戦兎「折角の修学旅行の中、突如兵藤 一誠に襲われた俺たち」
龍誠「更に衝撃的な事実が明かされる中、どうにか退けるものの……」
匙「つうかさ、お前彼女いたの?」
龍誠「まだ彼女じゃなかったんだけど……」
匙「くそぉ!なんだって龍誠ばっかり良い思いすんだよ!」
龍誠「お前未だに意識されてないもんな……」
匙「可愛そうな目で見んな!」
戦兎「とまぁそんな感じの67話スタートです。」
『……』
重い空気が部屋を支配している。
と言うわけで兵藤 一誠達の襲撃があった日の夜。二条城に突入する算段は決定しているのだが、その前にアザゼルや気持ち悪くなって青い顔をしているロスヴァイセは先生としての仕事があるためそっちが終わってかららしい。後生徒会メンバーもその補佐に行っている。なのでオカルト研究部メンバーは皆が集まるまで待機なのだが、さっきから戦兎はアーシア・ゼノヴィア・イリナの3人がチラチラとこっちを見てくるのを気付かない振りをしつつスマホのアプリゲームに興じていた。
このパズルゲームは対戦が出来るため、ギャスパーや小猫とよくやるのだが意外と最近腕前を上げてきているので油断ならない……と言うのが建前で正直言うとこの3人が聞きたいことはわかる。だが自分の口からベラベラ言うのはどうなのかと思う。なのでジャンケンに負けて全員のジュースを祐斗と買いに行った龍誠の帰還を待ちわびているのだ。
(これならめんどくさがらず俺も行くべきだったな……)
そう戦兎が内心苦笑いしていると、そこにアーシア達がやって来て、
「戦兎さん」
「お、おぉ?」
なんぞ討ち入り前の侍みたいな顔でやって来た三人に、戦兎が少し後ずさると、
「香澄さんって……誰ですか?」
「あぁ~。そうだな」
頭を掻きながらも戦兎は考えてから、
「そうだな。俺から言えることはない。本人に聞いてくれ」
「そ、そうですよね……」
まぁアーシア達も聞いてみただけと言う感じが強いようだ。そこに、
「ただいま」
「おう」
と言って龍誠と祐斗が入ってきた。それを見てアーシア達が聞くべきかどうかで困惑する。すると、
「皆にはさ、話さなくちゃいけないことがある」
そう龍誠の方から切り出した。
「皆多分困惑しただろ?香澄って誰だって、まぁいきなり知らないやつの名前出されて俺がキレたら驚くよな。だからちゃんと話しておきたくてさ」
龍誠はそれから話し出す。自分と香澄の関係。そしてその結末を。
「……と言うわけでさ。アイツが全ての黒幕だって知ったら我慢できなかったんだ」
そう龍誠が終わらせるとアーシアは、
「あの、龍誠さんはまだ香澄さんのことを……」
「え?いやもう昔のことだからって決着つけてるよ。香澄のことは思い出としては大切だけどな」
その反応に、アーシア達はホッと胸を撫で下ろす。まぁその意味は言わずもがなだ。そこに、
「ようお前ら。全員集まったか」
と言いながら入ってくるアザゼルに、
「うげ……」
「大丈夫っすか?」
青い顔をしたロスヴァイセと心配する匙に生徒会メンバー。そしてセラフォルーに九重まで来ている。
「つうわけでだ。兵藤 一誠の言うとおりなら、二条城で何か企んでるらしい。そこで俺達はこのまま乗り込む事になった」
「僕たちだけですか?」
祐斗の問いにアザゼルは首を横に振り、
「援軍は来る。だが現在世界各地で
『……』
その言葉に、誰も言い返せなかった。確かに一誠の力は出鱈目何て言葉じゃ足りない。
「一人に付き一つの筈の
「援軍が来れば勝てるんですか?」
いや……とアザゼルは言うと、
「ただまあ逃げれはするだろうよ」
