戦兎「タンニーンとの修行の中、突如現れたなぞの男。兵藤 一誠に戸惑う俺とタンニーン」
龍誠「いやぁ、一体こいつは何者なんだ?」
戦兎「なに白々しい!お前一誠だろ!」
一誠「あれ?おっかしいなぁ。俺と龍誠って完全に同じ顔なんだけどなぁ」
戦兎「んなもん見れば分かるんだよ!と言うわけで32話スタート!」
一誠「チャオ!」
「顔だけじゃなくて名前まで似てんのかよ……」
「まあ俺も驚いたよ」
戦兎の呟きに、一誠は笑う。だが今の言葉でわかった。こいつは龍誠も知っていると。
「それで?一体なんのようだ?そもそもお前はなにもんだ?」
「ん?そうだな……君を見に来たんだよ。桐生 戦兎。全く、原作には居ないキャラとかホントは要らないんだけどさ」
原作?何をいっているんだ?と戦兎は困惑する。だが戦兎とは別の意味で、タンニーンは困惑していた。
「貴様……何者だ」
「何者って……人間?」
ありえんとタンニーンは呟く。どう言うことかと戦兎が尋ねると、
「この男のオーラ。間違いなくドライグとアルビオンのもの。何故貴様一人の体からそのオーラが漏れだしているのだ!」
「うぅん。一応抑えてるんだけど流石にこの距離じゃバレちゃうか。んじゃ、
《WelshDoragon!BalanceBreaker!》
一誠がまるでちょっとトイレみたいな勢いで言うと、次の瞬間彼の左手から赤い籠手のようなものが現れ、そこから全身に赤い鎧が装着される。
「
そう言った鎧を纏った一誠の背中から、今度は白く輝く翼が生える。
「
「序でに
《VanishingDragon!BalanceBreaker!》
それと共に真っ赤だった鎧は白いカラーリングが追加される。
「さぁて、何しに来たかどうかだっけ?さっき言ったように君を見に来た。どれくらい強くなったのかを見るためにね。というわけでちょっと戦おうか」
そう言って一誠がこちらに向かって走り出す。
「ちっ!」
《ラビット!タンク!ベストマッチ!Are you ready?》
「変身!」
戦兎は咄嗟に変身し、防御しようとするが、
「触るな!避けろ!」
「っ!」
タンニーンの怒号に、戦兎は咄嗟に避けた。そしてその言葉の意味を知る。何故なら、先程まであった木々。しかし、戦兎が避けた後その木々達は跡形もなく吹き飛んだのだ。
「良い判断だな。タンニーン」
一誠はそういうが、タンニーンは戦兎の横に立ち構える。
「気を付けろ戦兎。パワーも凄まじいが本気じゃない」
「え?」
「
どうせその制約も
「ふむ。折角見に来たのに逃げ回られてもつまらないな。ちょっと足止めするか」
そう言って一誠が手を上げると、突如そこに落雷が落ちる。
「なんだっ!?」
「くっ!」
二人がそれを避けるが、
「今度はこれだ!」
一誠は腕を振るうと同時に、黒く蠢く化け物が生まれ、襲い掛かってくる。
「まさか今度は
襲い掛かる魔獣を薙ぎ払い、降ってくる落雷を避けながらタンニーンが叫ぶと、
「正解!流石だなホントに」
そう言いながら一誠は戦兎に近寄る。
「この!」
それを迎撃すべく飛び上がって魔獣から距離を取った戦兎はドリルクラッシャーをガンモードにして向けた。だが次の瞬間!
