ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「キメラに対する作戦を決め、遂に相対する俺と本郷さん。圧倒的な力を持つキメラを倒す作戦とは……そんな感じの61話スタート!って俺一人だとみじけぇ!」


不屈の仮面ライダー

『うぉおおおおお!』

 

戦兎と本郷は同時に駆け出すと、まず戦兎が前に出て炎を出しながらキメラとぶつかる。

 

「ふん!」

 

その瞬間後ろから本郷が飛び上がると拳を握り、

 

「ライダー!パンチ!」

「む?」

 

渾身のパンチを放つ。だがキメラはそれを片手でキャッチすると、そのまま本郷を放り投げた。

 

更に体をぶつけてくる戦兎のボディに膝を叩き込み、怯ませてから顔面を殴り付けて吹き飛ばす。

 

「ぐっ!」

 

戦兎は地面を転がりながら、その反動で立ち上がると炎をキメラに向けて放つ。だが、

 

「はぁ!」

 

その炎をキメラは腕を振り、その衝撃で掻き消したのだ。それでも戦兎は諦めずキメラに襲いかかる。

 

「諦めろ。お前では俺には勝てない。勿論本郷でもだがな」

「うるせぇ!」

 

キメラは片手で戦兎に応戦しながら言うが、戦兎は手を止めない。そこに、

 

「おぉおおお!」

 

本郷が加わり二人掛かりで攻める。流石にキメラも両手を使うが、ダメージがある訳じゃない。

 

「何故そこまでして戦う?誰に頼まれた?幾ら積まれたんだ?」

「……金じゃねぇ!」

 

戦兎は全身から炎を噴出させ、キメラを追い込む。

 

「誰からも頼まれちゃ居ないしお前を倒したって金もでねぇよ!」

「あぁ、誰から礼を言われるわけでもない。言ってしまえばただのボランティアだな!」

 

分からないな、と言いながらキメラは戦兎と本郷を押し返すとそのまま回り蹴りを放ち、その衝撃で二人は吹っ飛ばされた。

 

『がはっ!』

「なら何故俺の邪魔をする?それだけ力があればもっとあるじゃないか?誰からも頼まれちゃいないなら、その力を使って俺の邪魔をするんだ?もっと自由に好き勝手生きて良いじゃないんか」

 

地面を転がった二人は、キメラを睨み付けながら立ち上がる。だが、

 

「ぐぅ……!」

 

本郷は胸を抑え、再びうずくまる。

 

「もう限界なんだろう?もう諦めろ」

「諦めんさ。今更生き方は変えられないんでね……」

 

そう言いながら本郷は戦兎の肩を借りながら立ち上がる。

 

「それにな。私はこれでも自由に生きてるんだよ」

「なんだと?」

 

キメラが首をかしげる中、本郷は戦兎から肩を借りるのをやめ、キメラをゆっくり見据える。

 

「戦うことを決めたのは私自身だ。例えこの身が怪物になっても、心だけは人間でいようと!」

「だから誰にも感謝されずとも戦うのか?」

 

そうだ、本郷はキメラに言葉にそう答える。

 

「たまに人は救う価値があったのかと思うこともあった。未だに戦争は終わらず、醜い争いも下らない諍いも絶えない。だがそれでも、私は戦うんだ!」

 

そう言いながら本郷はキメラに殴りかかる。だがそれをキメラは片手で抑え、空いた手で殴り返そうとする。

 

しかしそれを戦兎が止めた。

 

「ちっ、お前もしつこいやつだな」

「こう見えても諦めが悪い性分でね!」

 

そう言いながら戦兎はロボアームを回転させてキメラの腹部を殴ってガリガリと火花を散らせる。

 

「お前ら二人揃って可笑しいぜ。無意味な事をして、勝てない戦いをする。イカれてるよ」

 

キメラはそう言いながら頭突きで本郷を怯ませると、そのまま蹴り飛ばしてから戦兎を殴り飛ばす。

 

「がっ!」

 

火花を散らし、そのまま地面に倒れる戦兎。キメラはそれを見ながらゆっくりとした足取りでトドメを刺しに行こうとし、

 

「なんだ……?」

 

突如キメラの視界が明暗し、意識が遠くなりそうになるのを必死に堪える。それを見た戦兎は笑いながら立ち上がり、

 

