ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

32 / 200
前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「タンニーンとの修行の中、突如現れたなぞの男。兵藤 一誠に戸惑う俺とタンニーン」
龍誠「いやぁ、一体こいつは何者なんだ?」
戦兎「なに白々しい!お前一誠だろ!」
一誠「あれ?おっかしいなぁ。俺と龍誠って完全に同じ顔なんだけどなぁ」
戦兎「んなもん見れば分かるんだよ!と言うわけで32話スタート!」
一誠「チャオ!」


兵藤 一誠

「顔だけじゃなくて名前まで似てんのかよ……」

「まあ俺も驚いたよ」

 

戦兎の呟きに、一誠は笑う。だが今の言葉でわかった。こいつは龍誠も知っていると。

 

「それで?一体なんのようだ?そもそもお前はなにもんだ?」

「ん?そうだな……君を見に来たんだよ。桐生 戦兎。全く、原作には居ないキャラとかホントは要らないんだけどさ」

 

原作?何をいっているんだ?と戦兎は困惑する。だが戦兎とは別の意味で、タンニーンは困惑していた。

 

「貴様……何者だ」

「何者って……人間?」

 

ありえんとタンニーンは呟く。どう言うことかと戦兎が尋ねると、

 

「この男のオーラ。間違いなくドライグとアルビオンのもの。何故貴様一人の体からそのオーラが漏れだしているのだ!」

「うぅん。一応抑えてるんだけど流石にこの距離じゃバレちゃうか。んじゃ、禁手化(バランスブレイク)っと」

《WelshDoragon!BalanceBreaker!》

 

一誠がまるでちょっとトイレみたいな勢いで言うと、次の瞬間彼の左手から赤い籠手のようなものが現れ、そこから全身に赤い鎧が装着される。

 

赤龍帝の鎧(ブーステット・ギア・スケイルメイル)っていってな。序でにこっちも」

 

そう言った鎧を纏った一誠の背中から、今度は白く輝く翼が生える。

 

赤龍帝の籠手(ブーステット・ギア)だけではなく白龍皇の光翼(ディバインディバイディング)だと!?」

「序でに禁手化(バランスブレイク)!」

《VanishingDragon!BalanceBreaker!》

 

それと共に真っ赤だった鎧は白いカラーリングが追加される。

 

「さぁて、何しに来たかどうかだっけ?さっき言ったように君を見に来た。どれくらい強くなったのかを見るためにね。というわけでちょっと戦おうか」

 

そう言って一誠がこちらに向かって走り出す。

 

「ちっ!」

《ラビット!タンク!ベストマッチ!Are you ready?》

「変身!」

 

戦兎は咄嗟に変身し、防御しようとするが、

 

「触るな!避けろ!」

「っ!」

 

タンニーンの怒号に、戦兎は咄嗟に避けた。そしてその言葉の意味を知る。何故なら、先程まであった木々。しかし、戦兎が避けた後その木々達は跡形もなく吹き飛んだのだ。

 

「良い判断だな。タンニーン」

 

一誠はそういうが、タンニーンは戦兎の横に立ち構える。

 

「気を付けろ戦兎。パワーも凄まじいが本気じゃない」

「え?」

赤龍帝の籠手(ブーステット・ギア)の能力は十秒毎に力を倍加させること。だが禁手(バランスブレイカー)に至っていれば十秒毎にという制限はない。そして白龍皇の光翼(ディバインディバイディング)は触れた相手の力を十秒毎に半減させる」

 

どうせその制約も禁手(バランスブレイカー)状態ではないんだろと戦兎はため息を吐く。聞いただけでも厄介な能力だ。だが一誠は笑い声を漏らす。

 

「ふむ。折角見に来たのに逃げ回られてもつまらないな。ちょっと足止めするか」

 

そう言って一誠が手を上げると、突如そこに落雷が落ちる。

 

「なんだっ!?」

「くっ!」

 

