ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「サイラオーグさんに敗北し、改めて強化アイテム開発を決めた俺だったがその前に修学旅行!」
龍誠「俺駒王町から出るの初めてだから結構楽しみだったんだよなぁ~」
匙「頼むからお前ら……面倒ごとに巻き込まれるなよ?」
戦兎&龍誠『え?』
匙「え?」
戦兎「……そんわけで64話始まるよ~」
龍誠「いぇええええい!」
匙「待て待て待て!なんだ今の不穏な、え?はぁあああああ!」


そうだ、京都へ行こう

京都……それは今でもどこか古風な空気を残し、歴史的にも重要な建物が多数ある。なにせ、今でもなにか建造物を建てる際は、高さの制限があるほどだ。

 

それくらい歴史があり、その歴史を大事にしていると言えるその場所に、戦兎達は降り立っていた。

 

「やっとついた~!」

「騒いではぐれんなよ」

 

興奮して降りる龍誠を諫めながら、戦兎も新幹線から降りる。

 

さてさて修学旅行初日。駒王町から新幹線に乗ってやって来た戦兎達は、空気を肺一杯に吸い込む。だが正直違いが分からない。

 

「それで?これからはどこにいくの?」

 

と聞いてくるのは、今回の修学旅行で一緒に回るメンバーの一人である藍華。

 

因みに一緒に回るメンバーは、戦兎・龍誠・アーシア・藍華・ゼノヴィアにイリナと言う女性率が異様に高いメンバーだ。

 

まぁ基本的にオカルト研究部メンバーで固まってると言う感じだろう。藍華はオマケというか、普段アーシア達と仲が良いからだ。

 

「ちょっと戦兎。今失礼なこと考えてなかった?」

「まさか、気のせいだろ」

 

微妙に鋭い従姉妹の尋問から逃げつつ、戦兎はメモを開く。

 

「取り敢えずホテルに荷物置いて伏見稲荷からか……そして明日から清水寺行って、そのあと金閣寺に銀閣寺だろ?結構強行軍だな」

「んで三日目に天龍寺で最終日にお土産か……アンタどれくらい買うの?」

 

そんな藍華の問いに戦兎は、

 

「家と部活にかな」

「特定の誰かってのは居ないわけ?」

 

藍華のからかいにも、居ねぇよと戦兎は返しつつ、

 

「ほらそこの三人娘。そろそろ移動しないと伏見稲荷に行く時間がなくなるぞ」

 

手を叩き、周りの景色や店に目を輝かせて興奮しているアーシア・ゼノヴィア・イリナの三人に声をかけ、戦兎が先導しながら皆を連れて歩き出す。そんな姿を見ながら藍華は、

 

「こういう時は意外とリーダーシップあるやつなのよねぇ……」

 

ホントにこの残念すぎる従兄弟はどうにかならないものか……そんなことを思いながら、藍華は付いて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「納得いかねぇ」

「俺もだよ」

 

伏見稲荷でお祈りを済ませ、龍誠のぼやきに戦兎は同意する。

 

先程戦兎と龍誠達は、京都サーゼクスホテル(勿論悪魔関係のホテルだ)に到着した。部屋は殆どが広く、普通のホテルならスウィートクラスの部屋ばかり。だが、戦兎と龍誠が案内されたのは八畳ほどの小さな畳の部屋。明らかに他の部屋との扱いの差に愕然としたものの、どうにもこれは緊急事態用に、戦兎と龍誠がここに置かれたらしい。

 

だがせっかくの旅行を一組だけこんな貧乏臭い部屋に……と思ってしまうのも仕方ない事だ。

 

等と二人でため息を吐きつつも、

 

「なぁ、気付いてるか?」

「見られてるんだろ?」

 

そう言いながら、龍誠の問いに戦兎が答える。悪魔になった頃は、気配だとか殺気だとか分からなかったが、最近は少し分かるようになってきている。

 

因みにゼノヴィア達も勘づいており、アーシアと藍華を囲うように立っていた。

 

「どうする?」

「一旦ゼノヴィア達から離れよう。そうすれば姿見せるかもしれない」

 

大丈夫か?ヤバイ奴かもしれないぜ?と龍誠が言うが、

 

「ホントにヤバイ奴らなら拙い俺達の気配察知に引っ掛かるわけねぇだろ。まぁわざとなら分からねぇけどな」

「それもそうか」

 

戦兎の言葉に龍誠は頷きつつ、二人は他の観光客が居ない所まで移動した。すると、

 

「京の者ではないな?」

『ん?』

 

人気のないところに着くと、突然声を掛けられる。それに戦兎達がキョロキョロしていると、目の前に和服を着た金髪の小学生が現れ、それに続くように鴉のような羽と長い鼻の天狗まで出てくる。

 

しかも最初に出てきた少女……狐耳にフカフカの狐尻尾まである。

 

「余所者めよくも……掛かれ!」

「え?ちょ!」

 

突然少女の命令により、天狗達が襲い掛かってきた。

 

「待て待て!いきなりなんなんだよ!」

 

そう言いながら、戦兎はビルドドライバーを装着し、

 

「人数いるしこれで行くか」

《忍者!コミック!ベストマッチ!Are you ready?》

「変身!」

《忍びのエンターティナー!ニンニンコミック!イェーイ!》

 

素早く変身した戦兎は、四コマ忍法刀のスイッチを押して分身しながら、天狗を蹴散らす。

 

《Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!》

「おらぁあああ!」

 

龍誠も変身を終え、殺さないように加減しながら倒していく。

 

「母上を返して貰う!」

「母上?なんの話だ!?」

 

すると、少女が青白い炎を作り出して戦兎に放った。

 

「ちぃ!」

 

それを四コマ忍法刀で斬って消しながら、戦兎は更に声を出す。

 

「おい!何言ってんだ!」

「惚けるな!その姿……暗闇の中だったとは言え見間違える筈がない!」

 

そう言いながら少女に合わせて天狗達も襲い掛かってくるが、戦兎はヒラリヒラリと回避し距離を取る。そこに、

 

「おらぁ!」

っと龍誠がビートクローザーを振り回しながら相手を牽制。

 

「おい龍誠!間違って壊すなよ!部長に怒られるぞ!」

「分かってるよ」

 

そんなやり取りをしながらいると、相手の方が更に少し距離を取り少女が、

 

「今の戦力では無理か……じゃが覚悟しておれ!必ず母上は取り戻す!」

 

そう言い残し相手はそのまま撤退していく。

 

「追うか?」

「いや、深入りしない方がいい。多分あいつらはこの辺り一帯の奴らだ。それならアザゼル先生に報告しよう。何か誤解が生じてるみたいだけど俺達じゃそれを解くコネもルートもない」

 

その点じゃアザゼルは顔が利くし、いざとなったら彼が独断である程度決める権限がある。

 

そう戦兎が言うと、龍誠は同意して二人は変身を解除した。

 

「しかし俺を見た……か」

 

先程京都に入ったばかりの自分を見る筈がない。だがあの少女の表情は嘘やからかいはない。

 

「何かまた、面倒な事態になったっぽいな」

 

戦兎はそう言いながら、大きなため息を吐いたのは、まぁ仕方のない事である。


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