戦兎「ロキの突然の襲撃も無事退け、ヴァーリ達と共同戦線を張ることになった俺たちだが……」
ヴァーリ「戦兎ぉおおお!何がそっくりだぁあああ本人じゃねぇええかぁあああああ!」
戦兎「ほら、美空のセーラー服姿の写真だ」
ヴァーリ「ふぉぉおおおおおお!ありがとうございます義兄さん!」
戦兎「誰が義兄さんだ!さらっととんでもないこと言ってんじゃないよ!」
龍誠「そんなわけで54話始まるよ~」
「つうわけで……だ。今のうちにお前らには話しておく事がある」
ヴァーリの暴走が止まり、取り敢えず龍誠に美空を家へ送って行き、そのついでに飲み物などを買ってこい、と言って何故か追い出したアザゼルは、端末から画面を開いて壁にプロジェクターのように画面を写すとそこには、
「龍誠の検査結果?」
「あぁ、ロキの時だけじゃない。お前らが見たディオドラの時の暴走もだ。それがなんなのか取り敢えず検査を行ったんだ。その結果が漸く届いたんでな。取り敢えずお前らにも知っておいてもらいたくてよ」
そう言ってアザゼルは端末を操作しながら言う。それは、
「結論から言う。龍誠は人間じゃない。いや悪魔に転生したからだとかじゃなく、恐らく元から人間じゃない」
『っ!』
その場の全員が驚き息を呑む中、アザゼルは更に続け、
「厳密には八割程度は人間だった。だが残り二割……これはドラゴンの体組織だ。謂わばあいつは限りなく人間に近い、人間ベースの人型ドラゴンってところだな。そして更に驚きなのが……」
そう言ってアザゼルが見せたのは、兵藤一誠の写真で、
「こいつの心臓を俺がぶち抜いた時に取っておいた血液から検査したらだ……龍誠とほぼ100%同一人物だと検査結果が出た」
「龍誠と同じ?」
あぁ、とアザゼルはリアスに頷く。
「基本的に似てる相手でも同じってのはあり得ない。一卵性の双子でもねぇ限りはな」
「じゃあ、あの兵藤一誠は龍誠君の兄弟なんですか?」
いや、そう簡単でもねぇかもしれない。そうアザゼルは言う。
「ただ似てるにしてはなにかが変だ。何か違和感がぬぐえない」
そう言いながらアザゼルは、更に言葉を続け、
「だが、恐らく龍誠がポーンの駒四つでしかも
それにとアザゼルは匙を見て、
「匙、お前の左腕のも夏休みのレーティングゲームで龍誠と戦兎の血を奪っただろ?恐らくその時に龍誠のドラゴンの力に触れた……ってところだ」
そうしてアザゼルは端末を閉じると、
「なぜ龍誠がドラゴンの力を持っているのか、それは分からないがロキに有効打を与えたって言うのは今回の戦いにおいては有利だ。まあそれを自在に扱えていない感じだがな」
と言っているところに、
「たっだいま~!」
ガチャガチャとお菓子やら何やらを買い込んだ龍誠が戻ってきた。思わず皆でドタバタと、それぞれの立ち位置に戻ってにっこり笑顔。
「どうした?皆揃って笑ったりなんかして」
龍誠は首を傾げながら、荷物をテーブルの上に置いている間に、
「お前ら良いか?いきなりお前人間じゃなかったぞ何て言ったらショック受けるかもしれないからな。オブラートに包みつつだな」
とアザゼルが皆に言い、それに皆が頷く中一人だけ、
「おい龍誠」
「ん?あぁ戦兎、お前もラーメン食う?」
戦兎は、カップラーメンにお湯を淹れている龍誠の下に行くと、
「お前が悪魔に転生する前から人間じゃなかったんだってよ」
「……は?」
おまえぇえええええ!と戦兎は全員からフルボッコ。リアスからは、
「戦兎!貴方にはデリカシーがないわけ!?」
「だってどうせ後でバラすんだからさっさと言った方が早いじゃないですか」