二人がそれを避けるが、

 

「今度はこれだ!」

 

一誠は腕を振るうと同時に、黒く蠢く化け物が生まれ、襲い掛かってくる。

 

「まさか今度は煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)か!?」

 

襲い掛かる魔獣を薙ぎ払い、降ってくる落雷を避けながらタンニーンが叫ぶと、

 

「正解!流石だなホントに」

 

そう言いながら一誠は戦兎に近寄る。

 

「この!」

 

それを迎撃すべく飛び上がって魔獣から距離を取った戦兎はドリルクラッシャーをガンモードにして向けた。だが次の瞬間!

 

「嘘だろ!?」

 

突如ドリルクラッシャーは動作不良を起こし、煙を吹いた。メンテナンスは欠かしてないし、今までこんなことはなかった。なのに壊れたのだ。

 

究極の羯磨(テロス・カルマ)っていう奴の力でね!」

《Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!》

 

走りながら、一誠の右腕から音声が鳴り……

 

「オラァ!」

「がはぁ!」

 

バキィ!と一誠の拳により戦兎のビルドのアーマーにヒビが入り、後方に大きく吹っ飛ぶ。

 

「ふむ。ハザードレベル3.9か……まだまだだなぁ」

「俺のハザードレベルを?」

 

戦兎はふらつきながら立ち上がるが、一誠の言葉に再度困惑する。

 

「俺の固有の能力の一つでね。見ただけで相手の強さがおおよそ分かる。ただ細かい数値的なのは触れないと流石にわからないけどな。おっと!」

 

余裕をかましていた一誠に向け、タンニーンは火球を吐く。だがそれを一誠は飛んで避けると、

 

「んじゃ次はこれやってみようかな」

 

一誠はそういうと空中で体勢を変え、手をかざす。

 

魔剣創造(ソード・バース)聖剣創造(ブレード・ブラック・スミス)を作って混ぜて禁手化(バランスブレイク)すれば……出来た。双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)!」

「は?」

 

戦兎は一誠が何を言っているのか理解できなかった。だが空を飛んでいた一誠の手に握られているのは……

 

「聖魔剣?」

「そう、聖魔剣だ。聖剣と魔剣の特性を持ってて、原作でも木場は後々聖剣創造(ブレード・ブラック・スミス)使えるようになるからな。だから魔剣創造(ソード・バース)聖剣創造(ブレード・ブラック・スミス)作って禁手化(バランスブレイク)させれば行けるかと思ってやってみたんだけど行けるな。それと言っとくけど木場祐斗のより切れるぜ?あ、序でにドラゴンスレイヤーの力も付与しとこう」

 

そう言って力を込めた一誠は、聖魔剣を空中に無数に作り出し、

 

「ほらタンニーン。聖剣の特性とドラゴンスレイヤーの力だ。喰らったらただじゃすまないぞ」

「舐めるな!」

 

タンニーンは飛んでくる聖魔剣を腕を振った風圧や炎で迎撃するが、

 

「ぐぅ!」

 

何振りか当たる。だが一発でも十分危険な聖魔剣を、数発とは言え当たれば命に関わる。だが下手に自分が割って入っても意味はない。そう判断した戦兎は、

 

《Ready Go!》

「ん?」

《ボルテックフィニッシュ!》

 

レバーを回した戦兎は、グラフを出さずに飛び上がると、右足にエネルギーを集めて蹴りを放つ。

 

「うぉ!」

 

咄嗟に一誠は片腕で抑えるが、戦兎は更に蹴りを押し込むべく力を込める。しかし、

 

《Divide!》

「なんだっ!?」

 

突如戦兎の体から力が抜け、キックの力が弱まる。それを一誠は強引に弾き返した。

 

「ぐっ!」

 

地面を転がり、戦兎は立ち上がろうとするが、力が入らない。

 

「ふむ。まあまだ弱いけど良い調子で成長してるか」

「貴様……本当に何者なんだ」

 