「嘘だろ!?」
突如ドリルクラッシャーは動作不良を起こし、煙を吹いた。メンテナンスは欠かしてないし、今までこんなことはなかった。なのに壊れたのだ。
「
《Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!》
走りながら、一誠の右腕から音声が鳴り……
「オラァ!」
「がはぁ!」
バキィ!と一誠の拳により戦兎のビルドのアーマーにヒビが入り、後方に大きく吹っ飛ぶ。
「ふむ。ハザードレベル3.9か……まだまだだなぁ」
「俺のハザードレベルを?」
戦兎はふらつきながら立ち上がるが、一誠の言葉に再度困惑する。
「俺の固有の能力の一つでね。見ただけで相手の強さがおおよそ分かる。ただ細かい数値的なのは触れないと流石にわからないけどな。おっと!」
余裕をかましていた一誠に向け、タンニーンは火球を吐く。だがそれを一誠は飛んで避けると、
「んじゃ次はこれやってみようかな」
一誠はそういうと空中で体勢を変え、手をかざす。
「
「は?」
戦兎は一誠が何を言っているのか理解できなかった。だが空を飛んでいた一誠の手に握られているのは……
「聖魔剣?」
「そう、聖魔剣だ。聖剣と魔剣の特性を持ってて、原作でも木場は後々
そう言って力を込めた一誠は、聖魔剣を空中に無数に作り出し、
「ほらタンニーン。聖剣の特性とドラゴンスレイヤーの力だ。喰らったらただじゃすまないぞ」
「舐めるな!」
タンニーンは飛んでくる聖魔剣を腕を振った風圧や炎で迎撃するが、
「ぐぅ!」
何振りか当たる。だが一発でも十分危険な聖魔剣を、数発とは言え当たれば命に関わる。だが下手に自分が割って入っても意味はない。そう判断した戦兎は、
《Ready Go!》
「ん?」
《ボルテックフィニッシュ!》
レバーを回した戦兎は、グラフを出さずに飛び上がると、右足にエネルギーを集めて蹴りを放つ。
「うぉ!」
咄嗟に一誠は片腕で抑えるが、戦兎は更に蹴りを押し込むべく力を込める。しかし、
《Divide!》
「なんだっ!?」
突如戦兎の体から力が抜け、キックの力が弱まる。それを一誠は強引に弾き返した。
「ぐっ!」
地面を転がり、戦兎は立ち上がろうとするが、力が入らない。
「ふむ。まあまだ弱いけど良い調子で成長してるか」
「貴様……本当に何者なんだ」
一誠がそう呟くが、タンニーンは虫の息で問う。すると一誠は、
「そうだな。俺は13の
そう言いながら、一誠の体を霧のようなものが包んでいく。
「桐生 戦兎、それにここには居ないけど万丈 龍誠には強くなってもらわなくちゃいけなくてね。なにせ……」
俺の計画に必要な大切な駒だ。そう言った一誠はこちらに手をかざす同時に、薄緑色の光が発せられ、こちらのダメージが治っていきタンニーンは立ち上がれるほどまで回復した。
「それじゃ。チャオ」
最後にそう言った一誠は、そのまま姿を消し、何処かへ行ってしまう。それを見送るしかできなかった戦兎は、変身を解除し座り込んでしまう。
「大丈夫なのか?」
「うむ……怪我だけではない。スタミナまでか」
今のは恐らくアーシアの
「と言うかあいつの言葉を信じるなら
持っていると言うか、名前と能力さえ分かれば作れると言う意味が分からん能力の恩恵だろうが。
「少なくとも
そういうタンニーンに、戦兎が頷くと、
「おぉい!」
『っ!』
背後から聞こえてきた声に、戦兎とタンニーンは体を強張らせながら振り替える。そこにいたのは、
「聞いてくれよ戦兎!オッサン!今水汲みにいってたらなんか急に霧が出て来て道に迷ってさぁ!大変だったぞ!」
『……』
なんだ龍誠かと戦兎とタンニーンは額を拭く。見れば分かるが、突然声を掛けられるとビビる。
「ん?どうしたんだ二人とも?」
「あぁ……」
戦兎は龍誠に説明しながら、まず
(あいつは一体何者なんだ……)
等と、そんなことを考えていた。
「ふむ。結構最後のキックは痛かったかな?」
腕をプラプラしながら、一誠は道を歩く。
だがまだあれでは足りない。戦兎にも龍誠にももっと強くなってもらわなくてはならない。
全ては自分の夢のために。
「期待してるぞ。二人とも」
背筋が冷たくなるような声音を発しながら、一誠は懐からあるものを取り出す。
「既に種は巻き終わってる。他の連中も芽吹いた。後はぶつかり合うだけ。まあ原作通りに進めば問題はない。そうして……」
せめて次はこれを使いたくなる程度には強くなってくれよ?とチュッと一誠は手に持ったビルドドライバー……いや、戦兎達が使うものとは違い、赤と青と黄色と言う派手な色で彩られたビルドドライバーに似た物にキスして、楽しそうに笑うのだった。
今回明かされた兵藤一誠の能力。
13の
見た相手の強さが分かる(触れば数値として理解できる)
名前と能力さえ分かればどんな
無限の才能(これのお陰で
ビルドドライバーに似た物を持っている(多分なにかわかっちゃうよね)