「実験成功……かな?」

「何をした……?」

 

そう言うキメラに、戦兎がロボアームを掲げて見せたのは、

 

「なんだそれは?」

「お前のベルトの部品だよ」

 

と言うと、キメラの腰についていたベルトがガラガラと音を立てて、部品単位で崩れていく。

 

「お前は元々本郷さんと同じタイプの改造人間だ。だからそこを突いたんだよ」

「私のベルトのタイフーンは、風を受けることで回転し、エネルギーを産み出して変身する。何故こんなことをするか知ってるか?それはな、改造人間は超人的な力を発揮するため、その反動か非常に持続力がそのままではない。だから別にエネルギーの供給源が必要で、私が改造された時はこの外部に別のエネルギー発生装置を着けるタイプが作られ始めたばかりだった。勿論すぐに外部にエネルギー発生装置を別につけるのは強度的にも不便だと言われ、廃止になった技術だがお前にはそれが使われていたようだな。そしてだ」

 

本郷はキメラを見据えながら、ゆっくりと立ち上がる。

 

「改造人間は、交わらない異なる遺伝子同士を組み合わせることで生まれる存在だ。故に本来かなりデリケートな存在でな。定期的なメンテナンスは欠かせないし、していても私もそうなように長期間変身すれば体に異常をきたすこともある。それくらい本来は負担が大きいんだ。それをお前は複数の遺伝子を強引に詰め込んである。パワーもあるだろうが、それと同時に負担も今までの改造人間の比じゃないんだろう。そこにもしエネルギーを産み出すはずのベルトが失われれば……一瞬でエネルギー不足になってしまうわけだ」

 

本来、新たな試みと言うものは試作と実戦を繰り返し、そして順次修正していくものだ。しかしこいつはそれがない。何せ目覚めさせたばかりの上に他の試作がない。コイツが唯一だ。あらゆる点で未知数の存在なのだ。

 

「それにだ。ベルトを破壊した途端エネルギー不足になるってことは、恐らくベルトだけじゃお前のエネルギーは不足してしまうみたいだな」

「なっ……」

 

本郷に続いて言った戦兎の言葉に、キメラは最初に本郷たちと戦ったあと、意識が保てなくなるほど眠たくなったことを思い出す。

 

「だから俺と本郷さんはずっとお前のベルトを狙ってた。俺のロボフルボトルは、機械の組み立てが得意だしな。組み立てが出来るなら、その逆の分解もお手の物なのを利用して」

 

そう戦兎が言うと、本郷は前に出る。

 

「さぁキメラ。ここで終わりにしよう!」

 

そう言いながら本郷は走りだし、キメラは身構える。それを見た戦兎は、

 

「さて、こっちも新しい試みってやつを試してみようかね」

《ハザードオン!》

 

戦兎はそう言いながらハザードトリガーをセット、そしてフルボトルを抜いて、新たに取り出したのは何と、ラビットタンクスパークリング缶だ。

 

「まだこの組み合わせは試してなかったからな」

《ラビットタンクスパークリング!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!Are you ready?》

「ビルドアップ!」

《アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!》

《シュワッと弾ける! ラビットタンクスパークリング!》

《イエイ!イエーイ!ヤベーイ!》

 

ハザードトリガーとラビットタンクスパークリング缶により、戦兎は全身が真っ黒だが、白いラインが入ったスパークリングの姿になる。すると、

 

「なんだこれ……」

 

体が軽い。いつもと違って頭もクリアな感じがする。

 

「これなら!」

《マックスハザードオン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!Are you ready?オーバーフロー!ヤベーイ!》

 

全身から煙を噴出させ、戦兎は前に歩き出す。だがそれは暴走ではなく、

 

「オォオオオ!」

 

しっかりとした意識の中、本郷と共に戦兎はキメラを殴る。

 

「ぐっ!」

 

キメラは後退り、少し苦しそうな声を漏らした。

 

「体が……重いだと」

『どりゃあ!』

 

更に二人はキメラを追撃。ガツン!と火花を散らしながらも、キメラは更に後方に吹き飛んだ。だが、

 

「なに?」

 

戦兎のビルドドライバーも火花を発する。突然の現象に戦兎は驚くが、

 

(ハザードトリガーとスパークリングの併用のせいか?となると余り時間かけては戦えそうにないな!)