結局そこに落ち着くのね……と皆はため息。現時点で一誠に勝つのは厳しいらしい。それこそ四大魔王様辺りが勢揃いで襲い掛かれば勝機があるかもらしいが、世界的に
「と言うわけで今回の作戦だが、まずこのホテルに匙以外のシトリー眷属はセラフォルーの指示したがって残ってまずないと思うがホテルに襲撃があった場合の防衛役兼、俺達の帰還用の転移魔方陣をいつでも起動できるようにしてくれ」
『はい!』
え?俺は同行するんすか?と匙がポカンとすると、当たり前だろうがとアザゼルの突っ込みが入り、
「よしお前ら。これより八坂の姫救出作戦を始める。あと九重。お前はちゃんとここにいるんだぞ」
「……」
そんなアザゼルの言葉に九重は明らかに不満げな顔をした。どう言うことかと戦兎が聞くと、
「こいつさっきから救出作戦に着いてくっていって聞かねぇんだよ」
あぶねぇからここにいろって言ってんだけどな、とアザゼルはぼやく。それにセラフォルーが、
「さぁ九重ちゃん。お姉ちゃんと一緒にお留守番しましょうね」
「……」
全身から嫌々ながらと言うオーラを出しながら九重は連れていかれ、
「そんじゃいくぞ!」
アザゼルの号令に、皆は頷いたのだった。
と言うわけでホテルから冬服の制服(戦闘用の特別製)に着替えてから外に出る。これからバス停でバスに乗ってそこから二条城に向かう。
「そう言えば部長達と連絡とらなかったんですか?」
と言うのは祐斗。それのアザゼルは、
「今グレモリー領でも事件が起きてるらしくてな。そっちにいってる」
そうか。となると部長達の助けは難しい。何て言い合っているのだが、
「おい、着いてきてるぞ」
「
大方ホテル回りの結界の製作に動いているはずなので、その辺の隙を着いて逃げ出し戦兎達を尾行する気なのだろう。まぁ戦兎ですら気づくほど拙い尾行なのだが……
「これはガツンといわんとダメだな」
アザゼルはそう言うと、
「九重!いるのはわかってんだ!出てこい!」
「……」
ビク!と物陰から狐の尻尾を出したままだった九重は、恐る恐るこちらを覗いてくる。
「お前ここにいろって言っただろ!」
「じゃ、じゃが!」
じゃがもじゃがいももねぇ!とアザゼルが声を荒げる。これは本気で怒っている訳じゃない。九重が着いてこないように敢えて厳しめに言っているのだ。それを皆は分かっているが、九重は明らかにビビっている。これなら大丈夫か?と思った次の瞬間!
『っ!』
突如辺りを包み込む霧。これを戦兎達は知っている。これは先程一誠が自分達に使ったものと同じだ。
「九重!」
「え?」
咄嗟に戦兎は走りだし、九重に手を伸ばす。届いたか届かなかったか……それが曖昧になるほど微妙なタイミングで、戦兎達は姿を消していたのだった。
「いつつ……」
「だ、大丈夫かの!?」
突如地面が無くなったような浮遊感に襲われた戦兎だったが、ドスン!と地面に落ちて意識が覚醒。と同時に腰にジンワリと痛みが広がり顔をしかめたところに、戦兎の上に乗っていた九重が顔を覗き込んできた。
「あぁ、何とかな……」
と戦兎は九重に降りて貰ってから立ち上がり、腰を擦って周りを見る。見てみれば京都の街中と言ったところだ。だが人の気配がしない。幾ら夜とは言え人の気配が全くしないと言うのはおかしい。するとそこに、
「ん?」
戦兎はアラームが鳴ったスマホを取り出して電話に出る。相手は祐斗だ。
「やぁ戦兎君。無事かい?」
「あぁ、そっちは?」
今アザゼル先生と一緒だけど……と言ったところで電話を取られたようで、アザゼルに電話相手が変わった。
「無事そうで何よりだ。って九重はそっちか?」
「あぁ、一緒にいるよ」
不味いな……とアザゼルは呟き、
「仕方ねぇ。恐らくこれは
「あぁ、大丈夫だと思うけど……」
