戦兎「本郷さんを助け、どうにかキメラから逃げ出した俺たちは、キメラとの対抗策を考える事に」
小猫「それにしてもなんか今回と良い前回と良い戦兎先輩テンション高めですよね?」
戦兎「まぁほら、伝説の男とあったらねぇ?とまあそんな感じの60話スタートです!」
「……」
本郷がベランダから外を見ていた。結局戦兎達に運ばれて後に意識は取り戻した。だが、
「想像以上に弱くなっていたか」
自分の手を見て呟く。目覚めてから震えが取れない。それをグッと手を握って気にしないことにする。
一方階下では、
「もう!帰ってきたら皆ボロボロだからビックリしたわ」
と言うのは、近所の教会のイベントだかなにかで泊まり掛けで行っていたのを、連絡により大急ぎで帰ってきたイリナだ。
「しかしショッカーね。面倒なことしてくれるぜ」
「全くですね」
そうさっきまで可愛い女の子がいる店で飲んでいたが、朱乃が見つけ出して強制連行されたアザゼルに、さっき緊急収集を掛けられ慌てて眷属と一緒に駆け付けたソーナである。
そして、
「そんなヤベェのか?」
「まぁな」
と匙と戦兎は話す。正直今のままでキメラに勝つ自信はない。ハザードトリガーを使っても、弱ったといわれる本郷にすら勝つ自信がない。なのにそれ以上のあいつをか。となると何か策がいる。
とは言えだ。ショッカーの改造人間に詳しいのなんて一人しかいない。そう思い戦兎は足を踏み出す。そして上の階のベランダまで来ると、
「本郷さん」
「あぁ、君か」
戦兎は後ろから本郷に声を掛けると、相手は振り替えった。
「どうしたんだ?」
「キメラについてなんですが……」
戦兎の言葉に、本郷は顔を伏せる。
「あぁ、どうかしたのか?」
「アイツに勝つ方法なんですけど……」
そう切りされた話題に、本郷は難しい顔をした。
「強かった。今まで戦った改造人間で一番だ。正直勝つ自信がないな」
「そうなんですけど、なんか改造人間に弱点って無いんですか?」
戦兎の問いに、本郷は腕を組んで考える。そこに戦兎は更に、
「本郷さんも弱点がないわけではないでしょう?」
「私の弱点か……」
そんな戦兎の言葉に、本郷はふと何かに思い至る。
「待てよ、アイツも私と元が同じ改造ならば」
「何か思い付いたんですか?」
本郷が何か思い付いたのを察した戦兎は、本郷に問うと頷きを返された。そして、
「まずはな」
と説明を受ける。スラスラと説明を続け、最後に本郷は、
「だがこれは私一人では無理だ。だから……」
「俺も勿論手伝いますよ」
戦兎はそう言って当然のように頷く。だが本郷はそれを見て少し渋い顔をしつつ、
「正直に言えばな。私は君のような若者を巻き込みたくはない」
「えぇ、でも本郷さんがもしやられたら結局俺たちだって危ないんですから。それに今さら止めろって言われても気になってる止めれませんよ」
そう言って少し笑みを浮かべる戦兎に、本郷は渋い顔から笑みに変わり、
「そうだな。放っとけないからと言う理由でこんな怪しい男を追っ掛けてくるんだ。今時の若者の感性としては変わっているな」
本郷はそう言いながら戦兎を見る。
「そう言えばだ。さっき来たとき変身っと言っていたが……」
「え?あぁ~はい。と言うかそのぉ、本郷さんってもしかして都市伝説の……」
あぁ、仮面ライダー何て呼ばれているな。と本郷が返すと戦兎はやっぱりと納得した。そして、
「初めて見たときから思ってたんですよ。都市伝説の情報とちょっと姿が違ってはいましたけど……」
有名な都市伝説のためか仮面ライダーの姿と言うのは、実は結構ネット上に載せられている。載せられているといっても、本物の写真とかではなく有志の人の想像図が多い。だがそれでも、スリムな体型に赤いマント……と言うのはなぜか共通していた。
「俺も何て言うか仮面ライダーって言うかヒーローに憧れてるって言うか……だから勝手に使わせてもらってまして」
「気にするな。別に私の専売特許と言う訳じゃない」
そう言いながら、本郷はどこか遠くを見据える。
「仮面ライダーか……まさか自分以外はいないと思っていたがな」
「そうなんですか?」
あぁ、と本郷は戦兎の問いに返し、
「今までショッカー以外の組織とも戦ってきた。だがその間も私以外の仮面ライダーと出会うことはなかったよ。しかし仮面ライダーが二人か。これでは呼び分けがしにくいかもな」
「あ、一応俺仮面ライダーだけじゃなくて、仮面ライダービルドって名乗ってるんです。造る、形成するって意味でビルドなんですけど」
仮面ライダービルド……と本郷は呟くと少し笑って、
「良い名前だ。格好いいじゃないか」
そうですかね……?と戦兎は頬を掻く。すると、
「なに話してるんですか?」
そういってやってきたのは小猫だ。そんな彼女に戦兎は、
「少し世間話とキメラへの対抗策をな」
「あるんですか?」
その時のお楽しみにな。等と二人で話していると、
「ふむ、随分と年下の彼女なんだな。最近の若者は随分進んでいる」
何て言う本郷の呟きに、戦兎と小猫は、
「はい?」
「にゃ!?」