 

そう結論付けて戦兎はキメラを殴って蹴り、伏せるとその後ろから本郷が更に殴り飛ばす。

 

そして後ろに回った戦兎は本郷を追い越してキメラにチョップ、からの回し蹴り。そこにも本郷が横からパンチとキック。

 

「くそ……体が言うことをきかねぇ」

「おらぁ!」

 

フラフラと立ち上がるキメラの顔面に刺さり、後ずさったキメラの腹部に本郷の蹴りがめり込む。

 

「お前ら、一体何なんだよ……」

 

キメラの呟きを聞きながら、戦兎はレバーを回し、本郷は腰を落として構えた。そして、

 

「人々の自由のために!」

「愛と平和のために!」

『力を使う者……仮面ライダーだ!』

《Ready Go!》

 

二人はそう言って飛び上がる。

 

《ハザード!》

「ライダー!」

《スパークリング!》

「キック!!!」

《フィニッシュ!》

 

黒い泡を纏わせた戦兎と、風を纏わせた本郷の急降下キックが、キメラに刺さるとそのままガリガリと地面を削りながら押し込んでいく。

 

『オォオオオオオオ!』

「グァアアアアアア!」

 

キメラは必死に耐えようとするが、既に立つエネルギーすらなく地面に倒れると、そのまま二人の蹴りが地面にめり込ませ、更に地面をえぐりながらトドメの押し込みをすると、二人は後方に飛んで離れる。そして二人はキメラに背を向けながらゆっくりと歩き出す。

 

最後に背後で大爆発が起きたのを感じながら、二人はどちらともなく拳を掲げると、ガツッとぶつけ合ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一日くらいゆっくりしていけば……」

 

いや、と本郷は言いながらバイクに乗る。

 

さてキメラを倒した日の朝、本郷はもう出ると言って準備をはじめてしまい、皆も慌てて見送りに出たのだ。とは言え戦兎以外は玄関までで、戦兎だけ外まで来ている。これは少し本郷が話したいことがあったらしい。

 

「今回は助かった。君だけじゃない。君の仲間たちのお陰だ」

「いえ……俺も一緒に戦えて光栄でした」

 

そう言い合って握手を交わすと、本郷は少し屋敷を見る。

 

「塔城 小猫ちゃんと言ったかな?良い娘そうじゃないか」

「いきなりなんですか?」

 

戦兎は頭を掻きながら、そう返すと本郷は、

 

「気づいているんだろう?彼女の気持ちを」

「……」

 

戦兎は表情を曇らせ、少し視線を逸らすと、

 

「さぁ?女心に方程式がありませんから」

 

とだけ言って完全に目を逸らしてしまう。そんな戦兎に本郷は、

 

「年寄りからのアドバイスだが……余り他人からの好意を無視するもんじゃない。それは彼女にも失礼だぞ?」

「……」

 

それだけ言うと本郷は、バンっと戦兎の肩を叩き、

 

「まぁ頑張れ、若き仮面ライダー」

 

最後にそう言って、本郷はヘルメットを被ってバイクを走らせ、そのままどこかへ旅立っていく。そんな後ろ姿を見ながら戦兎は、

 

「そんなこと……分かってますよ」

 

と呟いたとき、

 

「あれ?何してんだ戦兎」

「いぃ!」

 

突然背後から声を掛けられ、戦兎は飛び上がりながら振り替えると、そこにはリアスと龍誠が首を傾げながら立っていた。

 

「それに今誰か行ったみたいだけど誰か来てたの?」

「あぁ~。まぁちょっと色々ありましてね。取り敢えず入ります?」

 

色々あったんですよ。と言いながら扉を指差すとリアスと龍誠は頷いて入る。

 

「俺も色々あったんだぜ?何せサタンレッドと戦ったし……」

「なんだよそれ」

 

等と言い合いながら家に入り、戦兎は本郷の行った方角を見ると、

 

(また……どこかで)

 

そう心の中で言い、戦兎は扉を閉めたのだった。




グランドジオウヤバイくらい強いですね。

因みにそれを見た友人がジオウの最終回はきっとクウガからビルドまでテレビで登場した全フォーム(亜種も含む)が登場して大名行列の如く突進してリンチにしたあとグランドジオウのライダーキックでトドメかな何て言ってましたね。予算がガタガタキリバ所じゃねぇけど。

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