戦兎はアザゼルに答えながら、ゆっくりと前を見る。そして、
「悪いアザゼル先生。また後に掛け直す」
「あ?お、おい!」
電話を切り、戦兎はスマホをしまうとソッと九重を体で庇うように立ちふさがる。そしてその視線の先には、
「
「あぁ」
戦兎の言葉に男が答える。だがいるのは一人じゃない。ざっと数えて4・50人程いた。
「通してもらうって言って聞かねぇよな?」
「当然だ。一誠様のためにお前を殺す!」
そう言うと男達は構え、
『
その声と共に輝き、全員それぞれ様々な武器や炎に水、氷と持ったり纏わせたり浮かび上がらせたりと自由にさせた。
「えぇと……まさかとは思うけどこの人数全員
「当然だ!」
男の叫びと同時に全員が一斉に発射。爆発と閃光が戦兎に襲いかかる。
「ちっ!」
戦兎は咄嗟に九重を庇うように抱き締め、
「変身!」
《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!》
素早く変身を終えてラビットフルボトルの力で大ジャンプ。爆発と閃光を逃れながら九重を抱えて近くのビルの窓を割りながら飛び込んで回避。だが、
「つぅ……」
「ど、どうしたのじゃ!?」
ジュウ……と腕が焼ける感覚。火とは違う。これは光だ。前にアーシアがいる時にどんなもんなのかとイリナに頼んで指先を光で引っ掻いて貰ったが、あの時も凄い痛かった。恐らくそういう
そう戦兎は結論付けて立ち上がる。すると九重はなにやら顔を下に向けている。
「どうした?」
「妾のせいじゃ」
自分がちゃんとおとなしくしていれば……そう九重は言う。だが戦兎は、
「俺はお前の気持ちがわかるよ」
「え?」
俺も父親が急に居なくなっててさ。戦兎はそう言い、
「だからお前の気持ちが少し理解できる。お前の行動を俺は全否定できないんだ。それに今さら言っても仕方ない。まずはここを切り抜けようぜ!」
と戦兎は九重を抱き抱え直すと窓から離れて部屋を飛び出す。それと同時に爆風が起きるが、戦兎は気にせず走り出した。だが次々と爆発は起き、九重は目を閉じて必死に祈る。
しかし、
「ちっ!」
戦兎が舌打ちすると、その先には既に何十人も
「少し荒っぽくいくぞ」
「う、うむ」
それを合図に戦兎は走り出す。ドリルクラッシャーを空いてる方の手で持ち、前の相手を斬る。そこに横から剣を持って襲い掛かって来たが、
「くっ!」
タンクの方の腕でガード。からの蹴りで押し返し切る。そして、
「九重、少し投げるぞ」
「え?ひゃあ!」
九重を空中に放り投げた戦兎は、流れるようにボトルを交換。
《キリン!扇風機!ベストマッチ!Are you ready?》
「ビルドアップ!」
《嵐を呼ぶ巨塔!キリンサイクロン!イェーイ!》
そうして姿を変えた戦兎は、九重をキャッチしながら片手についた扇風機で強風を起こして相手を壁に叩きつけていく。
「たかが風だ!ふんばれぇ!」
「なら今度はこっちだ!」
そう言って戦兎は今度はもう片方の腕についているキリンの頭を模した槍を伸ばして踏ん張っていた連中を攻撃。それから今度は壁を見て、
「はぁ!」
と壁を破壊。そのまま部屋に飛び込み、相手は慌ててそれを追うが、
《フェニックス!扇風機!Are you ready》
「ビルドアップ!」
穴に集まったところにフェニックスの炎を放って爆撃。勿論全部じゃないが、大分減らせたはずだ。そう戦兎は思いながらボトルを交換。
《サイ!ドライヤー!ベストマッチ!Are you ready?》
「ビルドアップ!」
《超熱大陸!サイドライヤー!イェーイ!》
交換を終え、一度下ろしていた九重を抱えて再度走り出して壁を破壊した戦兎は、廊下に出るとそのまま残っていたやつらを突進で蹴散らしていく。
