ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「新たなビルドの強化フォームを模索するも、道筋が見つけられずに悩む天才である俺……いやもうホントどうするかなぁ~」
龍誠「ならこう言うのはな、こうして力付くで……」
戦兎「うわばか!力付くでやるんじゃない!」
龍誠「あ、やべ……爆発しそう」
戦兎「……えぇと、皆さん。63話始まる前に一緒にせーの!」
戦兎&龍誠『爆発オチサイテー!(チュドーン!)』


若手最強の力

「あぁ、肩こった」

 

修学旅行を目前に控えたある日、戦兎達はリアスの実家に眷属が全員揃った事を報告しにやって来ていた。

 

とは言え、報告会と言うよりはお茶会じみたもので、皆で歓談しながら行えたものの、龍誠はああいった空気が苦手なので、肩が凝ったらしい。まぁレストランより定食屋が似合う男なので、それも仕方ないのだが……等と思いつつグレモリー眷属一同で帰る為グレモリー邸を歩いていると、

 

「む、リアスじゃないか」

「サイラオーグ?」

 

そこには両手に果実が入った袋を抱えたサイラオーグと出会った。どうしたのかと聞くと、バアル領特産の果物が採れたのでそれのお裾分けに来たらしい。

 

「今日は一人なのね」

「まぁな」

 

そんな世間話をしていると、サイラオーグは少し真面目な顔になり、

 

「次のゲーム日程は聞いたな?」

「えぇ、貴方とのレーティングゲームでしょう?聞いたわ」

 

そう、つい先日なのだが次のレーティングゲームの日程が決まった。相手はサイラオーグが率いるバアルチーム。

 

すると彼は、

 

「あぁ、そこで提案なのだが、先程上層部に少し掛け合ってきてな。フィールドのルールはともかく、戦いに関しては一切複雑なルールを無くしたいと言う話をしてきた。あとはお前がどうするかなんだが……」

『っ!』

 

サイラオーグの提案に皆は驚く。それが意味するのはつまり……

 

「不確定事項も含めた全てを受け入れると言うこと?」

「あぁ、時を止めようが聖剣だろうが聖魔剣だろうが雷光だろうが……そして仮面ライダーだろうが俺は全てを受け入れる。お前達の全力を受けきれない男がバアル家の次期当主は名乗れない」

 

そう言い切るサイラオーグに、リアスは息を呑む。この男がその地位を手に入れるまでの道筋を、リアスは人伝てからだが知っている。そしてその地位に至ってもなお慢心はなく、向上し続けている所を見ている。

 

サイラオーグは強い。そしてサイラオーグは眷属も含めて悪魔の中では珍しく訓練を詰む。サイラオーグがこちらの全てを受け入れると言うことは、こちらも全てを受け入れる覚悟がいる。

 

それは生半可なものでは……そう思ったとき、

 

「つまり全力で暴れて良いってことですか?」

「そう言うことだ」

 

龍誠の問いに、サイラオーグは答える。すると、

 

「じゃあ良いんじゃないですか?下手に変なルール出されると俺分かんなくなりますし」

 

それはそれでどうなんだと思うが、龍誠のあっけらかんとした答えに、リアスは少し笑うと、

 

「それで良いわ。どちらにとっても不利にはならないでしょうから」

「そうか。ありがたい」

 

とサイラオーグは言うと、今度は戦兎と龍誠を見た。

 

「ふむ、前に見たときより腕をあげたみたいだな」

「そうですか?」

 

オーラを見れば分かる。サイラオーグはそう言いながらこちらに来ると、

 

「どうだ?少し戦ってみないか?」

『はい?』

 

突然の提案に、言われた戦兎達だけではなく、リアス達まで驚くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃいきますからね?」

「あぁ、来い!」

 

突然のサイラオーグの提案に驚いたものの若手最強と言われる相手と戦うのは悪いことではない。そう思い戦兎と龍誠どちらでいくか話すと、サイラオーグからは二人で来いと言われてしまった。そこまで言われてしまっては二人も大した自信だとは思う。思う反面、ゼファードル戦のこの人の強さは少し見ただけでも分かるほど異常だ。二人で良いと言うのなら、それは助かるの本音だ。

 

《ラビット!タンク!ベストマッチ!》

《ウェイクアップ!クローズドラゴン!》

《Are you ready?》

『変身!』

《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!》

《Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!》

 

そうして変身を完了した二人は、サイラオーグに向かって走り出す。

 

『はぁ!』

「ふん!」

 

 

助走を加え、殴りかかってきた二人の拳をサイラオーグは掴んで止めると、そのまま力付くでブン回す。

 

「うぉ!」

「やべ!」

 

そのまま武器か何かのように自在に振り回したサイラオーグは、二人を地面に叩きつけ……

 

「おらぁ!」

 

る前に龍誠の蒼炎で作ったドラゴンがサイラオーグに噛みつき爆発。土煙が巻き上がるが、その中からボロボロになった上着を脱ぎ捨て、サイラオーグが飛び出して来る。

 

「おぉおおお!」

 