それでもタイミングってものがあるでしょ!とリアスは怒る。だがそれより龍誠は、
「人間じゃないってどういうことですか?」
その問いにアザゼルは少し息をついてから、
「つまりだな」
そう切り出して説明していく。包み隠さず、全て説明し終えると、
「俺って人間じゃなかったのか……」
と龍誠は少なからず動揺している。だが戦兎は、
「お前そもそも自分を人間だと思ってたのか?」
『……は?』
龍誠どころか、他の面々もポカンと戦兎を見る。その中、
「お前な、どこの世界に素手で鎖を引きちぎるわ、力加減ミスってドアノブ引っこ抜くわ、車に引かれて五メートル位吹っ飛んでもビクともしない人間がいるんだよ。寧ろ人間じゃなくて普通でしょうが」
「う……」
龍誠は思わず視線を逸らす。だが戦兎は少し息をついてから続けて、
「お前がなにもんだろうと関係ない。お前は俺の親友で、部長の眷属で仮面ライダークローズこと万丈 龍誠だ。それが確定してれば充分でしょうが」
つうか馬鹿がムダにしんみりしてたら余計に空気重たくなるわ、と戦兎が締め、なにを!と龍誠はいつもの調子で怒る。そして、
「んじゃ、俺はヴァーリと匙のスクラッシュドライバーのメンテナンスするんで、一回家に戻りますわ」
そう言い残し、戦兎は部屋を出ていったのだった。
「……」
自宅地下の研究室にてカチカチとパソコンを弄り、戦兎は解体したスクラッシュドライバーに異常がないかを確認する。少し部品の噛み合わせが甘くなっていたが、大きく損傷はしていないようだ。これはヴァーリのものなので、匙と違って定期的にメンテナンスができない分、こう言うときにしておかないと、ロキとの戦いの時にぶっ壊れるというシャレにならない事態になってしまいかねない。何て思っていると、
「優しいのね」
「っ!」
突然背後から声をかけられ、戦兎が慌てて振り替えるとそこには、
「黒歌!?」
胸元をはだけさせた黒い着物の猫耳少女こと、黒歌が立っている。戦兎は咄嗟にビルドドライバーを手に取ろうとするが、
「待ってよ。戦いにきたわけじゃないわ」
「なに?」
と制されてしまい、戦兎は警戒しながらも取り敢えず戦いの準備は止める。
「アンタって意外とお人好しよね。この間も思ったけど」
「何か問題あるのかよ?」
戦兎がそう言うと黒歌は笑って、
「別に?ただ私は基本的に科学者とか研究者ってタイプの人間は信用してなかったのよ。ただアンタは違ったからね」
「……」
少し昔を思い出したような顔の黒歌に、戦兎は眉を寄せる。とは言え、ほんとにこれだけを言いにきたのか?
「なにか用事あるんじゃねぇのかよ」
「そうねぇ……あ、そうだ。白音とはどこまでヤったの?」
はぁ!?と突然の黒歌の問い掛けに戦兎は仰天して目を見開く。そんな戦兎の様子に黒歌はケラケラ笑いながら、
「もうキスくらいはしたでしょ?となるとやっぱり……挿入した?」
と黒歌は片方の手で丸を作って、もう一方の指で出し入れするジェスチャーをしてくる。女がなんつう事をしてるんだと戦兎はため息を吐きつつ、
「アホか。俺と塔城はそんなんじゃねぇよ。アイツに女を感じるほど節操無しじゃない。俺はもっと大人びた女が好きなんだ」
「えぇ~。でもでも白音って大きくなったら絶対美人よ?」
なんでそんなこと言えんだよ……と戦兎がまたため息を吐くと黒歌は、
「だって私の妹にゃん」
「……」
グイッと胸元を押し上げるようにしてくる黒歌に、ソッと視線を逸らす戦兎。そんな戦兎に、
「ほらほらみてよ、こう見えてもスタイルには自信あるの」
そりゃそうだろう。と戦兎は内心呟く。スタイルだけなら黒歌はリアス達にも劣らない。顔もまあ良いし?
