のお前はデュランダルを扱いきれていない。もっと特性を引き出せるようになれ」
とアザゼルは言うと、ギャスパーを見る。
「そしてギャスパー。お前はまず人見知りを直せ。お前のポテンシャルはこの面子の中でトップクラスだ。それを活かせないのはお前の性格によるところが大きい」
「は、はひぃ!」
今から既にビビりまくっているギャスパーだが、逃げ出そうとはしない。そこは誉めるべきだろう。そして今度はアーシアだ。
「アーシアの
アザゼルは肩を竦める。アーシアの優しさがというのはなんとも皮肉だ。しかしアザゼルは既に対抗策を考えているらしく、
「つうわけでアーシア。お前には癒しの力だけを飛ばす訓練をして貰う。これなら離れた味方だけを回復できるだろう。まあ回復力は劣るだろうが、有ると無いとでは大違いだ。そもそも素の回復力が高いから多少下がっても問題ない」
「が、がんばります!」
アーシアも気合い十分か。と戦兎が見ると、アザゼルは小猫を見て、
「小猫。お前も朱乃と同じだ。自分の力を受け入れろ」
「っ!」
力を受け入れる?どう言うことだ?戦兎はそう思うが、アザゼルは今度はこっちに来て、
「お前と龍誠はペアでやる。まずは戦兎と話したが、まず変身しながら戦闘だ。これでハザードレベルを上げる。あと戦兎はベストマッチを発見だな。序でに二人でやることで共鳴を起こせるってのもある。あのヴァーリをぶっ倒すほどだ。使いこなせればとんでもねぇ武器になる」
「だがどうやって戦うんだ?俺と龍誠同士で戦っても意味がないだろ?」
戦兎がそう言うと、アザゼルは上を見る。
「ああ。だから特別教師だ。来たぞ」
『え?』
ドォン!と次の瞬間戦兎と龍誠の背後に大質量の物体が降り立ち、地面が揺れる。そして背後を振り替えるとそこにいたのは……
「その昔六大龍王と呼ばれるとんでもなく強いドラゴンが六体いた。そのうち一人が悪魔に転生してな。それで今は五大龍王に変わったんだが、その悪魔に転生したドラゴン。現最上級悪魔の一角にして
「全く。サーゼクス殿の要請でなければ。貴様の頼みなど聞かんのだがな、アザゼル」
えぇえええええええ!と戦兎と龍誠は大口を開けて驚愕し、アザゼルの方に振り替える。
「まさかこの人と戦えと?」
「おう」
「滅茶苦茶強そうだぞ?」
「こいつのブレスは巨大隕石に匹敵すると言われている」
戦兎と龍誠は順番に文句を言うが、アザゼルはにっこり笑って見逃してくれない。
「安心しろ。タンニーンも加減は知ってるさ。多分な」
『今最後多分って言わなかったか!?』
ギョっと目を見開く戦兎と龍誠だったが、いきなりつまみ上げられ、
「お前達がルシファーの末裔を倒し、サーゼクス殿も期待を寄せる転生悪魔か。これからこの特訓期間ドラゴン式の特訓でビシバシ鍛えてやるから覚悟しろよ」
「あの……ドラゴン式の特訓とは?」
戦兎が恐る恐る聞くとタンニーンは口を開く。
「実戦方式でひたすら戦い続けるだ。安心しろ。死ぬ暇もないほどしごいてやる」
『い、いやだぁああああああ!』
命の危機を感じ、戦兎と龍誠はジタバタ暴れる。冥界で死ぬとか縁起でもない。だが幾ら暴れてもタンニーンの力は強く、離れられない。
「さて、リアス嬢。あそこの山を特訓に使いたいのだが良いか?」
「えぇ、構わないわ。戦兎と龍誠!頑張りなさい!」
『頑張る前に死にますぅうううう!』
戦兎と龍誠は割りとガチの悲鳴を上げるが、タンニーンは無視してそのまま飛び立つ。
「時間が惜しい。着き次第すぐに始める。それと昼夜を問わずに行うから気を緩めるなよ。敵は昼間だけ来てくれるとは限らんからな」
『助けてぇえええええええ!』
勿論二人に助けはなく、山に着いた時から地獄なんて生ぬるい特訓が始められたのだった。
「はぁ!はぁ!」
《フェニックス!掃除機!》
「これもベストマッチじゃねぇ!」
特訓開始から二日後、戦兎はフルボトルを入れ換えながらベストマッチを探しつつ走っていた。そこに後ろから龍誠も追い付く。
「戦兎来るぞ!」
「マジかよ!」
二人が振り替えると、背後から巨大な火球が飛んでくる。だが、
「こうなったらこれで良い!」
《Are you ready?》
「ビルドアップ!」
トライアルフォームである、フェニックスフルボトルと掃除機フルボトルで姿を変えた戦兎は後ろからの火球を、腕についた掃除機型の装備で吸い込み、もう一歩の腕でフェニックスフルボトルの力で逆に火球を作り出し発射する。
その火球は戦兎が吸い込んだ火球を放った本人であるタンニーンに向かって飛んでいくが、
