ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦「悪魔へ華麗にジョブチェンジしたこの未来のてぇんさい物理学者である桐生戦兎は、順調に悪魔としての生活も楽しんでいた」
龍「って待てよ!今回も俺が主役だからな!」
戦「て言うかさ、一応俺が主役だよね?なのになんかお前の活躍多くない?」
龍「こりゃもう主役交代かなぁ~」
戦「そんなわけ無いでしょって言うわけで第七話スタート!」


第ニ章 戦闘校舎のフェニックス
私を抱いて


「龍誠!お願い!私を抱いて!」

「……はい?」

 

ある日の夜。私万丈 龍誠は半裸の部長にベットの上で迫られてるんですがいったい何故でしょう?まずは今日の早朝からの記憶を掘り起こしてみるが確か……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍誠の朝は早い。日が明けるか明けないかの頃にジャージに着替えて戦兎の自宅を出ると走る。ひたすら走る。息が切れても全く体が動かなくなるまで走って近所の大きな公園に着くとそこで腕立て腹筋スクワット……悪魔になってから更に身体能力が上がった影響か数を増やしたが全然問題はない。

 

そしてその後戦兎の家に戻るとご飯が用意されてるのでシャワーを浴びてから食べていると寝坊助の戦兎が起きてくる。

 

彼は夜型なのもあるが新しい発明品作ってたりベストマッチを探してたとかでいつも遅い。

 

そして朝御飯を食べた後、学校に向かって授業で寝て、放課後部活。基本的に(一人にすると何を危ないとか言われて)戦兎とコンビで悪魔の仕事をしてるのだが最近贔屓のミルたんと言うちょっと人間かなって思う人の遊びに付き合った後一度荷物置き位にしか使ってない学園の寮に戻ってきてさて戦兎の家に向かうかって所で魔方陣が出て部長が現れてベットに押し倒されて……

うん。こうやって考えても意味わからん。

 

とにかくだ。まず話をしよう。

 

「えぇと、なんで急に……」

「ごめんなさい。事情があるのよ」

 

そう言って明らかに急いでいる様子の部長に龍誠は比較的冷静な態度で接する。

 

いや内心は全然冷静じゃないんだけどね!?でも驚きすぎてるお陰で声音だけは冷静だけど!

 

「ああああのですね!?こう言うのはやはりちゃんと恋仲同士でやるべきと言うかほ、ほら!祐斗とか戦兎でも!」

「祐斗ダメよ。生粋のナイトだから断るわ。戦兎は機械にしか興味なさそうだし……」

 

いやあいつああ見えて結構ムッツリ……って違う違う!ていうかじゃあ、

 

「何故それで俺を?」

「消去法に近いのは否めないわね。でも貴方を気に入っているのは本当よ。大切な眷属だからね?それに経験も豊富そうだし……」

 

何故経験豊富だと?と龍誠は首をかしげてしまう。すると彼女は、

 

「だって貴方も結構モテるでしょ?三年でも有名よ?ちょっとおバカだけどって注釈はつくけど」

「そ、そうだったんですか……」

 

そう。結構龍誠は顔は良いのでモテるのだ。まぁ本人が全くその辺を意識してないのだが……しかし、はっきりいってそう言った事への経験はない。それにだ。

 

「すいません。俺も無理です」

「え?」

 

と言って龍誠は部長の肩を押して顔を見る。

 

「俺、好きな人が居るんで」

「そ、そう。それは知らなかったわ」

 

部長は驚いた表情を浮かべていた。まぁ当然だろう。そう言う話しはしてこなかったんだし……と言うか居ると言うか居たという方が正しいんだが今はそんな話は良い、お陰で冷静になれた。

 

序でに嫌な記憶も思い出しちまったがまぁ良い。いや良くないんだけど。

 

そう思っているとまたもや魔方陣が現れて、その中からあらわれたのは銀髪の……メイドさん?