一方その頃。
「しかし随分大盤振る舞いだな」
と呟いたのはジークフリート。それを聞いて一誠は口を開いた。
「仕方ないさ。龍誠はハザードレベルを上げれたが戦兎はまだ上げれてない。本当ならもっとハザードトリガーをバンバン使ってくれれば良いんだが中々使ってくれないからな。なら多数のボトルを使い分け続けなければならない状況に置くしかない」
鬼だなぁ~。ジークフリートはそう笑い、
「はぁ!」
とまた戦兎の方に視点を戻すと、最後の一人を突進で吹っ飛ばした所だ。
「はぁ、はぁ……」
「だ、大丈夫かの?」
あぁ、と呼吸を整えて戦兎は答える。正直死ぬかと思った。何せ外に待機していた連中も中の騒音に気づいてやって来るのだから 何回もおかわり入ります状態……途中から数えるのを止めた。
そんな中、
「まさか全員倒すとはな」
「あぁ?」
と言ってやってきたのは戦兎と同じ年程の少年で、
「まだ……居んのかよ」
「安心しろ、俺で最後だ」
そう言うと少年の体が黒い影のようなもので覆われる。
「九重、ここにいろ」
と、戦兎はなにか嫌な予感がしたため九重を下ろして相手の走り出すと、
「はぁ!」
と拳の一発。だが、
「それがどうした?」
「なにっ!?」
思いっきり殴ったのに衝撃がない。ないと言うか、普通にすり抜けてしまったのだ。
「くそ!」
戦兎は今度はドリルクラッシャーをガンモードにして撃つ。しかし、
「いで!」
と撃った銃弾が一度体を覆う影が呑み込むとそのままかえって戦兎を襲う。
「面倒だな」
そう戦兎はスパークリングに手を伸ばそうとするが、
(いや、あの能力とスパークリングは相性が悪いか……)
どうにか他のボトルで……と考えていると、
「ボーッとしている暇はないぞ!」
「ちっ!」
襲い掛かってきた少年の攻撃を寸でのところで避けて一度距離を取る。そこに、
「はぁ!」
「ん?」
ボッ!と少年を青白い炎が襲う。これは狐火と言うやつで、九重が放ったものだ。だが、
「この程度の熱では効かないな」
「っ!」
そう言って余裕綽々といった感じの様子だが戦兎は成程と言い、
「勝利の法則は決まった」
「は?」
《フェニックス!消防車!》
戦兎はボトルを交換し、レバーを回す。そして、
「ビルドアップ!」
姿を変え、戦兎は更にレバーを回し、
《Ready Go!ボルテックアタック!》
「はぁ!」
「なっ!」
フェニックスと消防車の炎の両方を一気に放ち、相手を焼く。すると、
「ぐぁああああああああ!」
九重の狐火を喰らったとき、衝撃や驚きではなくその熱さでは効かないと言った。それはつまり熱を感じることはできるということ。ならばこの炎は効く筈だ。
その戦兎の考えは当たっていたようで、少年は暫く悶えたあと体を包んでいた影が剥がれていき、そのまま地面の倒れる。
「はぁ、はぁ」
「戦兎!」
だが戦兎も変身が強制解除され、地面に倒れてしまった。
「こ、これは……」
九重が見てみれば、戦兎の服にはベットリと血がついている。そう言えば最初に攻撃がカスったといっていた筈だ。それなのに九重を庇いながら戦っていたため、流石に戦兎も体力が切れ掛けている。
「と、とにかく二条城まで運ぶしかあるまい」
そう言って九重は戦兎をズリズリと引きずって運び出すのだった。
ジオウの映画公開初日に見てきました。
ジオウらしいカオスさがあり、色んな人の予想を裏切る展開だったと思います。と言うかあれ見ると仮面ライダージオウの物語の核心ってまさか……って感じになってヤバイですよね!あれ多分ジオウの最終回見る前と後では全然違って見えると思います。