一誠がそう呟くが、タンニーンは虫の息で問う。すると一誠は、

 

「そうだな。俺は13の神滅具(ロンギヌス)と、個人的な能力の一つである、名前と能力を知っていれば神滅具(ロンギヌス)以外ならどんな神器(セイクリットギア)でも複製出来る神器創造(セイクリットクリエイター)。そして無限の才能を持つ人間、兵藤一誠さ」

 

そう言いながら、一誠の体を霧のようなものが包んでいく。

 

「桐生 戦兎、それにここには居ないけど万丈 龍誠には強くなってもらわなくちゃいけなくてね。なにせ……」

 

俺の計画に必要な大切な駒だ。そう言った一誠はこちらに手をかざす同時に、薄緑色の光が発せられ、こちらのダメージが治っていきタンニーンは立ち上がれるほどまで回復した。

 

「それじゃ。チャオ」

 

最後にそう言った一誠は、そのまま姿を消し、何処かへ行ってしまう。それを見送るしかできなかった戦兎は、変身を解除し座り込んでしまう。

 

「大丈夫なのか?」

「うむ……怪我だけではない。スタミナまでか」

 

今のは恐らくアーシアの聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)か?だがスタミナまでは回復しなかったはずだ。

 

「と言うかあいつの言葉を信じるなら神滅具(ロンギヌス)神器(セイクリットギア)を多数持ってる奴ってことか?」

 

持っていると言うか、名前と能力さえ分かれば作れると言う意味が分からん能力の恩恵だろうが。

 

「少なくとも神滅具(ロンギヌス)を複数持っていたというには事実だ。神滅具(ロンギヌス)の存在が確認されなくなっていたがまさかあいつが……」

 

そういうタンニーンに、戦兎が頷くと、

 

「おぉい!」

『っ!』

 

背後から聞こえてきた声に、戦兎とタンニーンは体を強張らせながら振り替える。そこにいたのは、

 

「聞いてくれよ戦兎!オッサン!今水汲みにいってたらなんか急に霧が出て来て道に迷ってさぁ!大変だったぞ!」

『……』

 

なんだ龍誠かと戦兎とタンニーンは額を拭く。見れば分かるが、突然声を掛けられるとビビる。

 

「ん?どうしたんだ二人とも?」

「あぁ……」

 

戦兎は龍誠に説明しながら、まず神滅具(ロンギヌス)等の神器(セイクリットギア)は一人一つが原則なのに、複数持ってる理由。何より龍誠と同じ顔なのも偶然ではないだろう。

 

(あいつは一体何者なんだ……)

 

等と、そんなことを考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ。結構最後のキックは痛かったかな?」

 

腕をプラプラしながら、一誠は道を歩く。

 

だがまだあれでは足りない。戦兎にも龍誠にももっと強くなってもらわなくてはならない。

 

全ては自分の夢のために。

 

「期待してるぞ。二人とも」

 

背筋が冷たくなるような声音を発しながら、一誠は懐からあるものを取り出す。

 

「既に種は巻き終わってる。他の連中も芽吹いた。後はぶつかり合うだけ。まあ原作通りに進めば問題はない。そうして……」

 

せめて次はこれを使いたくなる程度には強くなってくれよ?とチュッと一誠は手に持ったビルドドライバー……いや、戦兎達が使うものとは違い、赤と青と黄色と言う派手な色で彩られたビルドドライバーに似た物にキスして、楽しそうに笑うのだった。




今回明かされた兵藤一誠の能力。

13の神滅具(ロンギヌス)を所有し使える。
見た相手の強さが分かる(触れば数値として理解できる)
名前と能力さえ分かればどんな神器(セイクリットギア)でも作れる。
無限の才能(これのお陰で神器(セイクリットギア)でもを作った場合に瞬時に禁手(バランスブレイカー)に至れる)
ビルドドライバーに似た物を持っている(多分なにかわかっちゃうよね)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。