 

「お嬢様。まさかこのような形で破談になさるおつもりですか?」

「グレイフィア。随分速いのね」

 

仕事ですから。と言ったグレイフィアと呼ばれたメイドさんは立ち上がった部長に上着を着せながら此方を見る。

 

「初めまして。グレモリー家でメイドをしております。グレイフィアと申します。貴方が新しいお嬢様のポーンですね?」

「は、はい!万丈 龍誠と申します!」

 

やべぇ、俺の第六感がビンビンに危険信号を発してる!と龍誠は思わず正座しながら答えた。この人マジでやばい。ヤバさで言ったらこの前のレイナーレが赤ちゃん処か胎児レベルに感じるほどだ。だがそんな様子の龍誠にグレイフィアは恭しく頭を下げると、

 

「敵意はございません。寧ろ冷静な判断をしていただいた様子で感謝を申し上げたいくらいです。どうもお嬢様は昔から何かを決めると後先を考えない所がありますので」

「嫌みかしら?グレイフィア」

 

グレイフィアの言葉にリアスは頬をひくつかせるが、涼しい顔でそれでは参りましょうかと魔方陣を作り出す。すると、

 

「ごめんなさいね。龍誠」

 

ギュッとリアスに体を抱き締められ、龍誠は思わず良い匂いやら柔らかさやらで耳まで真っ赤になる。そして、

 

「じゃあまた明日」

 

そう言って彼女はグレイフィアと共に消えていく。その姿を見送りながら龍誠は大きく息を吐いた。

 

もう自分の中では決着をつけたつもりだったがまだ全然ってところだったな。

 

「香澄……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局昨日はどうしたんだよ。結局来ねぇし」

「悪かったよ」

 

昨晩のリアスの来訪後、龍誠は結局そのまま寝落ちしてしまったため放課後、戦兎には文句を言われていた。

「つうかそう言えば昨日部長から龍誠はいるかって電話来たんだけどなんか合ったのか?」

「まぁ……色々」

 

等と口ごもりながらいると、後ろをチョコチョコ着いてきていたアーシアが口を開く。

 

「あの、龍誠さんと戦兎さんって仲が良いんですね……」

『ん?』

 

アーシアの言葉に二人は振り返りながら、まぁ付き合い長いしと言うと、

 

「やはりあの噂は……」

 

噂?と龍誠がアーシアに聞く。一体なんだそれは?と対して身構えずに居た。だが、

 

「お、お二人は恋仲だと!」

『ぜってぇねぇよ!!!』

 

アーシアが放った爆弾に思わずずっこけそうになりながらも全力で二人は否定する。

 

「なんだってこんな猿と付きあわにゃならんのだ!」

「俺だってお前みたいな機械フェチなんぞと付き合うか!」

「誰が機械フェチだ俺だって普通に女の子が好きだわ!ボケ!」

「誰がボケだ!そう言ってるけどお前今まで彼女無しじゃねぇか!」

「彼女ができねぇんじゃねぇんだよ!作らねぇだけだ!」

「じゃあ龍誠さんは彼女はいらっしゃらないんですか!?」

『え?』

 

二人揃って喧嘩をおっ始める中、ズイッと顔を近づけて聞いてくるアーシアに龍誠は顔を背けながら、

 

「ま、まぁな……」

 

そう答えると、アーシアはパァッと顔を明るくしてなら良いですと言って部室にスキップでもしそうな勢いで行ってしまう。

 

「どうしたんだよアーシアの奴」

「白々しい嘘いってんじゃねぇよ。ガキじゃあるめぇし気づいてんだろ?」

 

戦兎がジト眼で言うと龍誠は表情を曇らせて、

 

「さぁな。知らねぇよ」

 

と足早に歩き出してしまう。その背中を見ながら戦兎は肩を竦め、歩き出す。そんなことをしながらも歩いては居たのですぐに部室には着いたのだが、

 

「リアス。やはり式は派手にやった方がいいよなぁ?」

「何度も言わせないでちょうだい!しないといってるでしょう!?」

 

誰かが居た。金髪のイケメンなのだが着崩したスーツの姿からどこかホスト風に見える男が馴れ馴れしくリアスの肩を抱いている。明らかに彼女の方は嫌がっているが……

 

「おい!あんたなにしてんだ!」

「ちょ、ちょっと待って龍誠くん!」

 

思わず飛び掛かりそうになった龍誠を止めたのは祐斗で、なんで止めるんだよ!と叫ぶと相手の男はフフンと笑う。

 

「お前達がリアスの新しい眷属か」

「誰だお前は!と言うか部長に馴れ馴れしいんだよ!」

 

手足をジタバタと暴れながら龍誠が叫ぶと、

 

「この方はライザー・フェニックス様です」

『っ!』

 

突然の背後からのグレイフィアの声に、驚いたのは龍誠だけではなく戦兎やアーシアに龍誠を抑えていた祐斗まで吃驚眼になっていた。だが、彼女が続けた更なる言葉に驚愕することになる。

 

「更に言えば、リアスお嬢様の()()()でございます」

『……えぇええええええええ!?』

 

余りにも突然の言葉に、龍誠達は驚愕の叫びをあげたのだが、それは始まりだったことはまだ知らなかった。


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