それを龍誠は追い、殴り掛かるがそれをサイラオーグはあしらい、逆にカウンターを決める。

 

「いっで!」

「こっちだ!」

 

そこに戦兎はラビットフルボトルの力で飛び上がってキックを放つ。それをサイラオーグは回り蹴りで迎撃。そのままぶつかり合うが、力負けした戦兎が地面に落ちた。

 

「くっ!」

《ラビットタンクスパークリング!》

 

このままではスペックからして負けると判断した戦兎は、ラビットタンクスパークリングをビルドドライバーに挿し、

 

「ビルドアップ!」

《シュワッと弾ける! ラビットタンクスパークリング!イエイ! イエーイ!》

 

ラビットタンクスパークリングへと変身した戦兎は素早く立ち上がり、サイラオーグに腕の棘で襲いかかる。

 

「くっ!」

 

攻撃の中、炭酸の泡も組み合わせてサイラオーグに襲いかかり、サイラオーグも僅かに後退した。そこに、

 

「プロモーション!クイーン!」

 

クイーンにプロモーションした龍誠が走り込み、サイラオーグの腹部に蒼炎を纏わせた拳を叩き込む。

 

「ごほっ!」

 

サイラオーグは咳き込みながら後ずさった。それを見て戦兎と龍誠は行けるかと気を引き絞めながらも思うと、

 

「流石にこのままではキツいか……」

 

そう言ったサイラオーグが取り出したのは、スクラッシュドライバーだ。それを見て戦兎は、

 

「遠慮なく使うんですね」

「隠し球をこそこそ持ち歩いていざってときになってから使うのは性に合わなくてな。使えるものは全て見せた上で相手に勝ちたいんだ」

 

サイラオーグはそう言いながらスクラッシュドライバーを腰に装着。そして紫色のフルボトルより一回りほど大きなボトルを取り出すと蓋を捻り、

 

《デンジャー!》

 

それからスクラッシュドライバーに挿す。

 

《クロコダイル!》

 

それから意識を集中させ、サイラオーグは静かに言葉を発した。

 

「変身」

《割れる!食われる!砕け散る!》

 

ビーカーが生成され、中にサイラオーグが入ったまま紫色の液体が満たされる。

 

そして両サイドから鰐の顎が地面から生えてそのままビーカーを噛み割ると、中からゼファードル戦でも見た姿に変わった。

 

「さぁ、いくぞ!」

『くっ!』

 

そう言って走ってきたサイラオーグの攻撃を避けて戦兎と龍誠は殴る。だがサイラオーグは微動だにせず、そのまま殴り返してきた。

 

「なんだ!?全然効いてねぇぞ!」

「ならこっちだ!」

 

戦兎はドリルクラッシャーにラビットフルボトルを挿しながら四コマ忍法刀を出す。

 

それを見た龍誠もビートクローザーにドライブフルボトルを挿しながらクリップエンドを引っ張った。

 

《ヒッパレーヒッパレーヒッパレー!》

《火遁の術!》

《Ready Go!》

『おぉおおおお!』

 

サイラオーグに二人は走りより、武器を振る。

 

《火炎斬り!》

《メガスラッシュ!》

《ボルテックブレイク!》

 

だが、サイラオーグは避けもせずそれを正面から喰らう。そして、

 

「無傷だと……?」

 

戦兎が驚愕するようにサイラオーグはその場に平然と立っており、ゆっくりとレバーを下ろす。そして、

 

《クラックアップフィニッシュ!》

「はぁあああああ!」

 

鰐の顎のようなオーラがサイラオーグの両足に集まり、その場で飛び上がると両足で挟み込むように閉じる。それと共に鰐の顎のオーラが戦兎と龍誠の噛みつくどころか、そのまま噛み砕いてくる。

 

『がはっ!』

 

二人は吹っ飛ばされ、地面を転がりながら変身が強制解除に追い込まれる。

 

「これが若手最強かよ……」

 

今まで戦ってきた悪魔は、基本的に変身さえすればそこそこ有利に立ち回れてきた。だがサイラオーグにはそれがない。それどころか素の状態でも通常の変身では負けてる。そしてスパークリングも相手も変身すれば……

 

「これはマジで強化アイテム考えないと勝てねぇな」

 

変身解除しているサイラオーグを見ながら、戦兎は一人そんなことを呟いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて下準備はこれでよし」

 

暗闇が支配する深夜の京都には、一人の男が静かに楔のようなものを地面に刺していた。

 

「兵藤一誠。準備はできたか?」

「あぁ」

 

楔を刺していた男。兵藤一誠は立ち上がりながら暗闇から掛けられた声に返事をする。

 

「そろそろ原作9巻の辺りだろうし、楽しみだなぁ……」

 

一誠はそう言い、ニンマリと笑い、

 

「さぁて、お祭りの時間だ」




先日コメントで、プロモーションってキングの敵認定がないと使えないんじゃなかっけ?て聞かれ、そう言えば作中で触れてませんでしたね。この作品の中では、プロモーションはレーティングゲーム以外であれば、ポーンの自由になることができます。

勿論レーティングゲーム中は敵陣地に入るルールは適用されていますがね。

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