ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「サイラオーグさんとのレーティングゲームを前に記者会見に臨むが……」
龍誠「いやぁ、暫く部長の機嫌が悪くて大変だったぜ」
匙「寧ろそれで済むだけで御の字じゃねぇか。うちだったらヤベェ何てもんじゃなかったぞ……」
龍誠「ソーナ会長厳しいらしいしなぁ~」
戦兎「とまあそんな感じでやっていく72話スタートです」


想い

「ふぅ……」

 

現在夜。龍誠は自宅の地下にある巨大風呂に備え付けてあるサウナで汗を流していた。

 

サイラオーグとのレーティングゲームもあるし学園祭の準備も佳境だ。

 

今回のオカルト研究部としての出し物は、占いとかお祓いを組み合わせたカフェ的なものをということになっている。

 

因みに何気に準備では戦兎が一番活躍してたりする。ニンニンコミックに変身すると、分身して力仕事やコミックフルボトルの力でポスターや飾り付けの絵を描いている。あれ何気に肩揉み機能とか着いてるらしい。

 

そう言う遊び的な機能があるのは戦兎故だろう。それにしても、

 

(大丈夫なのか……)

 

龍誠は拳を握る。記者会見の時も言われたが、自分にはクローズしかない。ビルドみたいな多彩さはなく、強化と言ったら昇格(プロモーション)しかない。

 

あのあと真面目に頼んだのだが戦兎曰く、クローズはある意味あれで完成しているらしい。

 

ビルドは多様性による場面に合わせた戦闘が目的の装備。だから様々なフォームチェンジや強化アイテムによる拡張が必要だが、クローズは自分専用にドラゴンフルボトルの力を加えた近接特化。龍誠の実力が如実に反映される都合上、実を言うと大きな強化アイテムと言うものが必要ないらしい。

 

単純にハザードレベルを上げるか身体能力を鍛えた方がクローズは速いとのこと……

 

まぁあとビルドの強化アイテムは元々昇格(プロモーション)とライダーシステムを組み合わせるのが目的だったのに対して、龍誠は元々変身してても昇格(プロモーション)出来るというのも理由らしい。つまり今のままでは強化アイテムの方針が決まらないらしいのだ。

 

「そう考えると地道に筋トレの方が良いよなぁ」

 

そう思ったらじっとして居られないと龍誠はシャドーボクシング。すると、

 

「何してるの貴方は……」

「っ!」

 

サウナに入ってきたのはリアスである。突然の彼女の登場に龍誠は腰にタオルを巻いてあって良かったと思いつつ、

 

「す、すいませんすぐ出ます!」

 

先に入ってたのは龍誠だ。だがこういう場合そんな論戦をする余裕はないので、龍誠は慌てて出ようとするが、

 

「良いじゃない。少し話しましょ」

 

そう言ってリアスは龍誠の腕を取ると、そのまま座らせて自分は隣に座った。

 

ゴクリと龍誠は唾を飲む。サウナの中のリアスは既にシットリと汗ばみ始めているようだ。だからか妙に色っぽい。

 

「緊張してる?」

「え、えぇまあ……敵はサイラオーグさんだけじゃないですしね。戦兎が強化アイテム作ってるとはいえ、あいつがそれを披露する前にやられちまったら元も子もないですし、俺も情けないこと出来ませんから」

 

そうね……と言いつつリアスは体を寄せてくる。

 

「大丈夫よ。貴方も戦兎も頼りにしてるわ」

「は、はい」

 

だが龍誠はそれどころじゃない。リアスの柔肌が……少し濡れた体が自分に密着している。

 

クラクラするほど興奮して鼻血が出そうだ。しかしリアスは更に密着してきて、

 

「こうやって触ると龍誠って鍛え込んだ良い体ね」

「そ、そっすか……」

 

心臓がドキドキと喧しく鼓動する。そんなリアスは龍誠の胸に耳を当て、

 

「ドキドキしてる……」

「そ、そりゃあこれだけくっつかれてたら」

 

顔を逸らしながら龍誠がそう言うとリアスは、

 

「ねぇ龍誠、私達ってどういう関係なのかしらね?」

「そ、そりゃあ主と眷属……」

 

と言う距離じゃない。と言うかリアスの気持ちだって分かってるつもりだ。

 

だからリアスの質問の意味もその期待している答えも……

 

バカなりに考えて来たつもりだ。ちゃんと戦兎に頼らず、自分で感じた事を自分で解釈して考えて……

 

(みましたけど未だに答え出てないんだよなぁ!)

 

タパーと涙を流しながら龍誠は思う。だって皆良い子だし可愛いし……でもじゃあ皆一緒にってそれはそれでどうよと思う。

 

「そう、ね」

 

明らかにリアスは悲しそうな顔になった。これ以上引き伸ばせばリアスを悲しませてしまう。龍誠はそう感じた。

 

すると、

 

「え?」

 

ギュッと龍誠はリアスの手を取り、顔を覗き込む。

 

「だって皆大事なんです。部長の想いもわかってるつもりです。でも皆の想いだって分かってる。俺バカだけど皆を傷つけたくないって思いはあるんです。だからって悪魔は重婚OKだからじゃあ皆とっていうのはどうかと思って……」

「貴方そんなこと気にしてたの?」

 

へ?と龍誠がポカンとしながら聞き返すと、リアスはクスクス笑って、

 

「あのねぇ、私も皆もお互い貴方への想いは分かってる。その上で貴方を想ってる。皆覚悟してる。だって皆から好かれる貴方が好きになったんだもの。だから貴方が良いなら別に一緒ってなっても良いのよ?でも……」

 

リアスは、ソッと龍誠の耳元に顔を寄せて囁く。

 

「その中でも一番にはなるけどね」

「っ!」

 

ゾクッと背筋に興奮が走る。気づけば龍誠はリアスを抱き締め、体が離れないようにしていた。

 

「ねぇ龍誠。私の事好き?」

「そ、それは勿論」

 

私もよ……と耳元で囁かれ、龍誠の中で何かがガラガラ崩れていくのを感じる。そしてリアスはトドメとばかりに、

 

「リアスって呼んで、そしたら……私を好きにして良いから」

「……り、リアス!」

 

龍誠の中で完全に何かが壊れた。

 

まぁその後何があったのかは秘密として、

 

「サウナでのぼせるとかお前バカだろ」

「うー」

 

パタパタと団扇で戦兎に扇がれる龍誠の姿と、

 

「あらリアス。随分肌の調子が良いんじゃない?」

「え、えぇちょっとね」

 

と妙にツヤツヤしたリアスが居たらしいのだが、何があったのかは謎である。謎と言ったら謎である。




二人の間で何があったんでしょうね?(すっとぼけ)

と言うわけで最近ちょっと筆がノってます。次回からはレーティングゲーム戦なのでガンガン書いていきたいですね。

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