とそれぞれ反応。その反応に本郷は首をかしげながら、
「二人はアベックじゃないのか?」
「いやただの先輩と後輩ですよ。それと随分年下っていってますけど、塔城幾つだと思ってるですか?」
そんな戦兎の問いに本郷は、
「中学生……と思ったが最近の若者は早熟と聞くから小学生の可能性も、ってどうした?」
本郷の真面目な考察に戦兎はゲラゲラ笑ってしまい、小猫の肘鉄が脇腹にめり込んだ。
「ごふぅ……」
「私はこれでも高校一年生です!」
え?と固まった本郷を尻目にプリプリ怒った小猫はそのまま室内に戻ってしまう。それから戦兎はいててと立ち上がると、
「思いっきり肘いれやがったな……」
「悪いことをいってしまったな」
アイツが特殊例何で平気ですよ。何て戦兎が笑いながら言うと、今度は部屋から分厚い辞書が飛んできて角が戦兎の側頭部に当たった。
「いってぇ!」
「ふん!」
と小猫は鼻を鳴らして今度こそ去る。それを見ていた本郷は、
「成程、そう言うことか」
「何がですか?」
いやなんでも、と今度は本郷が笑いながら答える。戦兎はそんな様子に首をかしげながらいると、
「戦兎君。もし君が仮面ライダーを名乗るなら、覚えていてほしい事がある」
「え?」
本郷は少し表情を引き締め、戦兎に言う。
「友を……そして仲間を手放すな。そしてな、恋も遊びも沢山しろ。馬鹿みたいに青春を謳歌しろ。今しかない時間を全力で味わえ!」
絶対自分のようになるな……本郷はそう言った。それは愛する人も恩人も友人も全てショッカーの魔の手が及ばぬように遠くへ追いやり、戦いに明け暮れた男の後輩への忠告。
「一人ぼっちの正義のヒーロー何てな。寂しいだけだぞ?」
そう呟いた本郷の顔は、どこか悲しげで……寂しさの混じったような、そんな感じの表情だった。
「いやいや、幾らなんでも多すぎだろ」
そう明け方、後少しで朝日が上るであろう時間帯の呟いたのは、アザゼルだ。それもその筈。何せ眼前にはアホみたいに沢山のショッカーの戦闘員達がひしめき合いながら歩いている。
その背後にはキメラがいるのだが、まさかこいつらまで引き連れてと言うのは驚きだ。と言うか黒タイツ達はキメラの言うこと聞くのか……しかしこれでは空を飛んでいく方がいいか?何て思っていると、戦兎と本郷が前に出る。
現在ショッカーの秘密基地の周辺をソーナチームや堕天使に天使達が結界を張っている。これならキメラ達が外に出ることはない。そしてこの決戦の場には戦兎を筆頭にしたグレモリー眷属とイリナと匙とアザゼルがおり、こちらがキメラを直接叩くのが仕事だ。
「おいおい、まさか突っ込むなんて言わないよな?」
と、言うのは唯一ソーナチームで此方に越させられた匙だ。
「それが最短だろ?」
そう言って戦兎と本郷はベルトをそれぞれ出すと、
「ライダー……」
《ラビット!タンク!ベストマッチ!Are you ready?》
二人はゆっくりと腰を落とし、構えて目の前の相手を見定めると、
『変身!』
《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!》
それぞれ変身した二人は、それぞれバイクに跨がり、エンジンを吹かす。それを見たアザゼルが、
「よぉしお前ら!二人がキメラのところに辿り着けるように道を切り開く!行くぞ!!!」
そう言うアザゼルに他の皆が頷き共に飛び出す。
「ったく、いつもなんで命がけな目に遭うんだよ!」
《ドラゴンゼリー!》
そう匙は文句を言いつつ、スクラッシュドライバーにドラゴンスクラッシュゼリーを挿し、レバーを下ろす。
「変身!」
《潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!》
そうして変身した匙は走り出すと、黒炎を出して相手を燃やす。それに合わせて他の皆も一斉攻撃。凄まじい爆音と閃光が起き、そしてその中を、
『はぁ!』
ブオン!とバイクのエンジンを吹かして、敵陣を戦兎と本郷は走り抜ける。
「うぉおおおお!」
ドリルクラッシャーをガンモードにして、発砲しながら直進。更にブレーキを掛けて後輪を上げると敵をそれの勢いで攻撃し、今度はウィリーで跳ね上げた前輪で相手を弾き飛ばすと、再度走り出す。
「おぉおおおお!」
本郷はバイクごと全身に風を纏わせ、ショッカーの戦闘員達を蹴散らしていき、それを見た戦闘員が横から本郷に飛び付き引きずり落とそうとした。だが、
「ふん!」
それを本郷は慌てることなく蹴りや、片手で弾き飛ばして振り落としいく。そして、
『はぁ!』
「ん?」
バイクから戦兎と本郷は飛び上がると、そのまま飛び蹴りを叩き込むが、キメラはそれを腕で押さえて 押し返す。そのままクルリと回って地面に降りると、
「さて、戦兎君。準備は良いかな?」
「えぇ、実験を始めましょう!」
《フェニックス!ロボ!ベストマッチ!Are you ready?》
「ビルドアップ!」
《不死身の兵器!フェニックスロボ!イェーイ!》
姿を変え本郷と戦兎は走り出す。こうして、最後の戦いの幕が上がったのだった。