そして露出もまぁ中々アレな服装なので、正直下手に意識すると目のやり場に困る。
そんな戦兎の様子に黒歌は、
「アンタそんだけ整った顔してて女性経験皆無なのね」
「は、はぁ!?そんなことねぇし!もう女からモテモテで毎日アホほど告白をすいません見栄張りました……」
言ってて虚しくなった。そして悲しくなった。
寧ろ女子から避けられてるわ。そう戦兎が言うと、
「まあ確かに残念さがにじみ出てるイケメンだしね」
「おい」
滅茶苦茶失礼な物言いの黒歌に、思わず突っ込みを入れる。すると、
「なに……してるんですか?」
『ん?』
またもや声をかけられ、振り替えるとそこにいたのは、随分と不機嫌そうな表情をした小猫がいた。
さて今の光景だが、黒歌は未だに自分の胸元を持ち上げ戦兎に見せつけるような体勢だ。これは……余り宜しい光景ではない。
だが黒歌はそれはもう楽しそうにニンマリ笑うと、
「やぁん、白音ったら。今私達お・と・な・の男女の会話を楽しんでたのよ?」
「なにいってむぐぅ!」
突然とんでもない事を言い出した黒歌に、戦兎は抗議しようとする。だがそれよりも早く黒歌は戦兎の顔を自分の胸元に抱き寄せてしまい、
「ふふん」
と余裕の笑み。戦兎も必死で抵抗するが、意外と力が強いのか振りほどけない。と言うかクラクラするほど女性特有の良い匂いがする……
そんな光景に、小猫の中で何かがキレて、
「今すぐ、戦兎先輩から離れてください」
「えぇ~。やだ」
と黒歌が言った瞬間、小猫は黒歌に向けて手を伸ばす。手を伸ばすと言うか殆ど張り手か掌底みたいな勢いで放たれたそれを、
「ひらり」
「うごっ!」
あ……と小猫が声を漏らす。なにせ小猫の一撃は、黒歌が華麗に回避したせいで、戦兎の腹と言うか鳩尾に決まってそのまま戦兎が膝をつく。そして黒歌はと言うと、
「アデュー」
そう言い残してそのまま逃げ出し、小猫は慌てて戦兎に駆け寄った。
「す、すいません!大丈夫ですか!?」
「いや、大丈夫……」
少し苦しそうな声を漏らしつつも、大丈夫だと立ち上がる。だが小猫はしょんぼりしながら俯いてしまう。そんな彼女に戦兎は、
「ったく、気にすんなよ。事故だろ」
と言って気にしていないと言う。すると小猫は、
「それで……何の話だったんですか?」
「は?」
「姉さまと何の話をしてたんですか?」
別に大したもんは話してないぞ?と戦兎は言う。勿論どこまでヤったの?って辺りは言えるわけがないので、適当に誤魔化すが、
「言えない内容なんですか?」
「そう言う訳じゃないんだけど……」
容赦なく問い詰めてくる小猫に、戦兎はタジタジになってしまう。そんな中、小猫はフンフンと戦兎の体に顔を近づけて鼻を動かすと、
「姉さまの匂い……」
「そ、そりゃまあ」
そんなすぐ匂いなんて付くものなのか?と思いつつも答えると、
「と、塔城?」
戦兎が戸惑うのも無理はない。小猫は突然戦兎に抱きつくと、グリグリと顔を擦り合わせてきたのだ。
いつの間にか猫耳と尻尾まで出て、ひとしきり頬ずりすると、満足げな顔をした。
因みに猫には自分の所有物や飼い主に対して愛情表現や、自分のものだと分かるように匂いをつける。更にこういった行為をするのは猫に限らないのだが、共通して自分のものと思っているものに他の匂いが付くのを嫌がる。
まあ要は小猫は黒歌の匂いがついているのが嫌で、嫉妬しているだけなのだが、戦兎は未来の天才物理学者であって、生物学者ではないので行動の意味がわからず、ずっと困惑していたのだが、まあそれは別の話。
何とかギリギリ新元号初日に投稿完了……新元号になっても変わらず頑張りますよ~。