「ふっ!」
と、息を吹き掛けただけで消された。
「そんな炎で俺を倒せると思っているのか!」
「ならこいつで!」
《ローズ!掃除機!》
これもベストマッチじゃねぇのかよ!と戦兎はやけっぱちでレバーを回して姿を変え、
「ビルドアップ!」
走り出した戦兎は、薔薇の茨のようなムチを腕から伸ばすと、タンニーンに叩きつける。しかし、ドラゴンの硬い鱗には傷はつけられず、
「効かん!」
とタンニーンの拳が飛んでくる。
「あぶねぇ!」
《Ready Go!ドラゴニックフィニッシュ!》
しかしその拳は、レバーを回して放たれた龍誠の渾身の蹴りを横から入れることでどうにか逸らし、戦兎はその間に離れる。
「出鱈目過ぎんだろ!」
「オッサンどんだけ強いんだよ!」
戦兎と龍誠がブーブー文句言うとタンニーンは頬を掻き、
「まぁ、パワーだけなら魔王級と言われるな」
「さいっあくだ……」
戦兎は肩を落とし、フルボトルを入れ換える。すると、
《ローズ!ヘリコプター!ベストマッチ!》
「ベストマッチ来たぁ!」
戦兎は下がったばかりのテンションをあげ、レバーを回す。
《Are you ready?》
「ビルドアップ!」
《情熱の扇風機! ローズコプター!イェーイ!》
「お前はどれだけ赤と緑が好きなのだ?」
新ベストマッチに、タンニーンが突っ込むが、戦兎は気にせず背中のヘリコプターのプロペラ状の武器を左手で抜くと、それが高速で回転し戦兎を空に飛ばす。そのままヘリコプターのように空を飛ぶと、そのまま右腕の茨状の部分から、先程のように伸ばすのではなく、薔薇の棘を飛ばしてタンニーンを攻撃する。
「む!」
するとタンニーンはそれを腕を払って弾き、火球を撃ってくる。だが戦兎の狙いはそこだった。火球をギリギリで避けた戦兎は素早くタンニーンの足元に着地し、レバーを回す。
《Ready Go!》
「勝利の法則は決まった!」
《ボルテックフィニッシュ!》
戦兎は、左手に着けていたプロペラ状の武器を右腕から伸ばした茨状のムチで絡め取ってそのまま高速回転させながらタンニーンの顎に突撃する。
「ぬぅ!」
「おぉおおおお!」
ガガガガガガ!と凄い音がし、火花が散る。金属ではなく、生き物の体の筈なのだが、とてもそうは思えない。そして、
「良い機転と攻撃だったが甘い!」
「がはっ!」
戦兎のボルテックフィニッシュに耐えきったタンニーンは、直後で硬直していた戦兎を叩き落とし、戦兎は地面に転がるとそのまま変身解除となってしまう。
「戦兎!」
「いっつぅ……」
戦兎は痛む体を何とか起こす。それを見たタンニーンは、
「良し、一旦休憩だ」
と言い、戦兎と龍誠は心から安堵したのだった。
「いってぇ……」
「大袈裟な。骨も折れていないし大丈夫だろう」
断じてそういう問題じゃない。戦兎はそう言うが、タンニーンに何か言ったかと聞かれると、何でもないと言う。
さて、タンニーンは確かに昼夜を問わずに襲ってくるが、休憩がない訳じゃない。勿論タンニーンの良しがでない限りは続けられるので全く気が緩められないのだが……
因みに龍誠は、近くの川原に水を汲みに行った。一応戦兎と比べれば軽傷である。まあそれでもダメージはしっかりあるのだが。
「しかしビルドか。人間は面白い物を作るのだな」
戦兎をマジマジと見ながらタンニーンは言う。この二日で分かったことだが、意外とタンニーンは見た目と違って気さくだ。いや意外とって言うのは失礼かもしれないけど。
「戦って分かったが、対策が建てにくい力だ。能力が尋常じゃない。しかもベストマッチじゃなくてボトル同士の組み合わせによってまた戦い方が変わる。完全に対策を建てるのは恐らく不可能だろうな。レーティングゲームの特性上かなり有利だ」
とは言えまだ見つかってない組み合わせはある。さっき見つけたローズコプター も含め幾つか見つけたがまだ全部じゃない。それでも色んなボトルを試すと言うのも、意外と良いようだ。色んな能力を見れるしな。
そう戦兎が思った時だ。前方から誰かが来る。それを見た時、
「龍誠?」
戦兎が呟く。だがすぐに違うと気づいた。服装が違う?そうじゃない。違うけどそこじゃなかった。持っているオーラが違う。あとは長い付き合いだからこその勘だろう。タンニーンも、すぐに似ているが違うと気づいたようだ。そしてその龍誠?は止まると。
「初めまして桐生 戦兎。後タンニーン。俺は一誠。兵藤 一誠だ。宜しく」
そう言った龍誠?改め一誠は、ニヤリと邪悪な笑みを、戦兎とタンニーンに向けるのだった。